以前紹介した『週刊少年マガジン』昭和43年50号から3か月後に発売された、『週刊少年サンデー』を入手したので御紹介しましょう。
目玉のカラーグラビア記事は「火星大探検」。
アポロ11号による人類初の月面着陸が1969年。
その前年の発売です。
月より遥か遠くまだまだ未知の惑星だった火星は、少年たちの興味を引くには格好の題材でした。
構成が「サンデー科学図解班」となってます。
これは知りませんでした。
こんな班があるという事は、この号以外にも科学的な企画の構成をやっているという事です。
色々入手して検証したいところです。
著名なイラストレーターである「長岡秀星」さんがまだ本名で、とても魅力的な火星探査船を見開きカラーで描かれてます。
マガジンのグラビア記事で紹介した「小松崎茂」さんの見開きカラー画も。
迫力あるイラストだけでなく、子供心をくすぐる火星人の絵や豆知識もあります。
その昔は火星人は存在して、地球に攻めてくるSFもありました。
H・G・ウェルズというSF作家の『宇宙戦争』という作品を、俳優の「オーソン・ウェルズ」がラジオで朗読した話は有名です。
余りに真に迫った朗読は聞いている人たちが今まさに火星人が襲来していると勘違いし、パニックを起こした。
その様を描いた映像作品も作られてます。
私はいつだったか憶えてませんがテレビで観てます。
「オーソン・ウェルズ」と『宇宙戦争』がパニックを引き起こした話は知ってました。
だからこの映画もとても面白く見ましたよ。
その頃は科学の発達もまだまだで、ラジオで火星人が攻めてきたと放送されればそれを信じちゃうのは無理もない話だなと、ずっと私の中では古い時代の微笑ましい、と言えば少し語弊があるかもしれませんが好きなエピソードだったんですよ。
ところが今回記事を書くに当たって色々調べたところ、このパニックはデマで実際は無かったとなってるじゃありませんか。
「え~、マジか!」ですよ。
長年信じ込んでいた話が実は違っていた衝撃は、少しばかり大きかったです。
でもこの衝撃も「へ~、そうだったんだ」と新たな知識として受け入れる楽しさもあります。
ネット情報なので真実は如何にですが、検索して出てくる情報を読んでいると面白いですね。
インターネット以前を長く生きてきた年寄りの私ですが、ありがたい時代になったと痛感する次第です。
「オーソン・ウェルズ」と言えば『第3の男』という映画が有名ですが、藤子不二雄Aさんの『まんが道』に出てきますね。
主題曲で奏でられる弦楽器の旋律がとても魅力的です。
ビールのコマーシャルで使用されて、誰もが一度は聞いたことがあるメロディーでしょう。
ってだいぶ話が逸れました。すいません。
21世紀の現在では火星の実態はかなり解明されていると思います。
しかし未だ有人探査は行われてません。
いつの日か人類が火星の地に降り立つ日は来るのでしょうか。
21世紀がまだまだ先の話だった当時を伺わせる、貴重な全16ページのカラーグラビアです。
また「科学新聞」という記事ページには、NASAが打ち上げに成功した火星観測機に触れられてます。
2月24日の打ち上げ成功を3月7日に発売する雑誌の記事にするのはなかなか早いと思いますが、当時の締め切り事情はどうなんでしょうね。
時事的な記事ではこれが普通だったのでしょうか。
ちなみに予告に書かれてますが、この当時『マガジン』も『サンデー』も東京都区内は金曜発売だったんですね。
いつから水曜になったんでしょう。気になります。
では目次ページに移りましょう。
次号に掲載される手塚治虫さんの「0次元の丘」に触れてあるのがいいですね。
14号も手に入れたいところです。
「創刊10周年記念メガトン大企画」の6番目に「世界のプロ・スパイ100」という特集があります。
スパイもまた子供にとって魅力ある題材ですね。
というのも当時『スパイ大作戦』というアメリカのテレビドラマが放送されていたんですよ。
また今回調べて初めて知りましたが『プロ・スパイ』というこちらもアメリカのテレビドラマの放送も始まっており、この記事は『プロ・スパイ』に乗っかった形です。
にしても「スパイ」のタイトルロゴが『スパイ大作戦』と全く同じなのが緩い時代を象徴してますね。
内容がまたスパイに関する怪しい豆知識が満載で、全ページ紹介したいくらい面白いんですよ。
そして私が大好きな「石原豪人」さんもイラストを描かれてます。
モノクロ記事なのが少し残念ですが、苦悶する表情は「石原豪人」さんならではの迫力です。
目次構成も『マガジン』昭和43年50号とほぼ同じです。
企画記事が先にあり、連載漫画は後になってます。
もっともこの『サンデー』の企画は創刊記念で、赤塚不二夫さんと横山まさみちさんの作品が入っているので少し事情が違うところではあります。
漫画の連載陣も『マガジン』同様豪華ですね。
昭和30年代から40年代にかけて、漫画が勢いを増していった時代の児童向け雑誌は我々世代にとって魅力満載です。
また入手出来ましたら御紹介したい所存です。