『週刊少年マガジン』1978年12号。
『翔んだカップル』新連載です。
それまでの柳沢さんの作品を踏襲したドタバタラブコメディとして始まりました。
この時私は高校2年生でしたが、小学校の頃から「柳沢きみお」さんは馴染み深い漫画家さんでした。
初連載の『いい湯だな』は『月刊少年ジャンプ』で、『女だらけ』は『週刊少年ジャンプ』でリアルタイムで読んでます。
その後も『週刊少年チャンピオン』で『月とスッポン』、『週刊少年キング』で『すくらんぶるエッグ』と少年時代の私の漫画生活に寄り添ってくれました。
『翔んだカップル』新連載は、何となくですが覚えてます。
『すくらんぶるエッグ』は主人公が中学生。家族と喧嘩して一人暮らしを始める話でしたが、今度は高校生が親元を離れて暮らす設定。
細かい状況は違いますが「ああ、似た感じで始めたのね」と思った記憶があります。
『翔んだカップル』は話が進むにつれ、段々とシリアスな展開になっていきます。
手元にコミックスが無いのでどのあたりからシリアスに移行していったかの検証は出来てません。
連載中ずっと『マガジン』は読んでましたが元々細かい変化をあまり気にしない読み方ですので、「いつの間にか何かだいぶ雰囲気が変わったな」くらいの捉え方でした。
連載終了の頃は高校を卒業してせっかく行かせてもらった大学も中退し、適当に生きていたせいか最終回を読んだのは記憶から抜けてます。
でも1980年夏に公開された実写映画は観に行きましたよ。
中退前の大学1年生。
夏休み中帰省して、バイトしていたレストランの社員として働いていたウエイトレスのお姉さんと行きました。
若い若い頃の淡い思い出です。
『まことちゃん』は失礼ながらあまり内容を憶えてません。
しかし『翔んだカップル』はこの時一度しか観てないのですが、細切れながら今も憶えてます。
そして同時期に放送されたテレビ版の『翔んだカップル』もよく観てました。
このとき大阪在住だったのですが、放送時間や曜日は東京と違っていたように思いますがこれはちょっと自信ありません。
家庭用の録画機器など高価で高嶺の花だったあの頃は見逃したら終り。
頑張って毎回欠かさないくらいには観てました。
だって無茶苦茶というかハチャメチャというか、ドラマなのにこんな番組これまで無かったんですよ。
いやあったかもしれませんが私は初です。
ドハマりしましたよ。
映画にテレビドラマにと実写になって盛り上がりを見せた『翔んだカップル』ですが、1981年に一旦連載を終了します。
その後掲載を変えて息長く続編が描かれ、大人になった世界まで進んでます。
しかし恥ずかしながら私は2作目以降未読です。
これは特に理由があるわけではなく、たまたま読まなかっただけでいつでも読む気はあったんですよ。
「そのうち読む」、が今に至っている次第です。
今回の記事を書く際に続編を探しましたが見つかりませんでした。
何度も書いてますが「探すときには古書店に無い」は本当にあるあるです。
でも手に入れさえすれば一気読みをする楽しみがあります。
ネットで物を買う習慣が無く本も紙じゃないと読む気がしない昭和アナログじじいですが、マメに古書店を覗いていれば時間の問題で入手出来ると考えてます。
『翔んだカップル』連載終了から柳沢さんは活動の場を青年誌に移し、ここからも多くの名作を生み出していきます。
これは私の推測ですが、柳沢きみおさん御自身も30歳を超えて描きたいテーマが変わったからではないでしょうか。
これがまさに私の成長過程にぴったりハマります。
『翔んだカップル』連載の時は作中の主人公たちと同じ思春期です。
その後の青年誌に発表される作品のテーマは20歳を超えた私にとって、とても面白く読めるものでした。
『妻をめとらば』という作品の主人公が「30歳になっちまった」と落ち込むのを『ビッグコミックスピリッツ』で読んだのは私が30歳になる直前。
小学校の頃から読んできてこんな奇妙な偶然もあって、「柳沢きみお」さんはとても思い入れが強い漫画家さんです。
残念ながら青年誌に発表された作品を全ては読んでません。
ただビッグコミックスピリッツは毎週買っていた時期が長く、『妻をめとらば』や『DINO』は面白く読みました。
『翔んだカップル』全シリーズだけでなく、以降の作品もまとめて一気に読みたいですね。
では『翔んだカップル』雑誌掲載の新連載とその週刊少年マガジン1978年12号を紹介しておきましょう。
目次に並ぶ豪華執筆陣にうっとりしてしまいます。
更に先日とてもとても残念ながらお亡くなりになられた「かざま鋭二」さんの『青春山脈』が巻頭を飾ってます。
表紙も目次もオールカラーとなってますが、現在はほぼ見なくなった「2色」です。
原作は梶原一騎さん。
梶原さんは同時に『四角いジャングル』も原作を担当されてます。
少年漫画週刊誌の同じ時期に二つの作品の原作をこなす。
改めて梶原一騎さんの凄さを感じますね。
そして新連載の『翔んだカップル』も2色ページが扉絵を入れて9ページです。
モノクロページは16ページで第1話は全25ページ。
昭和世代にはこの「2色」のページはとても馴染み深いですね。
姿を消した理由は色々あるのでしょうが、この2色ページも古い雑誌を楽しむ大きな要素です。
そして目次の「プレゼント」欄に「ミニゲームまつりでハワイへいこう」とあります。
このミニゲームが凄いんですよ。
裏表紙裏の広告ページにカラー写真で載ってます。
ほかにも4名の漫画家さんの物が続々登場となってます。
私は長年古書店や懐かし物のお店を見て回り、街の古書店で従業員として働いた経験もあるのですがこれは見た記憶がありません。
ゲーム版や付属品のイラストやキャラクターも描かれていて、実物を見たいですね。
こんなプレゼント企画や広告もまた、古雑誌を堪能する大きな楽しみです。