麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』。今回は、次回放送の「このマンガがすごい!芸人楽屋編2021下半期」を紹介していきます(放送を見逃した方はTVerもご覧ください)。
『JUMBO MAX』ついにさんまに刺さる
川島 今回のテーマは「このマンガがすごい!芸人楽屋編2021下半期」! 今までこのコーナーからいろんな作品が巣立っていきました。
山内 発掘してる感、すごくあります。
川島 芸人の楽屋で話題になってるマンガを、勝手に紹介してるだけなんですけどね(笑)。でもすごいよね、芸人のアンテナというのは。
山内 ハズレがないですね。
川島 今回は宝島社が毎年発表している「このマンガがすごい!」との2度目のコラボ企画です(前回の模様はこちら)。『JUMBO MAX』は1位にして本当によかった。一番ハネたんじゃない? 髙橋ツトム先生もこの番組に来ていただきましたし。もともとはクロスバー直撃の前野くんが「おもろいですよ」と山内くんに紹介して、山内くんがこの番組で紹介したんですよね。僕もここで初めて知りました。僕、このマンガをついにさんまさんにぶつけましたからね(笑)。
山内 ど、どういうリアクションだったんですか!?
川島 みんなでさんまさんにおもろいマンガをプレゼンする流れで、「これはもう『JUMBO MAX』で行くしかない」と思って紹介したんですけど、「帰り道で買うわ!」とおっしゃってました。
山内 さんまさんに刺さったら、もう間違いないですね。
川島 ではまず、僕が紹介するノミネート10作品を紹介させていただきます。
川島 今、業界購読率ナンバーワンじゃないでしょうか。天動説をテーマにしたシリアスな作品です。ジャニーズWESTの重岡(大毅)くんとよく連絡を取り合ってるんですけど、重岡くんはこの番組で『チ。』を知ったんですって。それですぐ買って読んだらしくて。で、今は二人でLINEで考察しあったりしてます。これは僕の中では不動のベストテンですね。
山内 楽屋ではめちゃくちゃ話題ですね。
川島 まだ既刊5巻なので、読んでない方はぜひ。「この角度のマンガはなかったな」という名作です。
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山内 これはめちゃくちゃ面白い。濱家も読みました。
川島 これは切り口がすごいんですよ。元カノに「精子をくれ」と言われたらどうしますか?みたいなところから始まるんですけど、1巻読んで、2巻からだんだんヒートアップしていくんです。「こんな人間ドラマあるんだ」という。このマンガの良さを共感したくて、人見知りの栗原類くんが僕の楽屋を訪ねてきたくらい、エネルギーのあるマンガです。
山内 米代先生のタイトルセンスもいいですよね。語呂の良さがあるというか。
長田悠幸・画/町田一八 ・作『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』
川島 この番組ではまだ紹介していない作品です。タイトルだけ見て、どんなマンガだと思いますか?
山内 「ジミなわたしとヘンなおじさん」と書いてるから……志村さん?
川島 違います。「SHIMURA EXPERIENCE」ではございません。カタカナの部分だけ読んでみてください。
山内 ジミ……ヘン……ジミヘン!? あの、ミュージシャンの?
川島 そうなんです。高校で英語教師をしている本田紫織先生のもとに、伝説のロックミュージシャン、ジミ・ヘンドリックスが憑依してくるという話です。で、紫織先生の首裏にあるジャックにギターのプラグを入れると、演奏がジミヘンになっちゃうという。
山内 じゃあ「ヘンなおじさん」ってジミヘンのこと?
川島 そうです。でもこれ、設定が面白いだけじゃなく、青春激アツマンガでもあるんです。読んでいると本当に胸が熱くなります。『BLUE GIANT』とはまた違う方式で、音楽が聞こえてくるようなマンガなんです。しかも出てくるミュージシャンはジミヘンだけじゃないんですよ。他にも若くして亡くなった伝説のミュージシャン……ニルヴァーナのカート・コバーンや、ジャニス・ジョプリンも出てくる。ちなみにこれをすすめてくれたのは、サバンナの高橋さんです。僕はこのマンガ、今の時代と相性がいいと思うんですよ。
山内 どうして?
川島 今はジミヘンを知らない人も多いじゃないですか。僕らだって、別に詳しく知ってるわけじゃないし。マンガの中で「パープルヘイズ」という曲をクラスの生徒の前でジャーンと鳴らして、みんなが唖然となるシーンがあるんですけど、実際にどんな音が鳴ってるのか、今は動画サイトですぐ確認できるじゃないですか。そういうところが時代と相性がいいと思うんです。ちなみに作者の長田さんは、森田まさのり先生とM-1の予選に出てた人ですね。
山内 あ、あの人なんですね!
原作:浅倉秋成/漫画:小畑健『ショーハショーテン!』
川島 で、そのつながりでいうと、この『ショーハショーテン!』なんですけども。これはジャンプSQ.で連載が始まったばかり、今この時点ではまだコミックスが出ておりません。原作は朝倉秋成さんなんですけども、漫画を担当しているのは『DEATH NOTE』『バクマン。』の小畑先生。あの小畑先生が芸人を描いてるんです。漫才コンビの話なんですよ。で、これは誰にすすめられたかというと、森田まさのり先生なんです。
山内 森田先生もお笑いのマンガを描いてますよね。
川島 森田まさのり先生からある日突然、LINEが来まして。森田先生は『べしゃり暮らし』をヒットさせていて、お笑いマンガの第一人者なのに、「『ショーハショーテン!』読みましたか?」というLINEが来たんです。「絶対読んでください」と。「読むまではすべるすべると思ってましたが、やられました。めちゃめちゃおもろいです。これヒットするんやろうな。機会があればぜひ」というメッセージが来たんですよ。
山内 あの森田先生がそこまで。
川島 そこまで森田まさのり先生に言わせるマンガなんです。「なんとかダメなところを探そうとしましたが、ありませんでした」。森田先生がダメ出しできない、それくらい今後めちゃくちゃ流行るマンガですよということで、ノミネートさせていただきました。
川島 お待たせしました。マンガについては僕が絶大なる信頼を寄せている、ムーディ勝山の推薦でございます。なにしろ、人間では考えられない圧倒的な時間をお持ちなので(笑)。そのありあまる時間を使って、おそらくこの世のすべてのマンガを読んでいる中で、今年のムーディ大賞がこの『東独にいた』です。絵柄はポップなんですけど、ストーリーはかなりシリアスなんですよ。東独ということはつまり、ドイツが西と東に分かれていた時代のお話なんですけど、ちょっとSFなんですよ。これは山内さんは絶対好きですね。
山内 実はこれ、おすすめで出てきてるんですよ。で、まだ買ってないという。
川島 じゃあすぐ買ったほうがいいです!
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芸人界でもっとも話題になったのは『ルックバック』
川島 芸人界で一番話題になったのが、この『ルックバック』。『チェンソーマン』でブレイクされた藤本タツキ先生の作品です。「エヴァンゲリオン」くらい深い考察ができるマンガで、ふだんマンガ読まない人でも「『ルックバック』読みました?」と話題にしているくらいです。これ1冊で読み切りなんですけど。
山内 単行本が薄いですね。普通のマンガの半分くらい。その薄さだったら、普通は読み切りをためて一緒につけますよね。
川島 そう、そこなんですよ。それをしないというこの潔さ。炭酸では割りませんよと。読んだあと、マジ10分くらい動けなくなるんですよ。後半10Pくらいはセリフがなくて、ただただ物語が進んでいく。で、『ルックバック』というタイトルの意味もわかるんですけど。これはもうネタバレしたくないので、とにかく読んでいただきたい。で、読んだあとにもう1回読み直すと、「そうだったのか」という仕掛けもあります。いろんな芸人が推してる作品です。
原作:此元和津也、P.I.C.S./作画:肋家竹一『オッドタクシー』
川島 これはアニメで話題になりましたね。
山内 ダイアンの津田さんがこれのこと、めっちゃ言ってます。
川島 だってアニメの声優やってるからね。
山内 あ、そうなんですか!
川島 アニメでまずブレイクしたんですけど、ダイアンとかミキとか、トレンディエンジェルのたかしとか、いろんな芸人が声優で出てて。オープニングはダイアンの声から始まるんですけど、収録では自分のセリフを読むだけだから、ストーリーの面白さをわかってなかったんですって。で、オンエアされて、あちこちで評価が高くなってから、津田がノリ始めたという(笑)。
山内 ダサいですね(笑)。
川島 アニメは配信やDVDでも見られるんですけど、それがコミカライズされてマンガにもなったんです。かわいらしい表紙なんですけど、上半期見たアニメの中では一番面白かったです。これも天津の向くんはじめ、いろんな芸人さんからおすすめされてます。
川島 『オッドタクシー』の作者、才能すごいなと思うんですけど、その流れで『セトウツミ』を紹介します。
山内 あ、一緒の作者なんですね。
川島 これも天津の向くんに聞きました。「『オッドタクシー』、めちゃハマってんねん」と言ったら、「じゃあ『セトウツミ』も読んでみてください」とおすすめされて。めちゃくちゃ日常系のマンガで、主人公は二人の高校生、瀬戸と内海なんですけど、これもお笑いなんですよ。いわばこの二人の日常会話がめちゃくちゃ漫才になってるんです。間とかボケが非常に芸人っぽい作りで、「普通にネタで使えるやん」みたいなボケもいっぱいあります。疲れたときにも読みやすいですね。この二人のテンションが低いので。
髙橋ツトム『ギターショップ・ロージー』
川島 この番組にも来ていただいた、髙橋ツトム先生の作品です。簡単にいうと、おっちゃん二人がギターショップをやってて、ギターの修理に毎回お客さん来るんですよ。「これはおじいちゃんが昔使ってたギターで、この音色をおばあちゃんに聞かせてあげたい」みたいな。そういう人情物語が、1話完結で描かれていく。仕事場紹介のVTRにも出てましたけど、髙橋先生はギターをたくさんお持ちじゃないですか。ギターが好きすぎる人なので、このマンガでもギターを正確に描いてるんです。ギターの勉強にもなるし、1話1話、人情物語が展開されてもいく作品です。
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山内 これ読みました。おもしろかった。
川島 編集者の金城さんに来ていただいた回で紹介してもらったんですけど、収録終わって楽屋に帰った瞬間に買ってましたね。上下巻しかなかったのにめちゃくちゃおもしろかった。「この表紙でこんなことになる?」っていう。
山内 まったく普段買うタイプの絵のタッチじゃなかったんですけども、読んでみたら、どんどん引きこまれてストーリーも抜群に面白かった。超感動しました。
川島 人類最後を描いたマンガ、しかも読みやすい。けっして筆圧が高くない。でも、ただただ死ねない。
山内 金城さんが「もっと売れてほしいマンガ」だと言ってましたけど、本当に同感でした。
川島 映画でもやってほしいなと思うくらいの作品でしたね。以上が私がおすすめする「このマンガがすごい!芸人楽屋編2021下半期」ノミネート作品でした。
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武論尊に「そう来たか…!」と言わせたマンガ
山内 次は僕が調べてきたノミネート10作品です。先に言っておくと、ほとんどクロスバー直撃の前野さんの推薦です。
川島 もう前野呼ぼうよ(笑)。前回の1位も前野の推薦だし。
山内 『北斗の拳』に憧れている主人公には、仕返ししたい人がいる。それで暗殺拳を極めようと思っていたら、人体のツボをマスターして、すごい整体師になっちゃったというお話です。ギャグマンガの設定ではあるんですけど、それ以外の部分もけっこう面白くて。復讐したい相手が病気で死にそうだから、自分の手で殺すためにその病気をやわらげてあげるという、よくわからない状況も出てきます。
川島 倒すために治す(笑)。
山内 今までなかった切り口で面白いですね。1巻の帯を『北斗の拳』の武論尊先生が書いているんですけど、そのコメントが「そう来たか…!」(笑)。
川島 「いろんなマンガ家にパロディされてきたけど、その角度でいじるんだ」みたいな。この番組のガチアンケートで、和山やま先生が挙げたんですよね。そのときは僕まだ知らなかったから、それきっかけで読んだんだと思う。「真顔でボケる」というのが両先生に共通してあるね。これは誰の推薦?
山内 前野さんです。僕が何も言わなかったら、もう前野さんの推薦だと思ってください。
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山内 『闇金ウシジマくん』の真鍋先生の作品です。TBSの坂本プロデューサーから教えてもらいました。主人公は九条間人(くじょう・たいざ)という弁護士なんですけど、反グレやスジ者と呼ばれる人たちの弁護をしてて、あまり評判がよくないんです。でも実は自分の中にある信念を曲げず弁護してる弁護士で、巻が進むごとに「意外にいいやつやんけ」みたいな印象になっていきます。1巻に出てくる、壬生さんという半グレのボスみたいな人がいるんですけど、最近仕事でパーソナルジムに行ってトレーナーと話してたら、「理想の体っていうのは『九条の大罪』の壬生さんですね」と言ってましたね。「だいぶ体を鍛えてる人が描いてると思いますよ」とも言ってました。
川島 体の構造がちゃんとわかってると。
山内 上半身のパンプアップ具合とか、下半身のバランスとか、かなり見ていないと描けないやつらしくて。
川島 真鍋先生って取材力がすごいからね。
山内 『ウシジマくん』のときもいろいろ取材に行かれてましたよね。 『九条の大罪』はまだ4巻しか出てないので、今からでも読んでほしいです。
川島 山内さん、これ推してますねー。
山内 推薦者は僕です。「僕が最初に言ったんだぞ」としておきたいんですよ。自分まわりのディレクターとか後輩とか、全員にすすめてるんですけど、みんな面白いと言ってますね。これ本当に、『呪術廻戦』が好きな人はめっちゃハマるマンガだと思ってて。簡単にいうとエクソシストをやっている人が日本に来るんだけど、エクソシストは日本でいうと退魔師という言葉で呼ばれていて、日本で起こっている超常現象をこの退魔師が解決していくという話です。出てくる登場人物の必殺技や能力、敵の暗殺者のキャラもハンパなくて、僕はこのマンガ、来ると思います!
原案:板垣恵介/原作:猪原賽/漫画:陸井栄史『バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ』
山内 これも推薦者は僕なんですけど。
川島 山内さん、友達おらんの(笑)!? だいたい前野か山内やん。
山内 知ったきっかけが、この番組の打ち合わせで。「転生もの」みたいな枠にちらっと書いてあったんです。で、「なんなんそのタイトル?」と思って、そのあとこっそり買ったら面白くて。『グラップラー刃牙』の烈海王が異世界転生して、転生した世界ではいろんな化け物が出てくる、魔法も出てくるんですけど、烈海王だけは烈海王の技で戦うんです。RPGみたいにいろんなことをやっていい世界で、烈海王は中国拳法だけで戦う。
川島 そこがファンとしては非常に気持ちがいいよね。
山内 異世界転生ものが流行ってますけど、これは新しいなと思って。
川島 板垣先生も認めてましたからね。「まあ、いいんじゃないの?」って(笑)。
山内 あれ、認めてたんですかね(笑)? これは刃牙ファンにも転生ものファンにもぜひ読んでほしいと思います。
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川島 これ知らないな。
山内 これはクロスバー直撃の前野さんが……。
川島 楽屋でもっといろんな人としゃべれって(笑)!
山内 前野さんだけが僕に近寄ってくるんです。いま楽屋で僕にマンガの話してくる人は、クロスバー直撃の前野さんと、よしもと新喜劇の名前も知らない人だけです。
川島 新喜劇の名前も知らない人、たしかにおるけども(笑)。先輩か後輩かもよくわからんような人。ルミネの楽屋には毎日いるけど、舞台に出ているのを見たことがない。でもマンガが好きなんですよね。
山内 主人公は銃が好きな少年で、普通に暮らしていたんですけど、ある日、父親を謎の男に殺されるんです。で、父を殺したのは、なんと桃太郎の末裔だった。そこで自分が鬼の末裔だと知るんです。実は現代でも鬼と桃太郎の対決が続いていたという設定で、自分が鬼と分かってからは鬼の能力がどんどん目覚めていく。鬼にはいろんな種類がいて、それぞれがジョジョでいうスタンド的な感じで特殊能力を持っているんです。で、桃太郎側も桃太郎側でいろんな特殊能力を持っている。で、桃太郎チームVS鬼チームみたいな感じで戦っている……という話です。めちゃくちゃ人気で、アニメ化がもっとも熱望されているマンガです……というのを、前野さんから聞きました。
ついにベストテン決定、1位に輝いたのは…
山内 これは千鳥のノブさんから聞きました。計算高くケンカが強いわがまま男ハルと、真面目でパソコンオタクのガクがビッグマネーをつかんでいく話です。二人がゼロから起業して、どうやって億万長者(トリリオン・ダラー)になるかを描いた起業ストーリーマンガなんですが、最初は貧乏アパートみたいなところから始まるんですよ。破天荒なハルがガクを起業しようと誘って、ガクはその話に乗るんですけど、ハルはどうやって金を稼ぐのか何も決めてないんです。そこからいろんなことをやって、どんどんビジネスを成功させていく。ノブさんも僕もお金大好きなので、お金儲けの仕方とかがリアルで楽しくて、ついつい見入ってしまいますね。まだ2巻までしか出てませんが、劇的に注目されているマンガです。
作画:アジチカ/原作:梅村真也/構成:フクイタクミ『終末のワルキューレ』
川島 これはもうブレイクしてますよね。
山内 これはアキナの山名から聞きました。神様たちの会議で「人類を滅ぼす」と決まるんですけど、その中に「いや、それはやめましょう」という神様がいて、「神様代表と人間代表で対抗戦をして、人間代表が勝ったら、人類滅ぼすのやめませんか」と提案するんです。で、神様と人間、それぞれから選りすぐりのメンバー……人間だと呂布とか、佐々木小次郎とかが出てきて、有名な神様と戦っていくんです。神様のほうもギリシャ神話だけじゃなくて、いろんな宗教、いろんな国の神様が出てくる。人間側は佐々木小次郎のように応援したい人もいれば、切り裂きジャックみたいに歴史的な犯罪者も出てきて、そのバトルがおもしろいですね。
原作:はらわたさいぞう/作画:みやこかしわ『出会って5秒でバトル』
山内 これは前野さんも言ってたんですけど、最初に聞いたのは大阪の作家の友光(哲也)さんから。主人公が死んじゃうんですけど、死んだ後にある場所に飛ばされて、「そこでバトルを勝ち上がったら、復活できる」みたいなところに巻き込まれるんです。出会ったらその相手を倒していかないといけないんですけど、みんないろんな特殊能力が授けられてまして、主人公の特殊能力は「相手がその能力だと思った能力を使える」というものなんですよ。たとえば川島さんが、僕のことを時間を止められる能力の持ち主だと思ったら、僕は時間を止められるんです。
川島 あー、相手が思って初めて実現すると。おもろ!
山内 だから相手に自分がこういう能力を持っていると思わせないといけないし、1回使った能力を相手に知られたら、その相手と戦うときはずっとその能力しか使えなくなるんです。
川島 その設定、おもろ!
山内 主人公はディベートバトルが得意な主人公で、その能力を駆使しながら相手に自分の都合のいい能力を思わせて戦っていくという。
川島 ギャンブルにも通じるものがありますね。めっちゃおもろいねそれ。これはすぐ買おう。
山内 いかにも放送作家が好きなそうなマンガです(笑)。
山内 これ、注目してほしいのが、推薦者が千鳥の大悟さんというところで。
川島 え、あいつマンガほとんど読まないのに。
山内 ですよね。その大悟さんがついに動きました。僕は前から読んでたんですけど、大悟さんが「山内、『ドンケツ』読んでる? あれおもろいなあ」と言ってきて。内容的に、めちゃくちゃ大悟さんが好きそうなマンガですからね。で、第1章が完結したんですけど、第1章でいなくなったやつが、第2章でまた仕返しにきてるというストーリーなんです。ただ、この第2章の黒幕がまだ見えてきてなくて、主人公・ロケマサがどうやってそいつらと戦っていくか、みたいなストーリーになっています。
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山内 これは濱家が推薦者ということになってますけど、濱家は川島さんから聞いて読んだので、実質的に川島さんなんですが、本当におもしろいです。少女コミック的なタッチなんで、自分じゃ絶対買わないんですよ。主人公の足の細さも、とても人が死ぬようなマンガに思えなかったんで。
川島 かわいらしいSFマンガみたいな感じやからね。表紙だけ見ると。
山内 と思って読んだら、まったく違う。空気階段のネタみたいでした。ストーリーがぐんぐん動く。で、終わり方もいい。
川島 5巻で終わらすのがいさぎいいね。もっといけそうなのに。
山内 いますぐ読んで完結までいってもらって、そこから(同じ作者の)『往生際の意味を知れ!』に流れていってほしいですね。ということで、僕が調べてきた「このマンガがすごい!芸人楽屋編2021下半期」ノミネート10作品でした!
協議の結果、全20作のノミネートの中からベストテンに選ばれたのは、この10作品になりました。
なぜこの作品が1位に選ばれたのか、どんな話し合いでベストテンが決定したのかは、次回放送の「川島・山内のマンガ沼」をご覧下さい。
▼上半期のランキングはこちら
(構成:前田隆弘)
【放送情報】
次回放送
読売テレビ●12月4日(土)深1:32~2:02
日本テレビ●12月9日(木)深2:35~3:05
「このマンガがすごい!芸人楽屋編2021下半期」後編を放送。
(Tverでも配信中!)
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