静かな気迫を感じます。
マンガから訣別した人、マンガが上手く描けなくなった人、自分のマンガが認められない人。それぞれ事情はあるものの、皆命懸けでマンガと対峙していました。作り手にとってのマンガの魔力のようなものを感じる作品です。これからマンガを読むときの姿勢にも影響しそうな。余韻がすごいです。
連載中は塩澤さんの新雑誌創刊を軸に読んでたけど、単行本では長作くんのスランプ脱出の方がグッと来たかもな。娘のルナちゃんが長作くんの漫画のキャラを友達だって言ってくれる場面には泣いちゃいます。他にも色んなことが重なってスランプ脱出に繋がったんだろうけど、一番は長作くん本人が漫画に向き合うことを諦めなかったから成し得たことですね。最終回で塩澤さんが「漫画を作る過程にこそ喜びがある」と言ってたのと、3巻の帯文「人は呼吸し漫画となる」は意味が似てるなと思いました。もっと長く読みたかったなと思ったけど、単行本で一気読みしたら文句の付けようがないくらいベストな形でまとまってたので、これからは折に触れて何度も読み返していきたいです。
大手出版社を早期退職した漫画編集者の塩澤。理想の漫画誌を作るため、自分が信じる漫画家たちを訪ね、執筆を依頼する。漫画を描く者、描かぬ者、描けぬ者、東京の空の下、それぞれの人生が交差する。
大手出版社を早期退職した漫画編集者の塩澤。理想の漫画誌を作るため、自分が信じる漫画家たちを訪ね、執筆を依頼する。漫画を描く者、描かぬ者、描けぬ者、東京の空の下、それぞれの人生が交差する。