むちゅうさきみに
夢中さ、きみに。
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あらすじ
気になる君はうしろの席に――。WEBなどで噂の作品たちが待望のコミックス化。話題の作品「うしろの二階堂」は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。

2019年一番待ち望んでた1冊

ワヤマ先生のTwitterにて、商業単行本が発売決定がアナウンスされてからずっとワクワクしながら発売を楽しみにしていた作品。発売日に即読みましたが、**満足度が半端じゃない…!** https://twitter.com/wymaaa/status/1121737385413230592?s=20 **いやもう…期待通りの面白さが想像以上に最高で、もう読んで一片の悔い無し…はあ〜最高だった…最高🙏** 6編のうち前半4編は、林というちょっと変わった少年をめぐる群像劇で、そのうちの1編がTwitterで公開されています。 「変な女が変な男と出会う話 (1/6)」 https://twitter.com/wymaaa/status/1160203058262921216?s=20   **ね?最高でしょ??** そして後半の2編は、2年前に投稿されて話題となった「うしろの二階堂」と続編「おまけの二階堂」で、さらに描き下ろしエピソードがが2話収録されています。 https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=64908838 https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=65931199 「創作BL」として公開された二階堂シリーズであるものの、先生自身もキャプションで**「1ミリもBLしていない」**とおっしゃっていて、**どうか先入観なく「変な少年2人の話」くらいの認識で読んでほしいです**…ほんと最高なので…。 ちなみにワヤマ先生は「佐々木倫子先生っぽい」と言われることが多いそうなので(※私自身は全くそう思いませんでしたが、言われてみれば確かに似ているかも)、佐々木先生ファンの方はぜひチェックしてみてください。 https://twitter.com/wymaaa/status/1160694386469924864?s=20

たか
たか
ブルーピリオド
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あらすじ
成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!
カラオケ行こ!
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あらすじ
合唱部部長の聡実はヤクザの狂児にからまれて歌のレッスンを頼まれる。彼は、絶対に歌がうまくなりたい狂児に毎週拉致されて嫌々ながら歌唱指導を行うが、やがてふたりの間には奇妙な友情が芽生えてきて……?話題の作品が描き下ろしを加えて待望のコミックス化!![ 登場キャラクター紹介 ]〇岡 聡実:森丘中学校合唱部の部長。とある悩みを抱えているのだが、なぜか狂児に歌を教えることに。真面目だが毒舌な中学3年生。【得意な歌】教えません。〇成田狂児:四代目祭林組若頭補佐。組長が主催するカラオケ大会の罰ゲームを回避するために歌がうまくなりたい39歳。【得意な歌】紅〇組長:狂児の組の組長。絶対音感がある。1番好きなことはカラオケで、2番目に好きなことは刺青。【得意な歌】タイガー&ドラゴン

紅だァァァァーーーーーーーッ!!!!

私は最も好きなアーティストがX JAPANなので、「紅」が物語上でとても大きな役割をもたらすこの物語には一際愛着が湧きました。「紅」は前奏が長いし何ならギターソロも非常に長いんですけど、それも含めて最高なんですよね。 昨年、颯爽と発売されたデビュー単行本『夢中さ、きみに。』でマンガ好きに旋風を巻き起こした和山やまさん。今年も『女の園の星』に加えて、この『カラオケ行こ!』で見事にマンガ読みを熱狂の渦に巻き込み、その勢いは早くも一般層にまで波及しようとしています。 本作は絶対音感を持った組長が開催する恐怖の罰ゲーム付きカラオケ大会でビリにならないために、39歳のヤクザが歌の上手い中学生に教えを請うという設定でまず1オモシロ。 次々と展開されるヤクザエピソードが笑えて2オモシロ。 そこに、コメディだけでなく合唱部部長でコンクールを目前に控えながらも声変わりという難題に直面する聡実のシリアスな葛藤が加わり物語の厚みが増して3オモシロ。 聡実の家族の出番はほんの僅かですが、その少しの時間で見せる人間臭い魅力、4オモシロ。 そして全体を通したストーリーの素晴らしさ、計100オモシロ。本作も最高でした。 「紅」では 「紅に染まったこの俺を慰める奴はもういない」 と歌われますが、狂児には聡実という言葉では表せない関係性を持った人間ができた、紅に染まっても慰めてくれる奴がいる、その尊さ。 単行本ならではの描き下ろしも非常に嬉しいおまけでした。 巻末の狂児のプロフィールにおけるカラオケベスト3で、1位が紅なのはもちろんですが、2位と3位があの曲になったのはとてもエモいですね。狂児が歌う2位の歌も聴いてみたいです。夢花火。

兎来栄寿
兎来栄寿
きみはほうかごいんそむにあ
君は放課後インソムニア
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あらすじ
青春漫画の旗手が贈る思春期の眠れない夜。『富士山さんは思春期』『猫のお寺の知恩さん』で一瞬のきらめきのような思春期を描ききったオジロマコト最新作は、能登を舞台に描かれる“眠れない”高校生の思春期の夜。不眠で悩む男子高校生・ガンタは同じ悩みを抱えるイサキと出合い、放課後に学校の今は物置になっている天文台で、つかのまの眠りと、秘密を共有するという不思議な関係が始まる…… 読めば明るく笑えて、そして彼らと一緒に心地よい眠りに誘われます。そしてまっすぐに、男の子と女の子の、友達から恋愛への初々しさを描きます。<あなたの眠れない夜にも、きっと意味がある>日本人の4人に1人は睡眠障害を抱え、10代の不眠症も急増していると言われる現代、くたびれているのに眠れない、つらくながい夜に「もうひとりぼっちじゃない」と言ってくれる作品です。※インソムニア=不眠症
アオイホノオ
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あらすじ
時は1980年代初頭――漫画・アニメ界に新たなムーブメントが起き始めようとしていた熱い時代。近い将来ひとかどの漫画家になってやろうと、もくろむひとりの男がいた。男の名は、焔燃(ホノオモユル)。しかし、野望ばかりでまだ何も具体的には動いていなくて…!?熱き野望と空回りの毎日に苦悶する、熱血芸大生の七転八倒青春エレジー!!

異常なまでのおもしろ成分含有

マンガ家マンガが好きなので手に取りました。島本先生のことは超絶失礼ながら存じ上げなかったのですが、今やサインがもらいたいマンガ家ベスト5位くらいには入ってきてしまっています。 マンガ家マンガということで読んだのですが、一応そのテイストも十分に感じられますし、ジャンル分けすればマンガ家マンガになるとは思うのですが、それを抜きにしてもめちゃくちゃ面白いです。マンガとしてエンタメとしてストーリーが圧倒的に面白いですね。あとギャグもまじで面白いです。 「面白い」と言っても、コントなどをみて爆笑する面白さだけでなく、歴史が面白いという時などの面白さや、ストーリーの先が気になるなどの面白さなど、たくさんあって、面白い気持ちというのはとてもハイブリッドで複雑なものだと思います。 それが本作品は、多種類の面白さがものすごく重層的にミルフィーユされていて本当にすごい作品だと思います。一応泣けるシーンもあったような記憶もなくはないです!! しかもマンガの歴史などもものすごく勉強になります!!!例えば、うる星やつらの連載が始まったときや、アニメが始まったときなどの社会的な情勢だったり、主人公の気持ちだったりが、とても丁寧に詳しく描かれていて、体験したかのような感じになります!!! この作品はまだ連載中ということですが、どこまで行けるのか、島本先生はいま事業会社の社長を兼務されているようで、掲載のペースは早くはなさそうですが、次巻の発売が待ち遠しすぎるマンガ(わたし調べ)1位です!!

酒チャビン
酒チャビン
ごきんじょものがたり
ご近所物語
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あらすじ
実果子はヤザガクに通う高校生で、ツトムという幼なじみがいる。バディ子と付き合い始めたツトムだが、勇介が実果子を狙おうとしたことで自分の本当の気持ちに気づくのだった。スーパーハッピー・ラブパワー第一弾!
まちだくんのせかい
町田くんの世界
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あらすじ
物静かでメガネ。そんな外見とは裏腹に成績は中の下。アナログ人間で不器用。なのに運動神経は見た目どおりの町田くん。得意なことが何もないと本人は思っていますが周りからは愛されています。その理由とは…? 別マの新感覚連載、必見の第1巻です!!

静かな生活者(あまりにも異質なもの)

騒々しい生活(というのは、あれやこれやの事象に理由を取り付けて、そのあれやこれやの理由の受けて忙しなく動きまわる、あるいは動きまわされることの謂われだと思いますが)というものに対して、静かな生活というものは存外エネルギーを使うものだと思います、それはひょっとすると騒々しい生活以上にたいへんなエネルギーを使うものなのかもしれません。 静かな生活というのは、ひと事でいえば、任意の一点を中心に円を形作るような生き方、あるいは、台風の目のようなものを想像してもらえると少し分かりやすいかもしれません。任意の一点とはまさしく自分自身、それは人であるからして動きまわる一点であり、そして、どこへ行ったとしても、その場その場でみずから円を形作り、その円周上にあるものをみずからの目で捉えることができる。静かな生活者は、身のまわりの事象にいっさいの理由を見出さない、つまり、なにかの理由を受けて動くことがない、それは自分自身がいっさいの理由だからなのでしょう。 たとえば、人は誰かのことを好きとおもうとき、そこに理由を求める生き物だと思います。好きであるからには何か理由がきっとあるはず、何にしたってそこに理由がなければ根拠がなければ安心することはできない、そうでなければ、わたしの好きという気持ちは曖昧なものにあってしまう、はたして、ほんとうに好きなのだろうか、と。そこで理由を考えてみます、優しいから好き、~だから好き、~だから好き、~だから好き、愛してくれるから好き、そうであるなら、もっと優しくて、もっと~で、もっと~で、もっと~で、もっと愛してくれる人が現れたら、それでも他ならぬその人が好きだという根拠はいったいどこにあるのでしょうか? 理由が根拠があるという状態にはたしかに信頼性があるのかもしれません、しかし、理由や根拠のようなものからくる好きという感情は、何かそれ自体でない受け身な状態のような、かえって確固たるもののないぐらぐらした感情であるような気もします、好きという感情には消極的好きと積極的好きがあるように思います、消極的好きは何かの理由からやってくる好き、それでは、わたしの積極的好きはいったいどこにあるのでしょうか。 町田くんは人が好きだという、それだけには自信があるんだという、しかし、そこにはいっさいの理由がありません。それは町田くんという人が静かな生活者であり、どこにいても任意の一点を中心に円を形作ることができる、台風の目であることができるからにほかならないでしょう。しかし、それはいっぽうで、なんと唐突で空恐ろしいことだとも思うのです。裏を返してみれば、理由をいっさい持たない、そして、いっさいがその理由である、訳の分からない矛盾のかたまりのような途方もない無条件の存在がいきなり目のまえに現れるのです。それはまさに台風に例えられるように、あまりにも過激で破壊的な存在だ、そして、なによりも生々しくギラギラとしている。 このマンガは『町田くんの世界』というタイトルの通り、町田くんの目から、円を形作る任意の一点から、台風の目から世界を捉えたものです、その円の内部はまさしく台風の目のように静かで穏やかな空気が漂っていることでしょう。しかし、その台風の全体は途方もないエネルギーをそなえた、なにより生々しくギラギラとした剥き出しの存在だ、人はまず、そのことに心してかかるべきだと思うのです。

影絵が趣味
影絵が趣味
おおきくふりかぶって
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あらすじ
県外の高校に進学した卑屈で弱気なピッチャー・三橋廉(みはし・れん)。見学するだけと訪れたものの強引に入部させられたのは、全員1年生(くせ者揃い)に女監督(コワイ)という創設まもない野球部だった!オレらのエースは暗くて卑屈。勝つために、弱気なエースのために。行け、オレら!読むとためになり、しかも血沸き肉躍り涙する。絶対に面白い本格高校野球漫画!

三橋くんの未来を見たかのような林優樹くん

9月も半ばを過ぎて、いつしか心身に沁みる涼しい風が吹いてくるようになりました。はなしは数ヶ月前にさかのぼり、夏の甲子園の県予選が始まるよりも前。U18侍ジャパンの一次選考合宿の記事に、かの有名な佐々木朗希くんと並んで、U15の選手が間違えて紛れ込んだかのような体格の林優樹くんが写っていたのに心をときめかせたものでした。 彼こそが去年の夏の甲子園の準々決勝で、近江が金足農にツーランスクイズを決められたまさにその時、マウンドにいて泣き崩れていた投手でした。この時バッテリーを組む有馬くん共にまだ2年生。甲子園球場が金農旋風に沸くなか、TV中継で祈るように林くんを応援していたのは、近江の甲子園初戦を偶然みて一目惚れしたからでした。優勝候補にも数えられる智辯和歌山の強力打線を相手に、林くんは小さな身体から「おおきく足を振りあげて」淡々と飄々と投げ込んでアウトを重ねてゆく。そして2回戦の対前橋育英では、2点のビハインドを背負う3回からリリーフして残りの9回までを無失点で切り抜け、近江は9回にサヨナラの一打で勝利。そして3回戦の対常葉大菊川では先発し、8回まで投げて3安打11奪三振の大好投。奪った三振のほとんどは、のちに魔球と言われダルビッシュ選手にも凄いと称賛される右打者の外に大きく逃げながら落ちるチェンジアップでした。球速は130前後ながら、内外高低の制球がすばらしく、とくに右打者の内角をクロスファイアで深くえぐってから外角低めに落とすチェンジアップは芸術的とさえ言いたくなる出来栄えでした。チェンジアップだけではなく、伏線のまっすぐも余程コントロールに自信がなければあれほど内角いっぱいには投げられないし、クロスステップでかなり角度があるからなのか、膝もとに向かってくるまっすぐに打者が驚いて避けていながらもストライクを取られている場面も多々ありました。ほとんど無名のノーマークでありながら蓋を開けてみれば、まだ2年生ながら大会屈指の左腕として取り沙汰されていました。 大会後に色々調べてみると、1年時には秋季近畿大会の準決で黄金世代(根尾・藤原・柿木・横川の4人が高卒ドラフト、ドカベンか!)の大阪桐蔭を相手に先発したり、その後のセンバツでは同じく1年の奥川がいる星稜を相手にも先発していたらしい。その頃から足を高く上げるフォームではあったものの、まだ「おおきく足を振りあげて」というほどではなく、それからひと冬を経て、振りあげた膝を肩にまでぶつける勢いのあるフォームに変化していったらしいのです。 そして女房役の有馬くんは、かなり早い段階からドラフト候補にも名前の挙がっていた、これまた非常にクレバーなタイプの捕手で、インタビューを読んでみると、小学生の頃から父親と野球中継をみては配球について語り合っていたという生え抜きの配球オタクであり、対戦相手の監督からも「試合の状況や展開をみて目まぐるしく配球を変えてくる非常にデータの取りにくい捕手」だと嫌がられていました。本人も「自分は相手の嫌がりそうなところを徹底的に突くタイプの捕手」だと自己分析しています。もう、林くんが三橋くんならば、有馬くんは阿部くんなのかと問い詰めたくなってしまいます。ちなみに林くんのインタビューによるとツーランスクイズを決められたときに投げたのはストレート、有馬くんのサインのスライダーに首を振って投げたそうです。それ以来、首を振ったことを後悔して、有馬くんのサインを信じて投げ抜くことに決めたんだとか。 2年生バッテリーはチームの中心として最上級生になり、秋は滋賀大会優勝で乗りこんだ近畿大会の初戦で同じく左腕エースの林投手が率いる報徳とのダブル林対決にまさかの敗退、センバツ出場を逃します。この日の林くんは自身MAXの136キロを計測しているのだけれど、これがおそらく敗因に繋がっている。夏に吉田輝星のまっすぐを目のまえで目のあたりして以来、まっすぐの球質を上げる特訓に励んだそうで、この日はまさに球の走りがよく絶好調だったとか。ただ阪急ーオリックスの星野伸之(スローカーブが有名の!)がそうだったように球が走っている日は、自分の本来の持ち味を忘れて、まっすぐで押してしまい、かえって打ち込まれることが多かったと言います。 この惜敗からチームは夏の甲子園までいっさいの負けなしで突き進みます。冬明けのシーズン開幕すぐに組んでいた奥川率いる星稜との練習試合では林vs奥川の投手戦で1-1の同点、これを先駆けに春の滋賀大会、近畿大会をそれぞれ優勝で飾り、このままの勢いでマークのかなり厳しいなか、林くんは夏の滋賀大会すべてを無失点で切り抜き2季連続の甲子園に導きます。滋賀大会決勝の光泉戦はほんとうにヒリヒリする投手戦(1-0)で、相手ピッチャーはドラフト候補の吉田くん(また吉田かい!)。9回に林くんはとうとう二死一三塁にまで追い込まれ、打者は去年のトラウマを思い起こさせたいのか二死なのに何故かバントの構えで威嚇する。値千金の1点を完封で守り切った林くんはベンチで号泣、1年間ずっと応援していたわたしも中継をみて泣いてしまった。 夏の甲子園ではバッテリーをみっちり研究してきた東海大相模のアグレッシブベースボールに敗退するものの、林くんは早くから評価の高かった女房役の有馬くんをさしおいてU18侍ジャパンのメンバーに選出される。アメリカの屈強な打者に対しても、コースいっぱいを突いた見逃しや伝家の宝刀チェンジアップで三振を奪っていました。高校野球引退後、有馬くんはインタビューで「林には本当に感謝している、林に出会えて良かった。林のコントロールのおかげで自分は配球というそこだけは誰にも負けない力を発揮することができた。またいつかバッテリーを組みたい」というようなことを言っていました。これはもう、三橋くんと阿部くんに聞かせてあげたいセリフですね。

影絵が趣味
影絵が趣味

目の錯覚という物語から遠く離れて

単行本デビュー作『家族のそれから』いらい、泣虫弱虫な人物を主人公に据えて、そんな人物像をなぞるかのように、奇妙な頼りなさで泳ぐ線画と、それに似合ってどこか芯の一本抜けてしまったように狂いがちのデッサン、こんな造形ではたして人間は直立することが出来るのだろうか、それこそマウンドでおおきく振りかぶり一本足になった途端にでも崩れ落ちてしまいそうな。 ひぐちアサの漫画はすべてこうした絵までを巻き込んだマイナス的な要素からスタートしているように思われる。と、そんなことを改まって書くまでもなく、漫画をはじめとした大体の物語なるものは何か欠如的なものがあるという認識からはじまり、その欠如的な何かを乗り越えるなり克服するなり、そんなような方向性に向かうこと必定である。では三橋くんはどうなのかというと、まず野球的な要素にだけ絞っていえば、初っ端からけっこう凄い能力をもった投手であることが明かされる。九分割のコントロールに、何よりもクセ球の真っ直ぐ。そして、このクセ球の真っ直ぐの原理も早々に説明される。いわく、打者というのは現実にボールを見ているのではなく、ある程度の経験と予測でもってボールの来るであろう位置をはかり、それでバットを振っていると。つまり別の言葉でいえば、打者はストレートという名のあらかじめ刷り込まれた定型の文脈、物語を読んでいるだけで、けっして現実をしかと見ているわけではないと。事実、三橋くんはそんなふうにして中学時代にはダメピー扱いを受けていたのである。中学時代のチームメイトは現実の投手三橋を見ていたのではなく、球の遅いピッチャーという物語を読んでいたにすぎなかったのである。 さて、この物語を読むばかりに現実を見誤ってしまう目の錯覚、これは私たち漫画読者にも当てはまりはしないか。読むという行為は時と場合によっては自分にとって都合のよい解釈にしかならないし、まさしく打者が三橋くんの真っ直ぐを打ち上げてしまうように紋切型の煽情的な物語に目くらましをされていることだって大いにあり得ることだと思う。『おおきく振りかぶって』のひぐちアサはそのことに始めから自覚的だったのではないか。この漫画はある欠如を克服する方向に持っていくという定型の物語を、目の錯覚という現実を介して、いきなり短所から長所に逆転させてしまうことからはじまり、長短でも、高低でも、正負でも、そういったいかにもありそうな物語的な対立を、けっして向かい合わせるのではなく、すべてみんなでいっせいに前を向いていこうする、それに対応する否定的な要素がみられないほどの断固たる肯定的な姿勢で乗り越えていく。その肯定的な姿勢とは、ありそうな物語を読むのではなく、しかと現実を直視しようとする試みに他ならない。三橋はあくまでも弱虫泣虫のままそれでもマウンドに立ち続けるし、田島は背が伸びないなりにそれでも工夫をし続けるし、花井は持前の勝負弱さを抱えながらそれでも強気な気持ちで打席に立ち続ける。マイナスがありプラスがあるなんて図式におさまらない、マイナスもプラスもいっしょになっていっせいに前を向こうとしている。『おおきく振りかぶって』がとても感動的なのは、ある種の物語的な感動から自由になったこの肯定の姿勢、この健気さ、この懸命さに尽きると思う。そして選手たちが正も負もないまぜにいっせいに前を向こうとしているとき、ふしぎと、そんなパワーに勢い押されているのか、狂いがちであったデッサンが芯の通ったもののように見えるのである。

影絵が趣味
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つきあってあげてもいいかなこみっくす
付き合ってあげてもいいかな
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あらすじ
私に、彼女ができました。超モテるのに「好きな人と両想いになったことがない」パッと見いい女のみわ。大学入学を機に軽音サークルに入り、絶対友達にならないタイプ! と思ったお調子者の冴子と急接近。なんだかちょっと新しい扉が開いちゃう感じ…? 「せっかくだからあたしたち、付き合ってみない?」軽音サークルの仲間たちと織りなす、ホンネの女子大生ガールズラブ!!

嗚呼、これぞ大学生の恋愛……煩悩と苦悩と愛情のリアリティさが秀逸!

ナカタニエイト
ナカタニエイト

「優しい世界」だからこそ追求できる恋愛の面白さがある

 今まで読んだことのある百合漫画の中でも確実に3本の指に入る(下手したら一番)濃密で素晴らしい恋愛漫画です。  大学1年生どうしで知り合い、一緒に軽音楽サークルに入り、酔った勢いのカミングアウトをきっかけに付き合い始めたふたり。周囲からの偏見や迫害に慎重になりながらも、そこは21世紀の若者というか思いのほかすんなり受け入れられ、それどころかサークルや学部内の多様な人間関係とも複雑に絡み合っていく恋愛群像劇へと発展していきます。  何がこの漫画面白いって、同性カップルに周囲がいちいち大騒ぎしないので、同性ならではの恋の悩みだけでなく異性カップルとも共通する諸問題やイチャラブをじっくり楽しめるところですね。とくに重大な事件が起きたりするわけでもないのに非常に内容が濃く感じられます。  街中で手を繋ぐのを恥ずかしがるみわ(黒髪・左)に対する冴子(右)のせりふ 「意外と誰も見てないって!それに、なんか思われたとしても、どーせ通りすがりの知らない人だし」は象徴的です。  あとやはり二人のキャラクターがとても魅力的なのが良いですね。両極端だけどどちらも可愛い。  音楽でつながった百合カップルというと『アフターアワーズ』を思い出します。あっちは百合カップルによるクラブイベ漫画、こっちは恋愛漫画、くらい違いますね。

mampuku
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あけびちゃんのせーらーふく
明日ちゃんのセーラー服
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あらすじ
【デジタル版限定!「となりのヤングジャンプ」掲載時のカラーページを完全収録!!】その“初めて”を“何度でも”──。 舞台は、田舎の名門女子中学・私立ロウ梅学園。この学園のセーラー服を着ることが「夢」だった明日小路(あけびこみち)。少女の「夢」の中学セーラー服ライフが始まる♪ 広がる、緑豊かな田園風景。ゆっくり流れる青春時間。田舎×中学生×セーラー服「友達100人出来るかな?」 俊英・博が、柔らかなタッチで贈る優しい学園物語…入学です♪♪
げつようびのともだち
月曜日の友達
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あらすじ
みんなが少しずつ大人びてくる中学1年生。そんな中であどけなさが抜けない女子・水谷茜。水谷はひょんなことから「俺は超能力が使える!」と突拍子もないことを言う同級生の男子・月野透と校庭で会う約束をする。決まって月曜日の夜に。大人と子供のはざまのひとときの輝きを描く、まばゆく、胸がしめつけられるガールミーツボーイ物語。阿部共実、最新作にして最高傑作、誕生!

海のみえる風景

前作『ちーちゃんはちょっと足りない』に続いて、舞台は海のみえる街、神戸のようです。というより、『ちーちゃん』の舞台が神戸だということを今作に連れられて読み返してみてはじめて知りました。それもそのはずで、『ちーちゃん』には海がそこにありながら描かれていない、真っ白い空白な画面があるばかりなのです。かろうじて海の存在がわかるのは、ナツとちーちゃんが丘の上から海を眺めるとき、ナツがささやか幸せを嚙みしめるシーンと、後半におなじく丘の上でナツがちーちゃんとの思い出をふりかえるシーンの二ヶ所のみ、そこでも海は淡路島のあることだけが示されてただ真っ白く画面にあるだけなのです。そのいっぽうで『ちーちゃん』には、うらぶられた地方都市の風景が丹念すぎるほどに描かれている。これはいったいどういうことか。おそらく『ちーちゃん』における風景は、ナツの目から見える神戸の街なのです。 そして今作『月曜日の友達』はどうかと言うと、海がしっかり描かれていて舞台が神戸だとすぐにわかる。そればかりではなく、潮風によって劣化した建物のほころびまでしっかり描かれている。それが『ちーちゃん』ではどうだったかというと、ただただ薄汚くてうら寂しい、どこにでもありそうな街の風景の一部にすぎませんでした。今作における風景は、水谷の目からみえる風景とみて、まず間違いないと思います。水谷は、この街の風景から、あるいは月野くんの目から、色んなことを感じ、尚且つそれらを美しいと思う。光に照らされれば当然のようにできる影にしても、水谷の目にはちょっと特別な美しいものに思われる。水しぶきが舞えば光が反射してキラキラするのがみえてしまう。そう、見えてしまう。水谷の目には色んな美しいものがみえる。同じ街でも、見る人が違えばこんなに違ったふうにみえるのです。 でも、実際には違うひとが見ているわけではないんですね。ナツにしても水谷にしても、やっぱり彼女たちは作者の分身であるわけです。同じひとがみていても、風景というものはこんなにも違ってみえる。ちなみに作者の阿部共実さんは神戸の出身らしいです。もしかすると、子供の頃はナツのようにつまらない街にしかみえなかった神戸が、大人になって美しい風景として見られるようになったのではないか、そんな想像をしてしまいます。

影絵が趣味
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もぶさいこひゃく
モブサイコ100
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あらすじ
自己表現がヘタな超能力少年、通称・モブ。普通の生き方にこだわり超能力を封印しているモブだが、感情が高ぶり数字が100になったとき…少年の身に何かが起こる!!!!アマチュアWEBコミック界最強の漫画家ONEが描く、笑いと涙と驚きと…闘いの日々!
わらうみかえる
笑う大天使
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あらすじ
史上最強の名門お嬢様学校に学ぶ史緒(ふみお)、和音(かずね)、柚子(ゆずこ)。それぞれにネコをかぶって、お互いの本性を知らぬまま生活していたのだが!?ハイセンス学園コメディ?
今日、駅で見た可愛い女の子。
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あらすじ
可愛いもの博識おじさん×完ぺき女子(!?)、駅で一瞬すれ違うだけの観察型コメディ! アラフォーの亀山は、駅で見かける可愛い子が身に着けているものが気になって仕方がない。この全人類が好きな香りはミルボン!キラキラしたあの箱はセボンスター! 肌ツヤは……美容医療ではなくハイライト! どこのブランドが崩れにくい? あ~~教えてくれ~~~~! あなたが夢中になった「乙女アイテム」がたくさん登場!全人類Kawaiiが大好きコメディ!

この女子あるある、めっちゃ好 #1巻応援

「俺も君の様な、ミルボンが似合う女の子に生まれたかったです」 がTwitterで公開された際に10万いいね以上の特大バズを生み、その後も最新話を掲載するたびにバズっている人気作品の待望の単行本が発売となりました。 タイトルと表紙だけ見ると「ヤバそうなストーカー男の話かな?」と勘違いされかねませんが、中身を読むとアラサー~アラフォー女子のノスタルジーやシンパシーをさまざまな角度から刺激する、優しい世界のコメディとなっています。 水道橋の出版社に勤め日々の激務でボロボロになり枕からは酢飯の、手からはネギの臭いがしてきたダウナーな37歳の青年・亀山は、駅でいつも出会う女子高生の持つさまざまなアイテムやその使いこなし・着こなしに多大なエネルギーを貰い内心でテンションを爆上げしながら生きています。 セボンスター、キャンメイク、リップモンスター、365日のバースデーテディ、プチコロン、ハイブリッドミルキー、フェリナンダのマリアリゲル、ビジュー付きのあみあみの靴、リプトンのミルクティー、プロフィール帳、プリクラを撮る際のアヒル口あごピースやテーブルに鎖で繋がれたハサミetc... 「あったあった」「なつい~!」となること請け合いのネタが1話8ページ構成でテンポよくたくさん繰り出されます。作中では亀山は「自分はバトルえんぴつだった」という述懐がありますが、まさに男の子にとってのバトルえんぴつやベイブレードや遊戯王・ポケモンカード・デュエマやミニ四駆やハイパーヨーヨーやエスパークスやドラゴンの裁縫道具セットや修学旅行で買った木刀のようなものが詰まっている作品です。 個人的には特にゴスロリの話で登場する伏せ字のブランド名が大体解ってしまい、強い郷愁に駆られました。あのころ目黒や橋にいた方々は今もお元気でしょうか。 「かわいい女の子が昭和~平成の男性向けのちょっと懐かしいものにやたら詳しい」という建付けはたまに見ますが、この「おじさんが昭和~平成の女性向けのちょっと懐かしいものにやたら詳しい」というのはなかなか珍しく新鮮です。 何しろ、アラフォーのおじさんがそんな女児文化やメイク用品に詳しくても何か工夫しないとちょっと変な感じになってしまいます。普通は。しかし、本作における亀山は熱量こそ爆高いですが微塵も嫌な感じはしません。そこが良いんですね。生まれ育った性別が男だっただけで、女の子向けのカワイイ文化・カワイイを作る心意気が心底好きで憧れを抱く女の子の心も持ち合わせている100%無害な存在。何なら、現代社会において仕事で疲弊しながらも、そうしたものを心の支えに生きているというところは応援すらしたくなるキャラです。 私自身も、男性でありながら昔からかわいいものが大好きで高校生の時もミッフィーグッズを愛用してクラスメイトにバカにされて生きてきたので、多少なりとも共感します。かわいいもので自分がアガればそれでいい、という今では当たり前の価値観も本作ではナチュラルながら力強く提示してくれるのもいいです。 そして、本作の最大の特徴は亀山が知らないかわいい女子高生の秘密。非常に現代的な設定に加え、そこを取り巻く周囲のキャラクターたちのありようも非常に令和的で良さが溢れています。いつか亀山は真実を知る日が来るのでしょうか。 さかなこうじさんの美しい絵も、間違いなく本作の魅力を形成しています。しかし、どうやってこれだけ解像度の高いあるあるネタをコンスタントに出しているのかちょっと気になります。

兎来栄寿
兎来栄寿
だんちともお
団地ともお
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あらすじ
単身赴任の父親がいる「ともお」は、今は母と姉の3人で団地に住んでいる。終業式の日、母に成績のことで叱られたともおは、夏休みの計画表を立てろといわれるが…。ナチュラルボーンな小学生・ともおが暮らす団地は、毎日がワンダーランドだ。懐かしい子供の日々がよみがえる、ほのぼのコメディー発進!

思い出せない父の顔

気がつくと『団地ともお』の連載が終了していた。およそ10年近く、ともおとの付き合い方はだいたいこんな感じで、気がつくと数冊の新刊がでていて、読んで笑ってホロリとして、忘れた頃にまた、読んで笑ってホロリとする。 まったくこんなにも滋養のようなマンガはほかにあまりない。日々はっきりいってしまえば"意味のない"ことばかりに熱中するともおたちをみていると、なんと心が和むことだろう。大人になって"意味のある"ことばかりを選択して行うようになったせいだろうか。 ところで気がつくと連載が終わっていた『団地ともお』の数いる登場人物のなかで、あのひとはいったいどうなったのかな、とすぐに気になるひとがいた。そう、ともおの父親である。どうしても顔のみられなかった父親である。最後には素顔を明かしてもらえたのか、それとも最後まで顔はみられず仕舞いなのか、それがまず第一に気になるところであった。 結論からいえば、顔が明かされようが明かされまいがそれはどっちでもよかったのだが、32巻の最後に父親が登場する回にちょっと泣いてしまった、笑いながら。 本社の"お祈り課"なる部署に配属された父。そこでは日々会社で社交辞令として行われる"祈り"をすべて本気で代行しているのである。就活生への不採用通知における「今後のご活躍をお祈りします」から接待ゴルフの晴れ乞いまで、すべての社交祈りをじっさいに本気で祈っているのである。あるいはこの題材を描くひとが諸星大二郎ならば不条理劇になっていたにちがいないが、これを小田扉が描くと、なぜだかホロリとなる恩寵のようなものがひっそりと佇んでいるように思えるのは自分だけだろうか。合理的に考えてみれば"意味のない"こととしか言いようない"祈り"を本気で、アクロバティックに、行うが故にまたしても顔のみえない父。しかし、この無意味と思える行為を本気でやることこそが『団地ともお』の主題ではなかったか。 ひとは自らの行為に意味を追い求めてやまない生き物だが、意味というのはあくまでも後追いであり、副次的であり、限定的で不自由なものにしかならない。ほんとうの自由や豊かさというのは、実は"祈り"のようないっけん"意味のない"ものに潜んでいるのかもしれない。『団地ともお』ははじめからさいごまで一貫して"祈り"をつらぬいたマンガといえるかもしれない。

影絵が趣味
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きちじょうじしょうねんかげき
吉祥寺少年歌劇
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あらすじ
元宝塚歌劇団・雪組トップ娘役真彩希帆様 推薦!!「この作品は何てリアルなのでしょう!!主人公・瑞穂、彼の言葉一つ一つに大きく頷く自分がいました。」僕が娘役として舞台に立つ理由、それは君だったのです。吉祥寺少年歌劇は「男子のみ」で構成される伝統の歌劇団。入団へは、付属の音楽学校への入学が必須である。81期生の進藤瑞穂は、男役に憧れて入学したのに娘役と判定されてショックを隠せずにいた。首席候補の白井寿に、娘役への不満をこぼすと、 「じゃあ早くやめろ」と冷たく言い放たれてしまい…。 2人はまだ知らない。その出会いは、互いを舞台の上へ導く運命だったのだと……ーー!自らの理想と、思い通りにならない現実の間で、少年達は己のすべてを懸けて夢の舞台を目指す。舞台芸術を愛するすべての人に捧ぐ青春輪舞曲!

傷付け合いながら成長していく少年歌劇団の妙 #1巻応援

『マキとマミ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』が最高すぎて全幅の信頼を寄せていた町田粥さんの新作は想像以上に素晴らしかったので全世界に推していきたいです。 宝塚歌劇団は言うまでもなく女性だけで構成された歌劇団ですが、この物語の吉祥寺少年歌劇団は男性だけの歌劇団です。「娘役」なども男性がすべて伝統的にこなしている世界です。 主人公の格好いい男性に憧れていたにも関わらず、生来の背の小ささなどもあり娘役に認定されてしまった少年・瑞穂。彼とは逆に、娘役に憧れながら背が高すぎてなれない少年や、自分の希望に反した家庭の事情がある少年など、思春期らしい悩みを抱えた少年たちが集団生活をしながら、仲間でありライバルでもある人間関係の中で鎬を削り、時に傷を負いながらも成長していく。そして、やがてはひとつの歌劇を大成させていく……。往年の少女漫画の「寄宿舎もの」を彷彿とさせる良さみも深く堪りません。 1話目最後のモノローグが 「僕らは出会い  そうしてすぐに傷つけあった  それが始まり」 ですよ? 最高じゃないですか? そして、それら素晴らしいドラマを町田粥さんの美しい絵が彩り更に言葉の要らない説得力を以って紙面からオーラをぶつけてきます。 もっと長く見ていたかったという思いもありますが、この物語は1巻で完結します。しかし、この上なく濃縮された上質なドラマを味わうことができ、満足感はお墨付きです。 町田粥さんのマンガから摂れる栄養を今後もずっと摂らせていただきたいです。 『かげきしょうじょ!』のアニメ化で歌劇の世界に興味を持っている方も多いタイミングだと思うので、そういった方にももちろんですが、そうでない方にも広くお薦めしたいです。

兎来栄寿
兎来栄寿
教室の片隅で青春がはじまる
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あらすじ
吉田まりもが主人公になれるのはいつだって一瞬だ。有名になりたいだけなのに、いつも空回りして、イタイ奴になってしまう。一方、宇宙人のネルは、地球で“〇〇〇がしたい”という夢があり……。でこぼこなふたりの夢は、どこへ向かう……?他にも、オタクであることを隠している子。SNSで理想の自分を演じる子。自分が特別だと信じて疑わない子。イイ男とヤることで、自分の価値を確かめる子。教室には、たくさんの“秘密”があって。隣にいるあの子のことだって、本当はわかっていなくて。大好きなあの子にだって、伝えられないことがあって。ほんの少し窮屈で、ほんの少し愛しい関係を描く、青春オムニバス・ストーリー。
サラウンド
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あらすじ
光ってないけど眩しい。緩やかな男子高校生の日常。山口、戸田、田島はいつも一緒にいる。親友とかとは少し違う、もっと自然な関係性。絶妙な掛け合いは眺めているだけで楽しい。田中相先生&釣巻和先生より熱烈なW推薦! 「繊細さといたわりとアホが混在…男子高校生って超・かわいい!!」田中相先生 「どうでもいいのにもどりたい。この子たち、無自覚なしあわせのシャワーのなかを生きてる!」釣巻和先生
たろうはみずになりたかった
太郎は水になりたかった
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あらすじ
疲れてるとき、しんどい時、私はいつも大橋君の漫画を読む。――――東村アキコ 忘れてた、あの感情がよみがえる。ノスタルジック・イリュージョン。「母さん。ボクらは今、漠然とした不安の中、たしかに中学2年という季節を過ごしています。」中学2年の太郎の家にはお母さんがいません。人より少しシャイです。親友はヤスシ。同じクラスの谷村さんにこっそり想いをよせています。冴えない学生生活をおくる太郎は、それでも何かデカいことをやってやろうと… いや、やったほうがいいのか? という気持ちで生活をしていますが… 雨上がりの虹のように描かれる、誰にでも平等にあったはずの青春物語。繊細でリリカル、モラトリアムと妄想が爆発するヤングゼネレーション・コミック。トーチweb連載時の原稿を大幅加筆&修正。描き下ろし漫画とコラムも特別収録した決定版。
げつようびはにげんから
月曜日は2限から
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あらすじ
規則が厳しい宝成高校の一年、居村草輔。登校中に出会った、クラスメートの全身校則違反少女・咲野瑞季を学校まで連れて行ってしまったがゆえに、公認のお世話係にされてしまい…!?災難のような青春、始めました。
しんそうばんあちらこちらぼくらでんしげんていかきおろしつき
新装版 あちらこちらぼくら【電子限定描き下ろし付き】
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あらすじ
【電子限定描き下ろし付き】クラスの中心人物の一人である真嶋はある日、クラスメイトの地味め男子・園木の意外な一面を知る。それからというもの、園木のことが気になってしょうがない真嶋は、何気ないことで声をかけ、ちょっかいを出すように……。すぐに顔を赤くしたり、照れたり、固まったり、そんな園木が愛おしくてしょうがない真嶋。しかし、進級のタイミングで二人はクラスが別れてしまい――。青春ボーイズラブの決定版が、上下巻で登場! 描き下ろし&電子限定「ちょい足し」も収録☆
ちびまるこちゃんわたしのすきなうた
ちびまる子ちゃん―わたしの好きな歌―
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あらすじ
「めんこい仔馬」の歌が大好きなまるちゃんは、ある日出会った絵かきのおねえさんとの交流の中で、歌の本当の意味を知り涙する。そして、やがて遠いところへお嫁に行ってしまうおねえさんへの思いを、その歌に重ねて…。映画第2作目の笑いと涙の感動作!!
れなーどげんしょうにはわけがある
レナード現象には理由(わけ)がある
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あらすじ
恋にもいろんなカタチがある──カーラ教授流の「ちょっぴり変わった」4つの恋のお話が待望の単行本化! ほのかな恋を育てる主人公たちに、カーラ教授の絶妙なツッコミが痛快!