アオイホノオ 島本和彦
第二部開幕
漫画家漫画にはずれなし、とはよくいったもの。「まんが道」然り、「バクマン。」然り。確かに傑作といわれる作品は多いです。でも、私が本当に読みたかったのは、昔過ぎず最近でもないこの作品の時代の話。80年代ノスタルジーですね。PCやビデオデッキがいまほど一般的じゃなく携帯電話もない、そんな時代が背景なら共感できないわけがない!ってなもんです。そして主人公は著者の若きころがモデルであり、フィクションと断りながら著名人も実名でポンポン飛び出すのですからそりゃあ興味をひかれますよ。当時の売れっ子になりつつあったあだち充に高橋留美子、ライバルの庵野秀明とガイナックス&ボンズの面々、矢野健太郎に岡崎つぐお、そしてこれはコアミックスの社長さん? 本気出していないモードの主人公の毒舌的な漫画批評やその文化に対する風刺と相まって楽しいことこの上ない。年代的に漫画やアニメ・SF関係でネタになりそうな出来事は目白押しなので、それをどんなに面白おかしく料理してくれるのか、まだまだ楽しみです。