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日本返還前の沖縄を舞台にしたある悲劇。米軍に対する親子の心情を通して、沖縄に存在する基地・米兵の問題を描いているのですが、とても40年以上も前の話とは思えず、現在でもありそうな内容です。確かに米軍の沖縄住民に対する意識は変わってきているのでしょう。しかしながら現在でもそれらの問題はあって、そんなニュースを耳にするにつけて思うことと同じものを、漫画からも感じてしまうのです。この理不尽さに逆らうことはできないのかと。米軍がらみのイザコザがあると、なぜ沖縄の人たちは、ああも被害者意識を持って敵意をむき出しにするのか。今でも薄れる事のないアメリカに対するアレルギーの理由が、この短編からは伝わってきます。ほか「冥土からの招待」「うじ虫の歌」というインパクトのあるタイトルの作品も収録。同様に沖縄と反戦をテーマにした話ですが、こちらは必ずしも反米だけではない視点で描かれているのが興味深いです。
アメリカ占領下の沖縄。闘牛に熱を上げる父、夢のない日々を送る息子。ある日、母は米軍トラックにひき殺されてしまう。必死に米軍の責任を追求する息子は、沖縄の過去と現在に激しい怒りをおぼえてゆく。他短編「冥土からの招待」「うじ虫の歌」収録。
アメリカ占領下の沖縄。闘牛に熱を上げる父、夢のない日々を送る息子。ある日、母は米軍トラックにひき殺されてしまう。必死に米軍の責任を追求する息子は、沖縄の過去と現在に激しい怒りをおぼえてゆく。他短編「冥土からの招待」「うじ虫の歌」収録。