こういう漫画は、どうしたって設定に
細かい無理や矛盾はありますし、
読んで面白いと思うかくだらないと思うか、
その境界はワリと微妙で人それぞれだと思います。
例えば、
「口裂け女も赤マントも、どっちもいねーよ」とか
「口裂け女でも赤マントでもどっちでもいーよ」とか
感じちゃう人は、この漫画は楽しみづらいでしょうね。
私は
「口裂け女と赤マントが両方出てくるなんて凄いよ」
と感じて、楽しめました(笑)。
秋の夜長はやっぱりサスペンス、と思い立って探したらひっかかったのがこの作品。とでんか=とでん課=都伝課=都市伝説課って伝わりにくいタイトルだな、表紙も狙い過ぎ、と第一印象は良くなかったですが、ページをめくったら意外やこれがツボを突かれまくりでした。民俗学を専攻していたことがきっかけで都職員として働くことになった月極(つきぎわ)。しかしその職場は都市伝説問題を処理する課だった…という内容。冒頭から普通に出てくるのは口裂け女に人面犬、ダルマ男など伝説の怪人たち。そして起きる事件も怪人赤マント、リトルグリーンマン、神隠しといった新旧の都市伝説をモチーフにしたもの。さらに小ネタで噂の広がり方の実験や、都市伝説風の病気、謎の映像などを解説してくれる。その手の話が好きな人にはたまらないでしょ? しかも一見コメディタッチな構成ながら、裏サイトや戸籍売買などの情報を絡めてあるので、妙に納得できる話になっているのがニクい。毎日欠かさず東京スポーツを愛読している私にとって、ホント楽しく読める作品です。そのうちゴム人間も出るかな?
こういう漫画は、どうしたって設定に
細かい無理や矛盾はありますし、
読んで面白いと思うかくだらないと思うか、
その境界はワリと微妙で人それぞれだと思います。
例えば、
「口裂け女も赤マントも、どっちもいねーよ」とか
「口裂け女でも赤マントでもどっちでもいーよ」とか
感じちゃう人は、この漫画は楽しみづらいでしょうね。
私は
「口裂け女と赤マントが両方出てくるなんて凄いよ」
と感じて、楽しめました(笑)。
口裂け女の噂を聞いたのは、自分が中学生のときだった。
最初は
「なんか、小学生に切りつける、口が裂けた女がいるらしい」
みたいな噂だったと思う。
その噂があっという間に拡大拡散して、
多分1週間後くらいには
「岐阜の山奥の精神病院に入院していた
双子の姉妹の片割れが脱走した。
生まれつき口が裂けていて周囲に虐げられ
その復讐で殺人鬼と化している。
紅いコートを着てマスクを着け、
背後から現れて、私キレイ?と聞いてくる。
キレイと答えてもキレイじゃないと答えても
結局は切りつけられる。
ポマード!と叫ぶか、菓子のコンペイトウを
投げつければ逃げていく」
みたいな話になっていたと思う。
自分は噂が、最初の頃の殺人鬼が出没する、
とか、岐阜に精神病院があって、
という段階あたりのときはワクワクしていた。
しかし次第に噂が無駄に細かくなるというか
100mを6秒で、とかになってしまうと
「いや、誰が計測したんだよ」と冷めたし
ポマードやらコンペイトウとかも興ざめした。
都市伝説とか怪異譚が好きな人って
あるていどの屁理屈というか小理屈は
楽しむために必須に感じると思うんです。
全くの荒唐無稽、ありえない世界の話では楽しめない。
たとえトンデモ理論でも浅はかな論理でも、
少しはその都市伝説が真実っぽく感じられる根拠がほしい。
それが全くないとか、逆に無理がありすぎる論理だと
白けてしまうんですよ。
「とでんか」はその辺の按排がちょうど良い。
民俗学的にはとか心理学的にはどうだとか、
かなり屁理屈ではあるけれど、その都市伝説を
楽しんでやろうというノリ気にさせるネタは提供してくれる。
話の展開が強引なところもあるのだけれど、
重箱の隅をつつくよりは、目出たい気持ちになります(笑)。
大塚英志が都市伝説をテーマに描く、コミカルホラーファンタジー。口裂け女や人面犬とともに、都市伝説問題処理係、通称「とでんか」の事件を解決する若き民俗学者の活躍を描く。※初公開!「とでんか」初期設定資料を併載。
大塚英志が都市伝説をテーマに描く、コミカルホラーファンタジー。口裂け女や人面犬とともに、都市伝説問題処理係、通称「とでんか」の事件を解決する若き民俗学者の活躍を描く。※初公開!「とでんか」初期設定資料を併載。