あらすじ
島本和彦が「炎の転校生」連載終了以降新しい境地にやっと達したという記念的作品。ここから次作の「逆境ナイン」につながっていきます。 ストーリーは、ボクシング界に突如現れた「マスクをかぶった怪人ボクサー」軍団。彼らがボクシング界を人気、実力ともに総なめにしようとしている、そんなスポーツ界の大ピンチに突如現れたこれも「仮面をかぶったヒーローボクサー」。 伝説の月刊誌「ヤングキャプテン(徳間書店)」に鳴り物入りで連載されたこの作品は雑誌の休刊に伴ってわずか3話までで終了。が、編集者ササキバラゴウ氏の厚意により最終回を100ページ以上新たに書き足してコミックス化にこぎつける。こぎつけたのはいいが当の島本和彦が完全に自信を無くし、100ページの半分描いた時点で筆が止まってしまう。島本曰く「本人が立ち上がれないのにキャラクターだけが立ち上がって勝つのは嘘だ!だから俺は描かん!!」困り果てる編集のササキバラゴウ氏‼! さあそこからどういう風に島本が後半の「主人公が立ち直って勝利のために戦う」場面を描くまでにこぎつけるのか(これはあとがき漫画+あとがきで詳しく書いてある)‼ 作者(島本)も本編の主人公「拳(こぶし)三四郎」も追い詰められたあげくに最終回に奇跡的な立ち上がりを見せるという伝説の実況的漫画作品。 巻末には「島本がこれ以上は自分が立ち直るまで書けませんと、逃げ出したところで終わっている当時のネーム」を収録(笑)‼本編とかなりニュアンスの違う「告白シーン」も入っています!
逆境ナインをひょんなことから読み、大変面白く、最高に興奮した状態でクチコミを投稿して悦に入っていたところ、コメント欄で、こちらの作品も良いよと教えていただいた作品。 結論から言って、面白かったです!!! 伝説の(というか全く知らなかった雑誌なのですが)「ヤングキャプテン(徳間書店)」に創刊号から掲載されたそうなのですが、あえなく3号で廃刊の憂き目に・・・(しかも3号とも本作品が表紙を飾ったようですね。ゴラクにおける白竜HADOUの表紙率も驚異的ですが、創刊から配管まで全号の表紙を飾った作品は後にも先にも本作品のみではないでしょうか。偉業中の偉業だと思います。) なので連載版は3話までしかありませんが、面白かったので、完結編を書き下ろして単行本化されました。これは本当に当時の関係者の慧眼だったと思います。そしてその慧眼に誠に感謝です。おかげさまで、今こうしてこの作品をわたしが読めているので、本当に単行本化されて良かった・・・ 書き下ろし部分の執筆にもすったもんだあったそうですが、それは「あらすじ」に詳しく書いてあるので、そちらの項をご覧になってください。 ハイライトは書き下ろされた完結編なのですが、個人的な感想としては、第1話の設定と、カマキリボクサーとかが出てきた時点でもうノックアウトでした。もう面白い。 正直島本先生のマンガを初めて読んでみようという方には別のをオススメしたいのですが、少し島本先生アリだなと思った頃にぜひ読んでほしいです。 ebookになかったので、電子書籍版ないのかな?と思ったのですが、なんとKindle Unlimitedで提供されてました(2022年12月12日現在)ので、年の瀬のふところにも優しいです!