時は幕末。文久3年(西暦1863年)の京都。富永セイは、兄と父を「幕府を倒し天皇政治を起こそうとする長州勤皇派」に殺されてしまう。仇を討とうと考えたセイは、長州勤皇派に対立して兄が入隊したかった、「壬生浪士組」の入隊試験を受けた。そのために、名前を神谷清三郎とかえ、性別も男と偽った。なんとか入隊を許され、副長助勤の沖田総司の下に付くことができた清三郎。ところが、まわりはケダモノのような浪士だらけで…!?幕末青春グラフィティ!!
ドイツ・レーゲンスブルクの音楽学校、聖ゼバスチアンの塔に400年前から伝わる「オルフェウスの窓」―――男性がその窓から地上を見下ろしたとき、一番はじめに眼界に入った女性と宿命的な恋におちるという伝説を持ったその窓で、ユリウスとイザーク、またユリウスとクラウスはそれぞれ出会う。ところが伝説には続きがあり、その恋はオルフェウスとエウリディケの悲恋にならって必ず悲劇に終わるという…
夕梨(ユーリ)はごく普通の中学生。楽しいデートの最中にいきなり水たまりのなかに引きずり込まれてしまう。目が覚めたところは、古代ヒッタイト帝国。皇妃の謀計のために、時空を超えていけにえとして連れてこられたのだ。皇妃に命を狙われるユーリは、危ないところを皇子・カイルに助けられ、側室としてカイルの宮にかくまわれる。なんとかして、日本に戻りたいユーリだが…!?
平安時代、稀代の魔術師と恐れられた陰陽師・安倍晴明。盟友にして管弦の道を究めた王子・源博雅と共に都の怪異に挑む。第1巻には賀茂忠行と共に、菅原道真率いる百鬼夜行に遭遇する少年時代の晴明を描くプロローグ「安倍晴明忠行に随ひて道を習ふこと」、盗まれた唐伝来の琵琶・玄象にまつわる羅城門での凶事を描く「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」、僧・寿水のもとに夜な夜な現れる口の無い美女の謎を解く「梔子の女」の2編を収録。
超現実主義の仁希と謎の多い多国籍家系の友理。幼なじみのふたりは12年前に助けた精霊から自由に時間を超えられる指輪をもらい…。コミックス未収録の連載原稿も収録。
20年前に読んでおきたかった漫画
西暦574年、橘豊日大王と穴穂部間人皇女の間に皇子が生まれた。幼い頃から聡明で、不思議な力を備え、厩戸皇子(うまやどのおうじ)と呼ばれたこの皇子こそ、冠位十二階の制定や十七条憲法などによって日本史上あまりにも名高い、後の聖徳太子であった。波乱に満ちた短い生涯を貫いていたものは、生きとし生けるものへの深い慈しみと悲しみの心だった――。
七本の神剣を集め、古代の怨念を昇華せよ! ──島根県の山奥の村で49年に一度だけ行われる秘祭・神和祭(かんなぎさい)の取材に同行した七地健生(ななちたけお)は、巫女として舞っていた少年・布椎闇己(ふづちくらき)と出会うが…!?
1996年、香港。街では、若い女性の腹を裂く連続殺人事件が発生。事件に関わる、グィノー家の裏切り者=アーネスト・藍・グィノー征伐のため、ローゼリットは《風使い(アエロマンサー)》候補のカルノを呼び寄せた!猥雑な不夜城都市・香港を舞台に繰り広げられる、めくるめくファンタスティック・バトル、フル・ボリュームの第一弾!
時は平安。生涯独身と心に決めていた大納言家の瑠璃(るり)姫は、ひょんなことから高彬(たかあきら)と婚約とまではよかったが、事件につぐ事件で…!?ぶっとび平安ラブ・コメディ。
没落貴族の娘・レオノーラは、剣術が得意な銀髪の少女。レオノーラは町の権力者と結婚することになるが、この結婚にはイタリアの古い伝説にまつわる陰謀が隠されていた…。「エメラルドの獅子と名づけられた宝剣を手にしたものが、イタリアの王になる」。ルネッサンスの天才や野心家たちが、宝剣を求め奔走する傑作歴史ファンタジー!!
古今東西幻想綺談、夢の碑シリーズ第二弾。時は平家の天下の世、秋篠という名の若き没落貴族がいた。桜の精に魅入られるほどのその美貌。だが野心に眩み2人の女を修羅に落とした秋篠に、桜は凄惨な運命を用意する…。雨月物語に題材をとった表題作ほか、帝位奪回を悲願とする南朝の皇子・紗王の心に巣喰う深き闇「水面の月の皇子」、19世紀のプラハを舞台のゴシック・ロマン「影に愛された男」など、珠玉の5編からなる「夢の碑」第2集。
時は平安、帝の愛を一身にあつめる寵姫・桐壷更衣は光輝く皇子を生んだ。この世ならぬ美貌と神才…日本文学史上最高のヒーロー光源氏の誕生である。その数奇な人生を彩る女たちとの儚くも激しい愛の遍歴。紫式部のきらびやかな物語世界を1000年の時を越えて牧美也子が描き出す絢爛たる王朝絵巻。
1000年余りの時を経て、現在も愛され続けている世界最古の長編小説、『源氏物語』。比類なき美貌と教養を兼ね備えた光源氏は、亡き母の姿を重ね、父・帝の女御、藤壺と越えてはならぬ一線を越えてしまう。不義の恋に憂い、満たされぬ想いに翻弄され、数多の女性との悲哀に満ちた恋多き人生を歩むことに…。
イザナミは愛する夫の死を望み、オオクニヌシは恋人とともに逃避行した。オトタチバナヒメは夫のために海に身を投げ、仁徳天皇は妻以外の女性に愛の歌を贈った――。最古の史料・古事記には、日本列島を造った万物の神々と、遥か昔の日本を統べる天皇による、あまりにも壮大な“愛の物語”が描かれていた。
あるクリスマスの夜、皇帝に逆らった罪で追われている夫婦がいた。子供だけは助けたいと、二人はある農家の夫婦へ自分たちの娘を託した…ロザリンダはロタと呼ばれ、愛されて暮らしていた。ある日、地主さまのところへ届けものをする途中にコザックのアドリアン、音楽のロストフ先生と出会い、ロタの生活は大きく変わろうとしていた…少女漫画界の巨匠・水野英子の「白いトロイカ」がイーブックで登場!掲載誌オリジナル復刻版でお楽しみ下さい。
平安の都を騒がす鬼・酒呑童子。ある日逃走中の彼は、紅葉という少女と出会い…。NAOE’Sロマンチック夢幻絵巻&ファンタジー、表題作「鬼がふり返った刻」他「聖獣D」「1999-本当のこと-」「星は何でも知っている」を収録。
時は平安。少年・然丸が出会った「白金の姫君」とは…!? 和の俊英が流麗な筆致で描く絢爛世界! 表題作のほか「東風吹かば」「あかつき綴り」を収録した傑作集!!
古代のカナン地方(現在のパレスチナ)において、悪徳の都ソドムの若き英雄・マイラが勇名をとどろかせていた。「死海の黒豹」との異名をもつ彼は、長い黒髪をたなびかせ次々に戦果を挙げる。しかし華々しい活躍とは裏腹に、彼の胸中は「神などいない」という乾いた諦観に支配されていた。神が実在するなら、血にまみれた自分を真っ先に断罪するはずではないか、と思えてならないのだ。父親の悪意や部下の裏切りを目撃し、マイラの瞳はいっそう憂色を強めるが……。ソドムが崩壊するまでの一部始終を切り取り描く、ファンタジックな歴史ロマン!
ここは火事と喧嘩が名物で、将軍様のお膝元。さあ、今こそ思うぞんぶん芸を見せるのだ!!花の大江戸へとやってきた軽業師・雪乃介はちょいと興奮気味。後先考えずに芸をしたせいで、さっそくトラブルに巻き込まれてしまった。そこへ煙管をくわえた女形が現われ、涼しい声で仲裁する。本物の女と見紛うその人物こそ、人呼んで瀬川桃之丞(せがわもものじょう)。江戸一番の人気を誇る、心やさしき花形役者だった。思わず見とれてしまった雪之介は、彼と関わるうちに江戸を揺るがす大事件に巻き込まれてゆき……。華麗なるスーパー女形・桃之丞がもろ肌脱ぐとき、悪は必ず滅ぶ運命!?お江戸を舞台にした人情アクションコメディ!!
少女漫画を支えていた1つの作品が、もう「見事」としか言いようがないほど素晴らしい最終回を迎えることができました。 『風光る』は、月刊flowersが創刊号からずっと連載されており、2020年7月号をもって23年間の連載に幕を閉じました。 本作は1997年~別冊少女コミックで連載が開始されましたが、2002年に別冊少女コミックがリニューアルされた際、プチフラワーと別冊少女コミックの一部連載作品を併合した形で創刊された月刊flowersに移籍されました。 flowersの元になった別冊少女コミックは、萩尾望都の『ポーの一族』『11人いる!』、吉田秋生の『BANANAFISH』、田村由美の『BASARA』など数々の名作を生んだ場であり、今もflowersでご活躍されている漫画家さんがご活躍していました。 flowersのもう一つの前身であるプチフラワーでは、24年組では竹宮惠子の『風と木の詩』、木原敏江、大島弓子や山岸凉子の短編、ポスト24年組と言われる佐藤史生、ささやななえ、そして彼女らの次の世代にあたる岡野玲子、吉野朔美、西炯子などなど、常に新しい少女漫画の価値観を生んでくれた多彩な作家陣でした。 つまり、月刊flowersは、既成価値観を壊し戦い抜いてきた作家陣の意志が残された、小学館の唯一の少女漫画雑誌なのです。 前置きが長くなりましたが、『風光る』がここまで見事な最終回を迎えられたのは、今現在のflowersに、前述した数々の巨匠たちの影響が残っている故だと思います。 また、『風光る』も、停滞している少女漫画の既成価値観に対し、23年間ずっと戦ってきました。 その功績の一つが、それまで難しいと言われていた、少女漫画で史実に沿った歴史ものを、最後の最後まで描き切ったことだと私は思います。 そしてその結果の、この最終回…!! flowersがなければ、この最終回は描けなかったのでは…?ともまで思います。 この完結を読むことができて、作品にとって雑誌というのはとても重要なんだな…と思うことができました。 (作品自体の感想は、以前書いた口コミを読んでいただけたらなと思います…!)