『パトレイバー』『怨み屋本舗』…川島・山内のおすすめマンガ|川島・山内のマンガ沼web

『パトレイバー』『怨み屋本舗』…川島・山内のおすすめマンガ|川島・山内のマンガ沼web

麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ「川島・山内のマンガ沼」。今回は、川島・山内のおすすめマンガを4作品紹介していきます。

川島のおすすめマンガ『機動警察パトレイバー

川島 僕がいまハマってる……というか、もう30年近くハマってるマンガがあって、それがこちらです。『機動警察パトレイバー』。

山内 もちろん名前は聞いたことあります。

 

ゆうきまさみ機動警察パトレイバー』(小学館)

機動警察パトレイバーの表紙
©︎ゆうきまさみ/小学館

・1988年3月〜1994年まで「週刊少年サンデー」にて連載(全22巻)。

・1993年に公開された劇場版が今年2月に『機動警察パトレイバー2 the Movie 4DX』として上映された。

・巨大ロボット「レイバー」が活躍する近未来の東京で、「レイバー」による犯罪が続発し、警視庁はそれに対抗すべく通称「パトレイバー」を設立。

・パイロットの泉野明(いずみ・のあ)が愛機「イングラム」と共に戦い成長していくロボットマンガ。

 

川島 もともと僕の兄貴が「こんなおもろいマンガはない」とめちゃくちゃハマってたので、僕も小学生・中学生から読んでたんですよ。とにかくこの『パトレイバー』、名前だけは知ってる人多くて、主人公の泉野明(いずみ・のあ)という女性パイロットが乗るイングラムというマシン(レイバー)があるんですけども、このイングラムが相当有名で。

山内 レイバーというのは?

川島 レイバーというのは工場で作業するようなロボットで、近未来の日本にはそのレイバーがたくさんいるんです。そのレイバーを使った犯罪が増えてきたから、警察もパトカーの延長上で「パトレイバー」というマシンを出してきたという。非常にリアルな警察の問題やテロリストが出てくるマンガなんですけど、ちょっと4巻の表紙を見てほしいんです。

 

機動警察パトレイバー4巻の表紙
 

 

川島 4巻に黒いレイバーが写ってますけど、、あれが「グリフォン」というライバルのレイバーなんです。全部で22巻あるんですけど、結局グリフォンとの壮絶なバトルを最後までやるんですよ。『ドラゴンボール』でいうなら、悟空VSピッコロで最後までいくみたいな。でもイングラムとグリフォンは、なかなかまともに戦い合えないんです。第三者の邪魔が入ったり、環境が悪すぎたり、満足いく状況で戦えないまま、21巻で初めてグリフォンとイングラムが正々堂々とぶつかるんですよ。

 

機動警察パトレイバー21巻の表紙
 

 

川島 それで22巻で決着を迎えるんですけど、たぶん今のマンガだったら7巻くらいで終わっちゃうような内容なんです。

山内 なるほど。

川島 今のマンガって圧倒的にペースが早いじゃないですか。読者を飽きさせないためにパッパッと進みますよね。でもパトレイバーはいい意味でベストアルバムじゃないマンガなんです。「売れてる曲もあるけど、ちょっと変わったこの曲が入ってるのもいいよね」みたいな感じで22巻まで進む。そういう魅力のマンガですね。

山内のおすすめマンガ『怨み屋本舗

山内 僕がはまってるおすすめマンガは『怨み屋本舗』です。

川島 僕はまだ読んだことないです。

山内 本当に2人でジャンル違いますよね。お互いけっこう読んでるはずなのに、でもマンガの趣味が交わってないという(笑)。

川島 それがいいですよね。

山内 『怨み屋本舗』はいろんなのが出てるんです。『怨み屋本舗 巣来間風介』(第2部)とか、『怨み屋本舗 REBOOT』(第3部)とか、シリーズがいくつも出てて、今は第6部(『怨み屋本舗 WORST』)までいってるんですよ。僕は全部買ってます。

 

栗原正尚怨み屋本舗』(集英社)

・2000年「ビジネスジャンプ増刊エクストラ」で連載開始。

・その後「ビジネスジャンプ」を経て、現在は「グランドジャンプ」で第6部『怨み屋本舗 WORST』が連載中。

・単行本の累計発行部数は540万部以上。

・謎の女「怨み屋」があなたに代わって制裁を下す、殺伐とした現代社会の暗部をえぐる復讐代行マンガ。

 

山内 主人公の女が怨み屋本舗を経営していて、代わりに恨みを晴らしてくれるんです。

川島 「必殺仕事人」的な感じですか?

山内 近いです。お金をもらって恨みを晴らすんですけど、そこに正義は求めてないんです。大事なのは「本当に恨んでいるかどうか」。でも自分が悪くて逆恨みしてるのはダメなんです。

川島 それは審査落ちるんや。

山内 「もし逆恨みや私を裏切った場合は覚悟しといてくださいね」と言われた上で、「わかりました、お願いします!」と依頼して、その後で逆恨みがバレたら……依頼人はもうめちゃくちゃにされるんです(笑)。

川島 それは怖いよね(笑)。怨み屋のことを裏切ってるわけだから。

山内 恨みを晴らすんですけど、かなり晴らしてくれるんですよ。「晴らしすぎ! 晴らしすぎやん!」という部分も面白くて。たとえばスリにあう話があって、「あいつの手癖が悪いから、もう許せないです」みたいな依頼が来たら、わざとその相手にスリさせるんです。そしたらコインロッカーのカギみたいなのが入ってて、「コインロッカーに預けてるということは、かなりのものじゃないか……」と期待して、開けた瞬間に大爆発したり(笑)。

川島 思ってたエピソードじゃないね(笑)。ド派手。

山内 その「晴らしすぎ」もいいんです。

川島のおすすめマンガ『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい

川島 川島がハマっているおすすめマンガ、こちらです。『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』。知ってますか?

山内 僕、これ読んだことないです。

 

東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』(ヒーローズ)
作者:柴田ヨクサル 協力:石森プロ 東映

東島丹三郎は仮面ライダーになりたい1巻表紙
©︎柴田ヨクサル/ヒーローズ ©︎石森プロ・東映

・WEBコミック配信サイト「コミプレ」にて連載中。

・単行本は第8巻まで発売中。

・40歳になっても本気で仮面ライダーになろうとしていた東島丹三郎(とうじま・たんざぶろう)による大真面目の仮面ライダーなりきりアクションマンガ。

 

川島 文字通り「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」という話なんですよ。僕らって、小学生低学年くらいは「仮面ライダーになりたい」「スーパーヒーローになりたい」と思ってたと思いますけど、この東島丹三郎は40歳まで本気で仮面ライダーになろうとしていた男なんです。だから就職もしてませんし、ずっと山篭りで鍛えて、お金がなくなったら肉体労働なんかをしている。家には仮面ライダーのフィギュアやグッズがたくさんあって、とにかく仮面ライダーになることしか40年間考えてない男なんです。でも40歳になって「あれ? なれないな」と気付くんです(笑)。

山内 だいぶ遅いですね(笑)。

川島 「俺の人生は間違ってたな……これから人生もう一度真っ当に歩めるかな……」と思いながら、お祭りでたこ焼きを食べてたら、強盗が現れまして。その屋台を襲う強盗が、自分の顔を見せないために目出し帽をかぶって、ショッカーの格好をしてたんです。

山内 ほほう。

川島 ショッカーが目の前に現れたことが、東島はうれしくてうれしくて泣いてしまうんですよ。お祭りだからお面も売ってて、東島は仮面ライダーのお面をつけて仮面ライダーとして戦うんです。「仮面ライダーごっこ」じゃなくて、「俺は仮面ライダーなんだ」という気持ちで。その写真がSNSで「仮面ライダー現る!」と話題になってしまって、ネットニュースにもなるんですよ。で、そのニュースを見た同じようなコンセプトの女性がおりまして。

 

東島丹三郎は仮面ライダーになりたい2巻表紙
 

 

川島 「仮面ライダーストロンガー」に出てくる、電波人間タックルにずっと憧れていた女性がいるんですけど、彼女がそのニュースを見て「私が最初にショッカーと戦う予定だったのに。何してくれてんの」と、気持ちがふつふつと燃え上がってくるんです。ショッカーみたいな格好をした強盗を、どちらのライダーが倒して手柄を立てるか……みたいな感じになっていくんですけど、そうこうしてる間に本物のショッカーが現れるんですよ。

山内 どういうことですか(笑)!?

川島 そういう世界なんです。実はここの世界、ホンマに改造された怪人が出てくる世界なんですよ。それに対して「自分は仮面ライダーだ」と信じる生身の男が戦っていくという物語です。これ以上でもこれ以下でもない話で、特に伏線も何もないです。今のマンガってちょっと伏線があったり、「よく見たらここにヒントが隠されてた」みたいなのがありますけど、このマンガはほとんど見開きです(笑)。1時間で全部読めます。ストーリーもバンバン入ってくる。「なんかしんどいな……」というときに勇気づけてくれるマンガですね。

山内のおすすめマンガ『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには

山内 僕のおすすめのマンガはこちらです。『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』。

川島 珍しく表紙に血が付いてない!

山内 さわやかなマンガです。ネットを見てたらマンガの2コマくらいだけ出てきて、「これどんなマンガだろう?」って興味そそるやつあるじゃないですか。それきっかけでずっと気になってて、電子書籍で見つけて買ったマンガなんです。

TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』(小学館)
作者:丸山恭右 原案協力:Zoo

 TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには1巻表紙
©︎丸山恭右 シナリオ:Zoo/サイコミ

・無料マンガ配信アプリ「サイコミ」にて連載中。

・単行本は第9巻まで発売中(10巻が6/19発売予定)。

・最強を求めた者が必ず行きつく人物、コンビニ店員「川端強(かわばた・つよし)」。伝説の不敗神話を持つ彼を倒すために世界中の強者たちが集う新感覚格闘マンガ。

 

山内 主人公の川端強というコンビニ店員がいるんですけど、この人が最強だという、それだけのマンガなんです。川端強は格闘家という設定じゃなくて、普通にコンビニで働いている少年なんです。ただ、最強だから、いろんな格闘技を極めた人が最終目標として彼のもとにやってくるんですよ。で、彼は「また来たんですか、迷惑ですねえ」みたいな感じで、「戦うのはいいですけど、僕の名前を絶対他では言わないでくださいね」という条件で戦うんですけど、誰も勝てない(笑)。

川島 なんでなん!? なんか格闘技やってたの?

山内 格闘技はまったくやってなくて、今のところ唯一わかってるのは、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に、公園で太極拳を朝の運動としてやっているという。でも格闘技の練習も筋トレもしてないんです。なのに、とにかく強い。

川島 (読みながら)強っ! あれ? でも他に強いコンビニ店員出てきたよ。

 

 TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには3巻表紙
 

 

山内 川端くんは同僚の陳さんに恋してるんですよ。でも陳さんは実は中国からの回し者で、川端くんを味方にしようとスカウトしに来た人なんです。それがバレた瞬間に「あなたもそんな目で僕を見てたんですか?」みたいになるという。今、9巻まで出てます。

 

次回のオンエアは、『GTO』藤沢とおる先生へのガチアンケートと、4コママンガ王決定戦をお送りします。

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(構成:前田隆弘

 


【放送情報】
マンガ沼 公式サイト
次回放送
読売テレビ●5月29日(土)深1:28~1:58
日本テレビ●6月3日(木)深1:59~2:29
『GTO』藤沢とおる先生へのガチアンケートと、4コママンガ王決定戦を放送。

Tverでも配信中!)
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