あひるの空
車谷 空、15歳。身長は149cmと低めだけど、バスケが大好き! 入学したばかりの高校でもバスケ部に入部しようと張り切るものの、そこにいたのは学校をしきる凶悪な双子とその仲間達!? こんな部で、空はバスケを続けることができるのか? そして、小柄な空が魅せる大きな翼とは!?
得意技は3Pシュート
神の雫
ソムリエ見習いの紫野原(しのはら)みやびは、知ったかぶりのお客の間違いを指摘し、その客を怒らせてしまった。しかし、その客の連れとして来ていた神咲雫(かんざき・しずく)のみごとなデキャンタージュによって救われる。実は彼は世界的に有名なワイン評論家、神咲豊多香(かんざき・ゆたか)の息子であった――。神の気まぐれが生み落とした“一本のワイン”を巡る、罪深き人間たちの物語が始まる。
最強のケンカ屋・蒼甫は、この日も朝から暴走族を潰し、彼らのバイクに乗って登校するという凶悪ぶり。だがそのとき、同じ高校の「霞見」という生徒が蔑むような視線で自分を見ていたことが気になり、しかも彼が有名なアマチュアゴルファーだと分かると、ますます気になってゴルフ部の練習場へ押しかける。そこで霞見に因縁をつけようとしたところ、谷川コーチが現れ「一打打ってみろ」という流れになって…!?
天下分け目の「関ヶ原の戦い」で徳川家康が天下を統一、それ以来の歴史を描いたのが「風雲児たち」。その続編「幕末編」がついに単行本化。風雲、急を告げる幕末に……。
夜は千の眼を持つ
祝! シリーズ第5弾『夜の眼は千でございます』が、第21回文化庁メディア芸術祭[優秀賞]受賞!感涙、驚愕の電子書籍化! 圧倒的クオリティとコストパフォーマンスの悪さで業界に名を馳せるギャグ漫画家が、その才能のすべてを賭けて贈る、笑いの百科全書! ギャグのすべてが、ここにある!※巻末には、電子化記念特典として、作者自ら書き下ろした【全話解説】を収録!(書くのも読むのも大変な、シリーズ全190話分! ※各巻ごとに各収録作の解説が付きます)
彼方から
下校途中に無差別爆弾事件に巻き込まれ、異世界へ飛ばされた女子高生・典子。見知らぬ森の中で怯える典子を救ったのは、渡りの戦士・イザーク。この2人の出会いから、世界は大きく動き始める――。
神様はじめました
父親が家出し、住む家もなくした女子高生・桃園奈々生の前に現れた怪しい男。「奈々生に家を譲ろう」という男の言葉を信じて彼の家を訪ねると、そこは廃神社!怪しい男の正体は、土地神・ミカゲだった!!奈々生は神社を譲られるかわりに、神様の仕事を任されてしまって!?
ファンタジウム
「紳士淑女の皆さん!摩訶不思議な手品の世界をご覧に入れましょう!」少年は何ものにも従わず、軽やかに己の道を歩む――。マジシャンとして天性の才能を持ちながら、何ものにも縛られることなく自由に生きる少年・長見良(ながみ・りょう)。マジシャンだった祖父・龍五郎(たつごろう)に憧れて育ったサラリーマン・北條(ほうじょう)。龍五郎が生前にとった唯一の弟子だった良には、ある秘密があった。そして、良の才能に魅入られた北條は、ともに歩んでゆく。
アイシールド21
泥門高校1年・小早川瀬那。気弱な性格が災いし、幼き頃よりパシリ人生を送ってきた。だがそのおかげで(?)ズバ抜けた俊足を持つ瀬那は、悪魔のごとき男・ヒル魔によりアメフト部へと引きずり込まれるが!?
DIOの息子と目される男・汐華初流乃を捜し出すため、イタリアへやって来た広瀬康一。到着早々、ジョルノ・ジョバァーナと呼ばれる金髪の少年に荷物を盗まれる。似通った発音、さらにその奇妙な力を目の当たりにした康一は「ジョルノ」が「初流乃」だと確信し…!?
CLAYMORE
古より人が「妖魔」に喰われる存在であったこの世界。人は長く妖魔に対抗する手段を持てずにいた…。だが背に大剣を背負い、妖魔と戦い続ける一人の戦士が現れ…。「クレイモア」と呼ばれる少女の戦いが始まる!!
スラムダンク以後のバスケットボール漫画で最高傑作はと聞かれたら、未完ではあるものの多くの人がこの作品を挙げると思います。バスケットボールという競技だけでなく、青春を、人生を、人生で最も濃密で輝きに満ちた三年間をテーマに描き、その意味を50巻以上にわたる長い物語の中で常に問い続け、キャラクターたちは思い悩み抜いた先に彼らの信じた道をひた走っていきます。そしてその道は永遠につづいていくものでは必ずしもなく、明日には終わってしまうかもしれない、という刹那性こそがこの作品の裏のテーマであることは間違いないと思われます。 ちなみに表のテーマは挫折や逆境からの再生みたいな感じでしょうか。低身長で馬鹿にされ活躍の場が得られなかった主人公が、正確無比の3Pシュートを武器に、不良や虚弱体質といった「逆境仲間」とともに下馬評を覆しライバルたちをなぎ倒していく…のがまぁ普通のスポーツ漫画だと思うんですが(そういうカタルシスが無いわけではないですが)挫折や苦悩、恋慕、失恋、嫉妬、確執…などなど、ジ○ンプではとてもとても味わえないようなビター&スパイスたっぷりなところが「あひるの空」の心揺さぶられるところなんですね。 作者があとがきで語っていますが、以前にも何度か映像化のオファーがあったもののそのいずれも「空(主人公)がNBAの舞台に…!」というラストを提案されたそうで、そのたび作者は「あひるの空という作品をわかってもらえていない」と落胆したそうです。 主人公の空を含め九頭竜高校メンバーは多分エースのトビを除いて誰もプロにはならないでしょうし、他校の強敵も進学せずインターハイ敗退=バスケット引退となる選手が少なくないはずです。そこに「キセキの世代」みたいなドリーミングさはなく、全日本に選ばれた流川やそれを追いかける天才もおらず、現実的だからこそ何よりもドラマチックな生々しい青春物語があるだけです。 膝を痛めながら奮闘するエース・トビは、彼の膝の具合を案じた先生にこう言い放ちました。 「自分たちに未来があると思わないでくれ」 これには色々な意味が込められています。無名ながら快進撃を続けるクズ高だが全国を狙えるのは今年しかない(だから怪我を押してでも出場させてくれ)というトビの意図とは別に、物語においても「ここで燃え尽きてもかまわない」というキャプテン・百春の発言や、空の大活躍は成長途中の色々な条件が重なったことによる偶発的なものであるという監督の見解などともリンクしてきます。彼らは「未来」なんてもののために青春をかけているのではないのです。それでも彼らの将来を案じて怪我などから守ることが大人の役目です。クズ高の監督も勝利と生徒の将来との両天秤に悩まされることになります。 「甲子園は暑すぎるので別会場でやるべき」「選手の将来を考えて球数制限をすべき」 というような昨今の風潮に抗うかのように「あひるの空」の登場人物たちはスポコンにのめり込んでいきます。 もちろん高校野球のマネージャーが熱中症で亡くなったりそれを美談仕立てで報じたりする今のスポーツ界の在り方は議論の余地なく「悪い」ですし、スパルタ的練習法の効率性がスポーツ科学の観点から疑問視されているこのご時世ではあるものの、一方で、最大限安全への考慮をした上でという条件つきですがぶったおれるまで足がつるまで灰になるまで走り切った先にしか見られない景色があって、その刹那の輝きが後の人生において掛け替えのない宝になるであろうことを信じて疑わない、ある意味宗教みたいなものかもしれませんが…そういう世界があること自体は否定されるべきではないのではないかなと思うのです。 私事ですが学生時代はバンドに打ち込んでいたので、その刹那の輝き教の信者たる彼らの気持ちはよくわかります。一方でスポーツに青春をかけていた人たちを眩しい目で見ていたというのも事実なので、彼らをやっかんで「高校野球なんて危険だやめちまえ」みたいに言っちゃう人の気持ちもまったくわからないでもないわけです。「あひるの空」はそういう複雑でないまぜの感情をリアルに感じられる稀有な漫画です。多感なあの頃がよみがえる…色んな意味で心のリフレッシュになる作品かもしれません。