表題作以外もすごかった
超有名な表題作が面白いのはもちろんなんですが、それ以外の短編ももれなくすべて面白かった。 親と子という関係を描く中で、親は大人だからと言って心まで大人になりきれているとは限らないんだなと思える表現が多い短編集だった印象。 そんな中でも異彩を放っていたのが「学校へいくクスリ」。かなりSF色が強めで、作者の遊び心も見えて、何を伝えたかったのかはよく分からなかったけど読んでて楽しい一作でした。
女優「菅野美穂」さん主演でテレビドラマ化もされた萩尾望都の短編作品です。
主人公である青島リカは、自分の姿を見るとイグアナに見えてしまうという特異体質を持っています。
母親である青島ゆりこもリカを見るとイグアナにしか見えません。
そのため二人の親子関係は上手くいかないのです。
作中では、母ゆりこのリカに対する嫌悪感が激しく描写されています。
リカはその他の人物からは、人間にしか見られず相当な美少女です。
ですが彼女自身は母親との確執や、自分は醜悪であるというコンプレックスから、劣等感を抱いて生きています。
最後はハッピーエンドで終わる物語であり、醜形恐怖という病気を世に知らしめた作品としても有名です。
その日、生まれてきたのはとても可愛い女の子だった。だけどなぜか母親の目には、その子の姿がイグアナに見える…。母と娘の間に横たわる愛と憎しみの葛藤を描いた表題作ほか、両親にスポイルされた少年が人生をみつけるために戻らなければならなかった場所「カタルシス」、アバンチュールへの一瞬の迷い「午後の日射し」、コミックス未収録の短編「帰ってくる子」など6編の異色傑作集。
その日、生まれてきたのはとても可愛い女の子だった。だけどなぜか母親の目には、その子の姿がイグアナに見える…。母と娘の間に横たわる愛と憎しみの葛藤を描いた表題作ほか、両親にスポイルされた少年が人生をみつけるために戻らなければならなかった場所「カタルシス」、アバンチュールへの一瞬の迷い「午後の日射し」、コミックス未収録の短編「帰ってくる子」など6編の異色傑作集。