あのしょうてんがいのほんやのちいさなおくさんのおはなし
「あの商店街の、本屋の、小さな奥さんのお話。」
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あらすじ

時は昭和中期。田舎から、東京郊外の本屋の旦那様の所に嫁いできた“奥さん”。しかし旦那さんはすぐに亡くなり、奥さんは本屋を一人で切り盛りすることに。商店街の人々をまきこみながら、独自の書店商売を繰り広げる奥さんの「恋物語」。

おしゃぴくしませんか
おしゃピクしませんか?
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あらすじ

「おしゃピク」…それは「おしゃれなピクニック」のこと♪JS(小学生)・JK(高校生)・OL・主婦の女子4人が美味しいものと可愛いものに囲まれながら熱―い友情を育みます!

いちげんめはやるきのみんぽうはくせんしゃぶんこ
1限めはやる気の民法
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あらすじ

法学部三年の田宮が、純粋な学問への興味から選んだゼミは超楽勝ゼミで知られる通称・龍三研究会(たつさぶゼミ)! 田宮以外は、付属高校出身のお気楽な金持ち連中ばかりの中で、ひと際ケーハクそうな代議士の息子・藤堂に、ほのかな友情を抱き始める田宮。一方、藤堂は田宮に自分と同じゲイの匂いを感じているのだが…。良家の子女が集う名門大学を舞台に繰り広げられる、一風変わったキャンパス・ラブ・ストーリー「1限めはやる気の民法」がついに文庫で登場!(この作品はボーイズラブ作品となります。)

ハムスターの研究レポート
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あらすじ

著者のハムスターへの愛情と、彼らの何気ない行動を見逃さない俊逸な観察眼から生まれた、あの“ハムスターファンの聖書(バイブル)”

ロスト ハウス
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あらすじ

幼い頃に住んでいたアパートの隣の住人が忘れられないエリ。毎日、部屋の鍵をかけずに出かけていくその隣人は自分に解放区を与えてくれたのだ。少女の遠い憧憬を描いた表題作ほか4編を収録。

日本漫画界が到達した、ひとつの極点

です。 今も昔も、この高み(深み)にいったものは誰もいない。 間違いないです、ハイ。 以上、終わり。 …っていうので、本当は言いたいことのすべてなのですが、まあ、それもどうかと思うので、もう少し贅言を重ねます。 大島弓子は、どこにでもある、でも「特別な痛み」を、途方もなく切実に、軽やかに描いて、そして常に、魂を照らし温める「救い」へと、読むものを導いていきます。 漫画界に限らない、同時代の文芸や映像など「物語り」表現すべてを見渡しても、大島弓子に比肩する「文学的」深淵を描き出すことが出来たものを、ちょっと思いつくことができない。 この『ロストハウス』が、彼女のキャリアで特に優れた一冊だとは思わないのですが、いかんせん現在流通している本は再編集されたものが多く、初読時の印象を適切に反映させられないので、とりあえず。 あと、個人的に『ロストハウス』は、七十年代からずっと読んでいた大島さんの新刊として、刊行された当時なに気なく読んで(たぶん九十年代中盤)、自分が心から愛好する後続の同時代漫画家さんたちの作品と比べて、それこそ「ケタが違う…」と、打ちのめされた記憶がある、忘れられない本なのです。 「たそがれは逢魔の時間」が収録された花ゆめコミックス版『綿の国星2』が私的には最高なのですが、まあ、大島弓子はどれもメチャクチャ凄いので、どれでも良いんです。 『バナナブレッドのプディング』でも『四月怪談』でも『秋日子かく語りき』でも『毎日が夏休み』でも、とにかく1975年~1995年に描かれたすべての「物語り」が、唯一無二にとんでもなく素晴らしいので、未読のかたは、ぜひ。 (「サバ」や「グーグー」とかは、やっぱちょっと別枠で)

(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し
ばななぶれっどのぷでぃんぐ
バナナブレッドのプディング
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あらすじ

少し変わった女子高生・衣良の理想は、“世間にうしろめたさを感じている男色家”。思春期の揺れる少女の心を描く、感性豊かな傑作短編集!

こうしえんのそらにわらえ
甲子園の空に笑え!
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あらすじ

女監督率いる弱小野球部が甲子園へ。気のいい弱小野球部の新感覚スポーツドラマの表題作ほか、『ゲートボール殺人事件』『銀のロマンティック…わはは』の長編2編を収録。

初めて「クワドラプル」という言葉を覚えた『銀のロマンティック…わはは』について

北京の冬季五輪では、羽生結弦選手が挑戦した前人未到のクワドラプルアクセルが大きな話題になりました。 私が「クワドラプル」という言葉を知ったのは、川原泉さんの『銀のロマンティック…わはは』でした。 川原泉ファンの間でも屈指の名作とされており、花とゆめコミックス版では単巻で発売されていたのですが、電子化されているのは文庫版『甲子園の空に笑え!』の中に収録されているものだけです。『川原泉傑作集 ワタシの川原泉』というシリーズの3巻にも収録されていますが、こちらも紙版書籍のみとなっており、電書派の方からは非常に見付かりにくくなっていると思うので、これを機に紹介しておきます (『甲子園の空に笑え』自体や「ゲートボール殺人事件」も面白いのですが、そちらは別で非常に熱いクチコミが書かれていますのでそちらをご参照ください)。 本作は、元々スピードスケートの選手だったものの競技中に怪我をしてしまいフィギュアに転向することになった影浦忍と、父親が世界的な天才バレエダンサーでありながら母から教わったスケートの方が好きで初のジャンプでトリプルアクセルを飛べてしまう才能を持つ由良更紗の二人がペアを組み、ペアスケートという道で戦っていく物語です。 この作品が書かれた1986年には、まだ公式戦でクワドラプルを成功させた選手は現れていませんでした。それから2年後、カナダのカート・ブラウニング選手が1988年の世界選手権で初めて4回転トウループを成功させることとなります。伊藤みどりさんがトリプルアクセルを決めて世界を沸かせて本格的なスケートブームが日本に訪れるのもその後の時期です。川原さんがフィギュアスケートを題材として選び、(「アーティスティック・インプレッション」など現在では採用されていない基準ですが) ルールの解らない読者にも懇切丁寧な解説を挟みながら、クワドラプルに挑戦していく様を時代を少し先取りして描いたのは流石の慧眼と言うべきでしょう。 本作のみならず川原泉作品に通底する特徴としてシリアスとギャグのバランスの良さが挙げらます。中でも、この作品は特に抜群です。時にメインキャラクターが酷い境遇であったり、理不尽が襲い掛かったりするのですが、抜け感のすごい絵柄によって悲しみが緩和されながらも心の奥底にはしっかりと届く作りとなっています。シリアスな絵柄と混ざり合い、しかし決めのようなシーンでも絵が抜けているところはあり、それでいて深い感動を与えられる……。こんなにも軽やかでありながら沁みるマンガを描ける人はそうそういません。「川原節」と言うべき、独特の読み味を実現しています。 元々はB6サイズ1冊に収まるお話ですが、その分テンポも良く充実感も大きく、何度も何度も読み返したくなる名作です。 時代は移り変わり、とうとうクワドラプルアクセルを現実に行う選手が現れたことに目を細めながら、クワドラプルという単語を聞くといつもこの作品の「ある見開き」と、最後の二人の表情を思い出さずにはいられないのです。

兎来栄寿
兎来栄寿

攻撃のない野球 ~その涙のゆくえ~

2018年の夏の甲子園といえば、金農旋風が世を席巻しましたが、農業高校が9人の固定メンバーで県予選から甲子園の決勝まで勝ち進んだことが、川原泉の『甲子園の空に笑え!』とまったく同じだと密かに話題になっていました。偶然って、本当におそろしいですね。まさか、川原泉も自分の描いた嘘でたらめのようなマンガの物語が現実に起ころうとは夢にも思わなかったことでしょう。決勝戦で春も制した優勝候補の大本命に負けてしまうところまで同じですからね。 さて、この季節になると、もともとが涙もろい性格なのに、それにさらに拍車がかかります。今年は春夏ともに甲子園はありませんでしたけど、それでも、地方大会や交流試合の中継をみて涙をこぼしてしまう。それだけでは済まなくて、ネットのニュース記事を読んだだけで泣けてきてしまうから困ったものです。それで、まあ、『甲子園の空に笑え!』を読んだら、これまたボロボロに泣いてしまい、今に至るというわけです。こんなに泣けてしまって、自分ってもしかして何かの病気なのかなって思い立ち、色々と調べはじめるぐらいですからね。悲しくて泣いたことっていうのは、たぶん人生で一度もなくて、何かを美しいと思ったときとか、人の懸命な頑張りの軌跡みたいなものを感じとったときにとにかく弱い。つまり、受け身で泣くということはなくて、自分がそこに何かを見出したときに涙が出るみたいなんです。じゃあ、そこに何を見出したのかといって、球児たちの美しさを見出しましたなんていまさら言えるはずもなく、仕方がないので人が泣くことについて調べてみる。 ふむふむ、近年の心理学的見地では「無力感の認知」と泣くことの関連性が言われているらしい。例えば、人が予期せぬ朗報を受け取った時に泣くのは、表向きには、起こっている事態に対して無力である、影響を与えることができないと感じるためである、と。 閑話休題。 野球というスポーツの特異点は、まず何と言っても攻撃と守備の時間が明確に分かれている点にあると思います。攻撃と守備がまったく無関係に独立している、とまでは言いませんが、ルールの上では無関係に徹している。表と裏と言いますけども、表裏一体なんて言葉もありますけども、野球にかぎっては表裏がたがいに独立している。もっといえば、表と裏をひとつの単位にした回というものも、1回から9回までそれぞれに独立しています。三者凡退の回もあれば、ビッグイニングの回もある。さらにもっといえば、各バッターの打席ごとに独立していますし、ピッチャーの投げる一球ごとに独立しています。こうしたひとつびとつのプレイには全て判定があり、名前が付けられています。ストライク/ボール、アウト/セーフ、三振/四球/死球、犠打/単打/長打/本塁打、盗塁/盗塁刺、刺殺/併殺/失策/捕逸、挙げていけばきりがないですね。もちろん記録に残らないプレイというのもあるにはあるんですけども、基本的には全てのプレイに名前があり、記録として残されます。こうしたプレイのひとつびとつが一回一回を進め、野球という時間をつくっていきます。ここらへんがサッカーやバスケといったスポーツと大きく異なる点で、野球は時間のなかで行われるのではなく、ひとつびとつのプレイが野球という時間をつくってゆく。プロ野球のナイターでは、18時に始まって、24時過ぎに終わった試合まであるそうですからね、なんと6時間! ちなみに最短は55分だそうです、短! ちょっと話が逸れましたが、野球というスポーツは、ひとつびとつのプレイ、ひとつびとつに名前があって、それぞれに独立しているプレイのひとつびとつが時間をつくってゆく、尚且つ、それらは記録として残される。良い記録も、悪い記録も、勝敗を分ける点数に結びつく記録も、結びつかない記録も、それぞれに独立していて、それら全てに名前があり、記録として残されるのです。 これは野球にかぎった話ではありませんが、よく失敗を挽回するなんてことが言われます。でも、どんなに次の機会に頑張ったとしても、失敗は失敗としてそこにあるわけで、あったことを無かったことにはできません。失敗は失敗としてあり、挽回は挽回としてあり、それらは表裏一体のような体をなしておらず、あくまでも、それぞれに無関係に独立していると思います。こういった考えは残酷と思われるかもしれませんが、あったことを無かったことにできるというのなら、その逆もまた然りというわけで、成功もまた失敗によって無かったことになってしまう。そんなことが許されますか、めっちゃ頑張っていい球を投げられるようになったのに、たった一球の失投をホームランにされて、それまでの好投は無かったことになる、そんなことが許されてたまるもんですか。でも、試合は試合ですし、相手だってこの一球を逃さないための練習を重ねてきていたからのホームランです。 コロナで春のセンバツが中止になったとき、頻りに救済案ということが言われました。結果として春夏ともに甲子園大会は中止になりましたけど、仮になにか救済案があったとして、それでもセンバツを戦えなかった選手たちの無念は残ると思うんです。救済は救済としてあるかもしれない、でも、それは選手たちの無念とは無関係にすれ違ったままだと思うんです。数学ではマイナス1にプラス1をすれば0になりますけど、人の心はそんなふうにはできていなくて、マイナス1も、プラス1も、ともにそこに変わらずにあり続けると思うんです。 ある意味でこのことは、いっぽうからしてみれば、もういっぽうに影響を及ぼすことができない「無力感の認知」ということにもなり得ます。とくに攻撃と守備が相互に独立している野球というスポーツにおいて、この「無力感の認知」はよりいっそう顕在化されると思います。夏の甲子園の球史に深く刻まれた一試合に「日本文理の夏はまだ終わらない」でよく知られる、中京大中京vs日本文理の決勝戦があります。10-4と大差をつけられた日本文理が9回裏二死から怒涛の追い上げで1点差まで詰め寄ったところで、最後の快音が三塁手のグローブに吸い込まれて終わるのですが、負けた日本文理は負けたのに晴れやかな顔をしていて、勝った中京が悲愴な顔をしている。しかも、優勝インタビューを受けた四番でピッチャーの堂林が帽子で顔を隠して泣いているんです、ほんとうに情けなくて悔しいです、と。このことを書きながら自分もまた泣いてしまっているんですけど、この試合で堂林はホームランを含めた三安打で得点のほとんどに絡んでいるのにもかかわらず、9回裏の情けない自分を悔いて泣いているんです。しかも、10点をとられて負けた日本文理のピッチャーの伊藤、9回裏二死が続いて、なんということか偶然にも彼の打席で満塁となり、三遊間を破るヒットで走者を二人還して二点差まで詰め寄ります。このとき、二塁まで到達した伊藤のガッツポーズもまた忘れられない、さらに次の代打のヒットで伊藤はホームベースを踏んでついに一点差まで! また、このことを書きながらボロボロに泣いてしまっているんですけど。 そして、広岡監督の率いる豆の木高校は守備のチームです。というのも、赴任してきた広岡先生はドライでクールな生物の教師として、何故かやりたくもない野球部の監督を押し付けられ、そもそも汗と涙の高校野球なんてキモチワルイとすら思っている。それで、まあ、ストレス発散にノックで生徒たちをいびっていたら、いつのまにかチームの守備力が向上していたという能天気ぶりなんですけど、そんなドライでクールな広岡先生が不純な動機とは無関係にいつのまにか高校野球にのめりこんでいくんですよ。 守備だけをひたすら鍛えたチームですから、点なんかとれやしない。広岡監督は選手たちに言います「うちのとりえは守備だけなんだから、たとえこっちが0点でも、相手に一点もやらなけりゃ、少なくとも負けることはないのさ」そして、自分自身にも心の中で言うのです「そーだ、守るんだ、それしか生きる道はない」。となれば、攻撃はもはや神頼みしかない、祈ることしかできないわけです。まさに自分たちの守備に誇りを抱いて、人事を尽くして天命を待つですよ。 ところで、甲子園交流試合の鶴岡東5-3日本航空石川では、5-3の9回裏、追いかける航空石川が2アウト1・2塁と逆転のチャンスをつくって、勝利目前の鶴岡東は最後の打者を打ちとったと思ったんですが、それまで投手のピンチを何度も救ってきた遊撃手がエラーしてしまい、満塁の大ピンチを招いてしまいます。結果としては次のセカンドの好守備に助けられて鶴岡東が逃げ切ったんですけど、自分があの遊撃手なら高校最後のエラーを忘れられないと思うんです。だからといって高校最後の試合を勝利でおさめたことが消えてなくなるわけでもない。どちらとも、ともに、それぞれに無関係に独立にして、そこにあり続けると思うんです。 それはちょうど、恋人にフラれてしまっても、かつて恋人と過ごしたきらきらした日々が消えてなくなることのないように、いつか見た川のせせらぎのきらきらが消えてなくなることのないように、全てのあったことは、ネガティブなことでも、ポジティブなことでも、どちらでもないことでも、あったこととして、そこに変わらずにあり続けると思うんです。自分さえそう信じていれば。 思えば、人生なんてどんな人でも負け戦だと思います。あの清原が見事に体現してくれているように、裕福な家に生まれようが生まれまいが、才能があろうがなかろうが、努力で這い上がろうが這い上がるまいが、多かれ少なかれどんな人生もひとしく負け戦だと思います。攻撃のない野球みたいなものです。誰も彼もボコスカに打たれまくって肩で息をしているピッチャーみたいなものだと思います。攻撃のない野球ですから、どんなに上手く守ってもゼロ、最高のパフォーマンスを発揮してもゼロ、ゼロじゃあ試合には勝てません。たぶん、生きるということは大洪水の川のなかにいるのにひとしくて、流されないように辛抱するのがせいぜいで、進むことなんてできやしない。でも、それでも、と信じさえすれば、守備とは無関係のどこかできっと攻撃が繰り広げられていると思うんです。どんなに清原が落ちぶれようとも、かつて清原が打ったホームランは消えてなくならないように、かつて清原が日本シリーズで流した涙がぜったいに消えてなくならないように。 豆の木高校の豆っ子たちが点をとれなくてもあの手この手で(自分たちの手には負えないやり方で、でも、守備だけは懸命に頑張った!)決勝まで勝ち進んだように、今日もどこかで日本文理の終わらない夏が9回裏の奇跡のような猛攻をどこかで繰り広げていると思うんです、すくなくとも自分がそう信じさえすれば!!!!

影絵が趣味
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マダム・プティ
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時は1920年代末。16歳の万里子は父の借金を返済してもらうのとひきかえに、幼少時からの憧れで、30歳も年上の俊と結婚、オリエント急行の旅に出る。しかし翌朝豪華絢爛な車中でインド人青年のニーラムらと出会った翌朝、思いがけない悲劇が万里子を襲う…!

1920年代、世界を股にかける「小さな奥様」の物語

 はあぁ〜〜ッッ!! うっ! ハァン...何もかも素敵すぎる。物語は新婚の大正乙女が、夫と一緒にトルコからオリエント急行でパリに向かうところから始まります。正確に言うと、駅に向かうフェリーに乗るところから始まるのですが、主人公の万里子は市場から逃げた羊をフェリーに向かって馬で追い立てながらやってきます。な…何を言っているのかわからねーと思うが、読めばわかります。やだこの子超かっこい...!!  ネタバレを避けると熱く語りたい部分が何ひとつ言えないのですが、ネタバレにならない素敵な部分を列挙すると ・1920年代(大正時代)のヨーロッパが舞台 ・客室や異国の街並みの精緻で美しい背景 ・オリエント急行で起こる事件 ・勇気と能力のある自立した主人公 ・インドから来た明らかに裕福で高い教育を受けた青年 ・多国籍な友人たち ・世界を股にかける壮大な物語 ...とまあ、こんな感じです。  大正時代の日本が舞台の少女漫画でも、1920年代のヨーロッパが舞台の少女漫画でもない、「大正乙女が印欧で活躍する少女漫画」というかなり珍しいこの作品。2人の関係が歴史と絡めて深く掘り下げており、恋愛漫画としても歴史(時代)漫画としても非常に読み応えがあります! 全11巻という手頃な巻数で、濃密なヒストリック・ラブロマンスをお楽しみいただけますので、ぜひ買ってください(ダイレクトマーケティング)

たか
たか
としょかんせんそうらぶあんどうぉー
図書館戦争 LOVE&WAR
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あらすじ

「メディア良化法」により、本が狩られる時代。その検閲に対抗すべく、図書館は本を守る防衛隊として「図書隊」を有している。笠原郁は、昔助けてくれた(顔は憶えていない)図書隊員に憧れ入隊。が、待ち受けていたのは「憧れの王子様」ではなく「鬼教官」堂上篤による訓練の数々…!?

ザーフィラ陛下と黒と白
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あらすじ

「わたし、ふたりが頼れる王にきっとなるから!」父王の死後、11歳で即位した少女陛下・ザーフィラ。黒と白、対立する二派閥に属する臣下(※実はふたりは婚約中)に護られる。愛し合いながらも自分のせいで関係を公表できないふたりのため…幼き王が新時代を切り拓く!

こんやくしゃはできあいのふり
婚約者は溺愛のふり
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あらすじ

恋愛初心者バリキャリ女子×オールパーフェクト男子の偽装婚約!?ジャハリー家のラチエルは困窮する家のため、見た目・家柄・財力◎のアウレシア家次男:ファハドとの政略結婚を企てる。ダメ元で求婚したところ、何とまさかの OK!?皆の前では いちゃいちゃアピールをしようとするけれど、恋愛が苦手なラチエルはファハドに振り回されっぱなしで…?「帝の至宝」の仲野えみこが描く、嘘からはじまる恋物語 開幕!!(このコミックスには「婚約者は溺愛のふり[1話売り] story01~04」を収録しております)

ハニー・アンデッド
1巻を試し読み
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ストアに行く
あらすじ

ローサは不気味な王子バーシルに嫁ぐ事に…。(LaLa2021年6月号)

ゆらゆらくいーん
ゆらゆらQ
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あらすじ

「甘々と稲妻」の雨隠ギド最新作!人と狐の間に生まれた女子高生・きゅーこは、他の兄弟たちと違って、狐がもつ不思議な化け力を使いこなせずにいた。それでも優しい兄や姉、幼馴染の男子高生・春人に助けられながら、みんなの力になろうと奮闘するきゅーこ。でも、その春人くんは何だかきゅーこのことが気になっているみたいで…?狐っ子が大奮闘のほのぼのラブコメディ! ※電子版限定で、雨隠ギドもうひとつの最新作「おとなりに銀河」(good!アフタヌーン/講談社刊)第1話を丸っと特別収録!

すえながくよろしくおねがいします
末永くよろしくお願いします
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あらすじ

【電子限定描き下ろしおまけ2p付き!】父を亡くした鷹司輝(たかつかさ ひかる)。保護者として迎えてくれたのは、鷹司家に拾われた書道家・葛霧清水(くずきり きよみず)だった。無気力・無表情な輝だったが、一見冷たいのに自分を気にかけてくれる清水に惹かれはじめ「清水のお嫁さん」を目指すことに!?マイペースすぎるプロポーズの行方は――!?年上ツンデレ×残念美少女のカオスな同棲(?)開幕!

フラワー・オブ・ライフ
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あらすじ

白血病治療のため、1年1ヶ月遅れで高1になった春太郎。オカマにしか見えない教師や優しいぽっちゃり少年などのバラエティ豊かな人々に囲まれ、どこにでもあるようでどこにもない学園生活が始まる!

笑ったり泣いたりするだけが青春じゃないんだ

かしこ
かしこ
バビロンまで何マイル?
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あらすじ

超現実主義の仁希と謎の多い多国籍家系の友理。幼なじみのふたりは12年前に助けた精霊から自由に時間を超えられる指輪をもらい…。コミックス未収録の連載原稿も収録。

20年前に読んでおきたかった漫画

歴史の教科書のような漫画だなと思った。教科書というと堅苦しくて退屈そうだけど、これは読んでいるとワクワクしてもっと知りたい!という欲が湧いてくる。これを10代で読んでたらもっと歴史に関心持ててたかな… はじまりはファンタジーで、子供の頃助けた小人が12年の歳月を経て、お礼として種族年代問わず言葉が通じてさらにタイムスリップ(ただしアトランダム)できる機能を持つ指輪を主人公たちに授ける。 その主人公ふたりのキャラクターがかなり魅力的。魅力が爆発している。 本編でふたりは恐竜時代とイタリアルネッサンス時代に飛ばされるんだけど、いずれも恐ろしいほどに自分らの置かれてる状況を冷静に分析して柔軟に適応し、飄々と受け入れる。出会った人々にも必要以上に感情移入しない。 だから読んでる方は純粋に歴史上の出来事でハラハラドキドキできたのかもしれない。 また数奇な運命を共にしたことで幼馴染の男女の関係性に変化があるかと思いきや、全くない。だがそれでいい!読めばわかる。 一巻完結で気負わず読めるけど、せっかくの指輪の特性を生かした展開がもっとあってもよかった。 と思った一方で、あそこでスパッと終わってたからこその面白さもあるのかな… 自分にとっては川原泉作品の入門として適していたと思える。他のも読も。

タマゴ・ボーロ
パレス・メイヂ
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あらすじ

貧乏貴族の実家を救うため、帝の暮らす宮殿「パレス・メイヂ」に仕えることになった14歳の御園公頼(みそのきみより)。ある時、帝の画帖が破られる事件が起き、御園に嫌疑が…!?

星影作品集「大嫌いなキミに」
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あらすじ

とある過去をきっかけに、極度の男嫌いになってしまった女子高校生・ゆり。男なんて最っっ低!!!絶対に関わりたくない!!……そう思っていたはずなのに、どう見ても“遊び人”な後輩男子・樹に懐かれてしまって!? 「――ただ俺が 先輩と離れたくないだけです」 表題作ほか、トキメキ過剰な青春読切4編を収録!

学園恋愛のバラエティパック #1巻応援

『愛の存在証明』の星影さんが2020年〜2024年にかけて描いた短編を集めた1冊です。 「大嫌いなキミに」は、母親が弟を妊娠している間に父親が不倫し、中二のときの彼氏には3股され男性不信になってしまっているヒロインの物語。 「好きです、先輩」は、とにかくバスケ部の先輩が好きで毎日挨拶のように好意を伝え続ける女の子のお話。 「猫宮くんに絆される」は、恋愛に興味のないヒロインが猫のような後輩をやたら構ってしまう話。 収録されている5編は形は違えど学園恋愛ものとなっており、少女マンガ読者のハイスタンダーズを叶えてくれる作品集です。王道のツボを押さえつつ、それぞれのヒロインの造形や関係性の構成の仕方に持ち味がたっぷり出ています。 星影さんは一番古い「刹那のインフェルノ」のときから絵の魅力がありどのヒロインもみんなかわいくて好きですが、この数年で更に磨きがかかっているのを感じ取れます。 その「刹那のインフェルノ」のお話の切り口は特に作家性が表れているところで、『愛の存在証明』にも繋がる部分を感じます。星影さんは濃厚な百合を描いても素晴らしいものが描けそうだなと。 個人的にこの作品集の中でも特に好きなのは最後の「一瞬間の青」です。弓道を題材にしており、ヒロインが同い年の男の子の射に一目惚れするも、同じ高校に入学したときにはなぜか弓道を辞めて女遊びに精を出していて……というところから幕が開けます。短編ではありながらも、心に沁みる内容で「人生」を感じました。クライマックスの見開きの使い方、そこからの真っ直ぐに届けるモノローグが素敵です。 最後の描き下ろしおまけマンガは、とても良いご褒美でした。 王道の少女マンガ成分や恋愛を浴びたい方には特にお薦めです。『愛の存在証明』も併せて読むと、星影さんの引き出しの豊かさをより感じられて良いと思います。

兎来栄寿
兎来栄寿
こいだのあいだのきみはぼくのたいようだ
恋だの愛だの~君は僕の太陽だ~
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あらすじ

大ヒットシリーズ「笑うかのこ様」「恋だの愛だの」の富中メンバーが帰って来た!自他ともに認める平凡なイイ奴キャラ・山田。高校に進学しても中学時代の仲良しメンバーとつるむ日々。俺たちは「恋だの愛だの」とは無縁の日々を送るのか…と思いきや、椿とかのこが付き合っていると聞き!?(このコミックスには「恋だの愛だの~君は僕の太陽だ~[1話売り] story01~04」を収録しております)

寿々木君のていねいな生活
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あらすじ

寿々木薫が好きなことは、お菓子作り・植物の世話・季節のてしごとetc.そんな寿々木が、高校入学初日、通学電車で酔っ払いに絡まれてしまった!…のを華麗に助けたのは、美少年・春名新。二人は親友になり愉快な毎日を送ることに!ギャップの可愛い登場人物達による、ポップなスクールライフ。

「好き」への否定を否定してくれる優しい物語 #1巻応援

『ただいまのうた』、『キラメキ☆銀河町商店街』、『シェアハウス金平糖北千住』などでお馴染みのふじもとゆうきさん最新作。 今回もまた、一際優しさが沁みる作品となっています。 長身で強面な主人公・寿々木薫(すずきかおる)は、見た目に反してお菓子作り、植物の世話、季節のてしごと、裁縫などが好きで得意な少年。 薫が高校入学の日に出逢った同じクラスの春名は、薫とは逆に小柄で美少女のようにかわいい容姿でありながら、柔道が得意で強い男子。仲良くなっていく対照的なふたりを中心に、薫の新しい希望に満ちた生活が始まっていきます。 薫は中学時代に自分の趣味嗜好を否定されハブられてしまっていた経験があり、自分のありのままを受け入れてくれることに新鮮な感動を得て行きます。そこが、何ともハートフルで読んでいてぽかぽかします。 私も思春期の頃にあまり他の男の子がやらないような花の水やりや料理や裁縫など家庭的なことをよくやっていましたし、好きなものを好きでいたら「キモい」と言われる悲しさもよく解ります。昔は今ほどオタクに寛容ではなかったですからね。 しかし、薫が同級生に外見に似合わない趣味嗜好をからかわれて家で凹んでいたときに ″「好きなこと」はこの先も薫を助けてくれる 絶対に大切にした方がいいよ″ と薫の母親が言葉をかけます。何と素敵な言葉でしょうか。好きを否定されて傷ついたことのある人には沁みるセリフでしょう。このお母さんだからこそ、優しい薫少年が生まれ育ったのだろうと思えます。 そして、好きを否定する人を否定してくれる新しい友も得ることができた薫。孫を見守る祖父母のような気持ちになります。 薫とは歳の離れた妹が通う保育園で働く桜子先生への恋や、その桜子先生も外見からでは解らない意外な面を持っているところ、またクラスメイトたちの恋愛動向など、これから面白く楽しめそうなポイントが他にもいくつもあります。 優しい世界の物語に触れたい方にお薦めの作品です。

兎来栄寿
兎来栄寿
ほーむどらましかしらない
ホームドラマしか知らない
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あらすじ

“今すぐ消えてしまいたい”――小6の夏休み、父親から家を出るように言われた怜央は、再婚した母を頼り義理の兄と初めて対面することになる。彼の前に現れたのは、変人美大生・透介。自由奔放な透介に振り回されつつもスタートした毎日の中で、怜央は…?不器用な二人が紡ぐ、やさしいファミリーライフ。(このコミックスには花ゆめAi Vol.17,18,19,20,21に掲載されたstory01-05を収録しております。)

都戸さん、好きです(直球)

『嘘解きレトリック』の都戸利津さんによる、通算20冊目となるコミックスということでおめでとうございます! もう都戸さんの作品であれば絶対に面白いことに疑いはなく、全幅の信頼に本作でも応えて頂いています。 特筆すべきは、花ゆめAiというレーベルの作品ですが、少なくとも1巻部分では恋愛要素からは完全に解き放たれて完全に家族愛にフィーチャーした物語となっているところです。 少女マンガであればおおよそ恋愛要素はmust、少なくともあるのがbetterという暗黙の了解がありそうですし、実際同じ花とゆめAiという雑誌でも雑誌名に違わず「恋」や「婚」といった文字が使われている作品も多いのですが、『ホームドラマしか知らない』はそうした縛りから解き放たれた感じがあります。 子供っぽくて生活力皆無な義兄と、家庭環境のせいでしっかりし過ぎている義弟。不器用な二人が織りなすドラマがとにかく心に沁み渡ります。 誰にも必要とされたことのない義弟の視点が主軸となりその心情がたっぷりと語られるのですが、苛立ちも喜びも落ち込みも、まるで自分が体験しているかのように共感してしまいます。 どういう落とし所になるか解りませんが、この義兄弟には幸せでいて欲しいと願うばかり。 やっぱり都戸さんのマンガ、好きだなぁ……。

兎来栄寿
兎来栄寿
このきょうあいはてんさいです
この凶愛は天災です
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あらすじ

【電子限定描き下ろしおまけ付き!】かつて中の国を蹂躙した四柱の悪神・四凶は、舜帝によってその肉体を岩山に、力を勾玉に封じられた。千年の眠りから覚め、肉体の自由を得た四凶。封じられた力を取り戻すため、勾玉を宿す少女・猫美を襲うが……!? 天災級の執着から逃れ、勾玉を守り抜くことができるのか。猫美の受難が幕を開ける――!

ぱたりろひゃくはなとゆめこみっくすばん
パタリロ! (花とゆめコミックス版)
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あらすじ

ミーちゃんが魔界を巡り、アスタロト公爵と会えるまでのいきさつを聞いたパタリロ。「イカロスの羽」とは一体何なのか? 調べを進めたところ、驚くべきことが判明し…!? あのお馴染みの人気キャラクター達も登場の「イカロスの羽」完結編、「パタリロ!」記念すべき第100巻!! ※こちらの電子書籍には、「初版限定特別企画 マリネラ王国土地権利証」は付いておりません。

ふられがーる
フラレガール
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あらすじ

「俺の愛人になってください!」 ド失礼な告白を同級生の青山くんからかまされた赤坂さんのコンプレックスは、「あり余る色気」。常に発されるフェロモンが原因で、大好きだった彼氏にもフラれ、恋愛に臆病になってたけど…!? ハプニング満載! 無自覚エロスに翻弄★ ラブコメ待望の第1巻!