たか
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2020/09/01
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1997年に出版された短編集
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タイトルと表紙のエモさに惹かれて買ったやつ。初めて渡辺多恵子先生の作品をちゃんと読んだのですが圧倒的な絵のうまさと読みやすさに感動してしまいました…! 肌の柔らかさを感じさせるデフォルメと、(なぜ良いと感じるのか説明できないからどう褒めればいいのかわからないけど)とにかく「完璧」なコマ割りがたまらない。 表題作は8月31日に死んだ男子中学生とその親友の話。 その話の後に挿入された「MARCOの身辺雑記 同人活動は卒業!?の巻」によると、この短編の主人公・佑太は先生が同人活動されていたジャンルのキャラの影響を受けているのだとか(シ○ジくんのビジュアルに○ミオの性格)。 この雑記の中で、「狭い世界でシ○ジを描くより万人に向けて佑太を描く方がいい」と書いていらっしゃり、また最後に「新連載」風光るの宣伝をされています。 タイトルに書いたように、これは1997年の短編集なんですよね…なんか伝説の始まりを見たような気分になりました。 2作目は、妹が兄と好きな人がやってるバンドを応援する話「COMING OUT!!」。コンテストで(腐女子の)人気を集めるために、妹がノンケの2人にゲイだとカミングアウトさせることを思いつく。…この話は現在のコンプライアンス的に受け入れ難いなと感じました。 3作目の「キチキチ」は、チャラチャラしてる癖に優秀な兄に劣等感を抱く、優しさと素直さだけが取り柄の弟の話。弟は「キチキチ」という、自分が気づかないフリをしている醜い心の声を囁いてくる存在が見えるようになってしまい追い詰められていくけれど、かつて自分も同じものを見た兄に救われる。 発売から23年経った今読んでも絵に全く古さを感じない。渡辺先生のこの絵の強度の高さをぜひ味わって欲しいです。
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2020/08/29
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執着・監禁・暴力・愛…最高のサイコサスペンス
昨年9月に1巻が発売された際、たまたまTwitterのタイムラインに発売告知が流れてきてこの作品と出会いました。超〜物騒な表紙に惹かれて1話を読んだところ「うわこいつはとんでもねぇ…🤭」とドはまりして即購入しました。 https://twitter.com/daria_fwinc/status/1169520706792644608?s=20 BLに分類される作品の中にはBLというジャンルを超えていち物語として優れている作品が多々あります。 この作品もそうやって「いち名作」として読んでほしいBL漫画の1つなのですが、ただこの作品に関してはオススメするときには細心の注意が必要だなとひしひしと感じます…。 というのも人間の暗い側面を魅力的に描いた作品であり、精神的・肉体的暴力が終始生々しく描かれているので、そういうのが全然大丈夫という方じゃないととても読めない内容だからです。 ぜひウシジマくんを読むつもりで覚悟して読んで楽しんでください! このキリング・ストーキングは全編フルカラー作品。全体的に鮮やかさに欠ける陰鬱な色使いで描かれていて、それが物語の不穏さを加速させています。 主人公が追い詰められて死の恐怖を感じるほどに緊張が高まるシーンでは、カメラアプリでフィルターを加工したような赤い光の効果が重ねられ読んでいるこっちもドキドキしてしまう……! 物語の主要キャストは2人。 境界性パーソナリティ障害を負っている小柄で痩せぎすな男ユン・ウジンと、誰からも慕われるような人気者オ・サンウ。 ウジンがサンウのことを一方的に恋い慕い家の中にまで侵入した結果、足を折られて地下に見知らぬ女と共に監禁されるところから物語は始まります。 https://twitter.com/LezhinComics_JP/status/1167301055933112323?s=20 父に虐待されて育ったサンウは父のみならず母も殺している。暴力・殺人に一切ためらいがないためその監禁生活は壮絶。ウジンは何度もサンウ殺して逃げようと画策し、そのたびに失敗して凄まじい折檻を受ける。 サンウは愛情に飢えているようで散々暴力を振るったウジンに女の服を着せ母親の代用品にして甘え大切に扱うのだけれど、その一方でウジンが逃走を図れば容赦なく殺そうとする……。 ウジンもウジンで逃走できないよう足を折られ、自分が仕込んだ殺鼠剤入の料理を食べさせられ、缶の蓋で肌を切り裂かれ……常に死の恐怖を感じ逃げることばかり考えているはずなのにサンウに欲情してしまう。 支配者と被支配者という関係が、極限状態で何度も曖昧になり揺らぐところがリアルで目が離せなない。 まるで実写映画のような生々しくてスリルに満ちた作品なので、「自分好きそう」という方はぜひ手にとって見てください! 【連載ページ】 https://www.lezhin.com/ja/comic/_killstalk
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2020/08/26
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韓国の一般家庭に生まれた男子高校生のバイオリン物語!
先週新刊ページを眺めてて見つけ1巻が無料だったので読んでみたら、1ページ目で「そう!!!!! こういう雑なローカライズをしてない、原作そのままのウェブトゥーンが読みたかったんだよ…!」と興奮したのがこれ。 まずもう1巻の最初のカラーページを見てマットな色使いがすっごくよくて一目惚れしてしまった…! https://i.imgur.com/Xrrz4df.jpg (『コンクール』Jeong Seol-hwa 1巻) 主人公は5人兄弟の3番目、自営業を営む両親のもとに生まれた高校生・ホギョン。12歳のとき、卓越したバイオリンの才能がある友人・ウイジュから小さくなったバイオリンを譲ってもらい、2年間だけ先生のもとで指導を受けそれからは「趣味」として続けている。 ある日そのバイオリンを壊してしまい工房に持っていったことで、優勝すれば夭折した天才ソン・ジェギョンのバイオリンが手に入るコンクールの存在を知る。 一旦は参加を断ったものの、学校の文化祭で急病のウイジュに変わって舞台に立ったのをきっかけに再び真剣にバイオリンに取り組み始めるというストーリー。 話の書き方が上手い…! 設定や状況を全部説明しないで行間を残して読者に想像させる描き方がしてあって、映画や小説のような雰囲気がある。 演奏シーンでは音が水や光のように描かれていて、うねりや躍動感、感情がよく伝わってきた。 https://i.imgur.com/LUYGrTo.png (『コンクール』Jeong Seol-hwa 1巻) 主人公の設定に関して「すごく貧乏なわけじゃないけど、家族のことを思うとお金がかかることはできない」という、アン家のリアルな経済状況がまたいい。 両親が店を畳もうとしていることを知り、それを支えようとする兄・姉を見て、ホギョンはいじらしくバイオリンに本気になってはいけないと指に悪いバスケをしたり興味がないふりをする… 。だけどやっぱりバイオリンとの繋がりは絶ちたくなくて、数学が得意なのに気づいたら週に1回、音楽の授業がある文系コースを選択している。 設定がリアルだからこそ、ホギョンの無意識の振る舞いがすごく自然で納得できた。 2巻の最後で合宿施設にお父さんが車で送ったあとお小遣いくれるシーンは、自分の経験と重なってウルッと来た…。 2巻まで読むと「どうやらホギョンにはウイジュをも上回るような才能があって、かつてレンコット先生に見いだされたことがある。2人はいい友達だけど、そのことでウイジュは心の何処かでホギョンを恐れている」とわかる。 いや〜もう、こういう「天才VS隠れた天才」のぶつかりあいみたいなのワクワクします。続刊が出るのを楽しみにしています。 【Jeong Seol-hwa先生のTwitter】 https://twitter.com/boyz1_/status/1286638881404678144?s=20 【コミックジーン Winkの連載ページ】(完結済み) https://www.mcomics.co.kr/contents?idx=1778
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2020/08/25
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ヌードモデルと魚と画家! ちょっと変な2人にムズキュンが止まらない…!
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いや〜〜〜〜もうめっちゃ好きです…! たまたまWEB広告で見かけて1話を読んでドハマリして1巻買っちゃいました。有能な自信満々男と変な女の組み合わせに弱いのでドンピシャでした! 【第1話】 https://sample-books.kadokawa.co.jp/02/322001000863/?utm_source=gdn&utm_medium=banner&utm_content=fridayatelier_336_d01&utm_campaign=fridayatelier&gclid=EAIaIQobChMIrsmio8Sw6wIVTE-9Ch0mFgxEEAEYASAAEgJJc_D_BwE 小さなストレスが積み重なり限界だったOLの環。「死ぬ前にサンマが食べたい」とぼんやり外を歩いていたらなんと足元にサンマが落ちていた。サンマを落っことした男に声を掛けられついていくと、何故か裸でなってサンマを身体に載せられて……という導入。 主人公の環はしっとりした色気のある見た目なんだけど、鈍感なうえに抜けている、ちょっとズレている変わった女性。 一方の石原先生は、「シュルレアリスム界の新星」、「画才ルックスともにナンバーワン」と自ら呼称するうぬぼれ屋さん(もちろんそれに見合う実力がしっかりある)。 そのため、先生はあからさまに環に惚れてるんだけどプライドが高いゆえにその気持ちを隠そうとするし、環は鈍感だからその恋心に気づかれずスルーし続ける…という関係が見てて本当におもしろい! 自信家の石原先生がフワフワした環に翻弄される姿が最高で、ずっと見ていたくなります。 (私はあまりツンデレキャラが好きではないのですが、古今東西男女合わせて石原先生はぶっちぎりNo.1です。こういうのでいいんだよ) 上手く説明できないのですが、会話のテンポやギャグや色気…作品に流れる雰囲気が最高に心地いいんですよね。 まだ知らない人には絶対に読んでほしい一作です…!!
たか
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2020/08/24
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今こそ栄光を掴みに行く! 熱きジジイたちの陸上物語!
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うおおめっちゃいい!!なんだこれすげえ…!!マスターズ陸上という、おじいちゃんおばあちゃんの陸上大会がテーマの作品。 孫の運動会で息子の代わりに親子リレーに出たことで、自分の才能に気づいたあるじいさんが主人公。世界記録すら狙える位置にいるじいさんはマスターズ陸上へと参加。見事なフォームと熱いハートで独走する最中、ここに集まったじいさんたちは皆、自分と同じ思いを胸に抱いていると気づく。 この大会は老いて社会の輪から追いやられたじいさんたちにとって、かつての地位と尊敬を取り戻すチャンスなのだと。 こうして心を1つにしたじいさんたちは、迫真の表情で手を取り合いゴールテープを切るのだった…! コロコロコミックっぽい表情というか…子供っぽくがコミカルにデフォルメされて「ジジイ顔」の良さ、そして主人公がジジイなのに走りの躍動感と迫力が半端ないところがすんごくよかった!! なんとなく高田康太郎先生っぽさを感じました。 岡本圭一郎先生は過去に実用書漫画やアスリートのドキュメンタリー作品を描いていた方なんですね。その経験が存分に生かされているように感じました。 ぜひ連載持ってほしい…! 次回作も楽しみにしています。
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2020/08/19
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面白すぎて感想を書きにくい競馬学校物語
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最近読み返したけどめちゃくちゃ面白かった! むしろ最初に読んだ時より面白く感じたほど…! 中学生の主人公・颯太が、父への復讐という負の感情を糧に、脇目も振らず夢に向かって邁進していく話。原動力こそネガティブなんだけど、十代の少年少女が集う競馬学校という舞台ゆえに、ただ辛くて暗いだけじゃなく、青春の爽やかさがあるところが大好きです!! 競馬学校の施設・授業内容・体重管理の厳しさがリアルに描かれていて、主人公・颯太の感情の動きの丁寧なので、まるで森颯太という騎手のドキュメンタリーを見ているかのようで最高。 颯太という主人公の複雑な人間性がまたいいんですよね…! 一度も会ったことのない父、トップジョッキーの藤宮を王座から引きずり下ろすことを夢見て、復讐の炎を静かに燃やしつつ頭は冷静。 藤宮を超えることだけを考えているから同期にはそっけないんだけど、無関心なわけではない。 母にもらったぬいぐるみを大事にしている。 競馬は嫌いだけど馬は好きで、馬に対しては素直に愛情と感謝を示し細やかな世話をする。 こういう人間を多面的に描いている漫画に出会えると嬉しくなります。 そして絵が上手くて安心感が半端ない。 漫画的なデフォルメ(キャラの顔など)と、リアルな背景の描き込みが絶妙なバランスで世界観の解像度が高い…! もちろん馬も上手い🐎 厩舎での愛嬌ある振る舞いから、コース上での迫力ある走りまで。馬の様々な表情が描かれていてすごいなぁと圧倒されます。 3巻で一気に展開が巻きで進んでいき、メチャクチャいいところで完結してしまったのが当時超ショックだったのですが、巻末に「新シリーズスタート! タイトル一新しマンガワンにてリスタート」という告知に救われました。 「そりゃこんだけ面白かったら続くよな」と、ホッとしてのんきに構えていたら、あっという間に時間が経って全然続きが出ない…。 いや嘘でしょ…と思い調べてみたら去年の夏、「ジャンプSQ.RISE 2019 SUMMER」に、プロになった颯太が主人公の読切『ファンファーレ』が掲載されていたようです。 https://twitter.com/nishirensuke/status/1151423392949497856?s=20 https://jumpsq.shueisha.co.jp/sqrise/2019summer/fanfare.html 早速買ったのでこれから読みます! それにして、どう考えても3巻じゃなくて30巻まで続くべきでした。マジでマンガワンと小学館を恨みます。 今後も白星のギャロップと西連助先生を応援していきます。 (▽『白星のギャロップ』2巻より 漫画で伝わってくるこのCMの美しさよ…)
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2020/08/18
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不思議な村で神さま(カエル)に相撲指南
新刊ページを眺めてて、『雨の日も神様と相撲を』という詩的なタイトルが気になって試し読みして1話でガッツリ心を掴まれた作品。ソッコーで買いました…! 相撲好きの母と大学まで相撲をやっていた父の元に生まれた、小柄な中学生・文季。事故で両親を喪い親戚に引き取られたことで、10年以上続けていた相撲から離れられると思いきや、引越した先は相撲好きの「カエル様」の加護で異常なほど反映しているムラだった 親兄弟から相撲を学ぶのが不文律となっているその村で、文季の小柄さをカバーするために磨いてきた分析力はみんなから高く評価され、ついにはカエル様からも助けを求められる。 1話のヒロイン・真夏がスクーターを担ぎ上げている見開きでもう買うっきゃないとなりました。 原作小説は知らないのですが、文季が真夏のことを淡々と「尻の大きな女子だな」と何度も評するところがじわじわ来ます。 カエルを見かけたら礼をするとか、村の農業従事者の平均年齢が若く年収が同世代のサラリーマンの5倍あるとか、村の設定が妙にリアルなのが良いですね。 また、カエル様はカエルが偶然神さまとなった姿で、身体の物理的構造は微妙にカエルと違う――カエルは直立して前を向くことが出来ないが、カエル様はできる――から相撲をとれるという設定も理にかなってて好きです。 村の在来VSイチゴヤドクガエルというカードがどうなるのかメチャクチャ気になります。 https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156721034803
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2020/08/13
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看板娘は天才ハスラー! 爽やかなビリヤード物語 #1巻応援
京都にあるビリヤード店・球撞楽(たまどうらく)。祖父の経営するこの店で、常連客に囲まれながらいつも店番をしている中学1年生の翠は、小さい頃からビリヤードに親しんできた天才少女。ある日、店に祖父に負け越しているガラの悪い元トッププロ選手が訪れ賭け試合をしろと騒ぎ、男の態度に怒った翠は、「私が勝ったら二度と来うへんと約束してください」と勝負を受けて立つ。 メッチャ面白かった! ビリヤードのことを何も知らなくても、ルールを覚えながら楽しめた。 主人公の翠ちゃんはものすごい才能があるんだけど、プロを目指して真剣に練習している子とかではない。初心者でもガチ勢でもない、実力はありつつもゆるさがあるところが読んでて心地よかった。 あと単純に店番するJCは可愛い…!! それからヒロインポジションの民生さんがまた素敵…! https://twitter.com/tokitamagogo/status/1223761053873344513?s=20 東京から越してきた高校1年生の民生さんは、休み時間に1人で中公新書を読んでるような真面目な男の子。 根暗でもひ弱でもなくて単に文系というか落ち着いたタイプで、絡んでくる奴ともきちんと会話できるし自分の考えをしっかり主張できる子。 翠ちゃんのことは初めて会ったときから気になってたけど、プレーを見てさらに仲良くなりたいと思った民生さんは、さっそく球撞楽でアルバイトをすることに。 この典型的なボーイ・ミーツ・ガールがたまりません。 翠ちゃんも民生さんも真面目ないい子なのが見てて和みます。 スポーツ漫画なんだけど、ガチすぎずゆるすぎず、爽やかでアットホームなのが読んでいて心地いい。とめはねっ!とか好きな人におすすめです。 https://urasunday.com/title/1122/105882
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2020/08/11
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完璧すぎるオカルト怪奇譚…!
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読んでて本能的な畏れを感じる最高の怪奇漫画。結構前に立ち読みか漫喫で読んだと思うんだけど、今まで忘れてたのが信じられないくらい面白い。 福助の世の理から外れた得体のしれない力の恐ろしさ、その力を良いように支配する人間の不気味さ、福助を大事に思う人々の優しさ…。 全体的にオカルトな空気というか、説得力のあるリアルさがあってゾワゾワするのが最高。 https://comic-days.com/episode/10834108156643171467 1巻は福助の過去が明らかになっていく過程がメチャクチャよくて、御守様とかビジュアルもやってることも最高に気持ち悪くて目が話せない。結界守の息子がページめくりで即身仏になってるとこはゾッとした…。 普段は爽やかな容貌の福助が力を使う瞬間、ものすごく醜い姿になるとこが好き。力を使うたびに、目と牙が飛び出し、肌が溶けて筋肉がむき出しになる…これによって福助が人知を超えた恐ろしい存在だと何度も印象付けられた。 終始不気味だっただけに、最後に優しいハッピーエンドで終わるのが沁みた。 2巻では、子供の居ない夫婦・スランプ中の小説家・訳あり編集者による福助を巡る物語。2巻は1巻と違い、福助の周りにいる人間たちの「命」に関する苦悩がメインでホラーというよりハートウォーミングな感じ。 そしてなんと言っても、重要な部分が明かされないまま、綺麗に2巻でまとまって完結してしまっているので続きを読みたくて仕方がない!! 彦太郎と別れたあとなぜ福助は井戸に閉じ込められたのか。なぜ御守を福助を模した人形の姿で蘇らせたのか…。 いつか続編を書いてほしい漫画第1位です。
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2020/08/06
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黙って読んでほしい! 自然で遊ぶ小学生の苦くて優しい友情物語 #読切応援
だらだら月マガ読んでて、読切だからと何の気なしに読み始めたらものすごく最高だった…! 今年読んだ読切で1番好きかも。 魚を釣り上げたり、水に飛び込んだり。複雑な構図から子供たちの躍動感が伝わってくるのが好き。魚の質感もいい。 躍動感のある構図と、白黒陰影がハッキリした塗り、大胆な文字や絵の配置がものすごくかっこよかった…! https://i.imgur.com/IAfoJ0s.jpg https://i.imgur.com/H9O5te1.png そしてストーリーがこれまた最高にジュブナイル。 都会から来た少年・小出と、生き物好きな女の子・藤井。小学校の高学年によくいるクラスを牛耳る不愉快ないじめっ子のせいで、クラスで浮いてしまった2人が、豊かな自然の中、釣りを通じて距離を縮めていく様が素晴らしかった。 早く京アニにアニメ化してNHKで放送してほしい…! https://pocket.shonenmagazine.com/episode/13933686331688739692 【あらすじ】 放課後、水路の鯉をリコーダーとタコ糸で釣ろうとしていた藤井を助けそのまま家を訪れると、家の水槽には美しい婚姻色のタナゴが居た。 仲良くなった2人は一緒にタナゴを釣りに出掛けるが、小出は藤井と居るところをいじめっ子たちに見られそうになり、慌てて藤井の手を引いて隠れてしまう。 小出が傷つけてしまったことを謝りに行くと、藤井もまたタナゴがもう生息していないのを隠していたと謝ってきた。 自分の行動を悔いた小出は、「友だちになれば一緒にいる理由がいらない」からと、友達になってほしいと頼み、2人は一緒に遊ぶようになる。 しかし、「藤井の格好良さを知らせるチャンスだ」と小出が意気込んでいた課題発表をいじめの主犯・山本が藤井の課題発表をぶち壊してしまう。それをただ黙って何もせず見殺しにした小出は自らを恥じ、自分が変わったことを行動で示そうと、3年前に消えたタナゴを1人で見つけると決意する。
たか
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2020/08/05
懐かしい…!
小学生のときに通っていたピアノの教室に、話したことのない女子高生のお姉さんがいつも少女コミックを置いてくれていて、それを読むのが楽しみでした(漫画がだめな家庭だったので)。 客観的にみて、ちゃお・りぼん・なかよしをすっ飛ばして少コミから読むとはなかなか歪なのですが、当時はそんなこと全く感じずただ楽しくで読んでいました。 天然はちみつ寮。、覇王・愛人、僕は妹に恋をする、ありす19th、蜜×蜜ドロップス、天は赤い河のほとり…いろいろ載っていましたが、中でもこの『ガ・マ・ンできない』はかなり印象に残っています。 主人公の名前が湊、彼氏の名前が千尋と、どちらも中性的な名前なのが好きでした。 恋愛もので男の子のほうが年下という設定のお話を初めて読んだのがこの作品で、年下彼氏というと千尋を真っ先に思い出します。 またアラサーになった今あらためて読んでみて一番衝撃だったのが、大人になった今読んでも充分刺激的に感じる内容だったことですね。 「キュートでちょっぴりHなラブコメディー」とあらすじにありますが、どう考えてもちょっぴりHどころじゃない!! PTAの「子どもに読ませたくない雑誌」第1位に選ばれたのも納得です。 雑誌で読んでいたため、そもそも単行本の表紙からしてこんなにエロかったのかと驚きました。これを当時本屋で買うのは相当勇気が要っただろうな…。
たか
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2020/08/03
こういう女子バスケ漫画が読みたかったんだよ!!!(大声)
この間たまたま新刊ページをを見てて、「おっ、知らないバスケ漫画があるな」と思ったらまさかの本格女子バスケ漫画で、軽くググったらnote記事が出てきてイラストの魅力にガツンとやられソッコー買ったのがこれです。こんなん元女バスとしては買うしかないじゃん…! https://note.com/imazine_world/n/n4ad8f0d9a6cc https://youtu.be/SuM7UaMNHpo はあ〜〜! 格好良すぎる!! 思い起こせば私は女子バスケ漫画を読んだことがありません。 そもそも“ちゃんとした”女子バスケ漫画(=リアルな等身の女子がガチでアスリートしてるシリアスなバスケ漫画)って他に存在しているのかさえ知らないです…。 そしてまさに、私の抱いているこの疑問が作者の歩先生がこの『BREAK THE BORDER』を描こうと思ったきっかけなんだそう。 >自分が読みたい路線の女子バスケの漫画が今までなかった。キャラクターは偶像的な女の子でなく、ちゃんとひとりの人間として描かれていて、それでいて絵がかっこよくて、ガチで…そういう女子バスケ漫画が読みたかった。 実際読んでみて、いやもう、ほんとおっしゃるとおりで「絵がかっこよくて、ガチ」で最高すぎる。 試合内容もガチならば、全員バスケに対してガチでふわふわ浮ついたとこがない。 はいこれ!!!!!好き!! また、女の子たちは平均身長の可愛い子から超高身長で筋肉質なイケメンまで多種多様はい好き!! https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net/production/uploads/images/12438693/picture_pc_c06a5ff33d173acda5a2166f8c8db1a4.jpg (上記画像は「🔰はじめての人のためのBREAK THE BORDERガイド」より) も〜〜、超リアル。 「そうそう! バスケ部ってこうだよね…!」と、すんごいしっくりくる。 スポーツ漫画は、スポーツというテーマが平凡すぎるために、主人公や周囲のキャラに癖の強い個性・見た目・名前を付けて差別化しようとする傾向があるような気がします。 が、この作品は真逆。 出てくる誰もが「あ〜、こういう子居るよね」と感じるくらい超自然で没個性的。普通だったら、キャラの弱さは漫画においてウィークポイントになってしまうだろうけどこの作品は違う。 キャラが平凡なのではなく、「どっかの練習試合で会ったことあるよね」ってレベルでリアルだからこそ、それが魅力になっているんです。 5番のPG・樹里先輩とか日本に1万人くらいいるでしょ…眼鏡の雨宮先輩も絶対1校に1人はいる。 https://i.imgur.com/KhOOXuc.png (△『BREAK THE BORDER』歩 4話より) キャラの造形だけでなく、試合ももちろん迫力満点。1つ1つの動作や姿勢が「本物」で説得力がすごい。ディフェンスするたびに、ボンボン背中から吹っ飛んでくとこ狂おしいほど好き。 そして動作の軌跡が水彩ブラシで描かれてるのが超〜〜格好いい…!! さらに足さばきやボールの鋭い動きには、ほっそい引っ掻いたような白い線がかかれていてたまらない。 なんかもう…めっちゃ良いもの見たなと、幸せな気持ちでいっぱいです…ありがとうございます。 Netflixでアニメ化するまで応援し続けたいです。 https://note.com/imazine_world/n/neea54d52d097
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2020/07/28
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金と暴力を愛するタイの青年がサタデー・ナイト・フィーバー!! #読切応援
めっっちゃ面白かった…! 絵が青年漫画っぽくてかっこいい! タイ、ナイトクラブ、悪魔、神父、ムエタイ。丁度いい具合に、異文化とファンタジーと戦いがミックスされたすごくいい読切だった。 https://twitter.com/SHIHEILIN/status/1274670307752554498?s=20 金と暴力を愛するタイの青年・レオは、昼間はバイトを掛け持ちし夜は喧嘩代行をしている。ある日、神父・メリィがやってきて、怪我が治るまでの間、自分の代わりに悪魔を殴ってサバトをぶっ潰してほしいと依頼され、土曜の夜にクラブへ向かうことに…!! 初めてレオが悪魔と対峙したときの、悪魔たちの悪魔っぽい発言がすごく好き。「父親のアソコを咥えさせよう」とかすごくぽい。 アクションや悪魔の造形に迫力があるのも良かった。 https://i.imgur.com/CKbcVi3.png (△『エクソシズムオーバーナイトフィーバー』雄鶏) ただバトルだけを描くのではなく、それ以外の日常部分も描写されているのが良かった。 レオとメリィはただ仕事だけの付き合いというわけでなく、いつの間にやらレオの部屋で宅飲みしてて、知り合い以上友達未満の仲になってるのが描かれていてほっこりした。 飲んで泣き上戸になったメリィを、レオが後ろから抱えてるの好き。 舞台がタイということで、レオが子供の頃ムエタイのファイトマネーで稼いでいたとか、ビールに氷入れるとか、端々にうっすらタイ要素が見え隠れするところも良い…! 個人的にはもっとガッツリ外国の描写があるほうがワクワクするんだけど、逆にこのくらい控えめな方が普遍性があって、世界中の誰が読んでも共感できていいのかも。 も〜〜すっかり雄鶏先生のファンになりました。 次回作も楽しみにしています…!! https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331683392143
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2020/07/27
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「東京の良さ」はまさにこれって感じ
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浅野いにおと仲直り出来た読切だった。10年ほどまえにおやすみプンプンを途中まで読み「しんどいなぁ…」と感じ、デッドデッドデーモンズデデデデデストラクションの連載第1話を読んで「やっぱなぁ…」となり。 読む前はかなり構えていたのですが、実際読んでみたらびっくりするくらい登場人物たちと自分の気持ちがシンクロしてしまいもうメチャクチャ面白かったです…! 10年間漫画家のアシスタントをしているという主人公(30)は、マッチングアプリで出会った善良な男性と渋谷で飲む。 渋谷の「自分が上京してからずっと工事中の景色が好き」という主人公。 東京は「いろんな人の寄せ集めで、誰も他人に興味がないしみんながみんな上辺」だという男性。 結局2人はホテルに行かず、次に会う約束もせず別れる。 この清々しいほど後腐れのない出会いと別れが、まさに東京という街らしくてめちゃくちゃグッときました。 他人と二度と人生が交差しない、誰も自分を気にしていない、1500万人の雑踏に紛れてしまえる安心感。 普段から自分が感じている東京の魅力が、この短い読切でこれ以上なく表現されていて「浅野いにおスゲ〜〜〜!!!」という気持ちでいっぱいです。 渋谷という街は、自分自身にとっても上京して大学生活を過ごした場所だけに、登場人物たちと同じ目線に立って読むことが出来て本当に面白かったです。 この読切は、延期となってしまった「20人の漫画家が脳内に存在していた20の東京を描き下ろす『もしも東京展』のために描き下ろしたものとのこと。 今回浅野先生の作品を読んで、他の先生の作品も俄然読みたくなりました。 https://mangamoshimotokyo.jp/
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2020/07/25
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何度も読みたい最高の心霊ジュブナイル漫画…!
この青春オカルティーンは、ツイ4で連載してるときから大好きだった作品で、これからお盆の時期に読み返したい最高の心霊オカルト青春物語です。物語がいいこともさることながら、小林ロク先生のずっと見ていたいくらい絵が綺麗で可愛い…! https://twitter.com/twi_yon/status/1160823238320119808?s=20 霊が見えることで変なやつと思われずっと居場所がなかった高砂橙(だいだい)。高校デビューする満々だったけれど、校門の桜にぶっ刺さってるヤバい霊と目があってしまったために、自己紹介中にとんでもない心霊現象を引き起こし、入学初日から腫れ物扱いされてしまう…。 このヤバい霊・佐久間順は、「なぜ自分が死んでしまったのか」その理由がわからないため成仏できないと言い、霊が見える橙に付きまとい死因を探しを手伝わせる…というあらすじ。 生前、順が1人でやっていた「UTU研(うつ研…学校の怪異を見つけてファイリングする活動)」のノートを手がかりに、順の死因を探していくのですが、この過程でどんどん仲間(霊・人間)が増えていく。 本だけが友達だった霊のシオリ。 お寺の娘・真知。 橙の脳の病気を直してやりたいザキ。 かわいい隙魔(スキマ)の3匹クロ・ネロ・シュバルツ。 そして周囲からヤバい人扱いされてる橙と、アウトローの塊のような俺様男の順。 幽霊を頑なに信じないザキがシオリと打ち解けていったり、最初はギャーギャー対立していた橙と順が仲良くなっていったり…。 霊と人間を問わず、ただ男の子と女の子がワイワイしている青春がそこにはあり、読んでいて楽しくて仕方がない! https://twitter.com/twi_yon/status/1165534409241583621?s=20 しかし、霊であるがゆえに、ずっと変わらずそこに居続けることはできなくて…悲しい別れも描かれています。 そのとき、餞に贈る橙のある言葉にもう、ドガーーーンとやられてしまいました…心霊漫画きっての最高の名シーンだと思います。 このシーンで「仏教って最高なんだな…」と、私の中で新しい扉が開きました。 「オカルティーン」の完結後、小林先生の新作が「ぶっカフェ!」だったことに納得しましたし、もっと仏教について触れることができる作品で歓喜しました。 予想外の順の過去、そしてそれで明らかになる順と橙の共通点…。 久々に読み返したのですが、めっちゃ最高でした…最高。 ツイ4にて読めますのでこの夏読みましょう!! https://sai-zen-sen.jp/comics/twi4/occulteen/
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2020/07/24
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想像の10倍面白かった
社内探偵の広告て見たことある人多いと思うけど、この女性向けゴシップ漫画っぽい広告からは想像がつかないほど硬派な社内人事漫画で驚いた。メチャクチャ面白いぞこれ…! なんならモーニングとかで載ってておかしくない。 この漫画はなんというか「会社漫画」という感じ。 「お仕事漫画」と聞くと、若い主人公が失敗しながら成長していくキラキラした話を想像してしまうが、そうじゃなくて従来的な会社組織内部の人間模様を描いた人間ドラマという感じ。 この漫画がただのゴシップ漫画じゃない、深い洞察がある作品だなと感心したのが1話。 この漫画の鍵となるのが、可愛くて仕事のできない男に媚びる若い女の子・飯田なのだが、1話で人事部の若い男の子・町上がこの子のことを「女子に嫌われてそう」と評する。 実際のところ、ハチャメチャに女性陣からは嫌われているのだが、特に具体例も挙げずにそう発言した町上に対し、先輩の久我は、「女性が可愛い女の子をやっかみ嫌うというのはあなたの思い込みだ」と指摘する。 「決めつけや想像ではなく、社員の実態をきちんと見ることが人事の仕事である」と、最初にこの漫画のテーマである「社内探偵(=人事部)」の行動原理がハッキリと提示されるところが素晴らしい。 この言葉通り、物語ではその後飯田の実際の言動を1つ1つ積み上げていき追い詰めていく。そしてその過程で、どうやら彼女は何も考えていないお花畑女ではなく、何か信念のような強い意志を持った上で行動しているらしいとわかってきて、そこがまた面白い。マジで一体何なんだお前は…! 単話で全部買うと1000円以上するけどその価値はある。 単行本で何冊分のストーリーになるのか不明だが、コミックスが出るまで単話で買い続けたい。 (↓よく見る広告) https://pbs.twimg.com/media/EZkpLenVAAIkrl_.jpg
たか
たか
2020/07/23
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ボーイ・ミーツ・ヒメの青春日本舞踊物語!
実は…ということのほどでも有りませんが、私は3歳から15歳まで日本舞踊を習っていました。「踊りがテーマの漫画だ!」と、興奮して発売直後(2018/11/20)に即買いしたのがこのさんさん桜です。16歳から名取になれた(たぶん)のですが、進学した高校が遠かったためやめてしまいました。 藤杜流の家に生まれた少年・菊央の元に、日本舞踊に魅了された金髪碧眼の「ヒメ(※男)」がやって来る。2週間後の入門試験に合格できるよう、菊央に稽古をつけてもらいたいと頼むが、菊央には踊れない理由があって…というあらすじ。 https://twitter.com/kuranonn/status/1059025421612679168?s=20 スポーツ少年漫画の熱さと、少女漫画の繊細さ優美さ。両方のいいところを駆使して描かれてるのがすごかったです。 自分は物心がつく前から始め、これからというところでやめてしまったので、正直「踊りが美しい」と感じたことも考えたこともありませんでした。 なので、ヒメが美しいと感じている様子や、楽しそうに踊って表現している姿がすごく新鮮でした。 「練習のときは浴衣でやる」 「扇子で扇いで涼を取ってはいけない」 など、自分には当たり前過ぎることがきちんと説明されていて何度かハッとしました。 「私がやめたあとテクノロジー進化しまくってるけど、iPodで音楽掛けたりしてるのかな?」と疑問に思っていたのですが、各話の間にあるおまけによると今でも曲はカセットで流しているのだとか。 (あと今の時代にありがちなスマホでの撮影もNGなのだそう) 2巻全然出ないな〜と思っているうちに1年半以上たってしまったのですが、実は最終話(9話後編)までLINEマンガで公開されているものの、コミックスが出る予定はないのだそう🤯🤯🤯 https://twitter.com/kuranonn/status/1065564741748240384?s=20 https://twitter.com/kuranonn/status/1164064431988514816?s=20 衝撃すぎて力が抜けました…そんなことあるんだ…。 この悲しみを乗り越えたら1巻の続きを読んで出版社に手紙を出そうと思います…。 https://manga.line.me/product/periodic?id=0000av22
たか
たか
2020/07/22
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格好いいJKの妖怪退治アクション!
メッチャ良かった!!絵が見やすくてかっこいい!! 主線が細くて独特の強弱があるのがお洒落。塗りもスッキリしてて全体的にシンプルなんだけど、見せゴマでビシッとキャラを見せてくれるから地味な印象はない。ちょっとした会話ではキャラが超デフォルメされてゆるい落書きみたいになるところも、漫画全体にメリハリを生んでてすごくいい。 https://i.imgur.com/EQ4dnqN.jpg 絵のことばっかり描いちゃったけど、ストーリーも王道オカルトものですごく楽しかった! くせっ毛でソバカスの女子高生・ほのかは、学校で何でも願いを叶えてくれるという「オカゲ様」の話を聞く。 「オカゲ様」に髪の毛をストレートにしてもらったほのかは、「オカゲ様」の力でどんどんコンプレックスを解消し綺麗になっていく。 ある夜、「オカゲ様」に襲われたほのかは、ちょっと苦手なクールなクラスメイト・馬喰さん助けられて…というお話。 アルビノで人と違うことに悩み妖怪に願ってしまった馬喰さんは、願いが叶った代償に妖怪を食べないと生きていけない体になってしまう。しかし同時に、妖怪の能力を少しだけ借りられるようになったため、御札やら護符を貼ったバットやら様々な道具を駆使して妖怪を食べるのですが、この妖怪と対峙する時ビジュアルがイケてる (語彙力) クールなJKが食った妖怪の眼を全身に出現させながら護符バットを振り回すのかっこいい…! https://i.imgur.com/IUgbT7i.jpg ほのかが「オカゲ様」を使って手料理を振る舞いちょっと仲良くなる…という、ホラー展開のあとにホッとする結末が来るところがまたいい。 おとなしそうな見た目のほのか(ストパーロング)と、クールでショートカットふわふわヘアの馬喰さんが2人並んだときのしっくり来る感じ最高でした! 野村安未先生の情報ネットになさすぎて悲しいです…。 次回作も楽しみにしています!!
たか
たか
2020/07/20
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これで連載してくれ〜〜!!!
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まず最初のカラー扉絵の美しさでもう引き込まれたけど、キャラもストーリーも超最高でした!! 明るくてさっぱりしたJK(巨乳)の咲夜は、田舎道をチャリで通学中にアブダクションされかけるが、謎のロボット風美少年に助けられる。 そのまま学校へ行き、一体あれは何だったのかと悩む咲夜の前に謎の美少年が転校生としてやってくる。彼は自己紹介で「オレは銀河連邦軍所属の汎用人型宇宙戦艦アルマ・ネーヴィス・セブン。本日付けで着任した」とぶちかまし…!? というあらすじ。 なんというか、2人のキャラがとにかくいい!! 個性的でありながらクドくなくて爽やか。会話にもわざとらしいところが全然なくて、物語の展開にも無理がない。 鬱陶しくないお姉さんキャラの咲夜も可愛いけど、特にセブンがフェチの全部載せみたいなキャラで最高…!! ・手足がメカメカしくなって、背中にも主翼(?)が生えると、手から重力子砲をぶっぱなす。 ・製造されて13年(13歳)のショタ ・咲夜のパンチラに照れる素直さ いや〜〜ミウラタダヒロ先生怖い…。男の子を可愛く描く才能もあるんですね…! 「JK=パンチラ」がお約束なら、「アンドロイド=メカバレ」というのがお約束。 あんなに可愛いセブンの下半身が吹き飛び、脊髄ズルムケで頭蓋が見えてるメカバレは、寿司屋にいって寿司を頼んで寿司が出てきたような「期待通りのものが出てきた」興奮が凄まじかったです(メカバレ好き並みの感想) 全体的に、宇宙船に関するSFっぽい会話が結構ガッツリあって、しっかり宇宙もの。物語の舞台が田んぼに囲まれてる田舎町なのも、セブンや敵の宇宙船のメカメカしさと良い対比になってて素晴らしい。 クライマックスでセブンが咲夜を助けたときのセリフにはしびれました…! てっきり第1話だと思って読んでたので、最終ページで読切だと気づきショックでした…。アンケート1位に入れたのでぜひ連載化してほしいです!! 【週刊少年ジャンプ 2020年33・34合併号】 https://jumpbookstore.com/item/SHSA_JP01WJ2020030D01_57.html
たか
たか
2020/07/15
多国籍でパワフルな小学校の日常!!
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私が町立小学校2年生のとき学年に3人のブラジル人の子がいました。1学年だいたい100人なので外国人率は3%。これは令和2年の川崎市と同じ外国人割合なんだとか。 90年代のブラジルの経済状況と、日本の法改正により日系3世に定住資格が与えられたことが重なり、工業団地があるうちの地元にたくさんのブラジル人が家族を連れて出稼ぎに来ていたんですね。おかげで今でもゴミ捨て場は日葡併記です。 この作品は私の母校のよりも遥かに広く、世界中の国々の子供たちを受け入れる日本の公立学校のお話です。 https://dokusho-ojikan.jp/serial/detail/t51291 まず冒頭は入学式から始まるのですが、もうこっからすごい!! ティアラをつけお姫様のようなドレスで来る子に、欠席する子(入学手続きをしたものの親の事情で国に帰ってしまった)など、「こいつはとんでもねぇぞ…!」と初っ端から面白さが止まらない。 和式便所の使い方がわからない…などは定番かも知れませんが、運動会でドレッドヘアや、遠足にマックのセットなどなど、「その発想はなかった…!」という文化の違いがバンバン出てきて圧倒されます。 何より読んでいて楽しいのが、学校での子供たちのパワフルさとエキセントリックさ…!! もう、どの子も元気いっぱいで自由気ままでメチャクチャなんですよね。 元気いっぱいのユリア、心配性のビト、お嬢様シェイラ、自由人のアレンetc...。次から次へとまだ出てくるのかと驚くぐらい、様々な子が登場しエピソードには事欠きません。 「いやそんなことある!? 」というようなやらかしに笑いが止まらない一方で、自分が先生でこれを全部対処する側だったら…という考えが一瞬、頭をよぎってゾッとしてしまいました。先生たちすごい…! 最近ではいじめだけでなく、言語の習得が上手く行かずダブルリミテッドとなってしまうケースなども聞かれるので、こうして日本の学校で憂いを知らず元気いっぱいに過ごす子供たちの姿を見るとホッとします。 日本で子供時代を過ごす全ての子に、こんな風に楽しい学校生活を送ってほしいと思わずにいられません。 「庶民の娘ですがセレブ学校へ通っています」が、日本で多国籍の子女に欧米流の教育を施すインターナショナルスクールエッセイだとしたら、「となりの席は外国人」はそのカウンターとなる、日本で多国籍の子女に日本流の教育を施す公立学校エッセイ。両方合わせて読むのがおすすめです。 読めば間違いなく元気が出ます。笑いたいときにぜひどうぞ…!
たか
たか
2020/07/15
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親目線で見るインターナショナルスクール
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「へぇ、帰国? インター?」という会話を大学時代100回は聞きました。純ジャパにはわからない彼らだけが共有できる世界がそこにはあって、自分がそちら側に行くことは決して叶わない…。このフレーズを聞くたびに、虚しさと妬ましさが混じり合う複雑な気持ちになりました。 そもそも大学に入って初めて、私立でも公立でもない、インターナショナルスクール育ちの日本人がいるということに気がつきました。そのくらいインターは自分にとって遠い存在でした。なので、インターにはメチャクチャ興味がある…! こんな面白い学校、もし幼稚園時代の自分が知っていたら間違いなく通いたがったはず。 というわけで、ネットのバナー広告を見てソッコーでポチりました。 https://dokusho-ojikan.jp/serial/detail/t77215 今まで本人の留学体験記などは読んだことはあっても、それを支援する母親目線で描かれたものは読んだことがなかったのでとても新鮮でした。 駐車場に止まってる車の外車率の高さや、ヘルシーな手作り弁当の持参率の高さなど。インターのことをタイトルで「セレブ学校」と称するだけあって、庶民親ならではの目の付け所が面白い。 学校行事や授業などは、まさに欧米の小学校という感じでやっぱりねという感じ。 一方で「さすが!」と感心したのは、低学年のときのバレンタインときに、お菓子と一緒に韻を踏んだメッセージを贈っていたところ。「こんなちっちゃい子がvalentines quotesを…!」とテンションがあがりました。 また、学年が上がるにつれて様々な理由でクラスメイトが退学して減っていくという事実は意外でしたが、よりよい教育を受けさせようと思えば当然の判断で納得しました。 トーコちゃんがグレード4のときに、英語力強化のために家で英語のDVDを観ることになったとき、「字幕がなきゃ話がわからない」といって字幕をつけていた話が好き。4年間毎日英語漬けでもこうなんだから、自分が海外ドラマを聞き取れなくても当然だと元気が出ました。 読み終わって気づいたけど、表紙に描かれているような外国の生徒の話はほとんど出てきません。ほとんどが日本人の裕福な家庭の子のエピソードに費やされています。 また、家族3人でギリギリの家計を協力して乗り越えている姿も印象的でした。 トーコちゃんが自転車通学をやめ徒歩にしたり、丈の短くなったブレザーを着ないでいつもカーディガンだったり…。トーコちゃん自身に通いたいという強い意志があるからこそ、みんな厳しい状況を耐えることができたんだろうなと思います。 最後に、この作品を読んでみて一番感じたのが「作者性格キツいなぁ…」でした。内容自体は面白いけど、作者のものの言い方がいちいち攻撃的・挑発的に感じられ、そこが気に障って純粋に楽しめませんでした。物言いに、朗らかさや余裕がまったくない。それだけ普通の親がインターに通わせるのは厳しいということなのでしょうが、読むのが結構しんどかったです。 …と思ったら、東條さち子さんて海外でゲストハウスはじめましたの人だったのか!! (納得) あの妙な思い切りの良さと気の強さ、言われてみればという感じ。 あちらのお話では娘さんは冒頭の一コマでしか出てなかった(たぶん)ので、この方が一児の母であるということを完全に失念していました…凄まじい人だ。 ちなみに中学生になったトーコちゃんですが、「ゲストハウス」によるとフィジーに留学していたとのこと。すごい。 http://sonorama.asahi.com/series/guesthouse-hazimemasita.html いろいろ書きましたが、インターナショナルスクールという遠い世界の話を、気取ったところのない、庶民の目線で超身近に感じられる1冊なのでおすすめです。