たか
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2021/02/04
やっぱ鈴木おさむは天才なんだな
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秘密のチャイハロでも思ったけど鈴木おさむは人の悪意とレディコミ・オブ・レディコミみたいな胸糞いじめシーンを描くのが上手すぎる…! 主人公は明るくて気立ては良いけれど、黒髪おさげに眼鏡そばかすという垢抜けなさ全部載せの「ドブス(※と周囲からは言われている)」な女の子。 その笑顔に秘めた才能を買われてアイドルグループにスカウトされ、クラスメイトやグループの仲間からスマホ破壊、食べ物に画鋲など、古典的な嫌がらせを受けながらアイドルとして成長していく物語。 ……今まで生きてきて、ホカホカのうんこ(ちゃんと湯気の漫符が描いてある)に顔面突っ込まれるいじめシーンは流石に初めて見ました。こんなこと書きたくないけど、飛び散り方からどう考えても3人分以上あったよね…どう考えてもやりすぎで最高。 いじめが苛烈だと主人公はメソメソするものだけど、鈴木おさむの主人公はそうじゃない…!全く挫けず目の光を失わない鋼の心を持ってるところが見ていて勇気が湧いてきます。 主人公の絵に描いたように地味なファッションとか、「メガネメガネ…」って探すムーブとか、意図的に古臭く描いてあってB級感が漂ってるところがたまらない。 激しいいじめを耐え抜いてトップインフルエンサーになるサクセスストーリー(昼ドラ風) 要チェックです…! 【追記】 ストーリーだけでなく漫画がとても読みやすく、絵にパワーと可愛らしさがあってすごく好きなのですが、作画のこにし真樹子先生はもしかしてこれが初作品なんでしょうか?気になります。
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2021/02/03
圧倒的に美しく力強い水墨画のような漫画 #完結応援
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前に原正人さんが主宰される「世界のマンガについてゆるーく考える会」で知った作品。積読していたのをふと思い出し読んでみたところ圧倒されました。 昔の映画の看板のような画風の表紙からは想像できませんが、本編の作画は伝統的な中国の水墨画と日本の漫画表現のハイブリッド。 筆の強弱がとにかく魅力的で、力強い荒々しさと繊細な美しさの両方が楽しめます。 春秋戦国時代の故事がテーマなので全体的に古風で硬い雰囲気があるのですが、ところどころに如何に漫画っぽい表現がありクスリとさせられます。 (第二話の「おれの舌はまだあるか? 張儀」の、旅館のオッサンが竹槍を片手にパンパン打ち付けながらプンスカ憤ってるところとか大好きです) 表紙の「モーニングKC」の文字に驚いたのですが、こんな超絶技巧の美しい芸術作品のような漫画が週刊連載でモーニングに載っていたとは信じられません。すごすぎる。 先程Wikipediaを読み、鄭問先生(台湾出身)が2017年に亡くなられていると知り好きな人がもうこの世にいない寂しさを今噛み締めています…。 久々に「この作品に出会えて良かったな」と思える素晴らしい漫画を読みました。やはり積読は解消するものですね。
たか
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2021/01/14
ネタバレ
細かすぎる神奈川ローカルネタとエルフあるあるの合わせ技が最高!
興味しか湧かないタイトルに惹かれてジャケ買いしたら大当たりでした! たとえるなら、吸血鬼すぐ死ぬと葬送のフリーレンを足して神奈川で割ったみたいなすごい作品。地元ネタ&エルフネタのキレが半端じゃなかったです…! https://twitter.com/0Fami/status/1290598784796258305?s=20 ローカルネタってそこに住んでない人間ですら聞き飽きてるありきたりな内容が多かったりしますが、この作品は逆にどこまでもディープ。最初のネタが「横浜駅の有隣堂には語学コーナーがない」って深すぎる。 時は令和2年――。かつて村を焼かれたエルフ達は現在神奈川の各所に居を構え、それぞれが住んでいる土地の名で呼ばれています。物語は生粋の川崎っ子で川崎在住の人間「川崎」とその友人で横浜在住エルフの「横浜」を中心に進んでいきます。 「語学の本(※ジョン万次郎著)がほしい」 「横浜駅が完成する前に寿命がきそう」 「川崎にだけはエルフは住めないからなぁ。空気が悪くて、エルフ的に」 https://i.imgur.com/g6nsOr9.jpg …と、初っ端からエルフならでは悠長過ぎる時間感覚ネタと、愛のあるご当地自慢&自虐ネタが絶妙に絡まり合っててとにかく面白い…!! 特に「消費税って今10%じゃないスか! 人間はしらないかもしれないスけど昔は消費税なかったんスよ!!」でクソ笑いました。マジで時間感覚ガバガバ。 そして、人間社会に疎いエルフと対照的に、時代にバッチリ適応しているのが丁寧語で喋る渋いオークの「町田」。 …そう!! なんとエルフは神奈川に、オークは町田に住んでるんです…! エルフVSオークの構図に東京(町田)VS横浜をかぶせてくるところ上手いなぁと思います。 ちなみにオークさんのおかげで横浜駅に横浜線が通ってないことを初めて知りました(学生時代に横浜線を使ってたのに)。 エルフとオークの他に、その二者を相手に商売をしているダークエルフ、そして人間の4種族が入り乱れた東京=横浜エリアで、川崎がスットコエルフたちに面倒をかけられ続けるところを永遠に見ていたい…🤤 そしてなんと驚くべきことに、いまならたったの「194円」でこの『#神奈川に住んでるエルフ』が最新6巻(単話売り)まで読めてしまいます…!! 読みましょう。 https://comic.pixiv.net/works/6778
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2021/01/07
ネタバレ
ボーイ・ミーツ・ボーイのグローバルチェス物語! #完結応援
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表紙のメチャクチャ洋風な絵のテイストが気に入ったのと、ちょうどクイーンズ・ギャンビット見終わったとこだったので読んでみました。 https://twitter.com/soushitory/status/1342951640601509888?s=20 トーンが少なく白と黒の陰影バキバキの絵がカッコいい!線の強弱もなんかすごくお洒落(中田春彌とかデスノートの頃の小畑健っぽい) この画風でチェスボードの上に広がる白黒の世界を描いたらそりゃカッコいいに決まってる…! ただストーリー自体はある1日を切り取っただけって感じで、特にカタルシスとかはなかったかなー。まあそれがあんまり漫画っぽくない、映像美で勝負するドラマ的で逆にいいかも。  ◇ ◇ ◇ ◇ 「僕、あなたとチェスしたくてブダペストから来ました!」と、ある日、ユースオリンピックのシンガポール代表ルイ・ブンワンの元に、ハンガリーから謎の少年がやってくる。 BEK(ヴェーク)社が開発した解析シュミレーション「ヴァロータ」のPRのために、対戦相手として呼ばれたルイに記録係として少年はついていく。 しかし実は少年は全世界チャンピオンの息子・エルネストであると発覚し、急遽ルイに変わって指して見事勝利をおさめる。 試合後にエルネストはあらたmて「色んな人と指したい」とルイに告げ、2人はフィストバンプをするというエンディング。  ◇ ◇ ◇ ◇ シンガポールの街並みや、運営のスマホのロシア語など、隅々まで丁寧に描かれていて物語の世界にどっぷり浸ることが出来ました。 (話が全2巻でキッチリ終わっていたので勝手に完結応援にしてしまいましたが続き出るのかな? 出るなら嬉しい…) もっと鳥維そうし先生の他の作品が読みたいと思って調べたら…以前『ボストーク』描かれてた方だったんですね…! リバイバル連載があるそうなので楽しみにしたいと思います!
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2021/01/07
ネタバレ
王女と宇宙海賊 惑星の危機を王女が救う! #完結応援
少女フレンドの宇宙SF少女作品について調べていて見つけたのがこの『クレドーリア621年』。あらすじからして硬派で格好良く、そして何より表紙が美しく思わず購入してしまいました。 https://i.imgur.com/LiCdXnH.jpg なんというか無茶苦茶読みやすかったです。 当時のスラングなどが入っておらず、またキャラクターの話し方に癖もないため自然に世界観に入ることが出来ました。 (11人いる!とかキャラのセリフに癖バリバリですよね。そこがいいとこでもあるんですけど) 主人公・ヒルダが姫らしく上品に話すときと、海賊の首領の息子・ラドの前で男の子のようにラフに話すときのギャップにキュンキュンしましたし、ラドのクールな台詞回しにも痺れました。 https://i.imgur.com/TTIa8R8.jpg そしてなんと言っても宇宙船のデザインが凄く格好いい…!! https://i.imgur.com/xyUSrmf.jpg 少女漫画でここまでガッツリ格好いい乗り物って初めて見ました。しかもちょっぴりだけ出てくるんじゃなくて、作中で色んな種類の船が見開きでドーンドーンドーンと出てきます。 文月今日子先生、そして少女フレンドすごいな…!と感動した1冊でした。少女フレンドで調べていったらもっとすごい作品に出会えそう。楽しみです。
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2020/12/30
ネタバレ
漫画界に現れた16歳の鬼才 #読切応援
絵のタッチと話の内容がマッチしすぎて病室のシーン読むのがしんどかった…。最初は32歳で学ランを着てるという設定でギャグなのかなと思い読み進めたらマジでとんでもない目に遭いました。 読み終わって、人間のザラザラした感情を描いたスゲー作品だ…と打ちのめされた状態で新コミのページ見たら著者のプロフィールが16歳となっていてもうぶったまげました。(扉絵の「16才、鬼才。」の文字に気づかず読んでました) 死の淵にいるサキちゃんの虚ろな表情、卒業式でサキを忘れるという現実を受け入れようとして頭が肥大し顔がデフォルメされてしまうサトル。 人間の感情の大胆な描き分けが凄まじい。 細い線・太い線・絵の具みたいな塗りと、画面が様々な線の強弱で埋め尽くされ隅々まで描き手のエネルギーがギュウギュウに詰め込まれていて、それが物語に緊張感を与えているのかもしれないなと思った。 浄土るる先生のときも驚きましたが「この歳でこれ描いちゃうの…?」と、今回またとんでもない10代の新人が現れたなと慄いています。未読の方はぜひ自分の目で読んで味わってください。 【第87回新人コミック大賞 青年部門 入選作】掲載ページ https://shincomi.shogakukan.co.jp/viewer/87/04/301.html
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2020/12/28
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目には目を…! 必ず勝訴をもぎ取る義眼の弁護人によるリーガル・サスペンス!
面白かった!なんというか真面目な面白さとシリアスな笑いが絶妙に混ざっててすごい好きです。読む前は正直ジャンプで裁判もので面白くなるイメージが全くできなくて期待してなかったのですが、読んでみたらちゃんとジャンプしてました。 ・弁護士資格をもたない「弁護人」 ・義眼の正体はハンムラビ王が法典とともに太陽神(シャマシュ)から授かったという「シャマシュの義眼」 ・必殺技は「レクス・タリオニス(目には目を)」 初めは絶対勝訴を謳って被害者に金をふっかける悪徳弁護士っぽく登場したのに、実際は「弁護人」であるため報酬を受け取ることはできず、大金は児童養護施設に寄付される…という「主人公を下げてから上げる」展開が見事でした。 そして何より主人公「炎眼のサイクロプス(※本名不明)」のキャラが良い…! 悪を挫き弱きを助ける姿はもちろんかっこいいんですが、割としっかり目にリアルに描かれる法廷の中で、異能の義眼を使って決め台詞を吐く姿が面白すぎて…シリアスな笑いが出ます。 「驚いた 貴様まだウソを重ねるのか!」 「目には目を!!(レクス・タリオニス) 虚妄の中で…業火の痛みを味わうといい(※謎ポーズ)」 https://i.imgur.com/WmnNd7J.jpg (△『炎眼のサイクロプス』宇佐崎しろ/石川理武) 見た目がいい年してる男前なだけに行動がめちゃくちゃジワジワ来るんですよね…!最高です。10代の少年少女が主人公になりやすいジャンプにおいて、主人公が格好いい大人であるのってすごく魅力的だと思います。 そして法廷でバリバリ能力使ってますしペラペラ喋ってますけど、みんな「炎眼のサイクロプス(※本名不明)」の義眼の能力に気づいてないっぽいガバガバなとこも面白くて好きです。 なにより古代の特殊能力で悪を裁く感じ…初期遊戯王みがあっていいですね。 にしても「炎眼のサイクロプス(※本名不明)」に義眼を埋め込んだクレイジーな両親マジで何者なんだ…ぜひ連載でバックグラウンドが知りたいです! 【掲載号】週刊少年ジャンプ 2021年3・4合併号 http://jumpbookstore.com/ext/wj.html https://twitter.com/uszksr/status/1338257640934105089?s=20
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2020/12/19
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最初から尾田栄一郎
小学生の頃ものすごく読みたかった短編集。漫画禁止の家だったので、ワンピースを集めることはできないけど、これ1冊を所持するんだったらバレないだろうと。そうこうするうちに真正面から親に反抗するようになり、開き直って他の漫画を買い集め始めたのですっかり存在を忘れてました。 執筆が古いものから順に WANTED 神から未来のプレゼント 一鬼夜行 MONSTERS ROMANCE DAWN の5つの短編が収録されています。 高校生の時(しかも交通事故に遭った翌日)に描いたというWANTEDは、絵こそ拙いけどストーリーも演出も最初から全部「尾田栄一郎の漫画」ですごい。あの特徴的な柔らかな書体の描き文字「どん」もすでに完成されてる。すごい…! 大学生の時に描いたという『神から未来のプレゼント』は、ご自分がコメントで「名作」と言う通り、「ノートに書いた内容で未来が確定する」という仕掛け、主人公がスリであるという設定を存分に利用した展開になっていて、ものすごい完成度。 最後の2作品はアシスタント時代のもので、かなり画力があがって初期のワンピースに近づいています。 『MONSTERS』は甲斐谷忍先生のアシを辞め徳裕正也先生のお手伝いをしていた時期、『ROMANCE DAWN』は和月伸宏先生ところを辞めて連載の準備をしている頃の作品とのこと。 全然知らなかったんですけど、『ROMANCE DAWN』って同名タイトルで2作品存在するんですね。 (ここに収録されてない、もう1個の方がワンピースの連載のプロトタイプ) コメントで、「『ワンピース』という連載漫画はつまり、その読切をたくさんのページを使ってじっくり描いているものなので」と書かれていました。 言葉の通り、読切が単行本97巻(刊行継続中)になるってすごすぎる。 日常の一部になりすぎて当然のものと思ってしまってますが、23年もアイデアが尽きず毎週新しいストーリーを描き続けるって……とんでもないことですよね。 ちなみに中学生の時にも海賊漫画を描いていて、その結果「ノート1冊では自分のイメージが描ききれないとわかった」ため、海賊ネタはジャンプの連載まで取って置くことにしたそうです。 果たしてワンピースの世界を描き上げるのに、果たして何冊の単行本が必要になるのか。答え合わせが楽しみになりました。
たか
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2020/12/17
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自然すぎるロボットにかき乱される人間
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不気味の谷を克服したロボット・吉沢と、学内の人気者となった吉沢に嫉妬する男子学生・鈴木のお話。人型ロボット大好きマンなのでものすごく読んでて楽しかったです! もともと工学部生まれ工学部育ちのせいで「理系早口関西弁」だった吉沢は、鈴木と出会ったことで自らの欠点に気が付きより人間らしい「無駄」や「間」を手に入れたという過去があるのですが、理系早口関西弁のロボットってウケますね(吉沢風) そして何より、人間の鈴木が吉沢のせいで感情をかき乱されまくっているところにこのお話の面白みがあるんですよね…! 人気者である吉沢に対して嫉妬心を感じて傷つけてやりたいけど、相手はロボットのはずなのになぜか悪口を言うことが出来ない…それは自分が吉沢を「友達」だと思っているから…とゴチャゴチャ悩みまくる。 そんなときに、吉沢をAIと特殊シリコンで出来た精巧すぎて気持ち悪いロボットにしか見えないやつが現れて鈴木の感情が爆発するわけですが、関西弁でキレるのに笑いました。 吉沢の初期化という終わり方もまた切ない。 「友達が死ぬって聞いて泣かなかったら人間じゃない」っていうセリフがいい。 鈴木のように悩んだり悲しんだりするのは何の役にも立たない無駄なことなんだけど、それこそが人間らしさであり素敵なことなんだと、あらためて気付かされました。 人型ロボットと人間の関係はやっぱりエモい…最高…! 【作品掲載ページ】 http://www.moae.jp/comic/shikishoshinjinsen/19
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2020/12/11
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2人の「台湾茶の父」による台湾烏龍茶の誕生物語!
数カ月前にマンバのタグを眺めてたら見つけたのがこの作品。たぶん「台湾」か「海外マンガ」を見てたんだと思います。 https://i.imgur.com/YWrZ5S3.jpg https://youtu.be/Ixb1LURIveE とにかく表紙の色合いと塗りの感じが素敵で惹かれました。(油絵っぽい主線のない背景大好きマンなのでダンピアのおいしい冒険も好き)そして『異人茶跡』というタイトルの響きの良さ…淡水1865というサブタイトルのかっこよさ…そして台湾茶産業&歴史ものというテーマの良さも重なって「これ絶対好きなやつじゃん…!!」となり購入。 で、3カ月ほどの積ん読を経てようやく読んだのですが、想像を遥かに超えた素晴らしい青年漫画でした…! 緻密な時代考証、漫画としての読みやすさ・面白さ、当時の台湾の空気を伝える丁寧な描き込み…全部最高です…! https://i.imgur.com/K9i06k7.jpg (△『異人茶跡』張季雅) なんなら巻末の作者のあとがき漫画まで徹底して『manga』で超好き。 読んでいて見慣れない単語には全部脚注が付いていたのもありがたかったし、海外マンガ特有の日本語の言い回し違和感も全くなくて、集中して作品の世界に浸ることができました。 そして読み終わって「はあ〜最高だった」という余韻に浸ったまま硬い文章のあとがきを読んでぶったまげました。 これ実在の人物の話だったんですね…!?!! 2人の主人公、スコットランド籍の貿易商・ジョン・ドッド(John Dodd)と李春生(Lí Chhun-seng)は、あらすじにあるとおり「台湾茶の父」と呼ばれる存在。 「約翰·陶德(中文)」 https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%84%E7%BF%B0%C2%B7%E9%99%B6%E5%BE%B7 「李春生(Wikipedia)」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E6%98%A5%E7%94%9F 単行本の作家紹介によると、この『異人茶跡』は、2010年夏より『CCC創作集』にて掲載されているのだそう。 そしてこの『CCC創作集』という雑誌がすごく面白くて、マンバ通信にて原正人さんが詳しく書いていらっしゃいます。 >この『CCC創作集』は非常に興味深い雑誌で、2009年に創刊されると、台湾のデジタル史料リソースを活用して、台湾の歴史や民俗に取材したマンガを次々に生み出していった。2015年末に一度休刊したそうだが、2017年に台湾文化部の資金援助を得て復刊し、2018年2月からは月刊誌として刊行されているとのこと。 https://manba.co.jp/manba_magazines/8086 さらにあとがき漫画によると、著者の李春生先生のご実家もまたお茶園で、たくさんの資料を読み込んで丁寧に描かれたのがこの作品なのでした。 さらにたまげたのが、この作品の初出が2013年で日本語版1巻の発売が2016年なこと。そんな前に出てたのか…。 続き読みてぇ〜〜と調べてみたところ、台湾語版の2巻が2015年に出ているそうで、Comic Catapult様におかれましては是非早急に日本語訳刊行のほどよろしくお願いいたします。 ちなみに先生のFBを見てたら、自家通販で19世紀の茶箱紙風イラスト(たぶん)を販売しててめちゃくちゃ素敵…ほしすぎる…! https://www.facebook.com/kiyascomic/posts/1074680199543296 【張季雅(Kiya)先生のSNS】 ▼Instagram https://www.instagram.com/kiyascomic/ ▼Twitter https://twitter.com/kiyascomic ▼Pixiv https://www.pixiv.net/en/users/886285 ▼Facebook https://www.facebook.com/kiyascomic/?ref=page_internal ▼PLURK https://www.plurk.com/kiyascomic ▼公式ブログ「電台放送中!」 http://buzon.blog125.fc2.com/
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2020/12/09
家族が命(すべて)。帰ってきた親父が示した愛と男の生き様。 #完結応援
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ものすごいものを読んでしまった…。あまりに良すぎて感想なんて絶対書けないという気持ちになりましたが、世にもっと広めるため書いておこうと思います。 (これから読む方にまっさらな状態で楽しんでほしいので核心に触れるネタバレは避けてあります) https://i.imgur.com/EQuo64z.jpg この漫画を知ったきっかけは、マイページの「おすすめ」にこの『親父』(著: もりやまつる)が表示されていたこと。 強烈な表紙に惹かれ、あらすじにサッと目を通してとりあえず1巻だけ買って読んだんだけど…もう全てが自分の好みの最高の漫画だった。今まで読んだ全ての漫画の中でも一番かもしれない。(読み終わった直後なので興奮冷めやらない) ヤクザ者をボコボコに返り討ちにする桁外れの暴力。 実母と愛娘・愛息子への家族愛と、離れていてもお互いに想い続けた夫婦の純愛。 男らしさが極まりすぎてるがゆえのシンプルな下ネタ。 「暴力・愛・笑い」という、私がエンターテイメントに必須だと思っている要素が全て入っている完璧な物語。 しかも絵もが力強く、それでいて描き込みが細かいから見応え抜群…! 暴力に興奮し、下ネタで笑って、最後には愛の深さに涙が出てて…と、たった3巻の中で感情が目まぐるしく掻き立てられました。 何よりテストステロンが爆発してる親父の見た目と生き様が本っっっ当に途轍もなくかっこいいので、死ぬ前にぜひ一度読んでみてください。 たぶんゴールデンカムイ好きな人は好きだと思います…!
たか
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2020/12/04
ネタバレ
1990年代バリバリのキャラデザがたまらない珠玉のスポーツ短編集!
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以前マンバ読書会でスピナマラダ!のお話をしている際に教えていただいた作品。 「Let's Kick!」セパタクロー+サッカー (月刊少年マガジン1994年1月号増刊GREAT) 「フェイスオフ」アイスホッケー+フィギュアスケート (月刊少年マガジン1994年5月号増刊GREAT) 「ダブルフォールト!」テニス (月刊少年マガジン1994年9月号増刊GREAT) 「どーなることやら」ラブコメ(?) (月刊少年マガジン1993年9月号増刊GREAT) という4つのお話からなる短編集。 マンガとしてお話作りが上手いうえに、1990年代のキャラデザの癖の強さが全開でホントたまらないです。最高…! 特に表題作の「Let's Kick!」が良かった。 マレーシアから来た女の子・アミナがヒロインで、サッカー部の悪どいキャプテンにも怯まず、セパタクローの足技でコテンパンにするところが格好いい…! (典型的な外国人ステレオタイプがないところも好き) 一番古い8Pの作品「どーなることやら」の人気のおかげで、その後GREATに載せてもらえるようになったと書かれていましたが、なんとこの作品は「土曜の昼に依頼があって、日曜にネーム切って、水曜に原稿を完成させた」のだそう。 ちなみに読書会で伺った話によれば、なかざき冬先生はゲームのキャラデザなどのお仕事もされており、現在では絵柄が今風にアップデートされているそうで、「今の絵でセルフリメイクしたバージョンが見てみたい」とも仰っていました。たしかにそれは見てみたい…! 面白くて格好良くてヒロインが可愛い。少年漫画のエッセンスと90年代の香りが全部詰まった素敵な短編集でした。
たか
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2020/12/04
ネタバレ
おのでらさんが贈るタイトル通り最強除霊ギャグ漫画!
「神おっさん」でバズりにバズった、創作活動にいそしむオタクたちの描いた『コミケ童話全集』の著者・おのでらさんの新作。輝夜月ガチ勢の日常も良かったですがやはりオリジナル作品を心待ちにしておりました。 主人公の除霊師・霊媒匠は、マジのガチで100%除霊する男でひとことでいえば最強。 そんな彼のもとに、ギンギンのビンビンに霊に取り憑かれている少女がやってくるのですが、なんとその除霊方法は霊を口説くというものだった…!という話。 あとがきによると、「最強=戦わずして勝つ→相手が惚れてしまえばいい」という発想から生まれたキャラだそう。 ワンパンマンのサイタマといい、呪術廻戦の五条悟といい、味方に最強キャラがいるってホント爽快ですよね。 低級すぎる霊だと目があっただけで除霊しちゃうから、依頼人が除霊を決めるまで目を手で覆っておいて、頼まれた瞬間に指を「パカーッ」と開けるシーン大好きです…! ギャグだけじゃなく、こういうキャラの見せ方のセンスがやっぱり最高だなと思います。 https://twitter.com/onoderasan001/status/1331942477335465988?s=20
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2020/12/04
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2052年、人型アンドロイドと人間の関係を描いたSF! #完結応援
2017年、WEBアクションで連載開始時に楽しみにしていた連載。Pinga経由で知った作品だったのでサービス終了以降連載を追うのを止めてしまっていたのですが、ちょうど先日完結したということで1巻からまとめて読みました。 あらためて感じたのは世界の解像度の高さ…! 2052年の生活感がリアルに描れていて惚れ惚れしてしまいました。 アンドロイドらしいメカメカしい描き込みも満載で、メカバレフェチの自分も大満足でした。   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 【好きなところ】 ・「タイプワン」という商品名が人型アンドロイドの代名詞になっている(J-フォンの「写メ」が名詞になったみたいな) ・タイプワンの説明書や購入ページなど、作中に登場するウェブデザインがやたらリアル ・タイプワンは家電らしくご家庭で組み立てる仕様になってる ・起動後に所有者の言葉を分析して勝手に日本語設定になる ・早速ロボット三原則の宣言をする ・パーソナライズや家電との同期などで最初のセットアップにやたら時間がかかる ・スリープモードでは人間で言う褥瘡を防ぐために寝返りを打つ ・タイプワンは所有者の随伴・許可なしに公道に出ることは出来ない ・アンドロイドに人間のような親しみを覚える人間はエンパスと呼ばれ偏見を持たれている   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ イヴの時間のときも思ったのですが、アンドロイドに親しみを覚える人間をやばいやつ扱いする社会の風潮があるという設定は、リアリティあるなと思う一方でアンドロイド好きとしては納得はいかないんですよね。一昔前の「アニメオタク=殺人犯扱い」みたいで。 ペットを家族扱いしたり、二次元の女の子を嫁にしたりするのと比べても、人型アンドロイドを人間扱いするのなんて当たり前の感覚じゃないでしょうか。 (ちなみにすでに「命乞いするロボットの電源を切るのは難しい」という実験結果もでてます) https://gigazine.net/news/20180803-harder-to-turn-off-robot/ 結局、あの黒い野良アンドロイドが何者であったのか全て説明されることはなかったのですが、それがアンドロイドという存在に神秘性を与えていて良かったです。人型ロボットには、やはり底知れない部分を持っていてほしいので。 わずか3巻ですが、ものすごい世界の密度を感じることのできる作品です。SFをの気分のときにぜひ読んでみてください。 https://comic-action.com/episode/13933686331657220387