たか
たか
2021/03/25
コミュ力お化けの街歩き
📷
ドラマ化するということで読んでみました。清野作品は「おこだわり」しか読んだことがなかったのですが…凄まじい勢いでその辺の知らない人に話しかけて、道や街の良い所を聞きまくるのでビビりました。とんでもないコミュ強…! 普段使ってる路線で1回も降りたことがない地味〜〜な街だとか、単に駅の名前が面白い(おもちゃのまち駅)とか、最高にくだらない理由で行き先を選んで生活感に溢れまくってる街を歩くという最高に楽しい漫画。 地元の人しかいないスナックに入ったら、そのあと自分より若い新規客がきてあっという間に場に溶け込み「こいつ…できる!」ってなったやつ好きです。 個人的、北海道の人は雪のとき傘を差さないという話で自分の長年のモヤモヤがスッキリしたので本当によかったです。自分は東北の出身ですが、上京して初めて雪が降ったとき街で自分だけ傘差してなくてメチャクチャ混乱したんですよね。やっぱ差さないよな!? よかった…! 28日からムロツヨシ主演で始まるドラマ…この奇想天外な街ぶらエッセイ漫画を一体どうやって映像化するのか楽しみです! (↓老婆の独り言にカットインして流れるように情報聞き出す技術よ…!)
たか
たか
2021/03/16
ネタバレ
95年のゲーム屋が2020年の未来でスマホゲー作り!
全然期待しないで1話読んだのですがすごく良かったです! メインの2人が宮友と岩間という、どこかで聞いたことのあるような名前なのが好き。  1995年からタイムスリップした宮友がPS5を見て驚くというタイムスリップものの作法のようなリアクションが最高でした。 あと「弊社めちゃくちゃでけえ…!」で吹きました。 25年越しにクリーニング代を払う(しかも足りない)やりとりも熱い。 誰もが知ってる名作が次々生まれた80〜90年代の日本のゲーム業界ってめちゃめちゃ憧れます。(若ゲのいたりも読んでます) そんな時代に活躍したディレクターが2020年のスマホゲー業界に辣腕を振るうって設定、つよくてニューゲームどころか俺TUEEEでほんと面白い。 相棒の岩間がレジェンドになってしまい、2人の関係が釣りバカになってるところとか、スマホのこと全然よくわかってないところとか、タイムスリップもののツボがメチャクチャ抑えられてるところがたまりません。 読む前は正直タイトルで敬遠していたのですが反省しました。もし同じような人がいたらもったいない…読んで!! ▼1話 http://www.moae.jp/comic/restart
たか
たか
2021/03/14
青春時代に読んだ至高の学園ラブコメ群像劇! #完結応援
高校生のときに個人サイトで連載されてるWEBマンガにハマってて、クラスの友達に読解アヘンというサイトを教えてもらい読んだのがこのHERO先生の「堀さんと宮村くん」でした。 全く意識していませんでしたが、2007年から連載がスタートしたまさに自分がリアル高校生のときにリアルタイムで読んでいた高校生たちの学園群像劇です。 今のアラサーのオタクで「堀宮」通ってない人は居ないのではというレベルの作品。 もう、絵のスタイルがなにもかも良いんですよね…! スッキリしたデフォルメも、フルカラーのポップな色使いの塗りも、縦長でシンプルなコマ割り…全部好きです。 「ギャルに見えて弟の世話でものすごく家庭的な堀さんと、陰キャに見えて実はタトゥーだらけな宮村くん」という、クラスメイトには見せない顔を持った2人が秘密を共有するというストーリーがとにかくエモい。今思い出してもキュンとします。 クラスメイト、両親、兄弟姉妹。 全員が個性的で魅力的で、そんな登場人物たちが部分的に繋がり合って織りなすシリアスでコメディな人間模様が最高。 メチャクチャ読み返したいけど読み返したら懐かしさでどうにかなってしまいそうで怖くて読めないのがつらい… http://dka-hero.me/
たか
たか
2021/03/14
ネタバレ
祖先と子孫の大河異類婚姻譚 #完結応援
📷
袈裟姿の綺麗な女性が大樹に座ってる表紙に惹かれて買い2年ほど積読していた作品。こんなストーリーだったのか…! 柔らかくて繊細な絵柄がとにかく美しい!ちょっと西炯子先生の絵に近いかも。ここぞというときの見開きや、いろんなシーンの見せ方がすごく印象的で素敵。 美しいケヤキの木の精霊・ほおずきと先祖の天馬が結婚し、町に住む子孫たちには「起こし」と呼ばれる植物をちょっと元気にするような不思議な力がある…という世界。 人間たちと精霊の心の機微が素晴らしかった。この心の触れ合いという部分は夏目友人帳的な読み味で、「起こし」という和風超能力な設定は恩田陸の常野物語に出てきた「しまう」っぽくて、どっちも好きな自分にはたまらなかった。 そしてなにより主人公の一歩、幼馴染の望音、先祖で精霊のほおずき、そして130年間妻を残して消えた先祖・天馬を巡る複雑な四角関係が最高だった。 美しいほおずきに幼い頃から想いを寄せる一歩…でもほおずきは本来伴侶を失い枯れるべきところを生き延び、130年間健気に夫を待ち続けている。 一歩はだんだん生まれ変わりのように天馬の姿に似てくるが本人には全く記憶はない。 一歩に想いを寄せる望音ちゃんがほおずきをそれはもう的確に傷つけまくってたところが最高でした。悪役として見事。 全2巻でこんなに読み応えがあって面白い漫画は久々です。いい漫画に出会えて良かった〜。 鈴木有布子先生の他の作品もぜひ読もうと思います!
たか
たか
2021/03/07
ネタバレ
バイオの風に吹かれたい #完結応援
📷
初めて読んだ諸星大二郎作品だったのですがメチャクチャ最高のSFでした…!各話がメチャクチャ面白いのはもちろんのこと、独立した各話&幕間劇が緩く繋がりあって全体で1つの物語になっているところが本当に見事…! 遺伝子という壮大な命の物語に相応しい、新たな世界の幕開けと純粋な人間の時代の終わりを感じさせる締めくくりがなんとも言えない怖さと期待に満ちてて好き。 マジめちゃくちゃおもしろかったです。人間みんながこうなればいいのに。バイオの風に吹かれたい。 ……各話感想……… 【第1話】「野菜畑」 若い女の姿をした雑草がバイオ農場に生えてくる話。チキンキャベツという「キャベツ味の鶏」のおかげでこの世界観が一瞬で理解できた。 「雑草は抜くもんだぜ 雑草相手に抜くやつがあるかよ」っていうセリフが最高。 【第2話】「養鶏場」 ヒトの遺伝子が鶏に混ざってしまい「人面鶏」を飼育するのが一般的となった養鶏場の話。 鶏の鳴き声が人間の言葉を適当に発してるだけで、会話になってないとこがリアルで怖い。まあ会話になってても怖いんだけど…。 (1、2話と読んできて遺伝子というキーワードや、おばさん鶏やギャル鶏の会話の内容から遺伝子組み換えが話題になった2000年頃っぽいな〜と思って最後の奥付みたらドンピシャだった) 【第3話】「案山子」 バイオニシキという作物を守る旧型カカシロボットの話。新型ロボが来て7年、1匹のスズメさえ殺してない旧型ロボットは作物を食いに侵入してきた女の姿の鳥を匿ってしまう。 その鳥の正体は、人間の遺伝子を組み込まれた鳥ではなく、鳥の遺伝子を獲得した人間だったというオチが良かった。 【第4話】「百鬼夜行」 子供たちの間で広がる百鬼夜行の噂を突き止めようとする少年がバイオ地区の少女と出会う話。 百鬼夜行の正体は「あれ」になってしまった人間たちが、人間らしい暮らしを求めて火星へ旅立つため宇宙空港を目指す行列。 ミナコの切ない結末とハルオの未来を想起させる終わり方がすごくよかった。 【第5話】「シンジュク埠頭」 魚突きをして暮らしている少年が人魚と人魚を探すおっさんと出会う話。 様々な遺伝子を持つ難民たちが、自分の中にある海の生き物の遺伝子が目覚めることを祈って豊かな海に飛び込み死ぬ…。 結局あの人魚は、魚っぽい人間だったのか人間っぽい魚だったのか気になる。 【第6話】「風が吹くとき」 ここまで幕間劇にたびたび登場していたロボット・サトルが、妻を探す男と出会う話。 サトルは過去にミナコとも出会っていて「あれになる」という表現を覚えており、自分のことを「ロボットの遺伝子が混ざってしまった少年」だと主張するのが複雑。 美しい肉食獣となっていた妻。そしてバイオの風に吹かれ男の遺伝子も目覚め始めたがその動物は…。
たか
たか
2021/02/18
ネタバレ
縄文オカルト恋愛奇譚 #読切応援
📷
やっぱ縄文時代っていいよなーと思わされた読切。文化、全身にする化粧や衣装といったファッション、そしてオカルトっぽいプリミティブな宗教観、全部がたまらない。 絵の癖も独特な感じで、縄文という空気にすごく合っていてよかった。 良い作者に出会えた。もっと色んな作品(できたらこういうオカルト系)読んでみたい。 【あらすじ】 多くの村から人が集まり3日続けて行われる「カガヒ」と呼ばれる祭りは、火の回りで歌ったり踊ったり野外フェスっぽい感じで、気が合う相手が見つかればそこかしこで子作りしまくるというイベント。 主人公のチガヤヒコは、ある晩に泉の近くで体中にイボ(※瘢痕文身…傷をつけてイボを作り模様をかくこと)がある女とまぐわうが、どこの村の者なのかがわからない。 次の晩に再びその女に出会い再び抱くと、その女は名前をヒキと言った。 最後の日の晩、チガヤヒコが「結婚して俺の子を産んでくれ」と言うとヒキは喜び、その場でおびただしい数の卵を産む。 すると、3晩だけヒトになりたいと月に祈ったヒキの願いは叶えられ、その場には仰向けに浮かんだ巨大な蟇(ヒキ)の死骸が残され、以来、チガヤヒコは正常位ですることができなくなってしまった。
たか
たか
2021/02/17
可愛い女の子に憧れる“イケメン女子”の正体は!?
12月28日発売のちゃお2月号から始まったやぶうち優先生の新連載。今更ながら1話を読んでみたのですがものすごく時代を感じました…! https://ogre.natalie.mu/media/news/comic/2020/1228/201228_chao.jpg 主人公の中学2年生の愛理は、2階から落ちたプリントを追って飛び出し空中で全部キャッチして見事に着地するという、頑丈な体ととんでもない運動神経との持ち主。その言動とさっぱりした性格で周囲の女の子たちからは、男子の克樹と椿とともに「津辺中のイケメン御三家」と呼ばれているけど、本当は「か弱くてかわいい『女のコ』」になりたいと思っている。 友達の綾芽からはVtuberに興味がないと思われている愛理だけど、実は今年現れ早くも100万フォロワーを達成したVtuber「青野アイリス」の正体は愛理だった……!! https://i.imgur.com/jWVf8Y5.png いやー、めっちゃ時代だ〜〜…! 「芸能人(女優・アイドル・モデル)の正体は実はヒロインだった」っていうのは昔からある展開だけど、Vtuberっていうのが時代。 しかもVtuberは選ばれないとなれない芸能人より““ありそう””な感じがするところがいいですよね。 愛理も映像クリエイターのお兄ちゃん(19歳)の協力のもと受肉して活動しています。 私は子供の頃、学年誌でやぶうち先生の可愛い男の子が正体を隠し女の子として芸能界デビューする物語『少女少年』を楽しみに読んでいました(性癖に多大な影響を受けました)。 それから20年近く経ち大人になって、今度はボーイッシュな女の子が正体を隠して可愛いVtuberになるお話が読めるなんて…なんだか不思議な気分です。 単行本発売前からボイスコミックが公開されていて宣伝の力の入り方がすごい。 いずれアニメ化(もしくはガチでVtuber化)して動いて喋ってるところを見せてほしい…! https://youtu.be/GjcyDbWsDMo
たか
たか
2021/02/15
何もかもメチャクチャで勢いが半端ない
📷
今日の新刊を見てて「!? 表紙にいらすとや使ってるヤベー漫画あるぞ」と思ったら『トリップした先がクリア済み乙女ゲームだったから推しとは絶対付き合える』の人で全部納得した。 読んでみると中身は正直想像を遥かに超えてやりたい放題ですごかった…wwまず設定がすごい。 ・表紙のいらすとやの人は弱小事務所のプロデューサー ・アイドル育成乙女ゲーアプリのキャラたちは実はみんな弱小事務所に所属するイケメンアイドルで、自分自身をLive2D化し撮影したものがゲームに使用されている ・アプリ起動中はユーザを見ることができる ・声優は別で居て声を当てている ・社員が居ないのでアイドルたちがTwitter担当したり、不具合報告に対応している ようはガチャで引かれる側のアイドルたちが自ら乙女ゲー&ガチャゲーの運営をやっているという話なんだけど、そのアイドルたちというのがクセ強すぎキャラ濃すぎのとんでもないやつら。 バグ、詫び石、ルビーばらまき、イベント、改悪アプデ etc…。サービス終了回避のために軽率にいろんなことをしでかすのでしょっちゅう炎上してて笑う。 (乙女ゲーなのにある重課金ユーザに肩入れしてその人の名前を言いまくるアイドルがいたり、男キャラしか出てこない乙女ゲーなのに面白半分に「枕が2つ並んだベッド」をアイテムに追加したり…。超えちゃいけないラインを全力の走り幅跳びで超えていく) 「炎上してて笑う」って書いたけど、思ったよりしっかりアプリゲー運営を描いていてリアリティレベルが高いのに、そこへ想像以上にとんでもない展開をぶっこんでくるから読んでて笑っていいのかちょっと心配になった。 作中ではアプリの運営もメチャクチャだけど、それ以外も色々すごい。 いらすとやに留まらず「戦国IXA」を良アプリゲーの例として出したり、著者のBL作品『だって騙されるほうが悪い』のキャラを登場させたりと、作品と次元の壁をぶっ壊しまくり。 自著のキャラはともかくとして、「戦国IXA」は唐突すぎて新手のマーケティングの一種かと思った。これはマジで何だったんだ…? 面白いかどうかは人によると思うけど…ヤベー漫画だっていうのは満場一致する漫画だった。
たか
たか
2021/02/14
読み終わるのに2時間かかるマジもんのバイブルだった
本編に載ってない事実と描き下ろし漫画が想像の120倍入っててマジでバイブルだった。 「ど〜せ本編しっかり読み込んでるファンは当然知ってることしか載ってない、既存の情報とイラストを〇〇ページに薄めただけのよくあるファンブックなんでしょ〜?」と思って読み始めたらブッたまげた。 普通のファンブックなら読み飛ばしてしまいがちな文章によるキャラのプロフィールデータの中に、ザクザクと新情報が入っててひっくり返ってしまった。九井諒子先生太っ腹すぎる…! ・マイヅルさんの年齢と当主との関係性 ・東方忍者たちの本名 ・イヅツミの生い立ち ・トーデン兄妹が村を出た年齢 ・トーデン家の犬たちの思い出 ・チルチャックの3人の娘たちの詳細 ・ハーフフットの名前の構成 ・ノーム体系とエルフ体系の魔術の違い ・世界地図 ・クロにまつわる衝撃の事実 ・キキとカカがなぜタンスじいちゃんに育てられたか ・ミスルン隊長と兄の話 ・オッタの恋人の趣味 ・リシオンが侵した罪 ・交配で子を成せるハーフ人種について ・シェイプシフターの答え合わせ ・ダルチアンの一族コミカライズ ・トーデン兄妹のパーティー性別逆転IF ・センシの手記 …etc!!! とにかくビックリする情報が多すぎて書ききれないほど。 本編でサラリと匂わせる程度で出てきた情報がじっくり丁寧に解説されている素晴らしい1冊。 こういう緻密で濃厚なワクワクさせてくれるバックグラウンドがダンジョン飯の面白さの理由なんだなと、あらためて感じました。 もし買うか迷ってる人がいたら今すぐ買って間違いないやつなので安心して買ってください。 【追記】 個人的にはマイヅルさんについての掘り下げがヤバかった。大好きなのでトシロー坊ちゃんと同じくらい衝撃を受けたし、お陰様で新しい性癖の扉が開きました。
たか
たか
2021/02/11
Netflixで実写化してくれ!! ドケチ令嬢が小銭を稼ぐハイスクールコメディ! #完結応援
このあいだ新刊ページで見つけたのがこれ。レトロな絵柄でオシャレなデザインの表紙だったので邦キチ映子さんタイプの最近の作品かな?と思いきや、調べてみたらなんと1972年の少女漫画。 >「型破りなヒロイン、アニー・モーガンはカワイイのにケチでガメツイ女の子。モーガン財閥のご令嬢でお金持ちなのだけれど、父から20歳までに1万ドルためられない怠け者には、財産を譲らないと言い渡されていた。将来の遺産相続権を得るため、アニーは日々、小銭を稼ぎつつ、常にビジネスチャンスをうかがうのだった!」 というあらすじがメチャクチャ良かったのでソッコーで買ったのですが、期待通りの面白いコメディでした。 https://i.imgur.com/o6UDV1b.jpg https://i.imgur.com/AHhVyzl.png **【アニーの小銭を稼ぐ執念が半端ない】** 6歳のときから10年間お金をためているというアニーは、現在目標金額の半分である5千ドルまで到達。忍たまのきり丸ばりの商売っ気の強さで、24時間息を吸うように小銭を稼ぎまくっている。 宿題代行業で顧客を獲得するため成績1位を維持したり、イケメン・ラフティが溺れているときに救助用品を売りつけようとしたり(ちなみに5ドルだと藁1本、10ドルなら空気の抜けた浮き袋)と、ラフティから懐中電灯を借りて電気代を浮かそうとしたり、ドケチな商人根性は筋金入り。 あまりのドケチ商売人ぶりに、アニーのことを財閥令嬢だと知らない人も多い。 まったく恋愛要素がないこのお話の中で一応アニーのヒーローポジションというか、イケメン枠で登場するラフティもまた、アニーの正体を知らない。 **【アニーと似て非なる生き方 逆玉狙いのイケメン・ラフティ】** マイアミにあるアイスクリーム屋の息子・ラフティはなかなかスッキリした見た目に成績優秀・スポーツ万能という少年なんだけど、彼が人一倍努力して女の子が好む条件を揃えた理由というのがお金持ちの女の子を捕まえるため。 https://i.imgur.com/F7kfS3w.png 1代で財産を築いた父のように自分の力で1万ドル稼ごうとしている少女・アニーのカウンターが、逆玉のために自分磨きをするイケメンという構造が面白い。 ちなみにアニーはラフティのやり方にあんまり納得はいっていないんだけれど、決してムキになって相手を否定したりせず >「人それぞれやりかたがちがうわ とにかくわたしはわたしのやりかたでお金をためるの」 と、相手を尊重して自分のやり方を貫くところが素敵。 物語の中で、ラフティはことあるごとにアニーに金を巻き上げられる(たまーにやり返すところが面白い)んだけど、2巻の最後の方になってついにアニーが財閥令嬢だと知ってしまう展開がしっかりあるのでお楽しみに。 **【ドケチ・アニーの名セリフ集】** >「ようするに頭はかざりじゃないのよ」 ラフティの父のアイスクリーム屋を勝手に手伝い、全部売ってみせたアニーが言ったセリフ。もちろん、手数料としてしっかり3ドル貰っていった。 >「くやしい 1割もらって逃してやればよかった」 空港でトランクを拾ってやった相手から謝礼の1割をもらおうとしていたアニー。しかし相手は公金横領の犯人で警察に捕まってしまいこの一言。 >「わかった? お金ってのはこうやってもうけるものよ」 https://i.imgur.com/6FDVVBK.png 隣人の壁ドンに腹が立ったラフティが隣の部屋に文句を言いに行くとなんと隣人はアニーだった。驚いたアニーが貯金箱を割ってしまいお金を拾い集めるが5セント足りず、ラフティの身ぐるみを剥がしてまで探しているところにラフティの友達がやって来る。ラフティは焦るが、みんなは服まで借金のカタに取られたのだと誤解しアニーはすぐさま「3ドル返して」とのたまう。これを断れば当然、ラフティの紳士の名にキズがついてしまうわけで…。流石アニーの手腕は鮮やか。 **【Netflixで実写ドラマにならないかな…】** 「1万ドル稼ぐ」というテーマがキャッチーでわかりやすく、アニーとラフティの掛け合いが小気味よいので米ネトフリで旬のティーンの俳優を揃えてドラマ化してほしいくらい。 舞台を現代日本に変えてドラマ化しても面白そうなのでテレビ関係者の方に売り込みたい。(身の回りに関係者とかいないけど) アトム ザ・ビギニングみたいにリブートで再コミカライズとかもありだと思います…! メディアミックスで成功する可能性をビンビン感じる完成度の高い作品なのでたくさんの人に届いてほしいです。
たか
たか
2021/02/09
冬季五輪ばりのスルメ的面白さで気づくとズブズブにハマってるスゲー漫画
周囲の漫画好きに勧められて読んだけど、全くとんでもねぇもん読ませてくれたなと思う。この漫画を読む楽しさというのは、冬季オリンピック期間中に日本が善戦しているマイナー競技にハマる現象に似てるかもしれない。カーリングとか。 最初は何やってんだか全然わからなくて、「いったい何を見せられているんだ」って感じなんだけど、見てるうちにだんだんルールが理解できてきて、お茶の間で「いや〜あそこはあっちでダブルテイクアウト狙うべきだったよ」って、覚えたての専門用語使って語っちゃう感じ。 それと同じでこの漫画もわかるとスゲー楽しい。メチャクチャ楽しい…!! ということは逆もまた然りで、「埴輪土」について右も左もわからぬ状態で読む1巻はメチャクチャ大変。 それでも登場人物たちがガンガン使いまくる専門用語を1つずつ覚えて、埴輪土について自分の力で読み解いていくのが本っっっ当に楽しいので、これから読む人は1話で挫折しそうになっても最初の大きな戦いが終わる第1部(4巻)まで読みつづけてほしい…! 絶対ハマるから。 https://i.imgur.com/XxUQMWP.jpg (△『古代戦士ハニワット』武富健治 1巻1話より)     とりあえず1話は 「長野に光撃型か剣技型か不明の謎のドグーンが現れ、仮具土の埴輪徒である主人公・仁は、幼馴染の主巫女・クマリとともに蚩尤収めに臨む」 っていう感じなんだけど、わかるように説明すると 「長野に突然ちょっと大きい人間くらい(2m大)の土偶が現れて怪力や超能力で街を破壊したり人を殺し始めた。それを止めるには巫女の舞や祈り、そして戦いでおもてなしをして土偶の魂を鎮めて帰っていただくしかない。巨大土偶と戦うため、霊力の高い青年は巫女とシンクロすることで土でできた鎧にその魂を憑依させ、遠隔操作型の仮面ライダー的な戦士となる」 という感じ。 >【用語解説】 「蚩尤(しゆう)」…2m大の土偶のこと。一般にはドグーンとして知られている。 「特殊祭祀」…土偶に帰ってもらうための儀式。蚩尤収め、魂鎮めとも言う。 「埴輪徒(はにわと)」…埴輪土を操る強い霊力を持った男性。 「主巫女(あちめ)」…埴輪徒が埴輪土に憑依する際、ともにシンクロして力を貸す霊力の高い女性のこと。 第1部(4巻)を読み終わるころには、あのさっきのわけわからんあらすじが全部問題なく理解できるようになっているので安心してください。 (もはや完全に理解しきった今となっては、序盤のわけのわからぬまま置いてけぼりにされる感じがある意味心地よかったなとすら思う) ちなみに自分が作中で一番好きシーンは、3巻で真具土の埴輪徒である凛の戦いを警官隊が警備しているとこ。 >「神主も…正面のドグーンに向かって祈っている…!」 >「前のときと違うぞ…!!」 という警官のセリフに「だよな〜〜!?!!!」 と激しく共感してしまう。 気持ちメチャメチャわかる。だって昨日の人たちはドグーン(敵)じゃなくて味方側に向いてお祈りしてたし。「えっ!? 前のときと違う…!」ってなりました。 https://i.imgur.com/QmX2WPa.jpg (△『古代戦士ハニワット』武富健治 3巻22話より)     いきなりわけわからん状況に放り込まれた警官そして読者が、現場でただじーっと儀式を見守り続けた結果、いつの間にか「埴輪土」について学習して理解し始めている…っていうこの感じが最高に冬季五輪観戦で好き。 ここまで専門用語が難しい的なことを散々書いてきたけど、もちろんただ難解なだけでなく     ・変身ヒーロー×神道の面白さ ・シン・ゴジラを始めとする様々な特撮映像作品からの影響 ・緊急事態なんだけど神事なので準備にやたら時間がかかるシュールさ ・車社会の地方都市を自家用車で移動しまくる実家のような安心感 (「あっ 鶴ちゃんとこのリーフだ!!」って子供が当たり前のように知り合いの車種把握してるとこ最高に実家)     という感じで、マジで魅力にあふれている作品なので漫画好きなら絶対一度は読むべき…そしてこの感覚を味わうべき! 2021年、鬼滅と呪術のあとに古代戦士ハニワットブーム来てほしい…!