〝これだけは読んでおけ〟って漫画柳沼行 『ふたつのスピカ』 宇宙飛行士を目指す五人の少年少女の成長を描いたSFファンタジー。表紙の優しいタッチの絵に癖があるため、敬遠した方もいるかも知れないが、この絵じゃないとダメ! と読み終わる頃には思うはず。 全体的な作品の空気感は優しいが、展開は中々シビア。一度読み始めたら止まらなくなるタイプの作品。そして、なにより登場人物たちが愛おしくなる。最高の漫画。
Webだよ。Archive読み切りでのデビュー時から現在連載中の「ふたつのスピカ」を通じて、少年・少女 が持つ純粋で無垢な感情の変化を描くその独特の表現で、専門店はじめ様々な編 集部からも注目を集める柳沼行先生。 今回のインタビューではその柳沼先生に「スピカ」連載までのお話しはもちろん、 その漫画感など気になるお話しをたくさん聞いてきました。 編集前にいつもの倍の文字数にもなってしまった程の内容の濃いインタビュー、 ...
宇宙の漫画というだけでその面白さは約束されたようなものだが、ふたつのスピカは面白いを超えて最高です。 ちっちゃくて気が弱いけれどめちゃくちゃタフな主人公、主人公を見守るライオンの幽霊、閉鎖空間での厳しい入学試験、過酷な訓練、かけがえのない友人たち、夢の実現、そして別れ。友情・努力・勝利、そして汗と涙。まさに名作少年漫画の条件を揃えている。**若者たちが貧乏したり遊んだり、夢に向かって助け合いながら成長していくところは、まんが道に通じる青春の輝きがある。** ロケットの運転手になりたい主人公・アスミは、ロケットの墜落事故でお母さんを亡くしている。ロケット開発者だったお父さんと2人ぐらしで、ちょっぴり意地悪な幼馴染・府中野くんとアスミにだけ見える幽霊のライオンさんだけが友達だった。そんな**海辺の田舎町に住む女の子の世界が、宇宙学校入学を機にどんどん広がり成長していく姿がたまらない。** お調子者の圭ちゃん、クールビューティーの万里香、ミステリアスな秀才・秋。アスミと府中野も含めて宇宙学校の生徒達はそれぞれ問題を抱えている。そして宇宙に行くことを全ての人から祝福されているわけではない。**人の悪意に触れたとき、みんなが根性とひたむきさを持って真っ直ぐ問題と向き合う姿に心を動かされる。** また、ふたつのスピカの魅力の1つがかわいらしい絵のタッチ。素朴な絵柄が作り出す温かな雰囲気が、人々の抱えるシリアスな過去を際立たせ、アスミのかわいらしさを引き出し、また事態がハッピーエンドを迎えたときの安心感をいっそう格別にしてくれる。 努力する人、夢を追いかける熱い話が好きな人が読むべき名作な。死ぬ前にぜひ一度読んでください。