麻井由似子と同じクラスに転校してきた、謎の少女・叶小夜子。その日から、小夜子をめぐって学園は様々な事件が起こる。そして、転入先の高校には叶家の財をねらう遠野家の暁と涼がいた。陰謀渦巻くこの街で、小夜子の領域を侵す者が次々に死んでゆく…。美貌とあやしい魅力で人を引きつける小夜子とは!?本格ミステリアス・ロマン!!
吉田秋生作品何を読もうかな〜と思って選んだのがこれ。全4巻だし、なにより日本画みたいな絵がいいなと思って買ったんだけど想像以上にメチャクチャ良かった。
主人公たちメインキャラクターが80年代の高校生っていう設定が、そもそもなんとも言えない良さがある。小説家だと“ノスタルジーの魔術師”こと恩田陸先生大好きマンなのでぶっ刺さりました。
また、地元じゃ知られた2つの名家の財をめぐる争いに、女子高生である主人公の結婚が大きく絡んでいる……という古今東西で愛されている泥沼設定が物語の主軸なのがまた堪らない。
そして何より主人公である小夜子が、「女」という存在の光と影のその全てを背負わされた超越的存在で恐ろしく、こんなキャラクターを生み出した吉田秋生という作者にまで畏怖してしまう。
「女であるということが ときにどれほどの屈辱をもたらすのか あなたたち男にはわからないでしょうね…」という台詞が頭にこびりついた。
小夜子のように自分を取り巻く全てのことを呪いたくなっても…そこには由似子やその兄、そして涼のような人物がいるということを忘れないでいたい。
麻井由似子と同じクラスに転校してきた、謎の少女・叶小夜子。その日から、小夜子をめぐって学園は様々な事件が起こる。そして、転入先の高校には叶家の財をねらう遠野家の暁と涼がいた。陰謀渦巻くこの街で、小夜子の領域を侵す者が次々に死んでゆく…。美貌とあやしい魅力で人を引きつける小夜子とは!?本格ミステリアス・ロマン!!