こんにちは、『マンバ通信』編集部の伊藤ガビンです。腰の痛さでは、この界隈では向かうところ敵なしと自負しております。
ま、腰のことは置いといて、最近みなさんはどんなスタイルでマンガを読んでいますか。スタイルっちゅうのはつまり雑誌・単行本・電子書籍どれをどこでどう読んでいますかっていうことですけども。
僕はですねー、いつのまにかマンガの単行本に関しては、ほぼほぼ電子書籍で読むようになってたんですよね。もちろん「この人の作品だけは絶対に紙で読む」と決めている作家もいてますが(この事についてはまたあらためて書きます)、でも電子書籍で読むことが圧倒的に多くなった。雑誌を除けば9割以上電子書籍で読んでるんちゃうかなというところ。
なぜ電子書籍で読むのか。その便利さの大部分については、たくさんの人が語っているので省きますが、その中でも、嵩張らない、大量に持ち歩ける、思いたった時にすぐ手に入る、あたりが僕にとってはたいへんありがたい。長編マンガを夜中に読んでいて、続刊が気になりつつ眠るなんてことはなくなりましたね。面白ければすぐに手に入る。いっきに明け方まで読みふけることができるのはたいへん精神によく、そして健康に悪くて素晴らしい。ますます腰が痛い。
そんな電子書籍の利点なんですけども、あんまり語られてないなと思うのが
電子書籍はデカい
ってことだと思うんですね。
語られてないどころか
電子書籍は小さくて読みづらい
と真逆のことで文句タレてる人が多い。
おそらくはスマートフォンでしか読んでいない人がタレているのだろうけれど、一昔前の情報端末環境を考えるとそういう思い込みを未だに持っている人がいても不思議じゃない。
しかしデジタルな書籍はどれくらいの大きさで表示するかは読者に委ねられているわけで、僕の場合でいえば、電子書籍ってデカく読めて助かるワ〜、と感謝の気持ちを心のありがとう帳に綴る毎日です。
小説などの文字だけの電子書籍は、本文級数を変えることができてヨイ、というのはよく言われてきました。小さい画面でも文字を大きくできる。これは老眼マンにとってホームラン級の福音で、本の字ぃが細こうて細こうて目ぇがシパシパするんじゃ、という状態から脱出させてくれる魔法の機能となったわけであります。
一方マンガの方は、小さい画面で読もうとすると難がありました。絵なんでね。小さい画面のままで拡大すると絵の全体像が見えなくなってしまうので、タブレット端末の上で二本指を開いたり閉じたり開いたり閉じたりして拡縮を繰り返さなくてはならない。結果、親指と人差し指の指紋がトゥルントゥルンになってしまいました。
そこでデカい画面ですよ。
僕の場合は、素っ裸にスマホひとつで外出した時などは、暇つぶしにスマホの画面でマンガを読むこともありますが、基本的にはiPadやKindleなどのタブレット端末で読んでおります。
一般的には電子書籍は、スマホやタブレット端末で読んでいるという人は多いでしょうね。だけどiPad miniくらいのサイズだと単ページ表示はよいけれど、見開きだともう少し大きな画面で読みたい。てわけで、デカめのタブレットで読んだりするんだけど、疲れていると、さらにも〜〜ちょっとデカく読みたいなーて気持ちになることがあります。
そういう時、僕はPCでKindleなどの電子書籍ビュワーを開いて読むわけですが、ここらへんからだんだん奇妙な感じを味わうことになります。
なぜなら、雑誌掲載時よりデカくなってるからですね。
僕は普段28インチ程度のPCモニターを使っているのだけど、これでマンガ読むと、デカい。雑誌で読んでいるときよりデカい。たいへん読みやすい。優勝。
マンガの単行本ってたいていの場合、雑誌掲載時より紙面が小さくなるじゃないですか。豪華版、特装版みたいなヤツでやっと掲載時のサイズのままのやつが発売されたりする。そういうのはたいがい大御所だったり、絵が滅法うまい作家の作品だけですよね。
それ以外のたいがいは所謂コミックスのサイズになる。少年マンガ、少女マンガのコミックスは新書サイズなので、掲載雑誌がB5サイズだとすると、半分以下の大きさなんですよね。これ常識になっているけど、よく考えてみるとだいぶ読みづらくないですか。
ましてや名作が文庫に入ったりした暁には、目玉から血が吹き出るくらい力を入れないと読めません。amazonで虫眼鏡を検索するテイタラクですよ。
で、ありますから、みんなもPCで読むとラクチンでヨイヨということを声を大にして言いたいわけであります。
デカい画面さいこー。
ということを書くつもりだったんだけど、画面をどんどん大きくしていくと、なんかもうちょっと違う楽しみがにじみで出てきちゃったんですよ。
たとえばテレビにつないでみるでしょ。
うーん、デカい。最近家庭にあるテレビはやたらでかいじゃないですか。40インチ越えも常識という感じじゃないですか。逆に小さいテレビ探すの大変。この大きなテレビにマンガを映してみる。
すると自然とマンガが「ひとりで読むもの」から「家族とかで楽しむもの」みたいな雰囲気が出してきやがるんですよ。マンガが空間に開かれていく。
マンガは本来、ひとりで、自分のペースで読むものだというのは、それはもう当然そうなんだけど、人が読んでいるのを眺めるのも案外楽しいのではないかい。子どもの頃はキャッキャッ言いながら同じ本を見ながら読んだりしたなということを思い出したりもする。
そういえば、灰色ハイジさんが昨年こんなことをつぶやいていたのが、印象深かった。
灰色ハイジ / Haiji Haiiro on Twitter
Androidで漫画をテレビにGooglecastしたらめっちゃ快適なのでは…!!? 2人で一緒に読める
つまり、スマホの画面をテレビに出力するっていうのは、プレゼンの時に使ったりよくやることだけれど、これと同じシステムでマンガ読んでると、テレビにも同時に出力できるよね、ということですよね。
これ、なんか、わたしのツボに入りましたよ。
恋人や家族がマンガを読んでいる。そのマンガがリビングルームのテレビ画面にも配信されている。その部屋にいる人は、そのマンガをいっしょに読んでもよいし、横目に見ているだけでもいい。ぼんやり見ているうちに興味を持ったら、本格的に読んでもいい。
朝ドラが、朝食を作りながらぼんやり見てても楽しめるように、マンガも、自らページをめくるのではなく、ページが勝手にめくられていくのをぼんやり眺めるみたいなゆるい読み方がされてもいいように思うんですよね。
調子に乗って、プロジェクターでもマンガを読んでみる。
これまたさらにマンガの佇まいが変わってきますねえ。みんなで読むしかない! という気分になる。しかしテレビとはまた全然ちがう空気になる。つまりですね、この大きなマンガは、それを見ている人たちがそれぞれ黙読するようなものじゃない気がしてくる。これは誰か朗読者がいて、その朗読をみんなで聞きながらマンガを読む、というのがしっくりくるんですよ。紙芝居のようなものに見えてくるんです。
しまった!!
しまったじゃねーーっっ!!
声に出したい。
これまでマンガって大きくしてみんなで読もうと思ったら、デカく印刷するしかなかったでしょう。それか書画カメラとかオーバーヘッドプロジェクターに映すくらいしかなかった。
電子書籍になって、はじめてマンガをデカくしてみんなで読む、という体験が気軽にできるようになったのではないか。そんな気がしてまいりました。
とにかく、マンガをいろんなスクリーンに、さまざまな大きさで映し出して楽しんでほしいと思ったんすよ。屋外とかでさあ、白いシーツを吊るしてスクリーンにしてみんなで『でんぢゃらすじーさん』とか読むの最高じゃないですかね。
ま、それはそれとしても、モニター次第でデカくてラクチンで楽しいですよ。
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