『利平さんとこのおばあちゃん』法月理栄さん再び。1989年3月、待望の新シリーズ開始!!『気まぐれデイパック』

『利平さんとこのおばあちゃん』法月理栄さん再び。1989年3月、待望の新シリーズ開始!!『気まぐれデイパック』

昨年法月理栄さんの『利平さんとこのおばあちゃん』について記事を書かせて頂きました(時代背景は昭和最後の10年。山あいの村で起こる日常の出来事なのに何故涙するのだろう。法月理栄 『利平さんとこのおばあちゃん』)。

その際に入手した、『ビッグコミック増刊号』に掲載された未収録の「菖蒲節句」。

記事でも紹介しましたが、とてもいい話です。

あれから未収録は勿論、とにかく『利平さんとこのおばあちゃん』が掲載された『ビッグコミック』を探して回る日々を過ごしております。

現在13冊手に入りました。

そしてなんと『利平さんとこのおばあちゃん』の後の新シリーズまで1冊見つけるという幸運も。

今回はその法月さんの新シリーズ『気まぐれデイパック』と、『利平さんとこのおばあちゃん』の復刊された電子書籍には入ってない未収録話を紹介しましょう。

『ビッグコミック』1989年3月10日号。

巻頭は追悼特別企画と題して手塚治虫さんの逝去の記事。

この時は色んな雑誌で手塚さんの追悼企画が組まれました。

法月さんの『気まぐれデイパック』は「新シリーズ開始」とあるので第1話で間違いないと思いますが、話数の記載はありません。

『ビッグコミック』(小学館)1989年3月10日号より

気ままに野山を徘徊するのが好きな野間さん夫婦。

夫が町立病院の医師として赴任したばかりの小さな町から、この日は奥さんが一人でバスに乗って散策に出かけます。

『ビッグコミック』(小学館)1989年3月10日号より

山の中で降りたおばあちゃんにつられて奥さんもつい降りてしまいます。

そして着いたのが小さな村。

元々田舎育ちの奥さんは古民家に魅せられ、この村に住みたいと都会育ちの旦那を説得。

いざ住むための準備を始めたはいいものの、閉鎖的な村の中にはよそ者を歓迎しない雰囲気も伺えます。

水道はありません。湧水をタンクに貯めて使用することに。

足繫く村に通い(特に奥さんが)廃屋も次第に甦ります。

引っ越し当日、どんな人か分らずに警戒していた村の人たちも町のお医者様夫婦という事で態度は逆転。

村の人総出で迎えて歓迎する場面で第1話は終わります。

『ビッグコミック』(小学館)1989年3月10日号より

『利平さんとこのおばあちゃん』と同じく山あいの村が舞台となって色んな出来事やちょっとした事件が描かれたのか、第2話以降の情報を手に入れられませんでした。

主人公の野間さん夫婦が20代後半くらいの設定と思え、『利平さんとこのおばあちゃん』とはまた一味違った話の続きを読みたいですね。

何より気になるのが夫は「源ちゃん」と奥さんが呼んでますが、正確な名前は不明です。

そして奥さんは源ちゃんが「君」と呼ぶだけで名前が明かされてません。

あぁ、せめてこの明朗活発で魅力的な奥さんの名前くらいは知りたい。

探求書優先順位の上位に据えて、引き続き入手の努力を続けていきたい所存です。

では『利平さんとこのおばあちゃん』の未収録話に移りましょう。

 

昭和54年11月23日増刊号収録 「片耳のコンタ」

『ビッグコミック』(小学館)1979年年11月23日増刊号より

15年ほど前に村で悪さをした狐のコンタが何故か戻ってきます。

老いたコンタは捕えられますが、猟師の留吉さんが山へ返します。

『ビッグコミック』(小学館)1979年年11月23日増刊号より

しかしコンタは何故か村へ戻り、そして……。

猟師の留吉さんとの過去の因縁話や、おしげんさんも交えての展開がとても心に刺さります。

動物が主役なのはいけませんね。どうしても目頭が熱くなってしまいます。

作中で老いたコンタを留吉さんもおしげさんも普通に触って抱いたりしますから、復刻する場合は寄生虫への注意書きが必要かもしれません。

 

昭和56年9月23日増刊号収録 「白い手紙」

『ビッグコミック』(小学館)1981年9月23日増刊号より

なんと扉ページを入れて4ページが2色ページです。

嬉しいですね。カラーページの収録は原本を手に入れる大きな楽しみです。

おしげさんが暮らす村の新しい郵便配達になったハンサムなお兄さん。

その郵便屋さんに恋をした、村の一番奥に住む女学生の悦子ちゃん。

おしげさんのいつものお節介から悦子ちゃんの友達のミヨ子も絡んで、話は切ない方向へ。

『ビッグコミック』(小学館)1981年9月23日増刊号より

最後のページ、蝉の鳴き声とと悦ちゃんの泣き声が重なりおしげさんも涙ぐむ淡い青春を思い出すラストです。

 

昭和58年9月10日号収録 「風切り鎌」

『ビッグコミック』(小学館)1983年9月10日増刊号より

町の団地の奥さん達が村の空いている土地を借りて菜園を始めます。

化粧をして畑仕事をする町の奥さん達に、鼻の下を伸ばし気味の旦那を見て不機嫌な村の専業農家の奥さん。

町の奥さんに対しても遊び半分で畑仕事をと思うと、小さな事でもついきつく言ってしまいます。

そして町の奥さん達の菜園も大収穫となった夏休みにちょっとした事件が起きます。

風神宮と書かれた石の灯篭にお供えされた鎌が紛失します。

表題の「風切り鎌」とは台風除けのおまじないで、台風の風神を切ってしまえという意味です。

台風被害は農家にとって深刻です。

「鎌が無くなったけどあんたたち知らんかね」と町の奥さん達に聞く村の奥さん。

鎌が無くなったのは自分たちが原因だと言わんばかりに感じた町の奥さん達は不機嫌です。

そして村に台風が来ます。

台風の最中色々あった後、少しだけ町の奥さんと村の奥さんは分かり合えたような雰囲気に。

秋の声が聞こえだした頃、おしげさんに町の奥さんと村の奥さんが同時に収穫した秋ナスを持ってきます。

どっちが作ったナスが美味しいか味比べをすることになり、おしげさんはナスの味噌炒めを作りますが粋な計らいでラストを迎えます。

とてもほっこりする最後で癒されました。

 

今回は3話。これくらいにしましょう。

またいずれ「利平さんとこのおばあちゃん」の未収録話、紹介したいと思いますので期待してお待ちください。

\ この記事よかった! /
👏 拍手を送る
記事へのコメント
コメントする