日本仏教の要である、比叡山延暦寺の開祖である最澄、弘法大師の名で日本人なら誰もが聞いたことがある空海。レオナルド・ダ・ヴィンチにも匹敵するといわれる日本史上、比類ない天才である、最澄と空海がまさに華麗に、繊細に、そして豪快に描かれる人間ドラマです! 平安の世、当時のニッポンを変えた! といっても過言でないこのふたりは、その青年期は人も羨むエリートコースを歩んでいたが………… 本作『阿・吽』は、『サプリ』『&―アンド―』で女性の心情を美麗な筆致で、細やかに描いてきた著者の新境地です!
いかなる時も、国民と心を共に歩まれてきた明仁天皇の85年の人生を、生誕、幼少期、学生時代、皇太子時代、ご成婚、ご家族、即位、慰霊、被災地訪問など… 史実を元に一部創作を交え、豊富なエピソードで綴る。
敗戦の色濃い昭和十九年十一月、大日本帝国海軍大佐の源田実は「本土防衛の切り札」として規格外の構想を打ち立てる。それは各地のエースパイロットを集めた超精鋭部隊の設立。のちに伝説の航空部隊として名を馳せる「剣部隊」――第343海軍航空隊である。だが、部隊の指揮を任せようと考えていたスーパーエース・菅野直には、特攻の命令が下されていた…! 最強の343空にあって“撃墜王”の名で畏れられた男・菅野直を主人公に据え、勇猛無比な若きパイロットたちの魂を圧巻の筆致で描く!
南方仁は東都大学附属病院に勤める脳外科医である。ある日、彼が頭部裂傷の緊急手術を執刀した患者が、病院を脱走しようとする。患者と揉みあう内に仁はなんと幕末の1862年にタイムスリップしてしまった。電気も消毒薬も抗生物質もない世界で、医師南方仁の戦いが始まる。
天下分け目の「関ヶ原の戦い」で徳川家康が天下を統一、それ以来の歴史を描いたのが「風雲児たち」。その続編「幕末編」がついに単行本化。風雲、急を告げる幕末に……。
1945年、敗戦国、日本。異国の植民地となったこの国において、日本人は奴隷のような生活を強いられていた。死と隣り合わせの日常の中、売春宿の下女として働く少女は出会う、神をも恐れぬ戦慄の拳に……!!暗黒の日本を生き抜く屍山血河のバイオレンスファンタジー、ここに開幕!!
大王の密命を受けたのは、一人の下級役人だった。 時は古代。飛鳥浄御原宮の宮中で働く下級役人・中臣史。その史に、大海人大王から密命がくだる。その命を果たすため、史はいくつかの条件を提示するがーー!?
戦後すぐの北海道に越してきた少女・千鶴。ある理由から声を失った彼女は、その地で不思議な雰囲気を持つ静子と出会う。北海道の戦後開拓で、たくましく生き抜いた人々と、人間の力を超越し、ただ超然とある自然を舞台に繰り広げられる、二人の少女の物語――。
“北斗神拳”ここに熱く復活!!『閻王』の名で恐れられ、1930年代の魔都・上海を震撼させた男……霞拳志郎。後に北斗神拳史上最も奔放苛烈と謳われた正統伝承者が、かつての朋友、そして恋人のために、暗殺拳の封印を解く!
「3月のライオン」スピンオフ待望の第1巻!日本将棋連盟会長・神宮寺崇徳。若き日の彼には、倒さねばならぬ相手がいた…。熱き筆致で、昭和の棋士達を描く!!
今、あらためてアイヌ民族を知るということ。かつての伝統的なアイヌ社会の日常とは。そして現代のアイヌ民族の状況とは……。不思議な響きをもつアイヌ語とその文化――狩猟採集、口承文芸、婚姻習慣、宗教儀礼、死生観…… 作者は漫画家にしてアイヌ語講師、講座では伝えきれないあれこれを漫画で鮮やかに感動的に表現します。
1890年9月の夜半、オスマン・トルコの軍艦エルトゥールル号が、現在の和歌山県串本町で沈没。遭難した乗員たちの救出活動を、島民は懸命に行う。そして時が経ち、1985年冬、イランイラク戦争のさ中、イランの首都テヘランに取り残され、命を脅かされていた日本人たちがいた。人々の選択と決断、そして、「ありがとう」の連なり。『もやしもん』『純潔のマリア』『惑わない星』の石川雅之が、国と国、人と人の絆を描く。
明治初期、北海道の大地で繰りひろげられる、巨大なヒグマと武士の血をひく若き狩人・真之助との息づまる死闘!剣を手にすれば鬼神のように強かった父を殺した、巨大なヒグマに復しゅうを誓った真之助は、10年の歳月をかけてヒグマを追い詰めていく!「獣剣伝説」他、ヒマラヤに墜落してひとり生き残った少年を描いた「神の娘」を収録。
1876年、福島県猪苗代に生まれた野口清作(のちの英世)は、幼いころに囲炉裏に落ちたときの手のヤケドがもとで、気の弱い少年時代を過ごしていた。ところが7歳になったある日、学校の作文で、清作は貧乏でも朝早くから夜遅くまで働く母親・シカのことを文章に書き、はじめて先生に褒められる。それをきっかけに、清作は学業に励み、ついには高等小学校に通うまでになるが……。偉人・野口英世の波乱万丈の半生を描く話題作!
天下無双の槍使い・本多忠勝の生涯“生きる”とは、風を感じること――― 裏切りだらけの時代… 忠義を貫き、勝ち続けた男がいた。徳川家康の家臣・本多平八郎忠勝。あらゆる天下人から称賛された“忠義の男”の生涯は、三河国・岡崎から幕を開ける――――
『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!
日本×西洋ヒロインの明治レトロ・ロマンス 時は明治―― 文明開化で栄えた港街・横濱。16才の茉莉亜は、父譲りの金髪と碧い眼を隠して生きてきた。その異端の外見は、周囲の人から嫌厭され、差別を受けるから… 異国に帰ってしまった父、目立つなと厳しく躾ける母… 憧れの女学生を横目に、俯いてやり過ごす日々。しかし、名士・黛家の子息である麟太郎に本当の姿を見られ、思わぬ言葉をかけられる。「おまえ…人魚姫みたいだ…」その日から茉莉亜は、身分も、出自も越えた世界に飛び込んでいく――! 時代を彩るニューヒロインの、絢爛華麗シンデレラ・ロマンス!
▼第1章/猿山(カミナリ/孤猿/伏兵/旅立ち/恋鳴き/逃げ水/帰還)▼第2章/谷地湯(道づれ/下剋上) ●主な登場人物/カミナリ(第一位のボス猿。メスたちからの信頼も厚く、確固とした地位を保つ)、ダルマ(第二位のボス。おっとりした性格)、キズ(第三位のボス。気性の激しい性格)、歯ッカケ(第四位のボス。四匹の中で一番若い) ●あらすじ/領地没収になった日置藩領内に、廃城をねぐらにする猿の群れがあった。第一位のボス・カミナリを筆頭に四匹のボス猿たちが群れを統括していたが、ある日、テリトリー内に一匹のよそ者が現われる事件が発生。さっそく第二位以下のボス猿が撃退に向かうが、あっけなく敗北し、ついにカミナリとの睨み合いとなる。よそ者は何を思ったか、その場は戦わずに森へと帰っていくが、その後も群れの付近につかず離れずで居座り続け…(第1章)。
時は大正。父の形見を取り戻すために公爵邸を訪れた明。そんな明を出迎えたのは、金髪碧眼で超美形な異国の公爵様!明は、形見を譲ってもらうかわりに、公爵がアンティーク貿易の取引で日本にいる間、お嫁さん役をすることになって――!?収録作品:大正ロマンチカ(1)
1920年代ニューヨーク。死刑囚デイビッド・ダグラスは刑執行当日、13歳の天才医学博士ヴィクトリア・フランケンシュタインと出会う。それが、死後の人生のはじまりだった――。SNSで大反響を博した『死刑囚が医学博士に拾われてヒーローに転身する話』・『死刑囚が医学博士に拾われて人生やり直す話』が加筆・修正を経てついにコミック化!! 単行本だけで読める描き下ろし読み切り14Pも収録。
時は明治。身寄りのない娘・川村のばらは、遊郭に売られそうなところを、美しい男・一ツ橋右京に助けられる。右京の豪邸で働くことになったのばらだが、彼が女性に春を売る高級娼夫だということを知ってしまう! 重ねられる客との情事…そして、右京は“からかい”と称して、のばらにも触れてきて――? 愛と哀が交錯する、明治艶事ストーリー!
孫ほども年齢の離れた情人・おはると共に暮らす「この世の表も裏もわきまえた」洒脱な老剣客・秋山小兵衛。そして、剣客の世界を歩みだしたばかりの実直な息子・大治郎。この父子は女武芸者・佐々木三冬らとの出会いの中で何を思い、何を見出すのか…。勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負う。それが剣客として生きる者の宿命――。池波正太郎の名作を完全劇画化。剣に命を懸ける者たちの生き様がここにある!!
名著中の名著として名高い歴史書「史記」を元に、乱世のドラマをダイナミックに描く、血湧き肉躍る歴史マンガ!――史上初めて中国統一を達成した覇王・始皇帝が突如病死した。すると、それまで重税や労役に苦しめられてきた国民たちの不満が一気に爆発。反乱軍が蜂起し乱世に突入する。かつては名門とうたわれながらも秦の下で辛酸をなめていた項氏一門の項梁は、秦を討つべく甥の項羽と共に挙兵。その頃劉邦は、罪人をかくまって山中に隠れ潜んでいて…。
おかざき真里さんの『阿・吽』を読んで驚いた。冒頭からいきなり『火の鳥』の鳳凰編で観音像のモデルになったあのブチが、さながら火の鳥のように時空を超えて、いままさに読みはじめた漫画のコマに現れたからだ。 鳳凰編の狂言回しとして物語を運んでいたブチは、最後に茜丸の骨を持って我王のもとを訪れている。そして、意味深げな未来を示唆するモノローグとともに鳳凰編は幕を閉じる。そう、確かに鳳凰編は幕を閉じた。しかし、私たちは幸か不幸か、火の鳥が"永遠のいのち"として万物を流転しているのを知ってしまっている。 茜丸の生き写しのような最澄が『阿・吽』に現れたとき、ブチもまたそこに現れずにはいられなかった。すぐに野盗に殺されてしまうブチの生き写しは、しかし、姿を変えながら幾たびも最澄のもとを訪れている。あるいは、もしかすると『阿・吽』とは、茜丸を追うブチの愛の物語なのかもしれない。 とすれば、ブチは最後には、我王の生き写しのような空海のもとへ落ち着くのだろうか。史実ではやはり、最澄が志半ばで先に息絶え、空海は持ち前の野生の力で教理をさらに深めてゆく。そして、ブチはまた現世を我王のもとでやり過ごし、来世で茜丸を追ってゆく、そんな途方もない未来を想像せずにはいられない。