こくりつはくぶつかんものがたり
国立博物館物語
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あらすじ

東京は上野の一画にある「新東京博物館」では現在、アミューズメント・パークの建設が進行中。このアミューズメント・パークは“楽しく遊ぶ”をモットーにする革新的な考えを持つ理事長の構想によるもの。そして、その目玉となるものが入館者が太古の世界をバーチャル体験できる“スーパーE”だった。この“スーパーE”とは、超弩級ニューロ・チップAI(人工知能)で、インプットされた白亜紀の情報と6千万年にわたる自然淘汰の歴史から、自ら生物進化の歴史を再現していくコンピュータ。計画では、このコンピュータの中で再現されている「恐竜が闊歩している時代(白亜紀後期)」を来館者がバーチャル世界で体験できるのだ。しかし、まだ開発中の段階の今は、この“スーパーE”によってバーチャル世界で体験できるのは館員では新人の森高弥生ただ一人だった……。

バンプアー
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あらすじ

生活(くらし)は底辺、暗殺(ころし)は至極。絶対致死の殺し屋伝説、開幕。 所持金333円。職業、殺し屋。貧困極まる生活に在るのは、空腹と任務のみ。腹が鳴ったら現れる、貧乏だけど屈強な漢・野島良が、現実も虚構もぶち壊す――― 初連載の新鋭が渾身の筆致で描き抜く、漆黒暗殺劇、始動。

ちのわだち
血の轍
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「惡の華」「ハピネス」「ぼくは麻理のなか」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏が、ついに辿り着いたテーマ「毒親」! 母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。母・静子によって。狂瀾の奈落へと! 読む者の目を釘付けにせずにはおけない、渾身の最新作!!

毒親サイコホラーここに極まる

押見修造の最新作。 男子中学生の主人公に対して過保護すぎる母親(美魔女)が、彼に強く関わってくる周囲の人物(いとこや同級生女子)を「私だけいればいい」とばかりに排除し、「自分だけを頼り必要とするかわいい私の息子」を病的に保とうとする。たとえ結果的にその行動が常軌を逸していても・・。 雑誌スペリオールで連載を追ってるんですが、ほぼ毎回毎話「ひぃぃぃいいっ・・!!」って言いながら読んでます。 これが、超楽しい。はー、好き。 もうほんとヤバおもろいんですが、人間による静かな恐怖の感情をこれでもかと煽ってくる迫力ある演出は押見先生、ここにきて明らかに次の次元に突き抜けてます。 ページめくるごとに不穏さが増していってゾックゾクします。 ジャンル的にはサイコホラーにでもなるんでしょうか。 いや、でもただの毒親っちゃ毒親なだけだし・・。 『血の轍』を読んだ印象だけで言うなら顔、そして影、からの顔、さらに影、極めつけの大ゴマ顔ドアップ、唇、くちびる!です。 そして読んでいるとなぜか母親の声が実際に聴こえてくるようなんです。 吐息がかかるくらい近く耳元でささやくような、呼吸音さえも聴こえるような少し低音も混じるくらいの、いいヘッドホンで映画観たときのような立体感ある声が。 なんなんでしょう、この生々しい不思議体験。 そして母親ですが、そこに居るのは母親でありながら一人の女なんですよ。 「女」をなぜか感じさせてしまうエロティシズムみたいなものがねっとり漂っているんです。 母親なのに!悔しい!! 『クレヨンしんちゃん』のみさえに母は感じてもエロさは感じたことないのに! 息子をどうしたいんだよちくしょう! まあでもよく聞きますよね、母にとって息子も一人の男だからそれを奪う何かに嫉妬してしまうみたいな話。 この話はきっとそれが振り切ってるだけなんです。 この漫画がいいのは、母親がただの化物に成り下がっていないところ。 なにか、そうしていなければ自分自身を保てないほどの何かがおそらく過去にあったんだろう、ということが随所に垣間見える悲しきモンスターなのです。 もしかしたら止めてくれる誰かを待っているかもしれませんし、それこそが救いになるのかもしれません。 まだ3巻。 今後どうなっていくのか、ひーひー言いながら生暖かい視線で見守っていきたいところです。

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
ひびきしょうせつかになるほうほう
響~小説家になる方法~
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あらすじ

とある文芸編集部の新人賞宛に送りつけられた、直筆の投稿原稿。編集部員の花井は、応募条件を満たさず、ゴミ箱に捨てられていたその原稿を偶然見つける。封を開けると、これまで出会ったことのない革新的な内容の小説であった。作者の名は、鮎喰響。連絡先は書いていない…

住みにごり
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あらすじ

僕の実家には怪物たちが住んでいる。29歳、夏。会社から長めの休みをもらった僕は、久しぶりに実家に帰省した。住んでいたのは父母、姉、そして35歳、無業無言の兄だった…。これは変な家族なのか? それとも家族は変なのか? 新ホームドラマ、登場! ビートたけし氏、麒麟・川島明氏、絶賛!! 漫画クチコミサイト「マンバ」にて新連載ランキング1位獲得! 超話題作!!

ギャグなのかホラーなのか漂う狂気に翻弄される

引きこもりの兄、要介護の母、アル中の父、モラハラ気質でバツイチの姉。 そして、都落ちして絶賛失業中の主人公。 この時点で濃度マシマシな家族構成だが、主人公が実家に帰省したところから始まる本作。 田舎出身の自分的には、あながち非現実的とも言えないのが、興味をそそりました。 言葉は一切発しないが、謎の存在感がある兄を軸に物語は展開されるのですが、冒頭でその兄が通り魔殺人を犯している夢を主人公がみていて、それが全話通して、こびりついて離れないんですよね。 兄の容姿も、ちびまる子の永沢くん(玉ねぎ)みたいに一見ギャグっぽい感じなのですが、この最初の光景のせいで逆に狂気すら覚えます。 ところどころ、例えばキャベツを部屋で千切りしてたり(それに血がついていたり)、主人公の同級生(女性)の名札でいかがわしいことしたり、狂気じみたことをしているので、あながち間違いではないのですが、それ以上のことをしそうな雰囲気が、常にある。 引きこもりかつ無口ってのが、否が応でも、その手の妄想をかきたてます。 似たように、父親もヤバいし、唯一家族の中でまともだと思った母親も、意外とキレてやらかすから、もうザワつきっぱなしです。 家族からみたら当たり前だったことが、世間では当たり前じゃないことって少なからずあると思うのですが、それを実際にありそうな絶妙なラインで、まざまざと見せつけられている、そんな作品です。 家族を再構築していく話なのか、それとも崩壊していく話なのか、ぜひ見届けたいです。

六文銭
六文銭
トリリオンゲーム
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稲垣理一郎&池上遼一の最強タッグ!! 1,000,000,000,000$稼いで、この世の全てを手に入れろ! 世界一のワガママ男・ハルと、まじめなガク。最強の二人がゼロから起業、ミラクルを起こす!! グーグル、アマゾン、マイクロソフトを喰う! 『Dr.STONE』の稲垣理一郎と 『サンクチュアリ』の池上遼一が放つ、最新にして最高! スタートアップコミックの決定版、誕生!!

げきこうかめん
劇光仮面
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あらすじ

これは星をつなぐ者たちの物語である。僕は何者でもない。僕は器に過ぎない。――それこそが僕の強さだ。そんな想いを胸に秘め、29歳の青年、実相寺二矢はアルバイトで日々を暮らす。舞台は「現代」、テーマは「特撮」、主人公は“何者にもあらず”!?!? 『シグルイ』『覚悟のススメ』の鬼才、完全新境地の最新作! 我々は山口貴由の本当の才能をまだ知らなかった。

現実と地続きのヒーロー

「特撮系か〜おもしろそう読もうかな!」とかあらすじ読んで軽い気持ちで手に取ったら『掛かったな!』と殴られた気持ちです。これはガチのやつ。ある意味あらすじサギです。良い意味で。 いわゆる特撮系ヒーローを題材にした漫画は多く、トクサツカガガとかサンレッドとか怪獣8号とか『ヒーロー』をどの角度から描くかで表現方法が変わりますが、これはガチで『特撮ヒーロー』を真正面から現実のものとして解体しているように感じます。一巻巻末のコメントが芯を捉えて暴露してくれてました。 そもそもの特撮がスタートした昭和の時代が、何を経てきて何を求め、表現者たちは何を吸収して産んだのか。そしてそれを受け取る、そうではない時代の人とそれを受け継ぎ渡そうとする中でどう解釈したか。 描き手の脳内レポートのように緻密かつ素直、そして愚直で偽りないものを含有し、ストーリーが描かれていると感じます。なので、読み手として受ける場合にはなかなか気合入れて踏ん張らないと対峙しきれないかも。足腰に力が入りました。 なかなかこうして講演のように、「これは私の考えなんですけどね…」とぐつぐつ煮込んだ話を読ませてくれる漫画を出されるのも久しくなっていたので、読み応えに放心しています。岩でも飲んだかな…という感じ。 誰かれともなくおすすめは難しいのですが、人がめちゃくちゃ煮込んで作った煮凝りみたいなものを摂取したい時にいいかと思います。 今のこの時代に、この漫画がいろんな媒体で話題作として紹介されることに、死なないサブカルのひゅうひゅうとした息を感じます。おれたちはしぶといな。よかったよかった。

SS
SS
なつめあらたのけっこん
夏目アラタの結婚
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これは、最も一線を越える「結婚」!! 児童相談所に勤務する夏目アラタは、結婚に夢など抱いていない30代・独身。彼はある日、担当児童・卓斗から「父を殺した犯人に代わりに会って欲しい」という依頼を受ける。犯人の名は品川真珠。【品川ピエロ】と呼ばれる有名連続殺人犯だった…!!

MUJINA INTO THE DEEP
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浅野いにおが放つ衝動…衝撃最新作! マンガは次の“領域”に突入する――トップランナー・浅野いにおの最新作! 何気ない日常の中、刀を背に空を翔び、人を殺める「ムジナ」の実体とは…? 人間とは、社会とは、人権とは、そして幸せとは…気づけば己に問われる全く新たな衝撃作!

フールナイト
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期待の新人が突きつける選択! ぶ厚い雲に覆われ陽が差さなくなった遥か未来の地球。植物が枯れ酸素も薄くなった世界。しかし人類は、人を植物に変える技術を開発し、わずかな酸素を作り出して生き延びていた。先の見えない世界でも人として生きるか、苦しみを捨て植物として新たな生へ踏み出すか。人々は選択を迫られる――

あたっくしんどろーむるい
アタックシンドローム類
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暴力に生きる。テンションMAXの衝撃作! 傑作『足利アナーキー』、衝撃作『ギャル男VS宇宙人』の爆才が、暴力でしか癒せぬ乾きを圧倒的迫力で描く テンションMAXの衝撃作!!!!! 破壊したいんじゃない。破壊せざるを得ないんだ。令和ニッポン“孤独のファイトクラブ”!!!!!! ショッピングモールの夜間警備をする 類 我次郎(るい がじろう)は、普段は温厚で物静かな青年。だが、彼には人には知られぬ「もう一つの顔」があった。抑えがたきソレがひとたび彼の全身を駆け巡ると…!?

想いが濃すぎて原液どばどばなのに後味スッキリ

効果音などを作る「サウンドクリエイター」とアクション漫画としての「喧嘩」が予想外の化学反応を起こす、第一部ともいうべき前半部分。虚構と現実が入り混じりながら詩的にかつ美しく読者を幻惑する。 そして後半部分では、散りばめられた布石を余さず回収しながら、ただただ勧善懲悪でカタルシス満点のストーリーに熱狂させられる。 そしてラスト(エピローグ)で全体の真相が明らかにされる。一本の映画のような、丹念に編み込まれたストーリーだ。 悪を打ち倒しヒーロー気分に酔いしれる主人公にまんまと感情移入させられ、クライマックスを迎えるとそこにはまさかの裏切りが待っている、この読み口は朝井リョウの小説とよく似ている。節々でルサンチマンやシャーデンフロイデを刺激してくる描写が多いがこれもおそらく作者の罠に違いない。 この意地悪なラストへの感じ方は、受け取り手によって様々だろう。無敵の人や弱者の人たちが傾倒してしまいがちな安易で極端な思想や異世界モノのような居心地の良いコンテンツに対して皮肉でもあり、救いへの希望でもあるのだ。 ちなみに各話のサブタイトルには、色々な映画や音楽などの名前がそのままつけられている(『ネヴァーマインド』『タクシードライバー』など)。作中、私が気づいてない小ネタや引用がまだまだあるのかもしれない。いずれ読み返したときには今とは違う読み方ができるのではないかと楽しみだ。

mampuku
mampuku
零落
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浅野いにお、衝撃の新境地へ―― ある漫画家の、脇目もふらず駆け抜けてきた連載が終わった。久しぶりに立ち止まった自分に残されていたものは、残酷なまでの“空虚感”だった。大切な存在ほど信じ切れず、束の間の繋がりだけに縋り始める日々――― 漂流する魂が着地した時、男の本当の姿が現れる。浅野いにお、極限の最新作。

あずみ
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少女のあずみを含む10人の子供達が、人里離れた場所で秘かに刺客として育てられていた。そして、彼らは爺の言葉をすべて正しいこととして疑うことを知らない、精鋭の刺客として育った。ある日、爺からいよいよ外界に出る時になったと告げられる。しかし、その前にこれまでの修業の総仕上げとも言うべき凄まじい試練が待っていた!

アダムとイブ
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衰退するヤクザ社会を立て直すべく、“スメル”と呼ばれる嗅覚に長けた男が結成した秘密結社―― その会合の突如、“透明人間”の襲撃を受ける! 1人、また1人と仲間が死にゆくなか、五感を研ぎ澄ましたヤクザ達が徐々に“透明人間”の姿を捉え始め…変哲なき密室空間が「透明人間VSヤクザ」という比類無きワンダーランドに変わる!

らーめんさいゆうき
らーめん再遊記
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伝説のラーメン×ビジネス漫画 復活! 伝説のラーメン×ビジネス漫画 「ラーメン発見伝」「らーめん才遊記」、カリスマ・芹沢がかえってきた! 憎らしいほど鋭い男…ラーメン界の一大革新と一大ブームを牽引した男… そして今、令和のラーメン界とフードビジネス界、はたまた現代の全てのビジネスパースンに 生きる指針を示すべく、極旨ラーメンとともに現れる!!

ぼっち死の館
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老いを生き、描く76歳作家の「純」漫画! 舞台は高度経済成長期に建てられた団地。現在そこにはひとり身の老人たちがいつか訪れる孤独死、「ぼっち死」を待ちながら猫たちと暮らしている。そんな彼女らが明日迎える現実は、どんな物語なのか――― 自らも団地に暮らす76歳の著者が描く、私たち全員の未来にして、圧倒的現在。『夕暮れへ』にて日本漫画家協会賞優秀賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門収集賞を受賞した齋藤なずな、渾身の最新作。

ヒューマンドラマの極致 #1巻応援

生きて、死ぬ。すべての人間に例外なく訪れるその最後のときを、どのように迎えるのか。 40歳で漫画家を志してデビューし、現在76歳の齋藤なずなさんが数年前から少しずつ描き連ねた連作短編が単行本化されました。 「現在、読者のニーズは多様化しているにもかかわらず、『青年誌』『青年コミックス』という大きな呼称ではシニア読者に届けきらない時代になってきました。そのため、人生のフロントライン(最前線)に立つ70代以上の読者に向けたレーベルとして、新たな売場を創設していく必要性を感じ、今回『ビッグコミックス フロントライン』レーベルを誕生させました」 として「老いや介護、看取り、終活、終の棲家など、シニア世代向けの題材」を扱った新レーベル「ビッグコミックス フロントライン」の作品です。第一弾の『父を焼く』から始まり、読み応えのある作品を送り出してくれています。 内閣府のデータによると、1980年には65歳以上の高齢者を含む世帯数は800万世帯ほどで、その内単独世帯は90万世帯ほどでした。それが現在では、昨年厚生労働省により公表された「2021(令和3)年国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の高齢者を含む世帯数は1500万世帯で、その内単独世帯が742万世帯と約半数を占めます。今後ますます高齢者を含む世帯、とりわけ単独世帯は増えていくことでしょう。 本作では、かつて「ニュータウン」と呼ばれた街のとある団地を舞台に、主に高齢者を中心にした群像劇が描かれます。1話完結型ですが舞台や登場人物は共通しており、それぞれの人物の語られる深度の違いや、異なる視点から見たときに感じられるものがまさに団地での人付き合いに似た手触りを覚えさせられます。現代的な、基本的に隔てられていながらも薄く繋がっている時代における「最期」を意識したお話たちは、来るべき未来のお話として切実です。 中心となっている人物のひとりは一人暮らしでマンガを描いている女性で、同じく団地暮らしであるという筆者の実体験や考えが多分に反映されているのでしょう。 自分から見れば羨ましく見える状況が、その人にとっては悩みの種であったり。 表には何の苦労もなく生きているように見える人が、裏ではとても辛い想いを重ねていたり。 人にはそれぞれの幸不幸、天国と地獄があってそれは簡単に外から推し量れるものではないということをさらりと鮮やかに見せてくれます。 自分は売れた経験もなく、若い才能はどんどん出てきて、苦労して描いたネームも没になり、それでも僅かな国民年金では生きていけないので体調不良を押して次から次へと死ぬまでマンガを描き続けねばならない。しかし、そんなことすらもある人からは「辛くても本気でやらなくちゃいけない、誰でもできることじゃない自分だけの仕事があることが羨ましい」と言われます。こういう所が本当にグッときますね。 どのお話もそれぞれの良さがありますが、1話のガラケーからスマホに変えて「フェースブック」を始める男性のお話がとても好きです。SNSは負の側面が取り沙汰されがちですしそういう部分もしっかり描かれますが、ひとりで暮らしていても繋がりを持てることや、アップする写真を撮るためにそれまで見向きもしなかったものに触れることで生まれる豊かさは良いものです。このお話は構成も良く、ラストの美しさに感じ入ります。 試し読みの冒頭から情報量が多く、最初は少し取っつきにくさも感じるかもしれませんが、本当に素晴らしい作品で広い世代に届けたい1冊です。

兎来栄寿
兎来栄寿

年を取ることも死ぬことも普通のことだと思えた

ふと寝る前なんかに自分が年を取った時のことを考えて不安になる事がありました。老後に必要な2000万円なんか貯金できる気がしないし、このまま身寄りがなくて孤独死するかもしれない…なんて考えちゃうと眠れなくなるくらい不安でした。でも「ぼっち死の館」を読んでからは私もなんとかなるんじゃないかと平気で構えられるようになりました。 今まで年を取るって暗くて悲しいことだと思ってたんですが、齋藤なずな先生の目を通して描かれる老人達ってとてもユニークですよね。どこにでもいる普通の人達ばかりですが、みんなそれぞれに歩んできた何十年分の人生が濃くて、団地の住人の噂話をしているのですらもなんだか楽しそう。そしてFacebookとかリア充とか現代のカルチャーにも思ったより馴染んでる(笑)。私もこの一員になりたい!なれる!だから大丈夫かも…と思ったんです。 齋藤先生の漫画は細かいところまで色々と描かれているんですがコマ割りに無駄がなく読みやすいです。とても漫画が上手いんです。これを読んで他の作品を読んでみたいと思った方には「夕暮れへ」に収録されている「トラワレノヒト」をオススメします。高齢の母親を看取った時のお話です。これもすごい。

かしこ
かしこ
GIGANT
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『GANTZ』奥浩哉が描く圧倒的最新作! 人生に巨大な奇跡は起こるだろうか。僕たちはそれに気づくだろうか。映画監督志望の高校生・零がある日、町で目にしたのは、大ファンである「女優」パピコを中傷する張り紙だった。深夜、家を飛び出し張り紙をはがしてまわる零に声をかけたひとりの女性。それは―――。まだ誰も目にしたことのない、全く新しいボーイ・ミーツ・ガールが幕を開ける!!

らーめんはっけんでん
ラーメン発見伝
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一億人の国民食、ラーメン!百戦錬磨のプロたちが鎬を削る世界に、ラーメン好きの普通の(?)サラリーマン・藤本が挑む!!上司の栄転祝いのため、評判のラーメン店「高津家」を訪れた藤本。ところが、出されたラーメンを一口食べた彼は、「まずいッ!!」と大声で叫ぶ。当然、店の主人に目を付けられてしまうが、藤本は謝るどころか、自分ならもっと美味いラーメンを作ることができる、と豪語し……!?

至高で究極のツンデレキャラ 芹沢達也

ツンデレって言葉があります。これは、そっけない態度をとる美少女が、好意をもった相手につい、いじわるをしてしまうような、大体そんな意味で使われる言葉です(べ、別にあなたのために解説したわけじゃないんだからね)。ツンが相手へのいじわる、デレは相手への好意ですね僕も御多分にもれず、ツンデレには色々とうるさいのです。さまざま、古今東西のツンデレキャラを思い浮かべ、何が至高で究極のツンデレかと考えると、やはりこれは『ラーメン発見伝』の芹沢達也(42)を挙げざるをえない。  『ラーメン発見伝』はラーメンが趣味の普通のサラリーマン・藤本が、様々なラーメンと出会い、自分自身のオリジナルのラーメンを完成させ独立する、そんな物語です。2000~2009年のラーメントレンドから、ラーメン経営の難しさにまで言及しているので、0年代ラーメン文化の通史ともいえる作品です。主人公・藤本のライバルになるのが、至高のツンデレ芹沢達也(42)。名前からもわかる通り、男。それもスキンヘッドです。芹沢はフードコーディネーターとしても有名ラーメン店の店長としても有名な、ラーメン界のトップ。自分にとって有用な人間には人当たりはよく、無用な人間に対してはとてつもなく冷徹です。多くの客を「舌バカな人間」と馬鹿にし芹沢は邪悪な笑顔と共に名言を吐きまくります。「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ。」この芹沢が、巨大な壁として藤本の前に立ちふさがり続けるのです。それも、26巻にわたって!昨今の、すぐに負け、すぐに味方になってしまう安いライバルに見習ってほしいくらい、骨太です。芹沢は藤本のことを認めながらも、それをおくびにも出さず、「所詮、優秀なラーメン・マニアでしかない」と挑発しつづけます。お前は経営者の苦しみも知らない、ただのマニアでしかないと。芹沢とそれを追う藤本の戦いも、はるばる26巻をかけてようやく終わります。これでついにデレるか?と思ったらそれでもまだデレない。芹沢達也しぶとい!まだデレない。そして最終回。独り立ちをする藤本についに芹沢達也はデレるのです。26巻ずーと藤本のライバルでいつづけた男(42歳)の至高のデレを、是非みなさんにも味わっていただきたいですね。

名無し
オッドタクシー
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あらすじ

オリジナルアニメ最速のコミカライズ!! しがないタクシー運転手・小戸川。身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

バイ・スプリング
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あらすじ

24円で、恋を買う。お小遣いゼロ&スマホ無しの貧困中学生・惣太が、橋の下で出会った野良猫系女子高生… 惣太のあまりのお金の無さに爆笑した彼女は、「あんたのこの24円で、私のこと売ってあげる。」と驚きの提案をして…!? 可哀相で可愛い、セイシュン恋物語!!

スーパーボールガールズ
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あらすじ

このスーパーボールが、俺の人生を変える! これはハーレムか、ホラーか、SFか!? 金城宗幸×平本アキラの豪華タッグが描く、世界を変えるスーパーボールガールズ登場!! 人生で自分にとっての「一番」をずっと心にしまい続けながら、チョコレート工場での仕事を続ける一好瑛太。クリスマスの夜、帰宅中の彼は暗闇から転がる不思議なスーパーボールを手にする。日常への様々な思いをぶつけるように、そのボールを思い切り投げつけた彼の前にいきなり現れたのは理想の「美女」...!?

サンクチュアリ
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あらすじ

北条彰は六本木周辺を縄張りとする暴力団・北彰会の総長。ある日、北条は組員の田代を伴い、佐倉代議士のスキャンダラスな写真をネタに強請(ゆすり)を計画。その事務所を訪れるが、そこで出会ったのは政治家秘書には珍しい強面(こわもて)の男で……!?経済的な繁栄を謳歌しながらも、閉塞感漂う日本の現状に疑問を持った北条彰と浅見千秋。社会の在り方を根本的に変革する必要を感じた二人は、裏社会と政界に身を投じ、「光と影」から『サンクチュアリ』を目指す!!

政治 × ヤクザまんが

柔道部物語の史村六段のモデルでおなじみの史村翔先生(別名義:武論尊)さんの原作に、絵がうまいことでお馴染みの池上遼一先生が作画したまんがです。面白くないはずがないです。すぐ読んでください。 少しだけ浪花節的なじめっぽさがなくもないですが、基本的には良いスパイス程度で、登場人物は皆良い男です。カッコ良す。 欲を言えば、もう少し続いても良かったかもしれないですね。わからないですが。 ■好きになった点  登場人物が魅力的(生き方がカッコ良い)  敵キャラが強キャ(魅力あり)  夢があり、ワクワクする  じめじめしてない  絵がうまい  話が面白い(どういう展開になるのか気になる)  一話目から引き込まれる  展開がサクサク進んで小気味良い ■良かったエピソード  一話のラストで、一話の中盤で敵として出てきた人物が「目がピカァ」という感じで味方だったことが判明したシーン。ちなみに光っていたのはメガネと思われます。  敵のボスが絶体絶命のピンチに陥ってなお社民党との連立を拒む点。これは絶対にやってはいけないことですからね。しっかりと矜持を保っている点が良かったです。  政治の解説員として舛添さんっぽい方が出てきて時代を感じる。  敵ボスの散り際(流石すぎる散り際。敵といえどあっぱれ、流石の見識です。敵ボスの格がググっと上がるので、それに勝利した主人公チームの強さも際立ちます)  最後のBLシーン(個人的にはなくても良かったですが、なんとなく見せ場っぽかったので一応ランクイン)

酒チャビン
酒チャビン
がいしゅーいっしょく
ガイシューイッショク!
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あらすじ

同居人がラスボス! Hなバトルコメディ!! 不動産会社に勤める真面目な男・広海(ひろみ)はある日、家出少女・みちるに弱みを握られ、自宅に転がりこまれてしまう。傍若無人な彼女に言うことを聞いてもらうために出された条件は「先に感じたら負け」の触れ合いゲームに勝つこと!? 果たして広海の運命は…… アンラッキースケベ同棲、開幕!!

チェイサー
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あらすじ

時は昭和30年代前半。まだ週刊漫画雑誌もなかった時代…既に時代の寵児となっていた“漫画の神様”手塚治虫に人知れず挑み続ける一人の漫画家がいた!!海徳光市。月刊誌に3本の連載を抱える、そこそこの人気漫画家である。海徳は、手塚治虫と同じ歳で、表向きは「手塚って、つまんない漫画いっぱい描くよなあ」と批判しつつも、裏でこっそり手塚漫画をコレクションする。そして、手塚がアレをしていると聞けば、自分も真似をし、コレをやっていると聞けば、それに挑戦してみる。どこまでも手塚治虫を“勝手にライバル視する男”…海徳光市の奮闘記!!