90年代の少年サンデーで連載していたゴルフ漫画。小さな少年・青葉弾道(通称ダンドー)がド素人の状態からゴルフを始めて成長していく物語です。ゴルフにそれほど詳しくなくても楽しめる作品です。 子供の頃に読んだ時は気付きませんでしたが、原作は風の大地の坂田信弘先生だったんですよね。今にして読むと坂田ゴルフ塾の教えが随所に散りばめられているのが分かります。 ダンドーという主人公は、ある意味、坂田先生の理想の少年像ともいうべき存在かもしれません。 誰よりも他人への思いやりがあり、健気なまでに努力家で、窮地に陥っても絶対に諦めず笑顔を絶やさない。その象徴として、ボールに笑顔を書いた「ニコボール」という存在があります。 試合では対戦相手の嫌がらせを受けたりして、毎度ピンチに陥るんですけど笑、このニコボールに思いを乗せたスマイルショット(ウルトラスーパーショット)を繰り出すのです。 たとえ非現実的なショットであっても、ニコボールという特別な想いの力で納得させてくれるのが最高ですね。こういう所が漫画の素晴らしいところだなあと思うのです。 また、ダンドーと同じくらい魅力的なプレイヤーとの出会いもあります。ダンドーの最初の師匠、新庄さんをはじめ、兄貴的存在の拓さんも忘れられません。拓さんのキャディーをダンドーが務めた全日空オープン編は、何度読んでも感動してしまいます。それと実在のゴルフ界のレジェンド、帝王ジャックニクラウスも登場し、ゴルフの奥深さを見事に示してくれます。 ご都合主義的なところもある漫画でしたけど、最後はダンドーの純粋さが全てをひっくり返してしまうパワーがあって何だかんだ好きな漫画でした。
可憐でthe少女漫画な絵柄に対し、容赦のないグロ描写。キャラクターの独特なテンション、一貫性があるんだかないんだかわからないストーリー。作者の頭はちょっとオカシイとしか思えない。 これを読んで「なんだこりゃ、アハハ」と笑うことはとても簡単だ。 しかし著者が生前に生み出した作品の数と幅の広さを知ると、これは長い漫画家人生のほんの一作に過ぎないんだな、これだけ読んでとやかく言うのは愚かしいな、とやけに厳かな気持ちになってしまった。だって15歳で貸本劇画でデビュー(Wikipedia参照)って…それだけで凄いじゃないか。 いろんな点でホラー漫画とは、短編集とはこういうものだという固定観念をぶっ壊してくれました。谷間先生はもう亡くなっているので、現代でもそういう作家に出会ってみたいものです。 固定観念がぶっ壊れたというのは、全ての短編において主人公の少女は別人であるはずなのに、ボブヘアに小柄なセーラー服、不自然に逆だった前髪と、風貌が全く同じであるということ。何か意味があるのか…?と最後まで読んでみたものの、何もなかった。そういう「なぜ?」というところがたくさんあるのにそのまま貫いていたので、それでもいいんだなという気付きになったということです。 「動脈切れてないわ…」じゃあないんだよ(とやかく言ってしまった)
サメ映画は好きで結構見るんですがマンガだと『バスタブに乗った兄弟』くらいしか知らないな…と思って手に取りました。シャークパニック。何が起こるか全部わかるいい副題ですね。 気になる本作のサメはオーソドックスな巨大ザメ。地元の漁師と戦いを繰り広げた伝説を持っていて、主人公たちの中型ボートと同サイズくらい。デカすぎもせず小さくもない、リアルなデカさが怖いタイプのサメです。 パーティ7人も地元でくすぶっている主人公、気立ての良い親友、ちょっといい雰囲気の女の子、東京にかぶれたいけ好かないヤツなどバランスよし。誰から食われていくか読めないのがいいサメコンテンツだと思っているのですが、本作でもテンポよく犠牲者が積み上がっていきます。 1巻のヒキもまさに見たかったものを提供いただけてお腹いっぱい。とにかくサメに期待していることは大体味わえると言っていいでしょう。安心して読んでほしいです。 王道をいくサメパニックマンガ、満足感がありました。
ビールだけでこんなにアッパーになれるはずがない。 テンションの高さがコロコロコミック並。 漫画としては面白く読んでいるけど山形が人として好きかと聞かれたらわたしは首を傾げますね!!でも薄いカツ食べたいし寝かしビール飲みたいしカキ氷食べたくなっちゃったりしたよね!! 読んでいるとこちらもよくわからないけどテンションが上がって怒りなのか喜びなのか空腹なのかよくわからないけどテンションが上がります。(某政治家構文) 漫画読んでて「うるせえ!」って思ったのははじめてですね。無音なのにうるせえの凄いと思います。 人としてはどうかと思うけれども山形の周りにいる人たちは楽しそうにしてるし、夏の終わりから秋口にかけては少しだけ静かになったし憎めないっちゃ憎めないんだなあ…。漫画としてはまあ面白いし料理は美味しそうだし…。 にしてもビールだけであんなにアッパーにはなれねえ!
脱サラして漁師を始めた小川はすれ違ったマグロ漁船に小柄な女の子が乗っているのを見つける。彼女の名前は「まちこ」。実はただのマグロの餌である…。船長から釣り竿の針を口に付けられ海に飛び込みマグロに食われる、それが彼女の仕事、そう!使命なのです。最初はひ弱な都会人の小川に興味がなかったまちこですが、だんだん恋愛モードに入っていきます。なぜなら卵を産んだから。見た目は人間の女の子ですが何故か産卵するんです。自分が産んだ卵に小川から「かけてもらおう」と思い立ってから色んなすれ違いが起きるんですけど、すごいですよ。超爆笑モノです。何を言ってるのか分からないと思いますが、本当にそういう漫画なんです。私にとって「大漁!まちこ船」が理想的な漫画の一つかもしれません。それくらい大好きです。 もう一編の「戦え! 北極警備隊」は三宅乱丈先生の思い入れがものすごくある作品のようです。近未来SFギャグ漫画なんですけど、何が起こるか分からない具合で言えば「大漁!まちこ船」よりすごいです。どちらも傑作であることは間違いありません。大船に乗った気持ちで読んで大丈夫です。
まだ1巻しか読んでないですが、絵柄も最近っぽさがある中で上手だし、ギャグ表現が少し安心する古臭さもあって読みやすかった。 すごく乙女ゲーな内容なんだが聖獣がいっぱい増えてもっとファンタジー寄りになってくれるといいのだけど。
あのキャラもこのキャラも登場しているのが嬉しいのは勿論のこと、この読切や連載についてのぶっちゃけ話が面白かったです(いや、実際には笑えない内容なのですが…) 「正確には30周年は11月だけど、今月号にしかページに空きがなかったからブッ込まれた」 →本当は11月号でいけたけど担当が「時期外れの方が美味しいから」と断った 「猫山さんの原稿は5巻分まで出来てるはずだけど、3巻までしかでてない」 「それらの宣伝は自分でしなきゃ誰もしてくれない」 →この読切について、たしかにflowers9月号の表紙に一切記述がないなと気づいて震えました。 大ベテランでもこんなに厳しい状況なんですね…。 年に3冊しか出ないという増刊flowersの阿那亜鬼威保育園!!、単行本で読めるのを楽しみにしています。 https://twitter.com/arairie_manga/status/1288186567891197952?s=20
※ネタバレを含むクチコミです。
タイトルの通り、いろんな作家さんが描いた4PのBL漫画を掲載したアンソロジーです。普段BLを描かれてない方も参加していますので、この作家さんがBL描くとこういう感じか…!という良い発見があります。 漫画自体はすべて4P完結なので、それぞれがどうということでなく(もちろん全部あますことなく素晴らしいBのLでしたよ)この漫画を描いた作家さんは普段どんな作品を描いているのかな?と都度調べて、面白そうだなと思ったらポチる、の繰り返しをしていることに気づきました。この商売上手め!! なのである意味カタログ的な役割を果たしていたのです。あくまで自分の場合ですけど、もし「面白いBLを読みたいけど多すぎて探すの大変…」という悩みをお持ちの方にこれを差し上げたいという気持ちです。
オムニバスなんですね。 芸大が舞台で、登場人物に色を当てはめてまつわるストーリーになってるみたいです。ふたばの豆餅というワードが出てきたので、京都芸術大学がモデルかな? 芸大だから生徒にフォーカスがあたるのかと思いきや、初っ端は事務員さんが主人公。爽やかでわくわくする1話目でした!短期集中とのことなのですが、どのくらいやるんだろう。
添い寝フレンドなんてものが流行ったりしましたが、この漫画はそれより前でしたから流行を先取りしてましたね。不眠症の女性の為に「添い寝」してくれるサービスと聞くと、お客さんと恋愛関係に発展したりしないの?など疑問に思うことがありますが、大体のことは作中でも触れられていて満足感がありました。現実ではこんなに上手くはいかないだろうけど、添い寝してくれる男の子4人と雇い主の主人公のキャラが魅力的なので細かいことは気にならなかったです。セリフの言葉選びや脇役の使い方がワザとらしくないので男性読者にも人気があるんだろうと思いました。もちろん誰に添い寝してもらいたいかな?と考えながら読むのも楽しいです。ちなみに私はマシュがいいです。
「Y氏の隣人」以降に発表された「Y氏」の亜種マンガの一つで、平成14年〜16年の「週刊ヤングジャンプ増刊・漫革」に掲載された作品。(未収録作品あり?) 話の枠組みは、ほとんどY氏と同じです。アイテムを持ってくるのが神様ではなく、人間の役割になっている所がY氏と異なります。 幸福ノ學習社という教育教材の会社を通じて、悩める青年たちに教材(謎アイテム)が無料で渡され、正しく使えば人生の成功へと導いてくれるというお話。 どんなに道具が便利で正しくても、成功するか失敗するかは使う人間次第なのは変わりません。 ところで、会社に供給されている尋常でないアイテムの出所は、もしかしてY氏の隣人に出てくるアノ人たちでしょうか?
「味いちもんめ」は料理マンガとして長期連載に至っている 和食と人間ドラマを描いているヒット作。 だが自分としてはラーメンとかカレーなどに比べれば 日本料理屋の和食は親しみもインパクトもない料理の話で、 あまり興味を引かないマンガだった。 和食はどーたら、とか小難しいと感じたし。 人情ドラマとしてもそれほど深くないし、と感じて。 なので大体の登場人物達やマンガとしてのスタイル、 おおまかな話の流れは知っている、という程度でいた。 嫌いではないけれどもスペリオールを読む機会があるなら読む、 という感じだった。 たまたま「独立編」の単行本を読む機会があり 「お店の経営とかも絡む話になったのか。 それなら面白いかも。」 と1巻から6巻まで読んでみた。 面白かったし、自分の理解が色々と足りなかったんだな、 ということが判った。 それまで自分好みではないと感じていた要因として 「マンガとして絵の表現が少ない」 「セリフで説明をするシーンが多すぎる」 と感じている部分があった。 添付した画像は独立編の第4巻の1シーン。 こういう場面だったら自分としてはマンガだったら 「通常の和食技術で鮟肝を調理する絵」 を描き、その次に 「フランス料理でのフォワグラを調理する絵」 を描くのが、文章だけでなく絵で表現できる マンガならではの手法だし、良さだし、 そうすべきだ、と思っていた。 セリフで説明するのは芸が無い、 絵も活用して判り易くしてこそのマンガだろ、と考えていた。 例えば「美味しんぼ」とかはそんな感じの 話の展開が多かった。 場合によっては「口で説明するのは簡単なんだが・・」 とかいって山岡さんは話を打ち切って、 わざわざ北海道とか九州とかに直接に行って 「現地で実際に見て説明する話」 にしてまで絵的に表現するマンガだった。 なかには超能力者を登場させて時と場所を超越して 登場人物がその目でそれを見ているから、と絵的に 表現する話もあったりした。 そういう話と「味いちもんめ」のセリフ過多?の 話を比較して改めて 「どっちがリアルなんだろうか」 という点で自分は考え直すところがあった。 いまは「味いちもんめ」のほうがリアルだと思う。 実際に料理店で料理を味わっているときに、 どんなに美味しい料理を出されても、 意識が別世界に飛ぶということは殆ど無い。 頭の中に調理人が料理を作っている光景が浮かぶとか、ない。 よし現地に行って確認しよう、なんて思わない。 やはりその店のその席に座り箸を握り椀を持ち、 店内のBGMや周りの会話も耳にし、 カウンターの向こうの板さん達の仕事振りも見て、 お店全体の雰囲気に包まれながら料理を味わうのが普通。 そういった、皿の上だけでなく店全体を味わう感じ。 知識を得るのではなく店の雰囲気を味わうのが大事。 突然にフランス料理の絵なんか見せても、そんなマンガじゃ、 日本料理の店の雰囲気を伝えられない。壊すだけ。 その辺をリアルに感じさせてくれるマンガかもしれない、 そう思ったりした。 (直接に現地に行っちゃう、という展開も だからマンガは面白いという面はあると思います) 料理や調理方法を正しく理解するということと、 お店に入って料理を味わうということ、 それぞれは微妙に違うし、現実には 料理は皿の上のものだけで味わうのでは無く そのお店の全体の雰囲気の中で味わうもの、 その点が、重要視すべきで現実的なんじゃないか、 そこらへんも含めて「味いちもんめ」は 「店の味」を描いて伝えたいマンガなのではないか、 そう思いました。
セナちゃん好きですねえ。たぶん友達にはなれないと思うし、テンポも性格も合わない気がしますが、好きです。 おしゃべりで真っ直ぐで、所謂性格が良いとか優しいとか善人ではないけれど、彼女なりの正義感があって筋が通ってる。義理人情に厚いとはこういう人のことを言うんだろうなあ。 例えお客さんであろうと媚びへつらうことなく自分を貫くセナちゃん、が運転するタクシーに乗ってみたいかというと…どうだろうなあ…。旅先で乗せてもらえたら楽しいかも、法定速度ガンガン越えて逆走されたらさすがに嫌だけども。 でもこんな人と一度でも出会えたら忘れられない思い出になりそうだし、缶コーヒーもらったらまた会いたくなっちゃうだろうな。 やっぱりセナちゃん好きですねえ。読めばきっと好きになるはず。
タイトルや表紙からは内容が全く予想できなかったのですが、読んでビックリとても読みごたえのある作品でした。最初新人さん?と思って読んでましたが、単行本たくさん出してる方なんですね。絵もとても上手です。 主な登場人物は、10年前に臨時の担任だった花村先生と、その生徒である理乃。 理乃は熱血教師が理想なので、ノリが軽い花村が嫌いでした。そしてついに花村は女生徒と淫行問題を起こし、辞めてしまいます。 それから10年が経った現在でも、なぜか理乃はその出来事を夢に見るくらい忘れられていません。そんな時、少年野球のコーチをしていた花村と偶然再会をして、少年野球の手伝いをするようになります。そしてひとりの保護者が花村が起こした問題をを知ってしまうのですが、それによりなぜ理乃はいつまでも過去の出来事を引きずっているのかが、明らかになるのです。 10年前は秘めていた思いをお互いに明らかにしたことで、新しい関係を構築できそうな前向きなラストにキュンとしました。
超問題児のしたたか君が如何彷町に引っ越してきて大沢城小学校に転入するところから始まる。主人公らしからぬ言動のしたたか君や周りの友達の中でも「佐々木コタロー」がお気に入り。久しぶり読み返したけどやっぱりいいな。 個人的には「奇面組シリーズ」より面白いと思うね ボクはしたたか君はすごい好きで、毎週楽しみに読んでいたし新キャラクターが登場してより面白くなりそうなところで作者が体を壊し休載をし、そのまま連載が終了してしまった。
片手が義手のコントラバス担当の成瀬さん、が嫌いなトランペット担当の小寺くんのはなし。 義手であることを考えて、多少演奏レベルが低くても「無理させたら可哀想」「いてくれればそれでいい」という部員たちと「練習をして上手くなれ」と指摘する小寺くん。そのせいで小寺くんは部内の空気を悪くする嫌な奴という立場になってしまっていました。 本当に彼女のことを考えているのはどっちだろうかというのを考えさせられます。 コントラバスがやりたくて吹奏楽部に入ったなら、他の部員に負けないレベルまで努力するのは当然のこと。しかし、成瀬さんの気持ちにもしっかり熱いものがありました。もし部活内に小寺くんがいなかったら、成瀬さんもずっと義手を理由にして頑張らなかったかもしれないですね。そのうちコンクールにも出場できるようになればいいと思いました。
ビッグコミックオリジナルの増刊で色々あるけど阪神タイガース創設80周年記念増刊号というむちゃくちゃすごい特集の雑誌です。 マジで阪神タイガースことしかないという奇跡の雑誌。阪神タイガースのことを知らなくても、掲載されているマンガがどれも面白いし、「フィクションで見る阪神タイガース」というコラムもむちゃくちゃいいし阪神タイガースの歴史まで書いてある。読んだ後には阪神タイガースについて詳しくなってるのは確実 本だとちょっとプレミアがついて高くなっているので電子書籍で買うのが得だと思います。
妻を亡くした主人公は、1年経ってもまだまだ死を受け入れられず、3歳の娘の口から妻の話題が出るとすぐに話を変えてしまうし、「3分間だけ幽霊が見えるアメ」を5万で買ってしまうほど。1周忌で妻の家を訪れた際、娘が行方不明になってしまい…。 アメの使い方が完全に予想外ですごく良かった! ぜったい娘探すのに使うでしょ〜〜と思ったら、使わんのかいってなって、最終的にメチャクチャ心温まるオチった。すごくいい。
も〜谷先生ワールド全開の読切で最高だった…! 洋服、建物、日用品…谷和野先生が描く昔の西洋の田舎村の暮らしぶりがもう素敵で、そこへさらに森の動物たちから頼み事をされるというファンタジー要素が加わり、独特の味わいになっています。 全体的に絵本っぽい雰囲気(ウクライナの絵本「てぶくろ」を思い出した)なんだけど、主人公の少女・フラーが結構いい性格をしてて内心でのツッコミのキレがいいところが面白い。 生意気なフラーと厳しそうなサンダー婆さんが仲良く一緒に夢を見る結末が優しくて温かくて…和やかな気持ちになりました。 メルヘンとコメディのバランスが絶妙な本当に素敵な読切です。いつか単行本として出してほしい…! 【あらすじ】 ヨーロッパの田舎町に住む少女・フラーは、村には食料品店しかないため、日用品を買うとき彼女は近所の人々の御用を聞いてからお使いへ行く。 渋々、気難しいサンバー婆さんのとこに聞きにいくと、「晴れた夏の空の色を青い毛糸」を頼まれる。するとそのお使いの帰り道、森のリスに青い毛糸を少し分けてくれないかと頼まれて…。
なぜか殺し屋に命を狙われるお婆さんが毎度衝撃の強さで敵を撃退していくのですが、このババア(※敢えてそう呼びます)がとにかくカッコイイ!あらゆる言動にハードボイルドな人生哲学がバシッと刻まれていて、“強者”感が迸っています。 命のやり取りをしているので本来は血生臭くなりそうなものですが、あまりに強すぎるために勝負にならずに笑っちゃう。この空気感が最高です。歴戦の殺し屋たちが彼女を前にしてビビリまくるあまり、毎回モノローグ過多になるのが見所ですね。 基本的には各話完結形式で読みやすいのも魅力。毎話出てくる殺し屋キャラクターの造形が本当に素晴らしくて、みな個性が際立つシルエットと表情を見せてくれるのが楽しいです。瞬殺されるのがもったいない。僕の推し殺し屋は待ちガイルが持ちキャラのテッコちゃんです。 個人的には殺し屋を派遣する黒幕・布施がまだまだ底知れないキャラで注目しています(マヌケなところもあるけど)。いつか直接対決が見たい!
season2連載決定おめでとうございます。 やりましたね!!!主人公のふたり大好きなのでまた読めるの嬉しい。 そして特別編で戻ってきてくれてありがとうございます。 「真・燃えよ唐辛子」たぶん自分は食べるの無理ですけど…細かくして調味料にっていう情報はかなり有益ですね。課長も修行のために箱買いしたとのことで、どこまでも新城さんに従順だなと思いました。
夢と現実が曖昧になるような不思議なストーリーだけど、一人の少年の勇気と正義に感動した。自分にもできるような気がしてくる。θ波を出す訓練しようかな。 ただのいじめっ子といじめられっ子同士の喧嘩で終わらずに、最初に張っていた伏線をしっかり回収。物事がひとつ上手くいったからといって、その他全てが良い方に変わるという都合のいいことも起きないというメッセージも良いと思いました。 いじめっこの熊田くんの風貌が昭和のヤンキーすぎるところも含めて、いい味出してる作品でした。次回作めちゃくちゃ期待してます。
中々の衝撃を受けた。 真ん中くらいまで読んで、タイトルはそう言うことだったのか!と納得。 小学生で子供産むし、家族は産んだ後も誰も気づかないし、赤ちゃん取り出す時も子供達だけだし、でも物語は淡々と進んでいくので、正直私は気味の悪ささえ感じました。。 読み終わった後も、日本の教育、性教育についてなど考えてしまった。 人によって違うと思うけど、驚くことの多い作品だと思います。
つぶやきGANMA!という今は亡きサービスで2016年頃配信されてた原田ちあきのエッセイ漫画。ビレバンの権化みたいな表紙で、変わってると思われたいサブカル向け漫画だという偏見がしばらくあり、ちゃんと読んでいなかった。実際読んでみたら全然そんなことはなくてエキセントリックな連中の挙動が狂った感じで描かれている愉快な作品だった。不思議な懐かしさを感じる部分もあるし、作者の挙動不審さに共感する部分も意外と多かった。どちらかというと、周り人間の挙動不審さの方がヤバいのだけれど、それを見逃さない作者の視点が面白い。第7章「ぬ」のシュールさは格別で、この作品内では一番のお気に入り。ちなみに序盤に登場する漫画家の「K先生」って小山健のことだろうか。ゲス発言してる漫画家T先生ってのも誰なのか気になる。
『秘密のレプタイルズ』でお馴染み鯨川リョウ先生の奥様アサギユメ先生の最新作は、異色グルメ&夫婦惚気エッセイ。旦那様は、大の生き物好き。お家の中では、ありとあらゆる生き物たちと一緒に住んでいる。勿論、奥様も生き物大好き。ただ、旦那様と違うのは、“食べる”のも大好きだということ。飼っているペットが死んでしまった時、土に埋めてバクテリアに食わすぐらいなら、自分で食べて自らの血肉にするそんな過激派だったのだ!! アサギ先生の前作『サジちゃんの病み日記』を見れば分かる通り、かなりデフォルメされた可愛い絵柄をしているので、どんなに見た目がアレだったとしても美味しそうに見えちゃうのです。ただ口の中に涎が出そうで出ない感じなのはご愛敬。そして、この作品がただの異色グルメに留まらないのは、描かれる夫婦の仲の良さがとっても微笑ましいところ。ちょっと変わっている2人だけど、そんな2人だからこその良さが溢れているのです。特に第4話『脳みそ』、第5話『カメレオン』の2話は食事のインパクトも夫婦の惚気パワーも全開の前後編です。4話『脳みそ』はアサギ先生のTwitterで公開されているので是非是非読んでみて下さい!!
『ゆるさば。』ロスです。 登場人物みんな幸せそうなエンディングに、私は一人寂しさを覚えています。終わっちゃうの……? 父ちゃんと三人娘の、退行世界冒険記はとても自由で楽しくて、娘達の成長も頼もしくて……でもその中でも一番楽しんでいたのは、やっぱり父ちゃんだったと思います。 私はおじさんで独身者です。休日には一人、雑木林にきのこを求めて分け入るくらいには冒険好きです。いまは一人でやっていますが、もし家族がいたら……息子でも、娘でも、自然の冒険を教えるかも。だって子供の成長を見るのが楽しそう。 だから父ちゃんが三人娘を遊ばせて、時にウンチクを垂れてうざがられても動じない感じ、分かる。 そう、私はこの作品を、父ちゃん目線で読んでいたのです。だから、読み返して一番切ないシーンは、冒険の終わりを躊躇って、本当に終わりでいいのか?と聞く父ちゃん。ツムギとモモと、リンの「三人娘」との旅の終わり。 この作品、例えば家族でキャンプとかしたくてキャンピングカーを買ってしまうような、子煩悩な冒険好きには凄く同感してもらえるかなぁ、と思うと同時に、そういう人はラストで、私と同じ様に絶対泣くね。
イケメンなので言い寄る女性は数知らず、な主人公・國男。だけど、性欲旺盛な女性が怖い。なぜなら皆獲物を狙う「動物」に見えてしまうから…!!! 肉食女子なんて呼び名はかなり世に浸透しているけど、この漫画では肉食なんて甘い。國男に寄ってくるのは皆「猛獣女子」です!! まさに食われそうになる國男。しかしそこで彼の「動物オタク」という特性がすごいかたちで活きてくる。笑 なんだこの話は!?と度肝抜かれて、抜かれたまま1話読み終わってしまった。一体、何が起きたというんだ…
WEB広告でよく見るので購入。 少女マンガ的恋愛モノって私苦手なんですが、これはすごく気持ちよく読めました。 最近流行りの乙女ゲーム内に転生かな?とか思いましたが、転生ではなかったです。 内容は、とある国の村娘だった主人公が31番目のお妃に選ばれたという話。 村娘がなぜ?と思うが、この国の規則で、暦の日付どおりでしか王様は会いにいけないというルールがある。 つまり、31番目=31日なので、3ヶ月に1度しか会うことができないので、貴族階級の子女はなりたがらないため、主人公のような平民が選ばれたのだ。 本作が面白いのは、そんな環境下でも主人公はふてくされたり、もっといえば、他のお妃を亡き者にして自分が頂点にといった成り上がり的な話ではなく、ごく自然体で過ごすところ。 もう、ホント、村娘出身らしく自然に過ごす。 侍女もつけず(正確には意地悪でつけられなかった)後宮内で、作物つくったり、パンつくったり、およそお妃とは無縁の生活をする。 他のお妃や女官長の嫌味も嫉みなんのその。 そんな彼女の自然体に、日頃から政治的背景で求婚されている王様も惹かれていきます。 美貌と体で選ばれるのでなく、肝がすわって男に頼らない態度で女性が自立していく姿は見ていて清々しいです。 少しづつ、主人公も王様とも恋愛モードになってきて、それがまた良いです。 31番目をどう覆し選ばれるのか、今後が楽しみです。
週スピに読み切り載ってるのめずらしいな〜と思って読んだけどすごいよかった! 主人公の部屋わかる〜〜〜!すごいリアル!! 連載とか、もっと長いお話も読みたいです(*>▿<*)
2回読みましたが、感想を言葉にするのが難しいです。 主人公は、まこちゃんとみとちゃんのふたりの女の子。 みとちゃんはとにかく普通が嫌で特別になりたい、超能力者になる訓練(自己流?)をしている女の子。親友のまこちゃんも、自分と一緒だと思ってた。 でもまこちゃんは自分の意志とは関係ないところでとっくに「特別」だったのです。特別であること、普通じゃないこと。それがどういうことなのか、みとちゃんは目の当たりにします。 仲良しでいつも一緒だったのに、2人が見ている景色はまるで違うものだった。 序盤はふたりのやりとりが微笑ましいですが、中盤である出来事をきっかけに一変します。そして最後は「あっ」という結末でした。どのジャンルにも収まらない、初めて読む感覚でした。
長年、ヤンマガに風俗情報を提供してきた「匿名の彼女たち」。ヤンマガ40周年企画で一夜限りの復活読切というハレの場なのに、内容は「匿名の彼女たち」でいつもやってる風俗レポと変わりなかった(笑)ヤンマガを長年読んできた者としては、妙な思い出語りマンガを見せられるより良かったかも。この甲府風俗ルポ編、たぶん単行本未収録になる話だと思うのでファンは保存しておいた方がいいと思う。
よくある異能サバイバルで、特筆すべき面白さのある作品とはいまのところ言い難いが、数ある似たような作品群のなかでは図抜けて絵が良い。見やすいだけでなく飽きさせず、キャラクターが生きてるので読んでいられる。一皮むけて生き残って欲しいです。
ちょっとタイトルが恥ずかしいと思いながら読んだのですが面白かったです。駆け出しライターの小川瑞木が女性にトラウマがあるイケメン官僚の酒盛はじめと出会い、ひょんなことから恋愛指南するという形で物語は始まります。最初から瑞木にだけは酒盛の身体も拒否反応が起きないので早々にそういう関係になったし、大体こういう漫画って主人公とイケメンが付き合うんでしょ〜?と思ってたら、全然違ったのでビックリしました。なんと酒盛が違う女と結婚しちゃうんです!だから物語の大半がお互い好きなのに不倫未満みたいな関係なんですよね…。しかも妻の他にも悪い女が出てきて簡単に騙されちゃうし、主役と付き合うべきイケメンがガンガン他の女と寝ちゃう、新感覚ネトラレ?な漫画でした。プライドの高い男が気の強い女にタジタジになる関係が面白くて、酒盛と瑞木のカップルがとても好きだったので、2人のイチャイチャが少ないことで物足りなさは正直ありますが、でもそれ以上に人間の弱みを魅力として描くのがとても上手いのでライバルキャラの成長も楽しくて、途中で読むのを辞めようとは思わなかったです。
ホラーというよりは、最後に「実は〇〇は✕✕だった!」的なサスペンス・ミステリー要素が結構強いのかなと思いました。 ギャグ一本でやってきたおおひなた氏も、原作付きとなるとギャグを見事に封印しています。ただ表紙のトメちゃんの、どこか抜けた感じで魔法少女であることをみじんも感じさせない風貌からは、著者のらしさがにじみ出ているように思います。 オムニバスなので話によって怖さに多少ばらつきがあるものの、構成も展開も凝っていて全部面白いです。めちゃくちゃ怖いのが読みたい!という人にはもしかすると少し物足りないかもしれないので、ちょっと苦手だけど怖いもの見たさで読んでみたい、という人に丁度いいかもしれません。
友達に恋をすると、相手を恋人にしたいと思うのと同時に、友達を失うのが怖くなる。そして悩む。私は恋人が欲しいのか、それとも友達が欲しいのか……。実際に欲しいのは、いつも変わらない「あの人の隣」ただそれだけなのではないか? ♫♫♫♫♫ 従姉妹のとり姉が弾く楽しそうなピアノに惹かれたたまご(本名たまこ)は、とり姉にピアノを教わっている。長年の二人の関係に疑問を持たなかったたまごだが、ふとしたきっかけでピアノと、とり姉の交友関係に向き合うことになる。 私はとり姉が好き!と一方的に想うたまごは「じゃあ、とり姉は誰が好き?」という疑問を初めて持つ。周囲の関係性を理解しても、見えてこないとり姉の心。そして自分のとり姉への「好き」は、恋なのか?心が揺らぐたまごの迷走は歯痒く、痛々しい。 誰かへの心に、恋とか嫉妬とか憧れとか、名前を付けて何らかの関係性に落ち着く事が、本当に欲しい物だろうか?たまごが出す「本当に欲しい答え」と、その真っ直ぐさに心動かされるとり姉の終着点は、物凄く腑に落ちる。そうか、こんな簡単な事だったんだ、と。 最後に二人が、頭をくっつけ寝こける姿に、ホッとする。私もこの安心感が欲しいと、心から思わされる。 (身を寄せて寝こける安心感は、たまごのピアノ仲間の籠原さんのエピソードにも変奏的に登場する。そちらも優しいお話だ) ♫♫♫♫♫ 『voiceful』『なずなのねいろ』『プライベートレッスン』と、音楽で誰かと繋がる連載を描いたナヲコ先生だが、これ以降姿を消す。HPもTwitterも更新が無い先生の事を案じてしまうが、奇跡の様に残されたこの3作品を、大切に読んでいきたいと思う。
渡辺ペコさんの短編ってすごく面白いですよね。この「おふろどうぞ」はお風呂が舞台になるオムニバス漫画です。色んな事情がある人々がお風呂に入ります。シリアスな環境にある人もたくさんいるのですが、淡々と丁寧にストーリーが進むのでネガティブな感覚には全くならないです。素っ裸になると人って弱さも丸出しになるんだな〜と思いましたが、そういう人に対して渡辺ペコさんの視点がとても優しいんだってことに今気づきました。個人的に一番好きなのは熟年不倫カップルが連れ込み宿で一緒にお風呂に入る話です。二人は大学時代からの付き合いで、理由は分からないけど結婚には至らなかったし、お互いに家庭も上手くいってるけど、今も大事に続けている関係で…というお話です。人生って深いいなと思いました。
読んだことを後悔するくらい怖かった。怖いの知ってて読んだのに怖かった。次のページで絶対気持ち悪いやつ出るって覚悟して読んだのに怖かった。 純粋に絵の不気味さにやられているところもありますが、妙に真実味を帯びているところや説明がないところがとても怖いです。理由がわからないもの、得体の知らないものって怖いです。 ここに描かれている地名には絶対住まないぞ…と思ってしまった。住んだことあるとこもあったけど…。 オチョナンさんはギリかわいい気がしないでもないです。
昔単行本が発売するたび以前の巻をちゃんと覚えていないまま何となく読んでたが今回まとめて読み直した。 こういうマンガを一気に全巻読むは贅沢とか理想の休日の過ごし方と言われても良いと思う内容だった。 プロのバレエダンサーはバレエを継続できる環境を作れるだけの「資産」バレエの動きを最大限実現できる「身体」その上での本人の容姿と資質と運という条件もありおまけに10代前半にはほとんど決まるというのがスタート地点に近く、留学したとしてもそれ以降は世界中の同じような条件を満たしてきた人達と争い続けると言うのは過酷としか言えない世界だ...
90年代の少年サンデーで連載していたゴルフ漫画。小さな少年・青葉弾道(通称ダンドー)がド素人の状態からゴルフを始めて成長していく物語です。ゴルフにそれほど詳しくなくても楽しめる作品です。 子供の頃に読んだ時は気付きませんでしたが、原作は風の大地の坂田信弘先生だったんですよね。今にして読むと坂田ゴルフ塾の教えが随所に散りばめられているのが分かります。 ダンドーという主人公は、ある意味、坂田先生の理想の少年像ともいうべき存在かもしれません。 誰よりも他人への思いやりがあり、健気なまでに努力家で、窮地に陥っても絶対に諦めず笑顔を絶やさない。その象徴として、ボールに笑顔を書いた「ニコボール」という存在があります。 試合では対戦相手の嫌がらせを受けたりして、毎度ピンチに陥るんですけど笑、このニコボールに思いを乗せたスマイルショット(ウルトラスーパーショット)を繰り出すのです。 たとえ非現実的なショットであっても、ニコボールという特別な想いの力で納得させてくれるのが最高ですね。こういう所が漫画の素晴らしいところだなあと思うのです。 また、ダンドーと同じくらい魅力的なプレイヤーとの出会いもあります。ダンドーの最初の師匠、新庄さんをはじめ、兄貴的存在の拓さんも忘れられません。拓さんのキャディーをダンドーが務めた全日空オープン編は、何度読んでも感動してしまいます。それと実在のゴルフ界のレジェンド、帝王ジャックニクラウスも登場し、ゴルフの奥深さを見事に示してくれます。 ご都合主義的なところもある漫画でしたけど、最後はダンドーの純粋さが全てをひっくり返してしまうパワーがあって何だかんだ好きな漫画でした。