出禁のモグラ 江口夏実
苦労人大学生が助けたのは「〇〇出禁」の男…!?
かなり前に1話だけ読んだとき、「コタローは1人暮らし」というタイトルと主人公の変な言葉遣いからすっかりコロコロコミック的なギャグ漫画なんだと思ってしまっていたのだけど、全っっ然違った。ギャグの皮を被ったシリアスだった。
子連れ不可のボロアパートにたった1人で越してきたコタロー。
自分で表札を書き、引越しの挨拶に箱ティッシュを買って配り、怪我は自分で消毒して絆創膏を貼り、1人で入園式に行く…。
アパートの住人は近所の大人としてできる範囲で、親のぬくもりを求めているコタローの寂しさを埋めてあげる。
そうして近所付き合いをしていくうちに、コタローの言動から過去が何があったのか断片的に見えてきて…。
この、アパートの大人(と読者)が、コタローに何があったか察していく様がすっっっごく生々しくて胸が苦しくて目が離せない。