ナヲコ先生の作品、全部最高すぎますね
こんなに心理描写が繊細で上手なひとがいるなんて…と衝撃を受けてます!
3
わかる
友達に恋をすると、相手を恋人にしたいと思うのと同時に、友達を失うのが怖くなる。そして悩む。私は恋人が欲しいのか、それとも友達が欲しいのか……。実際に欲しいのは、いつも変わらない「あの人の隣」ただそれだけなのではないか?
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従姉妹のとり姉が弾く楽しそうなピアノに惹かれたたまご(本名たまこ)は、とり姉にピアノを教わっている。長年の二人の関係に疑問を持たなかったたまごだが、ふとしたきっかけでピアノと、とり姉の交友関係に向き合うことになる。
私はとり姉が好き!と一方的に想うたまごは「じゃあ、とり姉は誰が好き?」という疑問を初めて持つ。周囲の関係性を理解しても、見えてこないとり姉の心。そして自分のとり姉への「好き」は、恋なのか?心が揺らぐたまごの迷走は歯痒く、痛々しい。
誰かへの心に、恋とか嫉妬とか憧れとか、名前を付けて何らかの関係性に落ち着く事が、本当に欲しい物だろうか?たまごが出す「本当に欲しい答え」と、その真っ直ぐさに心動かされるとり姉の終着点は、物凄く腑に落ちる。そうか、こんな簡単な事だったんだ、と。
最後に二人が、頭をくっつけ寝こける姿に、ホッとする。私もこの安心感が欲しいと、心から思わされる。
(身を寄せて寝こける安心感は、たまごのピアノ仲間の籠原さんのエピソードにも変奏的に登場する。そちらも優しいお話だ)
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『voiceful』『なずなのねいろ』『プライベートレッスン』と、音楽で誰かと繋がる連載を描いたナヲコ先生だが、これ以降姿を消す。HPもTwitterも更新が無い先生の事を案じてしまうが、奇跡の様に残されたこの3作品を、大切に読んでいきたいと思う。
ピアノの先生兼いとこのとり姉の事が気になるたまこ、あれこれと頑張るけど上手くいかなくて… 2人の関係はどうなる!?