public
star_border
star_border
star_border
star_border
star_border
母を介護して看取ったばかりの美希子(40)は介助用品と一緒に、自分が20年前に一度だけ出した同人誌も処分する。そこへたった1冊だけ売れた美希子の本を読んでファンになったという留学生・キャシーが現れて「自分の漫画を読んでほしい」と作品と手土産を置いていくが、手違いでそれも一緒に業者に回収されてしまい…。
夢を叶えられず、結婚もせず、正社員で働いた経験のない美希子は、自分のことを生産性がない、「何も残すことが出来ない」存在であると思いつめている。
そんな時、美希子の同人誌を読んで変わったというキャシーが現れて、もう一度漫画を描き始める。
ストーリーはドラマチックすぎるくらいドラマチックな展開だけど、要は言いたいのは「人はこの世に何かを残すことができる」ということ。
物語は、リチャード・ドーキンスの(たしか)「生物は遺伝子を運ぶ乗り物である」っぽいフレーズから始まるのですが、ドーキンスというのは「ミーム」という言葉を生み出した人でもあります。「文化的に伝播されるアイデアや価値などを一種の遺伝子のようなものと見立てミームと呼んだ」そうです。
http://www.ethics.bun.kyoto-u.ac.jp/fine/tr2/kyoto-iseda.html
美希子が描いた漫画のキャラの勇気ある行動(アイデア)が、キャシーに伝播している。
面白いかは判断に迷いますが、なかなかに上手いお話でした。
美希子のもとに現れた海外からの訪問者は…?(月刊flowers2020年9月号)