悪の女幹部に憧れて悪の組織キメキメ団に入団したリリィガ様。正体はなんと女子高生・蛇山凛々子!女幹部ものも随分増えてきて「あ、自分これ好きなんだな…」って最近自覚しました。 幹部なのに新人っていうギャップが効いてて、先輩の下っ端より偉そうにしたりお仕置きしたりしながら徐々に「女幹部とはなんぞや」というものを見つけていくのが面白いです。武器とか通販で買ってるんだ…。 基本はアホっぽかったりちょっとエッチなノリですが、リリィガ様に目指すべき悪の美学というか、ブレないポリシーがあるので見ていて気持ちいいです。クライマックスの口上はかなりカッコイイ。 コメディ要素を出しながらアツい展開も描けそうで可能性感じました。連載してほし〜!
前作もそうでしたが、ファンタジックな設定の中に多くの人が抱える悩みとか問題が描かれてるのが印象的な作家さんで、いつも新作楽しみにしてます。 今回の主人公は、心がモヤッとするとまわりに海が発生して人間が魚に見えてしまう空想癖の持ち主。いつもボーッとして上手くいかなくて「自分なんか…」と塞いでいるなか、運命の人と出会います。が、親しくなるにはいくつかの試練を乗り越えないとならないぞ!頑張れ!というお話。 こういう妄想だったら私もしたい!と思います。雨の日も楽しそう。タコだけが友達ってのはちょっと悲しいけども。矢野さんのあざと可愛さは反則ギリギリかな?笑
『あ、夜が明けるよ。』や『僕だけに優しい君に』で去年話題となった浦部はいむさんの新作です。端的にとても素晴らしかったです。 定時制高校へ実際に通っていたという作者によって、定時制高校の日常の悲喜交交が解像度高く描かれます。 主人公は、昼間は工場で働きながら夜は定時制高校に通う21歳の女性。周りより少し歳が上であることに引目を感じ、体育の時間にペアになる相手も見つからないというところから始まります。 それ以外にも、沢山の大なり小なり訳ありのキャラクターが登場し、群像劇が織り成されます。 真っ直ぐ一番人が多い通りを歩むだけではなく、脇道に逸れたところに咲いた花やそこでしか見られない景色に出会いながら、自分のペースで進んでいっても良いし、むしろその方が他の人が経験できなかった素晴らしい体験を得ることができるかもしれないのが人の生きる道です。 色々な人に出逢って、良いことも悪いこともあって、気づいたら前より人に優しくできるようになっていて、それが切っ掛けで人生が少しずつ良い方向へと回っていく。その様に、静かでありながら大きく胸を打つ感動を貰いました。 一冊を読んだ時の満足度は今年読んだ中でも上位で、ぜひお薦めしたい作品です。
※ネタバレを含むクチコミです。
岡山県倉敷市を舞台に描かれる、心温まる作品です。 元々は問屋だった古民家を使い、1Fはカフェで2Fがギャラリーになっているギャラリーカフェを営むおばあちゃんの友恵を中心とした物語です。 『ねことじいちゃん』のねこまきさんによる作品なので、やはりかわいい猫が本作にも登場します。 看板猫の茶々や、娘や孫と共にいつもの日常の中での少し特別な穏やかな時間を過ごしている姿には、読んでいて心が解きほぐされていくのを感じるほどの癒し効果があります。とにかく絵柄から優しさが溢れ出ていて、特にフルカラーのページは読んでいて幸せな気持ちになります。 ただ、中盤からは「ひまわりの秘密」というサブタイトルに迫る回想パートが始まり、ギャラリーカフェでの日常から、戦時中のお話へと移っていきます。 2020年になると、第二次世界大戦の描き方もこうなるのだなぁと感じ入りました。 そんな時代を経て現代に戻った時、ギャラリーカフェで屈託なく笑い合える日々がどれほどかけがえのないものであるかを再認識させられます。 それまで何気なく素通りしてきたもの、それを振り返ると大きな意味があり、そこには人の強い想いや願いが込められている。それに気付けるようになることが成長であり、正に人生だなぁと。
『マグネット島通信』、『タネも仕掛けもないラブストーリー』の伊藤正臣さんによる、オムニバス形式の恋愛物語です。 思春期の少年少女たちに湧き起こる感情が、さまざまな気象の変化に擬えて描かれています。『天気の子』の番宣ではありませんが、天気ひとつで私たちの気持ちはいとも容易く変わってしまい、しかもそれは恋心と同じようにアンコントローラブルです。 『マグネット島通信』の時に絵の魅力が更に向上して、そこで描かれる島の空気感がとても心地良かったのですが、その描画力が今回は天気という不定形のものを描く際に万全に生かされていると感じます。 基本的に1話完結で、他のお話で登場したキャラクターが別のところでも登場し、全く別の側面を見せてくる構成により人間の多面性を巧みに表せています。ストレートに悪役として描かれる人物にも、もしかしたら裏では何かあるのかもしれないと思わされます。 個人的に特に好きなのは、「天気雨の定理」。中学時代に学年1位と2位だった男女が、高校でも周囲の雑音を遠ざけて勉強に集中したいがために、お互いに付き合っていることにするというお話です。 「梅雨明けモラトリアム」で、タイプではない男子に告白されて真剣に悩む話もリアルで味わい深かったです。
漫画ゴラクスペシャルで連載されていただけあって過激です。デリヘルの社長がルールを守らない客や、店を荒らすヤクザを暴力で懲らしめる話です。エロよりも暴力がメインのエンターテイメント漫画ですが、同業者からのルール違反の引き抜きや、騙されてAV出演させられた女の子など、業界の闇についての話もありました。女の子には優しいところが「フルーツ宅配便~私がデリヘル嬢である理由~」との唯一の共通点です(笑) 絵柄は変わっていませんが、何も知らなければテセウスの船の作者さんだと気づかなかったかもしれません。いろんな雑誌で描かれてた作家さんなんですね。
水槽の中の生き物と会話ができる力を持つ少女・もっことその叔母・しずかが主人公。特別メルヘンチックなストーリーでもなく、その能力があるからといって何か大きなことが出来るわけではないんだけど、「生まれ変わり」とか「輪廻転生」を信じたくなるような、子供時代に置いてきてしまった想像力を取り戻したくなるような気持ちを、もっこという少女の成長を通じて、もらったような、そんな読後感です。なんでここで?というところで泣きそうになってしまった。 多分読んだ人は全員水族館に行きたくなるし、部屋に水槽を置きたくなる。
週末キッチンと丼とこーい!が好きすぎて、読むのを避けてきたこの作品。 絶対ほのぼのしてないだろうし飯作ってないだろうし、カズさん達に似たキャラクターが出てきて苦しんでたら嫌だもん。 と思ってたんですけどやっぱり興味はあるので読んでみました。 comicoのチャレンジのときの絵柄に近い!と懐かしさに浸る間もなく、なんの救いもない殺人が描かれます。 殺された人間の家族が殺人犯に報復する権利が与えられた世界の物語。 読み進めるたびに浮かび上がる「自分ならどうする?」という問い。 「やるかも」と「できない」を行き来するうちに、「報復をしてはならない」という考えがすっぽ抜けていることに気づき、自分が怖くなりました。 それで救われるならば、と思ってしまう気持ちも正直あるけれど…愛する者を奪われた挙句、人を殺した事実までつきまとう人生、どこまでいっても救いがないように思えてしまいます。 だからといって、報復なんてダメだとは言い切れないんだよな…。 ぜひ自分に置き換えて考えてみてほしい作品でした。 辛いから週末キッチン読むぞ
序盤の展開が凄い。展開にすごく引き込まれた。似たジャンルはあるのに言葉回しやビジュアルにオリジナリティが溢れていて、ほかにない作品だと思った。 中盤からラストにかけては、収拾がつかなくなったか、あるいは読者が追いつけなくなったんじゃないかなーと考えている。自身もなんというか、必要なストーリーが欠けているような感覚に陥った。
最近になって再読した。 やはりこの作品でよく語られるのは後半の壮絶な展開だろう。一般にあまりよい評価を見受けないが、読み返していて発見があった。 それは、あの無駄に思える鬱展開によって、江崎覚醒のご都合主義感が吹っ飛んでいるということだ。後半の江崎の鬼気迫った、自分を追い込むための投球がイップス程度乗り越えるのは不思議ない。そう思わせてくれるような、漫画的納得感がある。 喩えるのもなんだが、ワンナウツの倉井のような覚醒を江崎がしていたとしたら、数多くの野球漫画に埋もれていたんじゃないだろうかと思った。
すべき思考orべき思考とは、認知の歪みと言われる偏った思考の一つ。道徳・一般通念や理想像に過度に固執する状態であり、精神疾患を長引かせる要因にもなる厄介な思考。 主人公の女性はこの「べき(すべき)思考」の持ち主。常に「べき」を振り撒く彼女は、何をするにも「べき」と音を出していて痛々しい。 そんな彼女の心を救うプランナーの男性は、キャラクターデザイナーの彼女が創るキャラを愛し、彼女をいつも見てくれる。しかし実は彼は……なんじゃそりゃ!?(試し読みを読もう!) 軽いタッチのラブコメには、ちょっとモヤッとする人ばかり登場する。主人公の家族の人でなし感は物凄いし、主人公に求愛する男性も何を考えているのやら……そして主人公のべき思考も頑なで、自他に押し付ける姿には抵抗感がある。 だが主人公の「べき」が己の心を守っている事、彼女が『アリとキリギリス』の呪いの被害者である事には、心底同調してしまう。誰も望んで苦しい思考を身に付けない。それは防御反応なので、ある程度は周囲のせいなのだ。 男性の可笑しな求愛に振り回され、怒り傷つきながら気付かされる考え方に、ハッとする。頑なな自分と向き合って、べき思考の奥にある「望み」を知る様子に、彼女の心に平和が訪れる事を、我が事の様に祈ってしまう。
5巻はアニメでは未放送の高校時代の話であり、いつもとは言った雰囲気を楽しむことができました。青葉が大学に行かずに就職した経緯が分かったので、読んで本当に良かったです。
少なくとも4話までは、登場人物はたったふたり。(4話にはへんな白いロボットのようなのは出てくるけど) それぞれ違う理由で滅びてしまった世界をそこに見合った方法で弔いながら渡り歩いてゆく物語です。ミコは世界が滅びたときに、たったひとり残された神・ヨモツカミで、ミコはヨミが拾ったメイドロボット。ヨミはロボットだけどかなり人間ぽいので、少女がふたりで終末世界を旅しているようでもあります。 それぞれの街には、滅びる前の人間の生活の痕跡が残っていて、どのように生きてどのように死んでいったのかがうっすら想像できるところが読んでいて切ない。と同時に、次はどんな終末世界に行くのかが楽しみで読み続けてしまう!
実在する!(ドン) 舞台となるのはさまざまな超常存在が正体を隠しながら営業している怪しいマッサージ店。と、その従業員が通っている高校など。日々疲れた女性が異形の能力でちょっとエッチに癒やされるようすを拝めます。 超常マッサージで気持ちよくなっちゃう描写もさることながら、女の子と異形のデザインから溢れ出るフェチがすごいです。単眼多腕の千樹さん、電気を操る鳴子ちゃんなど店員さんはみな個性的で、マッサージ時に真の姿を現す瞬間はゾクゾクします。バトル漫画でもそのまま通用しそうなくらい。 一方で彼女たちの正体がなんなのかすべて説明されないのも好きでした。言葉で表しきれないさまざまな伝承や怪異が(かなりかわいい姿で)身近に潜んでいるのかも、と思わせてくれる余白がいいです。 2巻と短いのが残念…もっと読みたかったな。
絵が無茶苦茶うまい。兎にも角にもといい、神社でタイプの違う美人姉妹と居候するラブコメって人気ジャンルなんですかね? どっかでみたことあるような女の子たちには興味持てなかったけど流星群のシーンと振りむた夕奈はものすごく綺麗。 よくあるエロいラブコメとかじゃなくて、もっとしっとりした恋愛ドラマが読んでみたいな思わせる画力の高さでした。
物心ついてから親元を離れるまで、平日は朝6時半に起きてご飯を食べ、雨の日も雪の日も徒歩20分かけて学校へ行き、12時に給食、午後6時に夕飯、砂糖の入った清涼飲料水は飲まないという生活を送っていました。 18年間それが当たり前だと思っていたので、毎年スポーツテストと一緒に行われる健康に関するアンケートで「食事は毎日同じ時間に食べているか」や「朝食を毎日食べているか」と聞かれる意味がわかりませんでした。 ですがこの模範的で健康的な生活の反動で、1人暮らしの大学生活は乱れに乱れたものとなりました。 好きな時間まで起きていていい! お風呂は朝入ればいい! 好きなものを好きなだけ食べていい!! 律儀に3回食べなくてもいい!!! すごいぞ1人暮らし…! と感動した自分は、(少なくとも最初の半年間)「朝昼は好きなだけチョコレート、夜はスイスロール」のように、思いついた不健康を片っ端から試して暮らしました。 真剣に単位を取らねばならない時期だけはいつの間にか規則正しいリズムで暮らしていましたが、就職してからは夜勤と日勤が入り乱れることになりました。 とまあこんな感じで、もう10年以上不規則な生活に染まりきっているのですが、最近になって自分が入眠困難であるのを自覚したのをきっかけに、健康的な生活がしたいと真剣に考えるようになりました。 というわけで、Amazonで「不眠症 エッセイ」で出会ったのがこの漫画です。 軽く著者の先生について調べたら信頼できそうな感じだったので購入してみたところ、自律神経を整えるのに必要な情報だけが小難しい用語を使わずわかりやすく説明されていてすごく良かったです。 (むしろ医学的な堅苦しい文章が一切ないために、信じていいのかと逆に不安に感じるほど簡単な内容となっています) 各話は、この漫画の著者である一色美穂先生がものすごく若々しい担当さんの若さの理由が自律神経にあることを知り、小林弘幸先生(順天堂医院 総合診療科)の元を訪れ話を聞くというスタイルで進んでいきます。 初っ端の、担当さんの若さに驚いた一色先生が「クイクイ(※ヤクでもやってんのかのポーズ)」とするところで、もうこの本が好きになってしまいました。 「そもそも自律神経とはなにか?」という説明で、発汗や血液循環などは24時間自動的にコントロールしているものと聞き「イッツオートマチック…!!」という感想が出てくるところが最高。一色先生のシンプルなのにものすごく漫画らしい、いつまでも見ていられる絵柄もまた素敵。 https://i.imgur.com/bGesFKA.png (△『まんがでわかる自律神経の整え方』小林弘幸/一色美穂 Lesson1より) 小林先生が自律神経を整えるために大切なこととして挙げているのが ・朝起きたら水を飲む ・上を向く ・日を浴びる ・作り笑顔で良いから笑う ・食事は6時間おきに取る ・寝る前に湯船に浸かる なのですが、これもう全部小学生のときには自然にやっていたことですよね。当たり前すぎる。 この中の「作り笑いでもいいから笑う」について。 私が高校生のとき、なんのストレスもないのにやたら気分が暗い日が連続したことがあって、ふと「あ、この1週間大笑いしてない」と気づいたことがありました。お笑い番組をみたところその暗さがスッキリ消え、その経験から定期的にお笑い動画を見るようにしているのですが、ちゃんと医学的な根拠があると知って納得しました。 とまあ、これらの当たり前のことが体に(自律神経に)良いとはぼんやりとは知っていても重要視はまっっったくしていませんでした。が、この本を読んでみて現在日常で困ってる体調不良が全部この「当たり前のこと」で解消されるとわかり、その重要性を痛感しました。 やろうと思えばできる本当に些細な日常習慣ばかりなので、とりあえず常に締め切ったカーテンを開けるところから始めようと思います。
日本版エマ!と言いたくなったのは私だけではない…はず…(もちろん設定はいろいろ違いますが)。10歳から女中をやってきたハナちゃんは、体は小さいけれど表情は堅く子供らしさは皆無。ひとり暮らしの翻訳家・令子さんとの暮らしの中で少しずつほぐれていくと良いなと思った1話でした。 最後に、令子さんの童話集を大切に持っているハナちゃん。令子さんのことは前から知っていたんですね。
作中ではっきりと旦那さんが泉晴紀先生だと描かれている訳ではないのですが、各話の終わりに挿入されてる旦那さんが描いた漫画を見ればそうだと分かります(Wikipediaにも載ってたし、私が知らなかっただけで有名なのかも?) 歳の差は20歳だそうですが、それほど離れているように感じさせないお似合いのご夫婦です。泉先生が友人達と飲んでる時にご機嫌になって作った「嫁の歌」を自分の個展のライブでも堂々と歌っていたのには思わず笑っちゃいましたが、優しい人なんだろうなと思いました。食事もほとんど泉先生が作ってくれるらしく、それについて不満はないのかと山崎先生が聞いたら「ジョンも主夫だったことがあるから…」と返していたのが面白かったです。さすがに歳の差を感じましたが。ぜひノロケ話の続きを描いてほしいなと思います。
ふと、小花美穂先生の漫画、そんなにたくさん読んでないなと思い、こどちゃのひとつ前に連載していたこの「この手をはなさない」を読んでみました。 こどちゃのイメージが強いとどうしても高校生主人公が珍しい気がしてしまいますが、こどちゃの方が特殊なんですよね。ただ、気を抜けない重めの設定があったりと、恋愛だけにフォーカスを当てていない点では共通してますね(愉快な動物が出てくるところとかも)。けっこうな読み応えたっぷりの大恋愛ストーリーを、前後編の全2巻でまとめてるのさすがです。代表作は間違いなくこどちゃだと思いますけど、こどちゃ以外も読んでこそこの方の漫画家としての凄さがわかる気がしました。
主人公の三姉妹は、子供時代に母親を病で亡くし、後年は父親が失踪して捨てられてしまうという家庭事情を持つ。 それでも楽観的な性格の長女を中心に、一つ屋根の下で楽しげに暮らす様子が描かれている。 長女も次女も社会人として働いているので生活の心配はなさそうだが、三姉妹がそこに至るまでの苦労は幾つもあったはず。時折あらわれる過去の回想が、悲しみを誘う。 親を亡くしたものの、三姉妹の周りには良い友達が多く、とても人の縁に恵まれているのだと思う。 全体的に独特のテンポ運びで、それがタイトルの「三拍子」と良く合っている。
「静かなるドン」ほど長くはないし、「カッコ1/2」ほどむちゃくちゃでもないし「取締役平並次郎」ほどかっちりはしていないちょうど良いのが「こちら凡人組」。一見平々凡々以下の中年サラリーマンだが実は極道の凡人組々長・凡野平太郎が主人公。ヤクザがらみの話もあれば家庭の話もあり、良い話もあればなんなんだという感じの話があってちょうど良い。片梨がお気に入り メモ こちら凡人組->となりの凡人組->それからの凡人組の順番らしい
音楽を題材にした漫画は多数あるので忘れてしまいがちだけれど、漫画で音楽を表現するのって物凄いことじゃないですか? なずなのねいろ、物凄い漫画に出会ってしまった気がしています。 ギター少年の伊賀が三味線を弾く少女なずなに出会い、三味線を教わろうとするところから物語は始まります。 なずなの三味線に感動し、自らも三味線の魅力に引き込まれていく…のは間違いないのですが、一筋縄ではいかないのがこの作品。 なずなには三味線を弾かなければならない理由と、三味線を弾くことができない理由がありました。 何故なずなは三味線を弾くのか、何故なずなは三味線を弾けないのか、なずなが抱えているものは何なのか。 多くは語られないまま、揺れ動くなずなの心だけをたっぷり描写して物語は進んでいきます。 真実が明らかになり、動き出したなずなの音色は静寂を切り裂くように鳴り響きます。 漫画だから音が聞こえることはありません。それでも、自分自身の音を見つけたなずなの姿が心を震わせる音楽そのものに見えました。 なずなが子どものような容姿で描かれているのにもしっかり意味があって驚きました。何から何までよくできている…。 本当に本当に出会えてよかった作品です。ぜひ多くの人に読んでほしい!
アニメの方を見たので読んでみました。 動物たちがかわいいです! 私はペンギンくんが好き。
高木さんや、好きな子がめがねを忘れた、顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君などなど。じれったい男女の学生青春モノなんて、こんなんなんぼあってもええですからね。そこに『お近づきになりたい宮膳さん』も足しましょう。 お嬢様学校から転向してきた宮膳さんは、お近づきになりたくて隙きあらば元ヤン・松林くんが好きな任侠映画のセリフを会話に挟み込むんだけど、「まさかこの人が言うわけないよな…」とスルーされてしまう…というプロローグから始まる物語。 1巻は終始こんなんばっかなんだけど、宮膳さんが何度も話しかけようと頑張るおかげで松林くんの緊張(警戒)が解けて、2人がちょっとずつじりじり距離を縮めていくのが尊い。 恋のはじまりを温かく見守るのってなんでこんなに幸せな気持ちになるんでしょうね。最高です。ただただ2人の幸せを祈っています。 (追記) 秋タカ先生の描くネコの体と顔、絶妙に癖が強くて本来笑うべきところじゃないんですけど笑ってしまいます。面白い。
全宇宙を統べる最強の王の妃にはある条件があります。それは女王決定戦で優勝した宇宙最強の女であること! 王子クリスは自身のクローン少女カルキを生み出し優勝を狙いますが、設定をミスったせいで自分の命が狙われることに。カルキから殺されず、決定戦までに未来の婚約者を最強の存在に鍛え上げることは出来るのか!?というのが物語の始まり。 「自分のクローンと結婚しようとする」っていうトリッキーな設定が人を選びそうですが、登場キャラクターの感情が「強くなること」を基準に動いていくのでみんなカッコイイ。どのキャラもクセ強めで、登場時点から何度も表情を変えて違う魅力を見せてくれるのが熱いです。最後まで読んだら全員好きになってるはず。 特にカルキちゃんは一見殺人マシーンかと思いきやクリスの何倍も人を思いやれる優しい子で、彼女の成長を見守るクリスとの距離感がいいです。 親子でもあり、分身でもあり、師弟でもあり、恋人でもあり、何より替えの効かない相棒でもあるという…唯一無二の絆が育まれていくのが素敵でした。 バトル・SF・ラブコメとさまざまな要素が5巻のあいだにギュッと詰まっていて読み応え抜群、王道の熱さがしっかり味わえます。設定で敬遠してる人こそ読んでみてほしい!
いやぁ寂しい。 うちにも犬がいるんですが、ムーコを見て「うちの子もこういう気持ちだったりするのかな」と思って見てると本当に心が癒やされるんですよね。 ムーコは実際の写真とかも出てたりしてめっちゃ可愛いですが普通に柴犬で、特段変わったワンちゃんではないのだけど、漫画の中で描かれる彼女の小松さん大好きっぷりや一喜一憂っぷりが「犬ってこうだよねえ」と共感しか無いです。 そして共感するたびに犬を好きになる。 みずしな先生だったかイブニング編集部だったか忘れちゃいましたが、Twitterでも定期的にムーコの関連ツイートが発信されていて、それらを見るのも大好きでした。 どこまでノンフィクションかわかりませんが、最終巻もとてもハッピーな気持ちで終われたので良かったです。 本作を読んで柴犬を飼いたいと思った人も少なくないのではないかな? タイトルのとおり「いとしのムーコ」でした。 みずしな孝之先生、素晴らしい作品を本当にありがとうございました。
グリーンまで読了。 ホラーなのにホッとするのは押切蓮介センセーが描くホラーのゾッとするけど他人事感(遠い場所のお話というか)を感じるところであり、押切先生の体験談だったりするとm9(^Д^)プギャーって思うとこがある(ピコピコ少年やハイスコアガールで親近感を持っているからかもですが)からかなと思っています。 押切蓮介先生には壇蜜に負けないぐらいいいオンナと結婚してもらいたい…と思いつつ、場末のキャバ嬢とかとくっついて意外と普通にいい家庭を作ってしまいそう、という妄想も膨らみます。 そんな先生の短編集ですが、ホワイトはコンセプトはそんなに強くなかった気がするけどブラックはかなりブラックな内容に寄せている?と感じました。 グリーンは山っていうところが多いからグリーンなのかな・・・? グリーンのあとがきで「次はイエロードロップ」と言ってたので続きも出るでしょう。そのうち出したいと言っていたピンクドロップにも期待を膨らませつつ。
独特な世界観、すごく好きっ♬ 林君は、他人には何を考えているかわからないだろうけど、本人の中には、一本筋が通ってる、芸術家タイプ。 二階堂くんは、自分の作った“二階堂像”を必死で守ってる感がかわいい。 そして、そんな二階堂くんの行動に気付いた?(気付かされた?)師匠、目高くん。 二階堂くん目高くん、ふたりの距離感もいい。
こういう話だったのか…と全2巻読み終わって「ふぉ〜」とため息が出ました。 著者のファンからすると、あらすじにある"王道のファンタジー"って引きにならないというか、う〜ん?と思ってしまい、今まで1ページも読んでませんでしたが、完結を機に読みました。絶滅動物があつまる百貨店を舞台に人間が奉仕するような設定のこの漫画の、存在意義(メッセージ?)みたいなものが分かった気がするので、読まず嫌いも甚だしかった。東堂さんみたいな変な人もちゃんといて「これこれ!」という嬉しさも有り、高級百貨店のコンシェルジュという仕事の奥深さもしっかり描いて勉強になる。秋乃ちゃんの成長も自分のことのように嬉しい。 9話「嘘のお客様」がいちばん好きです。 なにより、この方の漫画をA5判で読むととても贅沢な気持ちになる。本っっっ当に絵が上手い…。(漫勉に出てほしい) まだ通して1回しか読んでませんが、読めば読むほど味わいが深まるスルメ漫画だと思います。
9月にマレーシアコミックが2冊日本で発売されたときに購入したものをやっと読みました。想像していたものと全然違った! 初っ端から金持ちのおばさんの止まらないゲロで始まることから分かる通り、ヒーローモノでありながら立派なドタバタギャグ漫画でした。表紙詐欺〜〜! https://natalie.mu/comic/pp/inboundcomic https://www.cinemart.co.jp/article/news/20201001003282.html 絵のデフォルメの感じが独特。日本の漫画っぽさと、西洋風のお洒落な線画アートっぽさがいい感じで混ざっている。 描き文字の効果音はアメコミ風の英語なんだけど、登場人物たちは小気味よい関西弁で喋り…と、多国籍感が半端ない。 タイ人のキャラが喋る時、セリフの最後にずっと「(タイ訛り)」がついてる演出も面白かった。 学校を卒業してから36回仕事をクビになったというロン毛でロックな雰囲気ただよう主人公のキングがある日突然、ビッグJCというおっさんにヒーロー「ライデン」にされてしまい、ライデン運送という「手紙以外何でも運ぶ配送屋」で働くことになるところから物語は始まる。 ライデンの前には常に「ジャカフ」という敵が立ちはだかるのだけど、このジャカフが生まれた経緯が面白い。 ジャカフは元配送屋で、強盗に襲われ会社に戻ったら仲間は誰も信じてくれず悲しみのあまり自殺、恨んで化けてこの世に戻り会社を燃やす。みかねたジャカフの相棒・コディスが彼を止めようと、黒魔術師に頼んで超能力をねだり「ライデン」となる。その2者の戦いは子孫へと受け継がれながら続いており、ビッグJCこそがその子孫でキングの前のライデンなのだという。 配送屋から生まれたヒーローなので、キングのまわりにはライデンの相棒だったという喋る宅配ボックス・メイシー(女)や、元馬のバイク・フラッシュ(男)など不思議なお助けキャラがいるところが魅力的。 他の海外マンガと同じく、読み始めて作品になれるまでちょっと時間が必要でしたが楽しく読めました。先がどうなるのか全く読めないので気になります。 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01201874010000_68/
まさか同じぐらい歳とって帰ってくるとは思わなかったよ。 高校の頃に読んで少なからず影響を受けた「ハッピーマニア」の続きが読めるというだけでも嬉しかったけど、まさかこんな展開とは。。 マンバではさすがに既にクチコミも盛り上がった後なので今更かもしれないけど、ハッピーマニアという作品と安野モヨコという作者は私にとっては岡崎京子とリバーズ・エッジ並の存在なのでどうしても読後感をクチコミで残しておきたかった。 フクちゃんもご健在で何よりだし、タカハシもタカハシだったのでタカハシだなー!って感じでもあり、自分が大人になってしまったがゆえに結構どっちの気持ちも「わかる」感じがしてしまって、今後に期待と不安が膨らんでおります。
今のアラサー・アラフォーに刺さるちびまる子ちゃん的に言われているそうだけど、言われてみたら確かにそうだ! ただ、彼女らはちゃんと歳を取るので、同じような話が続いたりは一切しない。単純に「とても面白い」「良いよね」みたいな感想が出てくる作品。 作者であり主人公の山本さほと友人の岡崎さんはベクトルは違うものの二人共個性的で、とにかくアクが強い。 岡崎さんは家庭環境もめちゃくちゃだし全てを許してくれそうな聖母マリア的な存在にも見える(山本さん視点) 山本さんはそんなかけがえのない親友の岡崎さんを漫画にせざるを得なかったのであろう、というようなエピソードがてんこ盛りである。 ただ、山本さんはあえて岡崎さんと対比して普通っぽさが見える反面、そんなことするの!?と驚くようなことも割としている。 あえてそういう描写にしてるんだろうけど、それが漫画的でこの作品の面白いところでもある。 高校に入ってからの彼女らの関係もそうだし、山本さん単体での生活はアラサー・アラフォーな読者には懐かしさと共感とで色々うわー!ってなるのがまた良いところかもしれない。 一時期めちゃくちゃ話題だったけど、もっとずっと話題でいいし国民的漫画にしちゃっていいのに!と思ったけど内容的に子供には見せづらいかもしれない(笑) そして全部飛ばさずに読んで欲しい。 どのRPGだってエンディングだけ見たって味わえる感動は全てを歩んだ人と雲泥の差があるものだけど、それと一緒でちゃんと最後まで全部読んだ人はきっと最終話まで読んで良かったと感じるはず。
主人公「ののか」がピュアっピュアで、でも純真無垢とかってわけじゃない。ちゃんと人並みにしたいことがあるんだ!(その先は考えてないタイプ) そして本当にタイトルどおりの素敵すぎる彼氏だった。 完結したということで最後までバーっと読んで最高でしかない。 色々あるけど3組の組み合わせもなんだかんだ最高でした。 こんな恋愛したかったなー
半年前に本屋でジャケ買いして読んでみたものの、正直よく分からないと思ってしまいそのままになっていたが、本棚を整理したら出てきたので再読。今回もう一度読んでみて、前半の群像劇とクライマックスの震災後の話は分けて考えた方がいいのかもしれないと思った。 前半の群像劇は問題のある人間ばかり出てきてとても面白い。自分はとくにサイコパスみたいなお巡りさんが好きだ。一人で問題を抱えて自暴自棄になっていた彼らが、それぞれに悩みを分かち合える相手を見つけて変わっていく…まさに「世界は二人のために、二人は世界のために」という話なので、そのまま物語が終わってもいいのになぁとも思わなくはない。 とはいえ、もともと東日本大震災のことを描かなくてはならないという気持ちから描き下ろしされたそうなので、最後の展開にうまく自分が乗れないのは震災が遠い日の出来事になってしまっているからなのかもしれない。
木村紺の「神戸在住」や「からん」を読んでから手を出すと面食らうかも。それくらい他作品とかなり印象が異なる作品です。主人公のジョー(巨娘)がえげつないほど破廉恥でして、このアクが強さをギャグとして受け入れられるかどうかで、笑える人と苦手意識を持つ人に別れるように思います。自分は好きと苦手がちょうど半々くらいですね。 絵については神戸在住のような独特のコマ割りがありますので、この内容でこのコマ割りは、読み進めるのに少し慣れが必要です。(後半に進むにつれて読みやすくなりますけど) ジョーの焼き鳥店での話などは飲食業の話として面白い話も多く、その辺りのガッチリした仕事ぶりと、破天荒さのギャップが楽しめる方にはオススメです。
やっちゃん(弟)が居なかったら、この方はとっくに死んでいたのではないかと思うのは大袈裟でしょうか。 アルコール依存症とはたぶん一生縁がない自分からすると、このようなエッセイはもう散々笑って終わりですが、少しでも依存症に近い人が読むとまた感じ方が違って、もしかすると救われる人もいるんでしょう。 しかし本編でも書いてるように、人生って何が起こるか分からないものだから、全くの他人事ではなくなるかもしれませんね。一応、気をつけたい。 今のところ犬を信仰してる点に関してのみ、私と同じです。
2018年にMリーグが発足してから早2年経ちますが、そのお陰もあってか今世間で再び麻雀が盛り上がっています。3シーズン目を迎えた今年は視聴者数も100万人を突破。とある大手企業では全自動卓の売り上げが4倍にもなったとか。 『咲-Saki-』のように世界の競技人口が億単位になるにはまだ暫くかかりそうですが、それでもノーレートの健康麻雀が老若男女問わず広がりを見せ続けているのは確かです。 となれば、当然マンガ業界にもそこ人気は波及して新しい麻雀マンガが生まれます。『鳴かせてくれない上家さん』は、『一色さんはうまぶりたいっ!』と並んで今注目の麻雀ラブコメです。 作画を担当するのは『バガタウェイ』や『サクラクエスト』の古日向いろはさんということで、女の子のかわいさはお墨付き。メインヒロインの後輩キャラ・上家さんはもちろんのこと、同級生で黒髪ポニーのお嬢様系ヒロイン筒井さんが個人的に推せます。 上家さんの奔放な行動や笑顔に翻弄されつつ、相手が自分のことをどう思っているのか、これから先どうなるのかドキドキするラブコメ分と、「鳴かせてくれない」にフィーチャーした麻雀分、どちらも詰まっていて一粒で二度美味しいです。 監修にはしっかりMリーグ所属の内川幸太郎選手が入っているのもポイント。巻末のおまけマンガでは、古日向さんが元々麻雀を解らなかったもののMリーグを観るようになってハマったというエピソードもあり、麻雀好きとしてはこうして麻雀文化が根付き広がっていくのは嬉しいなぁとしみじみ読みました。
桜井さん好きなのはポーズで結局サバエのこと好きじゃん、っていうか付き合ってるじゃん って8割の人は言いたくなる。と思う。 むしろ桜井さんは桜井さんで結局サバエみたいな女の子がモテるんだよなって思ってそう。 宇治の自虐風自慢じゃないか!いつでもサバエとヤレるって思ってるんだろ!はやく付き合え! なんて思いながらもこのくらいの関係がいちばん楽しいし逆にエロいんだよなあ。 中高生の爽やかキラキララブストーリーよりもリアルガチな青春みを感じます。いいなあ。
悪の女幹部に憧れて悪の組織キメキメ団に入団したリリィガ様。正体はなんと女子高生・蛇山凛々子!女幹部ものも随分増えてきて「あ、自分これ好きなんだな…」って最近自覚しました。 幹部なのに新人っていうギャップが効いてて、先輩の下っ端より偉そうにしたりお仕置きしたりしながら徐々に「女幹部とはなんぞや」というものを見つけていくのが面白いです。武器とか通販で買ってるんだ…。 基本はアホっぽかったりちょっとエッチなノリですが、リリィガ様に目指すべき悪の美学というか、ブレないポリシーがあるので見ていて気持ちいいです。クライマックスの口上はかなりカッコイイ。 コメディ要素を出しながらアツい展開も描けそうで可能性感じました。連載してほし〜!