3年ほど前にこれのプロトタイプを初めて読んで『異世界』ブームを逆手に取った逆転の発想がすごいと感心したやつ。

https://twitter.com/amaousansan/status/933651957444521985?s=20

普段『異世界転移』する場合、基本的にはトラックに轢かれたり過労死したり、のっぴきならない事態のせいで劇的にこの世から違う世界へ飛ばされ(しかもだいたいは地球よりスローライフで素敵な暮らしをしている)、神様が誤って主人公の人生を終わらせてしまったとかで二度と地球に戻れず、そのお詫びでチート能力を手に入れる…と。

こうやってありがちな流れ挙げるだけでも、飛ばされた瞬間がいかに重要かわかるものだけど、この「フリーターが地味に異世界転移するマンガ」はマジで転移が地味。
仕事中などのふとした瞬間になんっっの脈絡もなく異世界に飛ばされて、自体を把握する前に(多分5〜10秒以下)でまた日本に戻ってくる。
なんなら大方の場合、ボーッとしてたりよそ見しているので転移したことにすら気づいていないんだけど、そのぼんやりしてるときに主人公がとった行動のおかげで多くの異世界人たちの命が救われるというのが面白い。
(チャリのかごにフライドチキン入れたまま転移したことで狼の群れに出会い、主人公に群れが着いてったことで狼に襲われてた異世界人の命が救われたやつ好きです。群れはずるいよ)

主人公をこんな雑にランダムに、何度も異世界と日本をいったり来たりさせるなんて、異世界ブームの真っ最中によく考えたなぁとホント感心します。

久々に単行本で読んでみると、もはやテレビをザッピングしまくる人を端から見ているみたいでちょっと鬱陶しいくらいでした。
行くなら行く、行かないなら行かないでハッキリしてほしい。
あと主人公がちょいちょい異世界に飛ばされてるのを友人に信じてもらえないところも「うぎー!」となりました。スカッとしたい…。

とまあ、こんな感じであくまで徹底して『異世界もの』のお約束に反している作品でした。

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エチカの時間

ハチャメチャにカオスな倫理ゲーム!!

エチカの時間
ななし
ななし

スペリオールで読んで圧倒された新連載。画風も笑いのセンスも扱っている題材も尖りすぎてて、いや〜最高に面白い…!! 「人工知能の進化が停滞している状況を打破するため、AIに倫理観を植え付けようと、AIを倫理のエキスパート(エチカノーツ)の人間たちと共に育てる「エチカ・アカデミー」という学校が設立。未来予測を行い『エチカ案件』と呼ばれる**倫理的決断を求められる事件に立ち会い、エチカノーツたちがエチカ(倫理)を戦わせ『究極の選択』を行う**」というあらすじ。 https://twitter.com/SNOWBRND/status/1164753304439549953?s=20 「倫理ゲーム」とタイトルにしたけれど、この物語の中では**「本物の事件が発生」し、主人公は人々の命を秤にかけなくてはならない。**相当シリアスな内容のはずなんだけど、強烈に癖が強いAI・七太郎とヘラヘラした主人公・日野のおかげで、まるで**デスゲーム漫画を読んでいるかのような軽さ**がある。なのであえてこのマンガを形容するなら**倫理ゲーム**かなと思う(本誌のアオリもこの呼称を使ってるし)。 個人的に、環境経済学を学んでいたときに倫理について考える機会があったので、こういうテーマはメチャクチャ好きです。 あらゆる残酷な空想に耐えて、どんな決断を下すのか。 次回を楽しみにしています…!!! 【スペリオール2019年9月13日号より連載開始】 https://bigcomicbros.net/magazines/24756/ https://bigcomicbros.net/comic/tempus_ethicae/

群青のバトロ

ワンピース感とオリジナリティ

群青のバトロ
ななし
ななし

まずカラー絵がすごく良い。なんとなく五十嵐大介っぽさを感じる。 そして本編の絵の線の感じや白黒ハッキリした塗りは尾田栄一郎や吾峠呼世晴っぽい。 けど描き文字やキャラデザはオリジナリティがある。 物語は、「残虐なヴァイキングに統治された「兵士か奴隷」しかいない町・ギブロン。主人公・バトロは「ギブロンで1番偉い奴に会いに来た」と、少年漫画の主人公らしいセリフで兵士をぶっ倒すが、ゾゲボ(1番偉い奴)が町に戻ってくるまで奴隷として過ごすことに決める」というあらすじ。 この主人公・バトロには「ゾゲボが戻るまでビビらず仲良くしてくれよな」と言ったりするところがあり、こういう強い力を持ちながら「お前が言うな」というボケをカマすところはルフィーに似ているなと思った。 もしここで周囲の人間が極度にデフォルメされた変顔になってツッコミを入れたら、それはもうワンピースでしかないが、群青のバトロはそういうことはしない。 ルフィーはシリアスに振る舞うこともあるけれど、基本的に無邪気に喜怒哀楽をハッキリ示し、熱く怒ったりする。一方、バトロはもう少しクールな男で、笑ったりスッとぼけはするけれど、激しい怒りや熱は内側に隠し、淡々と振る舞っているような印象を受けた。 最初から最後までスラスラ読めたし、最後のオチには笑った。 ファンタジー少年漫画として大きな瑕疵のない、完成された作品だと思う。 個人的には、「バトロが伝説の男と似ている」という設定がうまく活かせていないように感じた。本来だったらもっとワクワクできる設定なんだけど、あとづけ感・蛇足感が強くて「バトロかっけー」とはならなかった。 ワンピースのようなヒット作の要素を、うまく自分のものにすることが出来るのは本当にすごい才能だと思う。ポテンシャルをビンビン感じるので、このままさらにオリジナリティを磨いていって超面白い作品を描いてほしい。 『週刊少年ジャンプ 2019年38号』 http://jumpbookstore.com/item/SHSA_JP01WJ2019034D01_57.html

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