たか
たか
2019/06/26
実在の昆虫と戦いながら犯人を探すサバイバルホラー!
気弱な主人公もパニックホラーもたくさんあるけど、留学中の学生が主人公という設定はすごく珍しくて面白い! 留学中のアメリカで馴染めずにいた大学生の主人公は、勇気を出して年越しホームパーティーに参加するが、カウントダウンが終わった瞬間に意識を失ってしまい、目が覚めると身体が3インチ(7cm)になっていた。家アリや猫すら命を脅かす状況で、何者かがパーティーの参加者のペットである世界の昆虫をカゴから逃していて…というあらすじ。 1巻の表紙にあるように、人んちの猫に命を狙われるシーンがとても現実味があってメチャクチャ怖い!あとアリに襲われるシーンは漫画だとわかっていてもギョエーッとなる…。 また体が縮んだことでただ不利になるのではなく、「高いところから落ちても平気」、「筋力20倍」などのメリットをあるのが単純じゃなくていい。 カリフォルニアの虫や動物が次々敵として登場するので、アニマルドキュメンタリーを見ている感じで楽しめる。 実在する虫(主人公たちにとっては巨大生物)とバトルをしながら、味方の中に潜んでいる犯人探しをするスリル最高です…! https://www.urasunday.com/3inch/comic/58764.php
たか
たか
2019/06/25
圧倒的才能...! マンガが上手すぎる
📷
2017年に読んで衝撃を受けた作品。1話だけ読んでもとにかくすごい。というか1話4ページ目の見開きのシーンが上手すぎる。ただの釣りと見せかけておいて、いきなり奇妙で壮大な世界を見せつける構成に痺れる!! (読めばわかります…とにかく第1話読んで) https://comic.mag-garden.co.jp/yotsuya13/ 凄まじい画力と懐かしいノリのギャグが織りなすハーモニーが最高。 ネットでは「高い画力で描かれるSF。主人公がゲスに振り回されるストーリー」という部分がレベルEと共通するというだけで「パクリ」と呼ぶ輩がいるようで本当に悲しいです…。 それは「NARUTOはハリー・ポッターのパクリでハリー・ポッターは落第忍者乱太郎のパクリ」だと非難するくらい、的はずれなこじつけにすぎません。 そもそも冨樫先生の高い画力と卓越したストーリーは、表面的に簡単にパクれるようなものではありません。魅力的な絵と読者の度肝を抜くエグい展開。この2つが揃って初めて冨樫先生らしさにようやく一歩近づけるかどうかというくらいでしょう。 もし仮に冨樫先生の漫画を真似できるとしたら、それ自体がその人の人並み外れた能力の高さを示しており、むしろ評価されるべきだと思います。 そして有馬慎太郎先生は、誰と比べる必要もなく最高の漫画家です! マグコミでずっと読んでいたので、休載のアナウンスがあったのかどうかすら把握していないのですが、ずっと続きを待ってます。 (画像は2話より。キャラデザ・設定、何もかも好き…)
たか
たか
2019/06/24
凄まじい完成度…!17歳の驚異の読切
画力・ストーリー、何もかも完璧でおよそ欠点が見つからない読切!1ページめのカラー絵からとにかく素敵で、絵柄の印象は出水ぽすかと堀越耕平を足して割らない感じ。最強かよ…!! https://manba.co.jp/boards/106655 【あらすじ】 湖で渦潮に巻き込まれた主人公・ワタリは銛を持った泳ぎの得意な少女・ミクリに助けられ、擬態生物たちの王国・カクレミ島に足を踏み入れるが、実はカクレミ島は巨大な生きたクジラの島で主人公が溺れかけた湖はクジラの口だった。 島の住人はみな個性的で、岩のようなやつ、木のようなやつ、カメレオンのようなやつ、四角くて平たいやつ…それぞれ外敵から身を隠す術をもっている。ワタリは嵐に巻き込まれてカクレミ島にやってきたと告げるが、実は…。 https://i.imgur.com/5ttzKdu.png https://i.imgur.com/6AEH9AW.png (画像は『カクレミ』百田稜助より) 少年マンガらしい明るい冒険譚かと思いきや、ワタリの真の目的が明かされるシーンがとてもゲスくて**気持ちよく予想を裏切られました。** 何より素晴らしいと思うのが、この作品のテーマでタイトルでもある「隠れ身=擬態」が、物語の中で一貫して重要なキーワードとなっているところ…!画力、魅力的なキャラ、ストーリーの捻り…天は二物どころかいったい何物を与えたのだと、ただただ驚きます。 もうとにかく「すごい、面白い」しか言えない…!大絶賛のわけは読めばわかるので、まだの人はジャンプ買って読んでください!! ↓ 『少年ジャンプ2019年30号』 http://jumpbookstore.com/item/SHSA_JP01WJ2019027D01_57.html https://www.shonenjump.com/j/weeklyshonenjump/img/_mainImg_color4.jpg
たか
たか
2019/06/19
ネタバレ
怖いのに読んじゃうエグいやつ
📷
キャッチーなタイトルと、80年代風の懐かしい絵柄と色使いに惹かれて読んだ作品。 主人公のみことちゃんは、ちょっと残念な可哀想な女の子。イケてる女子たちにはみんな彼氏がいて相手にされず、「彼氏さえできれば」と根拠のない自信を持っている。 そこへ、全く好みではない名前すら覚えていない男子・まことから告白され、「これで友達の話題の中心になれる」と打算的に付き合うことを決める。そしてみことの家で一緒にDVDを見ることになるのだが…というあらすじ。 https://j-nbooks.jp/comic/original.php?oKey=60 まことのみことへの歪んだ愛情がとにかく凄まじい。 「確かにみことちゃんは、しょーもない虚栄心に満ちた女の子だけど、だからといってこんな目に遭っていいわけじゃないだろ;;」と可哀想になってくる。 まことの仕打ちは気持ち悪いし恐ろしい。 なのに読み進めるうちに、いつの間にか「みことちゃんがもっとひどい目に遭っているところが見たい…!」と期待している自分がいる。 1巻の最後では、まことの家庭環境が少しだけ明かされるんだけど、その凄惨さは予想を遥かに超えていて言葉を失う。もうこんなの見せられたら、続きを読まずにいられない…! 読めば性的倒錯(パラフィリア)の魅力にどっぷりはまれる作品です。 (画像は5話より。暴力、精神的圧力、人間関係への干渉。まことの異常性の一端が見えるシーン。ちなみにここは他人の家のトイレ)
たか
たか
2019/06/13
「オタクと姫」の新しい関係性にキュンとする!
📷
読み始める前はエロを意識したカラー絵を見て「作風が合わないかも…」と危惧していたけれど、全然そんなことなかった! かなり前のめり気味で「オタサーの姫になってチヤホヤされたい」女の子・大山さんが主人公。 「チヤホヤされるため、いかにも姫っぽいフリルの付いたブラウスにハイウェストのスカートを着て、サークルの中でも人数が少ない(=他に姫がいない)サークルに加入するが、人数が少なすぎて自分の他にはオタク男が1人しかいない」というあらすじ。 この唯一のサークルメンバーであるオタクの「タク」の性格がすごくいい…! 主人公の色仕掛けに微塵も動じず、ただ淡々と褒め続けるところは少女漫画のヒーローなみにクール。(むしろなんでそこまで女の子に慣れていてオタクなんだよというレベル) **本当は大きなサークルで姫として君臨したいのに、オタクくんの大変素晴らしいチヤホヤにほだされてしまう姫がすごく可愛い。** 超次元ラクロスアニメにハマった大山さんが、話について来れないイケメン(オタクの友達)よりオタクと盛り上がるシーンではニヤけてしまった。 この2人の毎日のサークル活動や、タクとイケメンの過去など、これは連載でもっと見たい…!
たか
たか
2019/06/12
早くお金を払わせてくれ!!SPY×FAMILYの良さ【まとめ】
📷
面白いと評判を聞くので読んでみたら、んも〜〜!!本当に最高じゃいないですか…!! https://shonenjumpplus.com/episode/10834108156648240735 **【あらすじ】** >百の顔を使い分ける西国(ウェスタリス)の諜報員〈黄昏〉は、東西の平和を脅かす東国の危険人物に近づき動向探るという新たな任務を負った。 >用心深いその人物が唯一姿を現す、息子が通う名門校の懇親会に出席するため、〈黄昏〉もまた任務で「結婚して子どもを名門校に通わせる」ことに―――   **【大好きポイント】** **その1「舞台設定」** 東ドイツっぽい。昔のヨーロッパの中〜上流階級の暮らしって感じがたまらない!   **その2「絵」** 格好いいスパイアクション、おしゃれな演出、ヨーロッパのへ憧れをかきたてる背景、カッコよくて可愛いキャラデザ。 はああ〜〜、完璧かよ!!!   **その3「キャラ」** 〈黄昏〉はバリバリ仕事してるときはちゃんとスパイらしい鉄面皮なのに、アーニャやヨルの前では怒ったり笑ったり、頬を染めちゃうギャップが最高。 ヨルさんは私生活では気弱でおっとりしているのに、仕事になると容赦がない。ギャップが最高。 アーニャはお勉強は苦手だけどが機転の効く幼女。舌っ足らずなのが最高にキュート。どうか「ちち」と「はは」とずっと幸せに暮らしてくれ…!!! **その3「スパイ」** マジで大声で言っちゃいますけど、漫画化・アニメ化された**柳広司の「ジョーカー・ゲーム」が好きな人は読んだほうがいいです!!!!!** 「強靭な肉体と優れた頭脳で任務をこなし、本当の自分を誰にも見せずに生きるスパイがもし家族を持ってしまったら」 ジョーカー・ゲームのエピソードの中で、最も続きが気になって身悶えた「暗号名ケルベロス」のIFを見ているかのようなストーリーに震えました。 この2作品は、たとえるならNINKU―忍空―に対するNARUTOのように、全く別の作品だけれど何か通じるものを感じます。   **【まとめ】** ジョーカー・ゲームからドシリアスを抜いて、格好いい諜報員の技術は受け継ぎ、舌っ足らずな超能力者の幼女と美人でおっとりした殺し屋の妻という素敵な女性陣を足して、主人公をちょっぴり感情豊かにし、遠藤達哉先生の素敵な絵で仕上げた漫画。それがSPY×FAMILY。 単行本の発売は7月4日とのこと。 **早くお金を払わせてくれ〜!!** (画像は1話より。本編を読んでからこのカラー絵を見ると、意味がわかって最初と全く違って見えるのがいい…!)
たか
たか
2019/06/10
痛々しいのに目が離せない
📷
読んでいてメチャクチャ辛いのにページを捲りつづけてしまった作品。面白い…! 辛い、と感じたのは、主人公・たくまの性格と振る舞い。 妹に対して身内の特有の無礼さでモノを言い、Twitterで毒を吐き、会社の人間がいかにくだらないかを愚痴る(暗に自分は違うと言いたい気持ちが透けて見えるところがまたムカつく)。 始まって3ページで「うわ、こういうやつ無理だわ…」と思わせる主人公はなかなかいない。 自意識過剰で自尊心が強い小物。 現代文で習った懐かしの「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」という言葉が頭に浮かんでくる男。それがたくま。 そんな小物・たくまの振る舞いは見ていて痛々しいのだけど、読者である私もまた小物の自覚があるので、いつの間にか主人公にガッツリ共感していた。 ここまでかなり悪しざまにたくまを語ったけれど、たくまはちょっぴり嫌なヤツなだけで、悪いやつではない。読み進めるに連れて、その人間臭さがとても愛しく感じられる。 「たくまがTwitterでずっと繋がってて時々やり取りするだけのフォロワーの『エス』が、じつは今をときめく人気俳優の『なるさや』だった」という設定だけ読むと、BLでありがちな突飛で薄っぺらい展開のように思うかも知れない。 しかし実際は、2人の感情の動きを非常に丁寧に、かつ最初にたくま視点で描かれた場面をエス視点でなぞり直すため、かなり生々しい物語となっている。 ひたすら2人の内面のゆらぎに焦点をあてた読み応え抜群の作品。エロもないので、ぜひ普段BLを読まない人にも手にとってほしいです。 (画像は3話より。たくまはこ〜〜いう、しょうもねぇところがあるんですよ。で、このあと自己嫌悪する。そこがいい…!)
たか
たか
2019/06/06
『凝縮された少女漫画』で最高のエンタメ!!
ブロッコリーのことを「凝縮された森」と呼んだ天才にならい、『この音とまれ!』のことは「凝縮された少女漫画」と呼びたい。この作品はジャンプSQ.で連載されていますが、コマ割りが少女漫画であるため勝手に少女漫画と呼ばせていただきます。 4月にアニメ化されるということで放送前に読んでみたのですが、まあ〜すごい作品でした。何がすごいって、**とにかく見所が多すぎる…!** **・主人公の過去が凄惨(不良に琴職人の祖父の家を焼かれる) ・琴の名家に生まれたヒロインのお家騒動がヤバイ ・顧問が実はめちゃくちゃすごい人 ・ライバル校のキャラがやたら濃い** 辛い過去、ハードな練習、美しい演奏描写、琴の知識、熱い友情、恋の予感と、とにかく注目すべき要素が多いんです。 **私が思う少女漫画の名作の条件の1つは、「ドラマチックな悲劇が起こりそれを愛・友情で乗り越えていく」こと。**『この音とまれ!』はその条件に当てはまる部分がすぎていて、**凝縮された少女漫画としかいいようがない。** まずそもそも**作者(とそのご家族)がお琴の経験者で、琴の演奏描写が非常に優れていて読み応えがある。**そこへさらに、先に挙げたようなヘビーな設定を次々持ってくるもんだから、ドラマが洪水のように襲ってきて読者は感情を付さぶられまくる。そして、思い出したようにヒロインといい感じの雰囲気になるシーンが挟まる。 んもう、最高にエンターテイメント…!! またテーマである**「琴」の演奏シーンの作画は常に大迫力**で、読み終わってソッコーで本物の演奏を比べてしまったほど。作中に登場した、アミュー先生の家族がこの作品のため書き下ろした楽曲はYouTubeで聴くことができます…! https://www.youtube.com/watch?v=Y_Db88Ef6FQ ちはやふるやナナマル サンバツなど、熱い文化部漫画が好きな人は間違いなくハマるので、ぜひ手にとってください!(※なおアニメはおすすめしません!)
たか
たか
2019/06/05
2018年ジャンプで一番おもしろかった読切!!
📷
今週からトーキョー忍スクワッドが始まったので去年のはちゃめちゃに面白かった読切を再読。 絵の巧さ・キャラクターの個性・演出・コマ割り・カメラワーク・ストーリー。 どれもずば抜けていて何度読んでも面白い完璧な読切…! なんでこっちで連載しなかったのか謎なくらいひたすら最高。 この読切を読むために250円払って2018年39号を購入しても後悔はないのでぜひポチってください。 https://jumpbookstore.com/item/SHSA_JP01WJ2018035D01_57.html 物語の舞台が、学校から恐ろしい黒猫が現れるトンネルへ移ると、作者の素晴らしい演出で緊張感がグッと高まる。その緊張感が、主人公の能力が明らかになって一気に解放されるのが爽快…! あの猫は一体なぜ七瀬を守ってたのか。 お姉さんは一体何者なのか。 景はなんで電話をするときわざわざ右手で左耳に当てるのか。 景になぜクソやべーやつが憑いているのか。 読切で明かされていない、余白の部分にワクワクして止まらない。 「怪奇ホラー路線が呪術廻戦と被っていなければ、連載に採用されていたんだろうなぁ」と思わずにいられないほどの完成度。 今回読み直してみて、改めて新作への期待が高まりました。 (画像はトンネルに入るシーン。ここで飛び出し坊やをアップにするのすごい好き。このあと急激に緊張が高まってバーン! と景の能力が明かされるのが最高…!) 【追記: 2020/09/02】 連載版の感想はこちら↓ https://manba.co.jp/topics/25125
たか
たか
2019/05/23
パラ選手たちの物語!!ドキュメンタリーをコミカライズ
📷
あらすじにもある通り、世界のトップで活躍するパラアスリートたちのドキュメンタリードラマをコミカライズした作品。2018年47号よりシリーズ連載としてヤンジャンで不定期に掲載され、今週の2019年25号には第5話が掲載されています。   「WHO I AM 〜これが自分だ!という輝き〜」 https://tonarinoyj.jp/episode/10834108156636902033   「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」 https://www.wowow.co.jp/sports/whoiam/   1〜3話は**ライリー・バット**の物語(ウィルチェアラグビー/オーストラリア)、4話からは**サフェト・アリバシッチ**(シッティングバレーボール/ボスニア・ヘルツェゴビナ)の物語。 平和なオーストラリアに先天的に障害を抱えて生まれたライリーと、紛争地域で後天的に障害を負ったサフェト。障害を取り巻く背景が全く異なる2人ですが、どちらもドラマチックで引き込まれました。 サフェト編ですごく印象に残ったのが、「紛争地域では障害者が増え続けている」こと、「障害者にはリハビリ(パラスポーツ)が必要」ということ。当たり前すぎることなのですが、自分はそのことを自覚していませんでした。 連載が何回まであるのか不明ですが、キービジュアルにはフェンシング選手とゴールボール選手も描かれているので、ぜひ彼らの物語も読んでみたいです…!