たか
たか
2018/11/02
宇宙を目指す熱くて切ない物語
 宇宙の漫画というだけでその面白さは約束されたようなものだが、ふたつのスピカは面白いを超えて最高です。  ちっちゃくて気が弱いけれどめちゃくちゃタフな主人公、主人公を見守るライオンの幽霊、閉鎖空間での厳しい入学試験、過酷な訓練、かけがえのない友人たち、夢の実現、そして別れ。友情・努力・勝利、そして汗と涙。まさに名作少年漫画の条件を揃えている。**若者たちが貧乏したり遊んだり、夢に向かって助け合いながら成長していくところは、まんが道に通じる青春の輝きがある。**  ロケットの運転手になりたい主人公・アスミは、ロケットの墜落事故でお母さんを亡くしている。ロケット開発者だったお父さんと2人ぐらしで、ちょっぴり意地悪な幼馴染・府中野くんとアスミにだけ見える幽霊のライオンさんだけが友達だった。そんな**海辺の田舎町に住む女の子の世界が、宇宙学校入学を機にどんどん広がり成長していく姿がたまらない。**    お調子者の圭ちゃん、クールビューティーの万里香、ミステリアスな秀才・秋。アスミと府中野も含めて宇宙学校の生徒達はそれぞれ問題を抱えている。そして宇宙に行くことを全ての人から祝福されているわけではない。**人の悪意に触れたとき、みんなが根性とひたむきさを持って真っ直ぐ問題と向き合う姿に心を動かされる。**  また、ふたつのスピカの魅力の1つがかわいらしい絵のタッチ。素朴な絵柄が作り出す温かな雰囲気が、人々の抱えるシリアスな過去を際立たせ、アスミのかわいらしさを引き出し、また事態がハッピーエンドを迎えたときの安心感をいっそう格別にしてくれる。  努力する人、夢を追いかける熱い話が好きな人が読むべき名作な。死ぬ前にぜひ一度読んでください。
たか
たか
2018/11/02
ジャンプに現れた平成最後の怪物
 心を揺さぶる面白い漫画には必ず「その世界の空気」が満ちています。呪術廻戦もまたら日常に当然のように呪いが潜んでいる不気味な空気がビンビンに満ちています。  また登場人物たちのキャラ立ちの良さもこの漫画の素晴らしい特徴で、キャラクターの発するセリフがいちいち印象的でかっこよく、どこかで見たことのあるありきたりなキャラは1人もいない。 「どんな女がタイプだ(中略)早く答えろ男でもいいぞ」 「寝不足か? 毛穴開いてんぞ」(※メインヒロインのセリフ)  「独特の雰囲気」と「キャラ立ち」の良さという点で、呪術廻戦はジョジョやHUNTER×HUNTERを彷彿とさせる。  ちなみに自分が読んでいて「あ、この漫画絶対おもしろくなるわ」と確信したポイントが、2話にある実在する仙台銘菓・喜久福の登場シーン。1話冒頭から続くシリアスムードが一転し、唐突に挿入される喜久福の紹介コマがメチャクチャおもしろい…!  実際、喜久福は地元民からしても萩の月より美味い(※個人の感想です)ので、「お、この作者ちゃんとわかってんな」と感心し、さらには現実の商品を登場させることで、「ああ、この作品は現実と同じリアルな世界なんだ」と自然に理解することができる素晴らしいシーンとなっています。  ...とまあいろいろ語りましたが、2018年12月4日に本編より面白い(※個人感想です)前日譚の「東京都立呪術高等専門学校」が発売されるのでこっちもぜひ買ってください!!!!(ダイレクトマーケティング)