たか
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2018/11/28
ネタバレ
主人公が漏らすマンガは名作
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 弱虫系スポーツ主人公は枚挙にいとまがないけれど、この主人公は一味違う。弱虫系どころかお漏らし系なのである。第1話開始直後に白目を剥きながら漏らしている。単行本発売を機にカウントしてみたら1巻で2回漏らしている(なお加えて未遂が1回ある)。  ただ、柚樹はよくいるただのビビリではない。恐怖により追い詰められることで集中力を発揮し、分析により活路を見出す力を持っているのだ。しかもその集中力・分析力に加え、「できるようになるまでやる(怖いから)」という根性まで最初から備わっていて、そんじょそこらの弱虫系と一線を画している。  ただ実際には漏らしたページ数よりも、泣いてるページ数の方が圧倒的に多くて、本編228ページ中13ページで泣いており涙目率は5.7%だった。なおダムアス(※)が絡んだあとの泣いてる率は100%(白目)  またネガティブな表情が多いため、高校で出会った「美しいサッカー」に純粋にワクワクしている笑顔がいっそう印象に残る。なお、笑顔にさせているのは高校の部長さんである。  1巻の最後で、「ダムアスと部長」という、全く異なる導き手を前にして混乱し壁にぶつかった主人公が、部長の理想に共感して決意するところは最高に熱い。今後柚樹がどんなふうに成長していくのか、お漏らしは治るのか楽しみ。
たか
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2018/11/26
ニヤニヤ不可避! 最高に尊い「おっさん×幼女」
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悪魔ちゃんがかわいすぎて頬が緩むのを止められないので、電車とかで読むのマジで気をつけて。一人でいるときに好きなだけ悶絶しながら読むのがオススメ。「おっさん×幼女」と「人間×悪魔」という属性が絡み合う、萌えの相乗効果がやばい…! 読んでると「あびゃーっ🙈悪魔ちゃんかわいい!!!!」と、「うひゃーー!! 退魔師さんイケメン🙈」が交互に襲ってきて、もうどっちに興奮しているのかわからない。わからねーが、とにかく2人とも最高ってことはわかる。 2人の関係性は表紙の通りで、「愛情を注ぐ退魔師」と「それに戸惑う悪魔ちゃん」という構図がたまらく愛しい。作者は「色気のあるカッコいいおっさんとかわいい幼女」を描くために生まれてきた天才としか言いようがない。 ちなみに悪魔ちゃんですが、ニコニコ静画の読者から「きれいなメムメム(※悪魔のメムメムちゃん)」と呼ばれてて笑いました。 【無料掲載】ComicWalker https://comic-walker.com/jp/contents/detail/KDCW_AM05200296010000_68/ 【無料掲載】ニコニコ静画 (マンガ) http://seiga.nicovideo.jp/comic/33766 (画像は『退魔師と悪魔ちゃん』トナミショウ第1話より。)
たか
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2018/11/12
ネタバレ
笑えないのに笑える、子育ての悩み全部載せ!!
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 「魔王が復活しました。退治しにいきますか?▼」  「しかし、保育所が空いていない!」  表紙のこのセリフが、作品のメインテーマ「母親の子育て問題」をシンプルに象徴していてすごく好き。  全体を通して、かつての伝説のパーティー5人の内すでに3人が既婚者となっていて、独身男性(神官)と既婚女性(シーフ)の間で考え方が大きく違うところがうまく描かれて見事。あとちょいちょい挟まる既婚女性陣(主人公の魔法使いとシーフ)の働くお母さんギャグがいい。  主人公の夫は「典型的な家事・育児に関心のない父親」で読んでる間は「何だこいつムキーーーッ!!」となるが、子育て問題をわかりやすく浮き彫りにする役目を果たし、最後の最後には父親として成長してカタルシスをくれたので許す。  また子育て問題に関して「クソみたいに使えない人間の王様と、神のようにありがたい魔王」が登場することで、正義と悪に単純に割り切れなくしたところが素晴らしいと思う。  「物語の中で作品タイトルを回収する漫画は名作」などとよく言われるが、この作品も最高に痺れるタイトル回収があるので、ぜひ読んで体感してください!
たか
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2018/11/09
ネタバレ
心動かされる最後の「選択」
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 3巻とも表紙のロゴの色が異なるのが、まるでトキの心理の変化のように感じられた。トキの性別が定まらなかった1巻と2巻は中性色の緑と紫で、トキが自分の性別を選択した3巻は、寒色の青ーートイレのアイコンなどで男性を意味する色ーーなのが面白い。  性別が未定の友人が出てくる作品といえば、あまりにも有名な「11人いる!」が挙げられる。その中でフロルは状況に応じていつも性別の選択を言い切り、最後はタダと恋人としての関係を築いた。  一方でトキはずっと性別に迷い選べずにいたが、「ミツハルへの憧れ」という、トキらしい理由で友人を選択する。  両作品とも美麗な画風のSFという共通点があるが、**選択のトキには「SFと友情が今の時代を舞台に描かれている」という確固とした良さがある。** >「友達って夫婦とか恋人と違って証明する紙も 指輪も言葉も体も何ひとつなくたって 友達なんだよ」  最終巻のこのトキのセリフに、**自分が無意識に感じていた恋人でも家族でもない「友達」という存在の特別さをズバリ文章にして言い表され、ただただ感動した。**  3巻という短い巻数の中で、SFと友情がギュッと詰まった読み応えのある作品です…! https://shonenjumpplus.com/episode/13932016480029149767
たか
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2018/11/08
ネタバレ
ヤンキーDKがママ...? ママーッ!!
 不良男子高校生が手料理で胃袋を掴むことで頂き(てっぺん)を目指す物語。この「料理×ヤンキー」という異色の組み合わせがそもそもスゴい…! 主人公・ケニーは喧嘩で手も足も出なかった玉森高校の頭・メリケンに、自分の手作り弁当を食われてしまうが、その見事な味で「ガツンと一発」喰らわせることに成功する。さらに幼馴染のチャボとグッさんに再会し、2人にお手製のおにぎりを分け与えたことがきっかけで**「1年B組のママに俺はなーる!!」**と決意する。 もうこのインパクトしかない迷言を見た時点でこの作品にハマりました😂 https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/book/regular_thumbnail/12461/1aa301af-07bc-4a16-b3c6-969b119b7d16.jpg  しかし不良漫画ならではの胸が熱くなる友情・喧嘩シーンと、よだれが出そうな手料理が交互にやってくるので、もはやヤンキー漫画と料理漫画が渾然一体となっていることに疑問を抱かなくなる。**そして気がついたときには、自分もまたケニーママの家族の一員となっている。マ、ママーッ! 今日のお弁当なにーっ!?**  不良漫画らしいリアル寄りで美麗な絵柄と、特徴的でファッショナブルな不良たち、迫力ある喧嘩シーン、美味しそうな料理の数々。読んでいて新しい感覚をもたらす「料理×ヤンキー」のコラボをぜひ楽しんでください!!
たか
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2018/11/07
別に面白いとかおもってねーし!!
別にこの漫画面白いとか思ってねーし。心の中でキメェとか思いつつ子ども向けアニメを見て、すっかりハマってしまう気持ちがわかっ...るわけねーだろ!! ズブズブ女児アニメにハマっていく強面の不良高校生とかマジだせぇし。その不良DKを支えようと頑張る爽やか男性新米教師(オタク)との絡みに萌えたりしねーし。作中に出てくるモブの細やかな裏設定とか全然面白くねぇし。しかもそのモブもGL・BL・ほのぼの家族をカバーしていて、「作者は一体何者なんだ...!?」って感心したりしてねーからな!! アニメを見たあと2ページにわたって、学校にいながら頭の中でずっとそのアニメについて難癖つけてる大石がまじウケるぜ。こいつもうすでにハマってやがる...!  ...とまあ、このような感じで、読後は大石くんの10代らしい素直になれないツンツンしたノリが移ってしまいます。大石くんかわいいよ、大石くん。ちなみに作中ではたびたびコメディ漫画らしからぬ描き文字が登場したり、爽やか教師・うっちーの表情が邪悪になったり猥褻になったりと、本筋に関係ない見どころも多いです。  大石くんとアニメの付き合い方、先生や友達とのふれあいを見てると心がほかほかしてくるので、ぜひ笑って癒やされたいときに読んでください。
たか
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2018/11/05
理想の大学生活がここにある
 アカデミックでとってもお洒落な恋愛漫画。ヒャーッ、たまらん大好き…!!  まずそもそも表紙が良すぎる。図鑑の挿絵を彷彿とさせる、落ち着いた色合いでシンプルなデザイン。超いい... 超洒落てる…!  イギリスからの帰国子女で一言で言うと変なやつのアヤメくんと、青森出身で真面目なギャルの椿ちゃん。もうこの2人の組み合わせだけで最高なのに、みんなお勉強のできる子たちで、恋愛以外ではいっつもワニ洗ったりキリン解体したり化石掘ったりしてるのが面白い。  主人公の椿ちゃんが勉強のためにNYやイギリスなどたくさん海外に行くところも、一緒に世界を旅行している気持ちになれてトキメキます。モンゴルとかテンション上がる…!  みんなでワイワイ化石掘っていたかと思えば、アヤメくんと椿ちゃんの本気の恋愛パートもあって、そしてシンプルな線なんだけど凄まじい色気があるところがたまりません(さすがフィーヤン)。  研究一本で根暗な青春でもなく、恋愛一色で頭カラッポな青春でもない。**「勉強にも打ち込むし、オシャレもするし恋愛もする」**という、まさに『理想の大学生活』を描いた作品。この勉学と恋愛のバランスを取る感覚がなんとなく海外ドラマっぽくてよけいに格好よく感じます。  アヤメくんと椿ちゃんが、どんなエンディングを迎えるのか。終わりは来てほしくないけれど、最後まで楽しみに見守りたいと思います。 http://feelyoung.jp/box/machimai.php
たか
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2018/11/05
一人の男の成長〜あらゆる格闘技を添えて〜
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 読んだ途端に「戦いてぇ...! 巻藁(まきわら)突きてぇ...!」と、男性ホルモンとアドレナリンの分泌が止まらなくなる漫画。残念ながら巻藁は用意できないので、iTunesでEye of the Tigerをポチって外を走りました、押忍!  物語は体操でオリンピックを目指していたカワイイ顔の主人公・小日向(とヒロイン) が先輩たちに襲われていたところを、楽しそうに人を殴るヤベー男に助けられるところから始まります。助けてもらったあとに、小日向もなぜかそいつに顔面を殴られます(すでに1話から展開がヤバくて最高)。 見た目も中身も爽やかな小日向が、さまざまな格闘技とその個性的な使い手に出会い、血と汗と涙を流しながら本物の空手家となっていく熱い漫画です。  この漫画の何がすごいって、敵も味方もみんな強烈な個性を持っているのに、読んでいて現実の人間のように自然と受け入れられるところがすごい。アメリカ人(青森弁)、男好きブラジリアン柔術使い(♂)、そして忍者。現代が舞台で忍者を扱いきれるというだけで、この漫画のすごさがわかるってものです。  また空手がメインでありながら、薙刀、剣道、柔道、テコンドー、ムエタイ、ボクシングと、あらゆる格闘技が出てくるところもたまりません。小日向の通う大学には100以上の武道・格闘技の部活で作る「百部会」なる超かっこいい組織が存在し、物語の序盤を盛り上げてくれます。  格闘技に全く興味がなくても、登場人物たちの血と汗と涙(文字通り)の努力を目の当たりにし、気づくと夢中で50巻読み切ってしまうメチャクチャ熱い作品です。何かに燃える気持ちを取り戻したいとき、ダイエットのモチベーションを高めたいとき、男性ホルモンが急に必要になとき、ぜひ読んでください! 押忍、失礼します! 〜以下、この漫画の好きなところ〜 ・出てくる女の子がみんな違ったタイプでみんなかわいい ・2000年代前半の懐かしい社会描写(ex.携帯電話) ・主人公に立ちはだかる最強の先輩たちと過去の因縁 ・雑魚ポジションから一人前に成長する同級生 ・巻藁(まきわら)を素手で1000回突く超熱い修行 ・ハチャメチャな大学生活 ・きれいな顔の爽やか主人公が容赦なくボコボコにされる ・最初から絵が上手いのに、後半でもっと洗練される
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2018/11/05
1920年代、世界を股にかける「小さな奥様」の物語
 はあぁ〜〜ッッ!! うっ! ハァン...何もかも素敵すぎる。物語は新婚の大正乙女が、夫と一緒にトルコからオリエント急行でパリに向かうところから始まります。正確に言うと、駅に向かうフェリーに乗るところから始まるのですが、主人公の万里子は市場から逃げた羊をフェリーに向かって馬で追い立てながらやってきます。な…何を言っているのかわからねーと思うが、読めばわかります。やだこの子超かっこい...!!  ネタバレを避けると熱く語りたい部分が何ひとつ言えないのですが、ネタバレにならない素敵な部分を列挙すると ・1920年代(大正時代)のヨーロッパが舞台 ・客室や異国の街並みの精緻で美しい背景 ・オリエント急行で起こる事件 ・勇気と能力のある自立した主人公 ・インドから来た明らかに裕福で高い教育を受けた青年 ・多国籍な友人たち ・世界を股にかける壮大な物語 ...とまあ、こんな感じです。  大正時代の日本が舞台の少女漫画でも、1920年代のヨーロッパが舞台の少女漫画でもない、「大正乙女が印欧で活躍する少女漫画」というかなり珍しいこの作品。2人の関係が歴史と絡めて深く掘り下げており、恋愛漫画としても歴史(時代)漫画としても非常に読み応えがあります! 全11巻という手頃な巻数で、濃密なヒストリック・ラブロマンスをお楽しみいただけますので、ぜひ買ってください(ダイレクトマーケティング)
たか
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2018/11/02
ネタバレ
元フィギュア選手が異種畑を駆け上がる…!
 ある分野で努力してきた人が、違う世界で活躍する話ってみんな好きですよね。わたしも大好きです。  主人公の朗(ろう)は、15歳にして世界を目指していた東京のフィギュアスケーターで、北海道の凍った湖で有名ホッケー兄弟をスケーティングで圧倒するところから物語は始まります。もうすでにこれだけでおもしろいのに、出てくるキャラクターがみんな濃い…! https://shonenjumpplus.com/episode/13932016480028833016  色黒で爽やかな紅露キャプテン、幸運の分だけ不幸を連れてくるアズミン、ほほえみデブ・水嶋、鬼監督・二瓶、センター分けの不気味な猫。個性の強いキャラたちが、野田先生独特のギャグ&パロディを繰り広げるんだからそりゃおもしろいに決まってる…!  試合・体育館・道具の作画がとてもリアルで、運動部ならではのキツイ・苦しい・理不尽な練習と上下関係の描写も素晴らしくて、気づいたら選手たちを心から応援してました。  個人的には1巻を読み始めて、3ページ2コマ目の時点で「はい、もうこの作品好き!!」と確定しました。ここのコマの姿勢だけで「ああこの子、今からアクセル跳ぶな」とわかるからです(スケオタ並の感想) フィギュアスケートの大会でアクセルを跳ぶ朗。 見開きで宙に浮き、次のページで着地した瞬間、彼がいたのは試合中のホッケーリンクでーーー  …っていう始まり方、最高。 「1人で美しく戦うフィギュアスケーターから、チームで荒々しく戦うホッケープレイヤーになる」という、物語のあらすじを端的に表現する見事なシーンが、1巻の冒頭5ページに収まっているんですよ。はい、もう読みたくなった!!(※上のリンクから読んでください)    そして何よりスピナマラダ!の最高なところは、フィギュアスケーターとしてプレイしてきた朗が真に、心からアイスホッケー選手に変わる瞬間が最終巻で描かれているところです。ここホント最高なので死ぬ前に必ず読んでください。全6巻なんで。  「え...6巻しかないとか終わるの早すぎ」って思うでしょ? わたしもそう思います。「でもこっちが終わったからゴールデンカムイっていうめっちゃおもしろい漫画が始まったんだよな...」というジレンマを、野田サトル先生ファンみんなが抱えています(※諸説あり)  ちなみにスピナマラダ!の中には、次作ゴールデンカムイでも登場するキャラクターや、有名なフィギュアスケーターネタ(ランビエールさんの赤猫、羽生選手の衣装)など、知ってる人だけが気づくイースターエッグ的要素もありニヤリとできますので各方面のファンにおすすめです!