ネタバレ

 弱虫系スポーツ主人公は枚挙にいとまがないけれど、この主人公は一味違う。弱虫系どころかお漏らし系なのである。第1話開始直後に白目を剥きながら漏らしている。単行本発売を機にカウントしてみたら1巻で2回漏らしている(なお加えて未遂が1回ある)。

 ただ、柚樹はよくいるただのビビリではない。恐怖により追い詰められることで集中力を発揮し、分析により活路を見出す力を持っているのだ。しかもその集中力・分析力に加え、「できるようになるまでやる(怖いから)」という根性まで最初から備わっていて、そんじょそこらの弱虫系と一線を画している。

 ただ実際には漏らしたページ数よりも、泣いてるページ数の方が圧倒的に多くて、本編228ページ中13ページで泣いており涙目率は5.7%だった。なおダムアス(※)が絡んだあとの泣いてる率は100%(白目)

 またネガティブな表情が多いため、高校で出会った「美しいサッカー」に純粋にワクワクしている笑顔がいっそう印象に残る。なお、笑顔にさせているのは高校の部長さんである。

 1巻の最後で、「ダムアスと部長」という、全く異なる導き手を前にして混乱し壁にぶつかった主人公が、部長の理想に共感して決意するところは最高に熱い。今後柚樹がどんなふうに成長していくのか、お漏らしは治るのか楽しみ。

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