5.0
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物語は漢方医の松庵が、雪の日に見つけた死にかけのゴロツキを「雪さん」と呼び面倒を見るところから始まる。
1巻だけ読んだときはピンとこなかったものが、3巻通して読むと本当に素晴らしかった…!
2人の生い立ち、雪と兄貴の関係、すれ違い、捨て子との出会いと別れ。そして老後。
2人の心の繋がりが強くなっていく様がじっくり描かれているのはもちろんのこと、物語が進むにつれ弟弟子、父親、陰間時代の友など、過去に2人に関わった人物たちが登場し、2人がどんな人生を歩んできたかが立体的になるのが見事。
色気のある線と、版画のような白黒の対比がとにかく美しい。
江戸末期から明治にかけての時代描写も素晴らしいので、BLとしてでなく1つの歴史人情ドラマとして読んでみても楽しめると思います。
(画像は1巻1話より)