イケメンということが思い出せない顔芸。緊縛パッション 永井三郎華子スメルズライクグリーンスピリットは、思春期の少年達が自分の性に向き合うという繊細なお話でしたが、こちらは完全にギャグ漫画です。 緊縛された男を描く絵師になるという、夢を持った美大生武蔵が、友人のマリオ(キノコ)の勧めで、市役所勤めのDTシチサン(あだ名)をモデルに緊縛絵を描き始める。というお話です。 しょっぱな、武蔵がデッサンの授業でラオコーンの緊縛絵を描くところからテンションが高い本作ですが、このテンションの高さは最後まで途切れません。 元々作者は繊細な線画を描くのですが、その崩しっぷりが尋常じゃなく、登場人物の顔芸が凄い。 あらすじには、イケメンの美大生武蔵と記載ありましたが、武蔵がイケメンである描写の方が少なく、常時狂気に満ちておりとにかく怖いのです。 たまーに、ほんとにたまーにイケメンになります。 ただ友人のマリオの見た目のインパクトが強すぎて、武蔵がどんなイケメンなのかを忘れました。 ちなみにマリオはキノコカットでオネエ言葉で、いつも微妙な丈のシャツを着ているヘソ出しですが、ヴァ◯ナマニアのヘテロセクシャルです。 お色気シーンは殆どありませんので、苦手な方でも読めるかも知れません。 とにかく爆笑必至です。 この本に関係ないですが、スメルズライクグリーンスピリットの登場人物の柳田先生を主人公にした後日談、深譚回廊はシリアスなお話なのですが、そちらも面白かったので読んで下さい。いい時代になりました!おまかせ健さん 樹原ちさと華子あまりの懐かしさに思わずレビューいたします。 小学生の頃、古本屋さんで手に入れたのですが、当然、連載はとっくの昔に終わっており、周囲の同級生は知るわけもないこの漫画、妹と二人で勝手に略して「おまけん」と呼ぶほどブームになりました。 楽しいし可愛いし、涙が溢れる人情に溢れる幸せなお話です。 気持ちがくさくさしているこんなご時世ですので、癒されるには絵柄も物語も最適という気がします! 昔の少女漫画は最高ですね! まさかこれをまた読めるとは思いもよりませんでした。 いや、ほんといい時代になりました。主役でもないのに、いちいちかっこ良すぎる天草銀。ウダウダやってるヒマはねェ! 米原秀幸華子ヤンキーマンガと言えば同じチャンピオンで連載されていた、クローズが若手俳優総出演で人気をはくしましたが、ワタシはこちら派でした。 箕輪道伝説が好きだったので、一巻が発売されていると知ったその日に近所の本屋へ走って予約に行った程です。 受け付けたのが凄いおばあちゃんだったので、タイトルを聞き取って貰えず、五回ぐらいレジで復唱した遠い記憶。 二回目くらいから、半笑いでした。 ヤンキーバディと言えばトオルとヒロシが定番ですが、こちらはナオミとアキ。 名前がオシャレ(?)。 かたや硬派で案外真面目なナオミと、ちゃらちゃら軟派だけど、本当は真面目なアキのコンビがヤンキー相手に全国喧嘩行脚(?) というかヤンキーなのか?最後は巨悪と闘うヒーローへとなって行きます。 喧嘩強すぎて。 ちょっと暑苦しい部分はご愛敬。 一番お気に入りだったのはアマギンです。 古いベンツのカブリオレに乗ってるし、ハーレーに乗ってるし、グリーングリーングラスオブホームがテーマソングなところも十九ごときで渋すぎる。 作者が一番思い入れのある登場人物なのかも知れませんね。 最終巻の最後のページは感涙しました。 とにかくスカっとする。先輩は女子校生♂️ 新井煮干し子華子今年、ダブルで文化庁メディア芸術祭にて「マンガ部漫画部門優秀賞」を受賞したい野田彩子さんが別名義で描いた漫画です。 そもそもから割と独特な世界観と絵柄の作者ですので、BLについても独特も良いところです。 世の中には沢山のBL漫画がありますし、読んだ事ないだけであるんでしょうけど、登場人物が貧困に喘ぐフリーターと、こちらもいい加減に生きている女子高生限定でハメどりアダルトビデオを撮影しては売っているというロクでもない三十代のお話です。 先輩が徐々に女性化していく謎はあるのですが、年下の主人公がフリーターで貧困でありながら、いい加減でだらしない先輩を、どうにか食わせてやらなければと思う健気な気持ちや、将来への不安がめちゃくちゃみにつまされました。 後半三分の一くらいはもう、なんかその気持ちわかる。。。。という具合に、ついつい共感してしまったワタシは今、転職活動中の無職です。 笑えない。 ただ、最後はびっくりな凄い終わり方でスカっとします。蛇龍どくろ史上最高傑作エンドレスワールド 新装版 蛇龍どくろ華子トシミツという人間に振り回され、傷つけられた二人の人間が、その死によって、抱えた思いをぶつける先を失くし置き去りにされてしまう様がリアルです。 主人公の二人が知らないトシミツの死を、見届けた事で、読んでいるだけのこちらもイツキと龍のように、トシミツに置き去りにされてしまいました。 大変印象深いシーンです。 かっこよくてタワマンに住んでて、どっかの会社の社長で運転手付きの高級車に乗る完璧な男は出て来ませんし、可愛くてキュンキュンするようなやり取りも一切ありません。 好き嫌いは分かれるかも知れませんし、多少の矛盾や突っ込みどころがある、荒削りな作品ではありますが、BLという枠を超えて読んでいただきたい漫画だと、その様に思います。 個人的には、新装に当たって追加で描かれた60ページの書き下ろしは、必要なかったかな?と思いましたが、その辺りは好みの問題かも?華子1年以上前やっぱり掲載誌の差と、絵柄ですかねー? アニメ化とか無くって残念でした。 小学生の頃から米原秀幸ファンで、ワタシはフルアヘッドココを読んでおりました! 読んでる人が周りに居なかったので、レビュー見つけて嬉しかったです!フルアヘッド!ココ海賊達の冒険活劇!…どこかで聞いたような?5わかるカツアゲでカッチーのセンス夜明けのブルース 羽生山へび子華子男に振られてカツアゲで気分を紛らわそうとする主人公、名前はあるんですが、もうほぼ最初から最後までカツアゲしてきたからつけられた「カッチー」というあだ名で呼ばれ続けます。 カツアゲのカッチー。 場末のうらびれたバーのマスターとカッチーの恋の行方を描いておりますが、相変わらずの爆笑センスで笑わせてくれます。 そして切なくすれ違うヤンキーと三十をとうに回った案外おっさんのマスターとの恋心。 カッチーの年上のマスターに対する、守ってやりたい、でも年下だし……みたいな健気さに胸を打たれます。表紙は漫画のイメージと若干違う俺はニーチャ 三田六十華子表紙がもう、なんていうか入ってる感じで、エロ漫画っぽいですが実際はちょっと違います。 母子家庭で下の兄弟の面倒を、一生懸命に見ているお兄ちゃんのお話です。 表紙の男の子。 希という名前がありながら、お兄ちゃんとしか呼ばれない男の子が、自分でいたいのに、自分でいられないジレンマを抱えながら、風俗店の店長と関わることで自分でいてもいい。と思えるようになる、心底心温まるお話です。 誰でもありますもんね、自分は自分だって認めて貰いたい気持ち。 店長は結構ゲスいですが、めちゃくちゃいい人で、もはやワタシが付き合いたいくらいでした。 希くんは純粋で純真ですので、表紙の様なシーンはありません。 いや、最初と最後にちょろっとありますが、希くんの初々しさがとてつもなく可愛らしいのです。 作家の三田六十さんが新連載を始めたのを知り、面白そうだったので、何が読んでみようと思い、最初の作品(?)を買ってみました。ヤクザモノは読まんのです囀る鳥は羽ばたかない ヨネダコウ華子誰も知らない人などいない。 そんなBL漫画のレビューなど、今更要るのか?と、自分でもそう思うのですが、いいえ、書かせて下さい。 最近、読んだんです。 映画化かー、そんな面白いんだったら、読んでみよっかな。って。 そもそもヤクザモノは読まない。という自身の中の決まりによって、ヤクザモノにリミットをかけておったのですが、この作品をついこないだ読んで、読んだ翌日に、慌てて映画まで見に行きました。 もはや虜。 今更、虜です。 あら筋は、あらすじを読んで下さい。 矢代が変態と書かれておりますが、個人的にはあの漫画の登場人物で一番の変態は百目鬼じゃないかと思っております。 ゲイでもないのに、矢代が綺麗だと!? しかも、させ放題。 矢代よりヤバいのは百目鬼じゃないか。 などと思いながら読んでましたが、この漫画、素晴らしいのは、二人の心情も去る事ながら、その背景を彩る男達の物語なわけです。 ただ好きだ嫌いだと言い合う、恋愛漫画でないところ。 ここが味噌。 さらっと舐める程度で終わりません。 二人の葛藤の裏には、男達の生き様が描かれているのです。 どうでも良いですが、ワタシは三角ファン。 まだ読んでないという、ワタシの様な人には絶対読んで頂きたいと、そのように思います。絵で読む雪と松 高橋秀武華子コマ割りが独特、吹き出しが独特、絵柄も大凡BL作品とは思えない劇画チックさで、読む人を選ぶ作家なのかな?と思いますが、ワタシ個人的には大好きです。 1ページ四コマ、台詞は少な目ですが、一コマ一コマが一枚の絵として成り立っており、絵を読む漫画では無いかと思います。 BL漫画といえば、性描写が近年露骨になっており、もはやポルノじゃないのか?と思えるモノが多いのですが、高橋秀武の描写の素晴らしい事。 漫画なのに比喩(波)で表現されたそれを初めて見たときは、はっとさせられました。 またギリシャ彫刻かよ、とみまごう描写により、ポルノ的なエロさを感じないのです。 あえていうなら、芸術的エロス。 恐らく、ご本人もそのあたりを目論んで描いているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?(知りませんね…) ラストシーンはものすごく良かったです。 時代に流されぬ、二人の深い愛を感じました。 天才か。タイトルがかなりエモいあなたを殺す旅 浅井西華子タイトルだけ見て買った漫画はこれ一冊だけじゃないかと思います。 あなたを殺す旅 もうこの時点で心にグサっと来ませんか? タイトルまんまで、ただの構成員が若頭を殺す為に、車で旅をするロードムービー的な漫画です。 いくらなんでも、いきなりそりゃねぇだろ。 みたいな部分があるのは否めませんが、その辺をすっとばしても、終盤に近づくにつれ、この旅が終わらないでほしい。と願わずにはおれませんでした。 青春時代を追体験できる。同級生シリーズ 中村明日美子華子BLファンなら読んだことないんじゃないの?というレベルの認知度で、今更レビュー?という気もしますが。。。 絵柄の美しさもありますが、中村明日美子さんのすごいところは、漫画でありながら「行間を読ませる」ところです。 コマの余白にまで、物語を感じる事ができる漫画を描かれます。 演出が本当に上手いです。 同級生シリーズは、これ以外に三冊スピンオフ作品が出てますが、本編のこちらは現在もOPERAで連載中になります。 残念ながら次号で最終回との事で、まだ終わってもないのに、終わると知って泣きました。 いよいよか、と。 草壁と利人の二人が色んな困難を乗り越えながら、愛を育んでいく物語です。 簡潔に言いますと。 ただ、この二人の困難は大袈裟なものじゃありません。普通に生きていたら、誰にでもある、ちょっとした引っかかりだったりするのです。 そういった日常の延長線上に描かれる物語ですので、まるで自分の身近で起こった事のように、感じられます。 誰もが通る道だからこそ難しい、そんな青春時代を美しく再現しています。 未読であれば、男女問わず読んで頂きたい、そんな漫画でございます。 1 2 Next › Last » もっとみる
イケメンということが思い出せない顔芸。緊縛パッション 永井三郎華子スメルズライクグリーンスピリットは、思春期の少年達が自分の性に向き合うという繊細なお話でしたが、こちらは完全にギャグ漫画です。 緊縛された男を描く絵師になるという、夢を持った美大生武蔵が、友人のマリオ(キノコ)の勧めで、市役所勤めのDTシチサン(あだ名)をモデルに緊縛絵を描き始める。というお話です。 しょっぱな、武蔵がデッサンの授業でラオコーンの緊縛絵を描くところからテンションが高い本作ですが、このテンションの高さは最後まで途切れません。 元々作者は繊細な線画を描くのですが、その崩しっぷりが尋常じゃなく、登場人物の顔芸が凄い。 あらすじには、イケメンの美大生武蔵と記載ありましたが、武蔵がイケメンである描写の方が少なく、常時狂気に満ちておりとにかく怖いのです。 たまーに、ほんとにたまーにイケメンになります。 ただ友人のマリオの見た目のインパクトが強すぎて、武蔵がどんなイケメンなのかを忘れました。 ちなみにマリオはキノコカットでオネエ言葉で、いつも微妙な丈のシャツを着ているヘソ出しですが、ヴァ◯ナマニアのヘテロセクシャルです。 お色気シーンは殆どありませんので、苦手な方でも読めるかも知れません。 とにかく爆笑必至です。 この本に関係ないですが、スメルズライクグリーンスピリットの登場人物の柳田先生を主人公にした後日談、深譚回廊はシリアスなお話なのですが、そちらも面白かったので読んで下さい。いい時代になりました!おまかせ健さん 樹原ちさと華子あまりの懐かしさに思わずレビューいたします。 小学生の頃、古本屋さんで手に入れたのですが、当然、連載はとっくの昔に終わっており、周囲の同級生は知るわけもないこの漫画、妹と二人で勝手に略して「おまけん」と呼ぶほどブームになりました。 楽しいし可愛いし、涙が溢れる人情に溢れる幸せなお話です。 気持ちがくさくさしているこんなご時世ですので、癒されるには絵柄も物語も最適という気がします! 昔の少女漫画は最高ですね! まさかこれをまた読めるとは思いもよりませんでした。 いや、ほんといい時代になりました。主役でもないのに、いちいちかっこ良すぎる天草銀。ウダウダやってるヒマはねェ! 米原秀幸華子ヤンキーマンガと言えば同じチャンピオンで連載されていた、クローズが若手俳優総出演で人気をはくしましたが、ワタシはこちら派でした。 箕輪道伝説が好きだったので、一巻が発売されていると知ったその日に近所の本屋へ走って予約に行った程です。 受け付けたのが凄いおばあちゃんだったので、タイトルを聞き取って貰えず、五回ぐらいレジで復唱した遠い記憶。 二回目くらいから、半笑いでした。 ヤンキーバディと言えばトオルとヒロシが定番ですが、こちらはナオミとアキ。 名前がオシャレ(?)。 かたや硬派で案外真面目なナオミと、ちゃらちゃら軟派だけど、本当は真面目なアキのコンビがヤンキー相手に全国喧嘩行脚(?) というかヤンキーなのか?最後は巨悪と闘うヒーローへとなって行きます。 喧嘩強すぎて。 ちょっと暑苦しい部分はご愛敬。 一番お気に入りだったのはアマギンです。 古いベンツのカブリオレに乗ってるし、ハーレーに乗ってるし、グリーングリーングラスオブホームがテーマソングなところも十九ごときで渋すぎる。 作者が一番思い入れのある登場人物なのかも知れませんね。 最終巻の最後のページは感涙しました。 とにかくスカっとする。先輩は女子校生♂️ 新井煮干し子華子今年、ダブルで文化庁メディア芸術祭にて「マンガ部漫画部門優秀賞」を受賞したい野田彩子さんが別名義で描いた漫画です。 そもそもから割と独特な世界観と絵柄の作者ですので、BLについても独特も良いところです。 世の中には沢山のBL漫画がありますし、読んだ事ないだけであるんでしょうけど、登場人物が貧困に喘ぐフリーターと、こちらもいい加減に生きている女子高生限定でハメどりアダルトビデオを撮影しては売っているというロクでもない三十代のお話です。 先輩が徐々に女性化していく謎はあるのですが、年下の主人公がフリーターで貧困でありながら、いい加減でだらしない先輩を、どうにか食わせてやらなければと思う健気な気持ちや、将来への不安がめちゃくちゃみにつまされました。 後半三分の一くらいはもう、なんかその気持ちわかる。。。。という具合に、ついつい共感してしまったワタシは今、転職活動中の無職です。 笑えない。 ただ、最後はびっくりな凄い終わり方でスカっとします。蛇龍どくろ史上最高傑作エンドレスワールド 新装版 蛇龍どくろ華子トシミツという人間に振り回され、傷つけられた二人の人間が、その死によって、抱えた思いをぶつける先を失くし置き去りにされてしまう様がリアルです。 主人公の二人が知らないトシミツの死を、見届けた事で、読んでいるだけのこちらもイツキと龍のように、トシミツに置き去りにされてしまいました。 大変印象深いシーンです。 かっこよくてタワマンに住んでて、どっかの会社の社長で運転手付きの高級車に乗る完璧な男は出て来ませんし、可愛くてキュンキュンするようなやり取りも一切ありません。 好き嫌いは分かれるかも知れませんし、多少の矛盾や突っ込みどころがある、荒削りな作品ではありますが、BLという枠を超えて読んでいただきたい漫画だと、その様に思います。 個人的には、新装に当たって追加で描かれた60ページの書き下ろしは、必要なかったかな?と思いましたが、その辺りは好みの問題かも?華子1年以上前やっぱり掲載誌の差と、絵柄ですかねー? アニメ化とか無くって残念でした。 小学生の頃から米原秀幸ファンで、ワタシはフルアヘッドココを読んでおりました! 読んでる人が周りに居なかったので、レビュー見つけて嬉しかったです!フルアヘッド!ココ海賊達の冒険活劇!…どこかで聞いたような?5わかるカツアゲでカッチーのセンス夜明けのブルース 羽生山へび子華子男に振られてカツアゲで気分を紛らわそうとする主人公、名前はあるんですが、もうほぼ最初から最後までカツアゲしてきたからつけられた「カッチー」というあだ名で呼ばれ続けます。 カツアゲのカッチー。 場末のうらびれたバーのマスターとカッチーの恋の行方を描いておりますが、相変わらずの爆笑センスで笑わせてくれます。 そして切なくすれ違うヤンキーと三十をとうに回った案外おっさんのマスターとの恋心。 カッチーの年上のマスターに対する、守ってやりたい、でも年下だし……みたいな健気さに胸を打たれます。表紙は漫画のイメージと若干違う俺はニーチャ 三田六十華子表紙がもう、なんていうか入ってる感じで、エロ漫画っぽいですが実際はちょっと違います。 母子家庭で下の兄弟の面倒を、一生懸命に見ているお兄ちゃんのお話です。 表紙の男の子。 希という名前がありながら、お兄ちゃんとしか呼ばれない男の子が、自分でいたいのに、自分でいられないジレンマを抱えながら、風俗店の店長と関わることで自分でいてもいい。と思えるようになる、心底心温まるお話です。 誰でもありますもんね、自分は自分だって認めて貰いたい気持ち。 店長は結構ゲスいですが、めちゃくちゃいい人で、もはやワタシが付き合いたいくらいでした。 希くんは純粋で純真ですので、表紙の様なシーンはありません。 いや、最初と最後にちょろっとありますが、希くんの初々しさがとてつもなく可愛らしいのです。 作家の三田六十さんが新連載を始めたのを知り、面白そうだったので、何が読んでみようと思い、最初の作品(?)を買ってみました。ヤクザモノは読まんのです囀る鳥は羽ばたかない ヨネダコウ華子誰も知らない人などいない。 そんなBL漫画のレビューなど、今更要るのか?と、自分でもそう思うのですが、いいえ、書かせて下さい。 最近、読んだんです。 映画化かー、そんな面白いんだったら、読んでみよっかな。って。 そもそもヤクザモノは読まない。という自身の中の決まりによって、ヤクザモノにリミットをかけておったのですが、この作品をついこないだ読んで、読んだ翌日に、慌てて映画まで見に行きました。 もはや虜。 今更、虜です。 あら筋は、あらすじを読んで下さい。 矢代が変態と書かれておりますが、個人的にはあの漫画の登場人物で一番の変態は百目鬼じゃないかと思っております。 ゲイでもないのに、矢代が綺麗だと!? しかも、させ放題。 矢代よりヤバいのは百目鬼じゃないか。 などと思いながら読んでましたが、この漫画、素晴らしいのは、二人の心情も去る事ながら、その背景を彩る男達の物語なわけです。 ただ好きだ嫌いだと言い合う、恋愛漫画でないところ。 ここが味噌。 さらっと舐める程度で終わりません。 二人の葛藤の裏には、男達の生き様が描かれているのです。 どうでも良いですが、ワタシは三角ファン。 まだ読んでないという、ワタシの様な人には絶対読んで頂きたいと、そのように思います。絵で読む雪と松 高橋秀武華子コマ割りが独特、吹き出しが独特、絵柄も大凡BL作品とは思えない劇画チックさで、読む人を選ぶ作家なのかな?と思いますが、ワタシ個人的には大好きです。 1ページ四コマ、台詞は少な目ですが、一コマ一コマが一枚の絵として成り立っており、絵を読む漫画では無いかと思います。 BL漫画といえば、性描写が近年露骨になっており、もはやポルノじゃないのか?と思えるモノが多いのですが、高橋秀武の描写の素晴らしい事。 漫画なのに比喩(波)で表現されたそれを初めて見たときは、はっとさせられました。 またギリシャ彫刻かよ、とみまごう描写により、ポルノ的なエロさを感じないのです。 あえていうなら、芸術的エロス。 恐らく、ご本人もそのあたりを目論んで描いているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?(知りませんね…) ラストシーンはものすごく良かったです。 時代に流されぬ、二人の深い愛を感じました。 天才か。タイトルがかなりエモいあなたを殺す旅 浅井西華子タイトルだけ見て買った漫画はこれ一冊だけじゃないかと思います。 あなたを殺す旅 もうこの時点で心にグサっと来ませんか? タイトルまんまで、ただの構成員が若頭を殺す為に、車で旅をするロードムービー的な漫画です。 いくらなんでも、いきなりそりゃねぇだろ。 みたいな部分があるのは否めませんが、その辺をすっとばしても、終盤に近づくにつれ、この旅が終わらないでほしい。と願わずにはおれませんでした。 青春時代を追体験できる。同級生シリーズ 中村明日美子華子BLファンなら読んだことないんじゃないの?というレベルの認知度で、今更レビュー?という気もしますが。。。 絵柄の美しさもありますが、中村明日美子さんのすごいところは、漫画でありながら「行間を読ませる」ところです。 コマの余白にまで、物語を感じる事ができる漫画を描かれます。 演出が本当に上手いです。 同級生シリーズは、これ以外に三冊スピンオフ作品が出てますが、本編のこちらは現在もOPERAで連載中になります。 残念ながら次号で最終回との事で、まだ終わってもないのに、終わると知って泣きました。 いよいよか、と。 草壁と利人の二人が色んな困難を乗り越えながら、愛を育んでいく物語です。 簡潔に言いますと。 ただ、この二人の困難は大袈裟なものじゃありません。普通に生きていたら、誰にでもある、ちょっとした引っかかりだったりするのです。 そういった日常の延長線上に描かれる物語ですので、まるで自分の身近で起こった事のように、感じられます。 誰もが通る道だからこそ難しい、そんな青春時代を美しく再現しています。 未読であれば、男女問わず読んで頂きたい、そんな漫画でございます。
華子1年以上前やっぱり掲載誌の差と、絵柄ですかねー? アニメ化とか無くって残念でした。 小学生の頃から米原秀幸ファンで、ワタシはフルアヘッドココを読んでおりました! 読んでる人が周りに居なかったので、レビュー見つけて嬉しかったです!フルアヘッド!ココ海賊達の冒険活劇!…どこかで聞いたような?5わかる
スメルズライクグリーンスピリットは、思春期の少年達が自分の性に向き合うという繊細なお話でしたが、こちらは完全にギャグ漫画です。 緊縛された男を描く絵師になるという、夢を持った美大生武蔵が、友人のマリオ(キノコ)の勧めで、市役所勤めのDTシチサン(あだ名)をモデルに緊縛絵を描き始める。というお話です。 しょっぱな、武蔵がデッサンの授業でラオコーンの緊縛絵を描くところからテンションが高い本作ですが、このテンションの高さは最後まで途切れません。 元々作者は繊細な線画を描くのですが、その崩しっぷりが尋常じゃなく、登場人物の顔芸が凄い。 あらすじには、イケメンの美大生武蔵と記載ありましたが、武蔵がイケメンである描写の方が少なく、常時狂気に満ちておりとにかく怖いのです。 たまーに、ほんとにたまーにイケメンになります。 ただ友人のマリオの見た目のインパクトが強すぎて、武蔵がどんなイケメンなのかを忘れました。 ちなみにマリオはキノコカットでオネエ言葉で、いつも微妙な丈のシャツを着ているヘソ出しですが、ヴァ◯ナマニアのヘテロセクシャルです。 お色気シーンは殆どありませんので、苦手な方でも読めるかも知れません。 とにかく爆笑必至です。 この本に関係ないですが、スメルズライクグリーンスピリットの登場人物の柳田先生を主人公にした後日談、深譚回廊はシリアスなお話なのですが、そちらも面白かったので読んで下さい。