不動産屋さんと読むマンガ。密林不動産 菅野弥生さんの場合

写真 ただ(ゆかい)

マンガって、さまざまなテーマやジャンルが無限にありますよね。

自分とはあまり関係ないジャンルのものを読んでみると、これまで知ることのなかった世界のことがおもしろおかしく描かれてあって「ナルホド〜こんなことになっているのか〜」と感心しちゃうことが誰しもよくあると思うんです。だけど何も知らないだけに「ココ!」ってところを読み流してしまってる……なんて場合も多いですよね、きっと。

マンバ通信では、「ある物事に詳しいプロの人=そのスジの人」がどんなマンガをどんな視点で読みこんでいるのか、ちょっと深掘りして聞いてみようという連載コーナーをつくりました。

その名も「そのスジの人と読むマンガ」

そのスジの人が読むマンガの中には、そのスジでないと「わからない」「伝わらない」「共感できない」ツボのようなものがあると思うんです。それを教えてもらいたいなと。

記念すべき第1回目は「不動産屋の人が読む不動産マンガ」。「そのスジの人」として、都内の月々の支払い抑えめの好物件を紹介している不動産屋さん『密林不動産』の代表菅野弥生さんをお招きしました。おすすめの不動産マンガとその読みどころについて、詳しくお話を聞いちゃいました。

「事例」として読む不動産マンガ

──マンガの話の前に、菅野さんのことを教えてください。マンガがかなりお好きだということなのですが、よくサッカー選手が「キャプテン翼を読んでサッカー選手になりました」って言うじゃないですか。さすがに菅野さんはそういう道筋ではないですよね?(笑)。

私が不動産に入ろうと思ったきっかけはマンガではなく都築響一さんの『TOKYO STYLE』ですね。

──東京の若者の暮らしを等身大にバシッと撮影した名著ですよね。あの本以前には、あんな風に部屋を撮るということ自体がなかったですから。

あの本を見て、人の暮らし方ってこんなにも多様性のあるものなんだということを知って、もっとたくさん部屋を見てみたいと思い、不動産業界に入りました。こうして集めている不動産マンガは「事例」として読んでる感じなんです。

──「事例」として読んでる!? それってどういうことですか?

例えば『プリンセスメゾン』でいうと、女性1人で物件買うときに会社員じゃないと与信が厳しいとか、頭金ゼロとはいうけど、実際に買うとなるとけっこう費用がかかるとか。そういう「家を買う場合の事例」という感じです。

──なるほど。今は不動産系のマンガがあればとりあえずは読むという感じでしょうか。

なんでも集めるというわけではないですね。自分が「おもしろい」と思わないと買わないようにしていて、そこはちゃんと線を引いています。

──と言いつつ、すごいたくさん持ってきていただいちゃって、こんなにあるのか! と驚いてますけども。では、さっそくおすすめのマンガの紹介をお願いします! 不動産マンガといってもいろいろあるわけですが、まずは不動産屋さんが主役のマンガから。

「不動産屋さんが主役」のマンガ

吉祥寺だけが住みたい街ですか?』 マキヒロチ

これは最近ドラマ化もされたので、ご存知の方も多いと思います。不動産のマンガというと入居者や物件が軸となるものが多いと思いますが、このマンガは街をテーマとしているところがおもしろくて。

不動産屋って、その土地に根づいて商売しているので、ここに出てくる重田不動産みたいに吉祥寺に店舗があって、錦糸町や蔵前の物件を紹介するということは実際はあまりないんです。

──ああ、そうか。リアルな不動産屋さんだとここまで自由に、いろんな場所を提案できないんですね。不動産屋さん視点で、このマンガがいいなと思うところは?

「新しい視点を見せてくれる」ところ。条件だけで探さないで、その街に住むことで自分のライフスタイルや人生も変わるということをわかりやすく提案しているのがいいなと思います。

──ライフスタイル?

「ここしか知らないから」とか「人気の街だから吉祥寺に住みたい」って重田不動産を訪ねてくるお客さんに、店主の双子は「別の駅だけどもっとおもしろくて、いい街あるよ」って街のガイドをしながら物件を紹介するんです。
場所から自分の生活を変えていくという提案ですね。すごくためになります。

──なるほど、それはちょっとわかりますね。デザインでいうと、クライアントが最初から「こういうの作ってくれ」って言ってきてるけど、もっとニーズの根っこの部分を掘り起こしてみると「実はこういうのを求めているんじゃないか」と提案ができたりとか。

そうなんですよ。そういう提案のやり方って実際に営業でもやるので。例えば「職場に通いやすい所で麻布がいいかな」とご希望をいただいたときに、余地があれば「お客さまのご希望条件ですと、武蔵小山駅あたりも良いですよ」とか。

──そういうとき、お客さんの反応はどうですか?

「あ、なるほど~!プロがそういうなら見てみようかな」という感じで、お客さんがはじめに言っていた希望を一切叶えてないのに、ちゃんと喜んでもらえる着地点があったときは楽しいですね。

──プロにまかせてよかった!と思いますよね。でも一方で「不動産屋さんは自分の売りたいものを売ろうとしてるだけなんじゃないの?」的な疑り深い人とかいないですか?

うちではめったにいないですが、そういった方もいらっしゃると思います。

──そういう時はどうするんですか?

普段は1回の物件案内で3~4件は見るので、その中の1〜2件はお客さんの希望通りの物件、ほかの2件はこちらが提案する物件を見てもらって、どちらがいいか比較してもらうようにするといいのかなと思います。

──希望と関係ないものだけだと不信感生まれますもんね。でも実際に比較できると「確かに」と納得できそう。

このマンガでは、部屋を探しに来た女の子が「なんだ、自分は吉祥寺にこだわりすぎていた」ってことに気づくんです。そうすると、新しい街で楽しく生活する自分を想像できたりして。

実際に街を歩くことで、イメージがふくらむんですね。

──実際、不動産屋がアドバイスしているようなことに近い感覚でしょうか?

近いですね。エリアをここまで広げて案内することはできないけど、できるんだったら、こういうことだと思います。

なぎとのどかの萌える不動産』板倉梓

不動産屋さんのお手本っていうと完全にコレです。このマンガは不動産屋さんになりたい人や、実際に不動産の仕事をしている人に読んでほしい。

──おお〜。タイトルはなんかすごいですけど。

この「萌える」っていうのは、女社長のなぎちゃんが「キャラ萌えと同じで家にも萌えがある」ということでつけた会社名なんです。お客さんへの営業のやり方とか、バックボーンを想像したうえで物件を紹介したりしないといけないこととかがちゃんと描かれていて、すごくいいですね。これは不動産屋さんのマンガとしてはイチオシです。

──イチオシ、ただし不動産屋に限る、ってことですね。このマンガの不動産屋さんの視点で見た良さは?

この二人がかなり寄り添っているところですね。

──寄り添っているというのはお客さんにですか?

はい、例えば、予算的にちょっと背伸びした物件を探していたお客さんに対して、「無理しないで、自分が安心できるのはこの部屋だったんだ」っていう答えを、萌える不動産の2人は一緒に探してくれるんです。

ほかにも、シングルマザーのお母さんにシェアハウスの物件を紹介する話とか、自分たちの儲けにならなくても、親身に寄り添いながら、提案してくれる感じが、いいんです。

『萌える不動産』1巻より

──不動産屋さんが考えていることが理解できると、探す時にも参考になりそうですね。

カブキの不動』 観月昴/奥道則

これは新宿歌舞伎町で働くアウトロー不動産屋さんの話ですね。連載が3巻で打ち切りになっちゃって残念です……。わりと暴力も使って解決するタイプの方で(笑)。

──暴力ですか!?

法の範囲内でやってるんですが、ケースによって訴えてこないとわかっている相手の場合は暴力を使います。

──このマンガはありえない事例として面白いってことですか?

ありえない案件もあるんですけど、例えば、取り壊さないといけない物件にわざと住んで、あとから立ち退き料を請求してくるような悪質な入居者に対して、どう対処するかという話も出てくるので、そこは「ありえる事例」として読んでます。

──歌舞伎町というのは、やっぱり特殊?

特殊だと思います。“ハンシャ”に対して物件を貸さないよう、契約書に条文が追加されたり、厳しくなっていますね。

──ハンシャ? ハンシャってなんですか?

反社会的勢力を略して“反社”と言います。暴力団や暴力団関連企業などのことですね。

──それ、はじめて聞きました(笑)。

業界用語ですね(笑) 。うちの会社では物件の管理もしていますが、オレオレ詐欺のグループに募集中の空き物件を利用された……なんていうことも世間ではあるようなので、こちらも気が抜けません。

──でも反社の人たちも家は必要じゃないですか。逆に反社の人が借りたいときはどうしたらいいんでしょう?

といった裏社会のお話がこの本に!

──描かれてるんですね!

マンガですけどね(笑)。

──実際どんな話が描かれてるんですか?

暴力団の事務所ばっかりが入居している「ヤクザマンション」ていうのがあるんですけど、歌舞伎町のホストに法外な金額を請求されて逃げている女の子を主人公の不動さんが「ここに入れるしかない」といって、そのマンションに住まわせるんです。
その後、居場所がバレてホストが「ドアを開けろ!」って彼女の部屋の前で騒ぎだしちゃうんですけど、別の部屋から出てきたヤクザたちに「何やってんだ、ウルサイぞ」ってボコボコにされるっていう話とか。

『カブキの不動』1巻より

──反社をセキュリティとして使っちゃうってことですね! それはすごい(笑)。

そうなんです(笑)そんな解決策が面白かったりするんですよ。

──それはシナリオ素晴らしいですね。

そうですよね。これは続いてほしかったです。

*「家を建てたい」または「買いたい」マンガの話に続きます。

「家を建てたい」または「買いたい」マンガ

やっちまったよ一戸建て!!』 伊藤理佐/『数寄です!』 山下和美


──この2冊はマンガ家さんが家を建てるというお話ですね。自分の事だからリアルに描けるんでしょうね。

そうですね。まず、伊藤先生の場合は「自分に合う家」を作っていく話。日当たりのいい場所があまり好きではないから、北向きのリビングがいいとか、暗い部屋がほしいとか……「自分の好みに合わせて家を建てる」のに対して、山下先生の方は「数寄屋造りの家に合う自分になっていこう」という話です。
日本の建築様式を勉強したり、茶道や着付けをはじめたり。「家に自分を合わせていく」というところがおもしろいですね。

──どちらもかなり面白いですよね。役に立つというと伊藤さんのマンガだと思います。

そうですね、リアルに役に立つというと一般的には伊藤先生の方ですね。住宅ローンを借りるところから全部描かれていて、建てるまで流れがよくわかります。

──家買うのって普通の人は人生でそう何度もあることじゃないから、こういう「やったことないけど必要なこと」の体験を物語として読めるのはいいですね。

『ケサラン・パサラン』 山岸凉子

これは風水で家を建てようと奮闘する女性イラストレーターが主人公です。最近、中国の方など風水で部屋を探されているお客さまから問合わせをいただくこともあって、このマンガはとても興味深かったです。

──ええっ!? 実際に風水使って家探すんですね。

はい、キッチンなどの設備的なスペックのほかに、方位や時期等についてのご希望が加わるんです。

──自分で家を建てるとなると、人それぞれゆずれないポイントがあったりするんですね。

 

「建物ありき」のマンガ

吾輩の部屋である』田岡りき

──表紙からして間取り図ですね(笑)。

これは6帖和室、キッチン3帖の1Kの部屋に住む男子学生が主人公なんですが、ほかの登場人物は家具だけなんです。人間は電話かメールの相手としてしか登場しないという。

──ほんとだ……完全に六帖1Kのアパートの中だけの設定なんですね。院生の主人公が独自の理屈で生活してて、意外と効率良さそう。

ひとり芝居の演劇を見てるみたいですね。とても地味なんですけど、なぜか読んじゃうんですよね。

──マンガの内容は生活の工夫的な感じですね。

そうです。傾いた床についてとか、買いすぎてしまった牛乳について、家電や家具につっこまれながら考察します。

──6帖を味わい尽くすという……。

そうですね。とことん部屋!というありそうでなかったマンガだな〜と思います。

東京膜』 渡辺ペコ


これは短編集なんですけど、目次に間取図が載っているのがおもしろいなと。

『東京膜』(渡辺ペコ)目次より

個人的には一番最後に収録されている「リビングルーム」という空き巣に入られる話がすごく面白くて。

──これは全部建物系の話?

3話だけ間取図からストーリーを作るという企画で描かれたものになっていて、残りの2話についてはあんまり部屋とは関係ない感じですね。「リビングルーム」は、タイトルどおり部屋がテーマの話です。

自分が住んでる部屋って身体の延長に近い感覚があるので、親しい人しかいれないって人もいますよね。ある日、主人公の部屋に空き巣が入り、メチャクチャに室内を荒らされてしまうんです。そのことに対して主人公が思いのほか傷つくんですよ。

──あ〜。

友人の部屋で泣いてしまう主人公が、心細さもあるけど、身体的に「侵入された」ことに傷ついてるようにも見えたんです。空き巣に入られた話をこんなふうに描けるんだなってショックを受けたマンガです。

「シェア物件」にまつわるマンガ

ルポタージュ』 売野機子/ヴァージンハウス』 花津ハナヨ

『ルポタージュ』はまだ1巻しか出てないので「シェア」のところまで話がいってないんですよね。事件と本人の生い立ちみたいなところまでで、今後どうなるかがまだわからない。ただ、設定が興味深い。

──設定というと?

一時期、シェアハウスが投資物件としてワーッとできて、飽和状態のようなときがあったんです。そこから、何かに特価したコンセプト型のシェアハウスが出てくるようになって。
例えば、防音室がある音楽好きな人へ向けた物件とか、スタジオ並の大きなキッチンがある料理好きな人のための物件だったり……。今回は「結婚相手を探すためのシェアハウス」が事件現場となっていてそこが興味深いですよね。

──まだこれから。

そうですね、これからが楽しみです。

──シェアハウスのマンガっていうのも結構あるんですか?

シェアハウスを舞台にしたマンガはコミックエッセイにも多いですね。「ヴァージンハウス」というマンガは、処女という共通点を持った女子たちが人生をリスタートさせるために一戸建で共同生活をはじめるのですが、これもある意味コンセプト型のシェアハウスだな〜と思いましたね。

──考えてみれば『めぞん一刻』とかも限りなくシェアハウスに近いですね。『まんが道』とかも。

はい、共同生活というつながりでいうと学生寮が舞台のマンガもおすすめです!『トーマの心臓』とか、『ここはグリーンウッド』とか。楽しそうであこがれちゃいます。

大島弓子のマンガには家にまつわる話が多い

つるばらつるばら』/『ノンレガート』/『ロストハウス

あとは大島弓子先生です。大島先生はけっこうお家の話が多いんですけど、その中でも、夢で見た家を老人になるまで探し続ける『つるばらつるばら』というお話はすごいなと思いますね。

──大島先生のマンガをお家っていう視点で眺めたことはなかったです。これは不動産屋さんになる前に読んでます?

そうです。

──それが「これ家の話だ」っていつ気がついたんですか?

不動産屋をはじめて3・4年ですね。「これはまた見方が変わったぞ」って思いましたね。

──不動産屋目線でマンガの読み方が変わっちゃうという。

『ノンレガート』は宝くじに当たってマンションを買った女の子が主人公です。住宅ローンを組まず、当せん金すべてをはたいて購入するんですが、その後毎月支払う修繕管理費が賃貸で住んでた部屋の家賃より高くて生活が困窮するとか、購入後のトラブル事例としても読めます。

──『ロストハウス』はどのへんが見どころですか?

これは、他人の部屋が好きな女の子のお話で。子どものときに隣人の部屋という安全区を失ってから何にも興味を持たずに暮らしているんです。その子が最終的に部屋をあたらしい形で手に入れるまでが本当にすばらしくて。

家を持たないっていう事例のマンガですね。ぜひ読んでいただきたいです。

*いい不動産屋さんや物件を探すコツに続きます

 

いい不動産屋さんや物件を探すコツとは?

──菅野さんは不動産を職業にしてから、マンガの読み方は結構変わりましたか?

そうですね、変わりました! マンガのストーリーを追いつつ、主人公が住んでいる部屋の間取りを想像したり、マンガの中に描かれる建物を「もっと見たい!」と思うようになりましたね。

ふだん、街を歩いていても、このお店はおもしろい物件の使い方しているなとか、開発中の空地に目がいってしまって……。街を見る目も変わったなと思います。

──この質問はマンガの話から少し外れちゃうかもしれないけど、お客さんと日々接していると、お客さんが陥りやすい不動産探しのパターンってものがありますよね。もうちょっとこう考えるとよいのにと思うことはどんなことでしょう?

家賃はいくら、広さは何㎡が希望といった数字的な条件も大切ですが、ご自身が好きなことや好きなものをそこに加えながら探す、ということでしょうか。

──「好きなこと」「好きなもの」?

わかりやすいところでいうと、古着が好きな方だったら、古着屋さんの多い高円寺や下北沢に住んだほうが、すぐに洋服を見に行けて楽しいですよとか。コーヒーが好きな方には、美味しいコーヒースタンドがある街を提案するとか。

そうすると、通勤に便利な駅以外の選択肢がうまれますよね。

そんなふうに好きなものをキーワードに物件を探すのもおすすめです。

──その人が普段どういう生活をしていて、何を優先させたいかということですね。

そうですね。数字的な部分だけで見ると、物件数が限定されがちですが、例えば、残業が多くて深夜のタクシー代がすごくかかっている人は、職場近くの物件に住むことで余分なタクシー代をカットすることもできるし、さらにそのタクシー代分を家賃に入れれば、もっとスペックのよい部屋に住めますよっていう、発想の転換ですね。全部総合的に考えていくと正解がある。

──あー、探す時はたしかに家賃だけで考えちゃうかもしれません。じゃあ、これから引っ越そうかなとか家を探そうとしている人たちに一番おすすめするマンガとしたら?

引っ越しのときに読むなら『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』ですね。東京って駅ごとにまったくカラーが違うというか、どの街もそれぞれ個性豊かだな〜というのを実感できておすすめです。

家を買う時に読むなら『やっちまったよ一戸建て!!』ですね。お金の勉強にもなります!

──ふむふむ。ところで、物件をリアルに探そうとする場合、最近はどういう風に探すのが正解なんでしょう? 今だと不動産屋に行く前にネットで検索してっていう感じだと思うんですけど。

そうですね、ネットでも物件情報は確認できますが、もし住みたい街が決まっていたら、お休みの日にその街の駅周辺にある、昔から長く営業をやってそうな不動産屋さんを訪ねて、物件情報を見せてもらうというのもいいと思います。

街のこともよくご存知かと思いますし、おもしろいお話が聞けるかもしれません。

──あと不動産屋さんに行く時にこうするといいよみたいな。

不動産サイトで先に住みたい場所の物件情報をあらかじめ見ておくと、その地域の相場感がわかるので実際物件を見たときの判断基準が自分の中にできるので、いいですね。

あとは、好きなインテリアの画像や間取りの物件情報を持っていって、担当の方に見せてイメージを共有するというのもいい物件を見つけるヒントになるかと思いますよ!

美容院みたいですけど、そういった情報をいただけると、私たちもグッと探しやすくなる気がします。お客様には好きなものをたくさん教えてほしいですね。

──おお……なんかマンガの話を聞くだけのつもりが、不動産探しのコツまで教えていただいちゃってすいません! 引っ越したくなったというか、不動産屋さんに行って物件探してみたくなりました。

菅野弥生(すがのやよい):密林不動産代表。普段は、明光テックという不動産会社に勤務。建物を見て回りながら散歩するのが好き。


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吉川きっちょむ(芸人)
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日本漫画界が到達した、ひとつの極点
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