飛鳥時代と平安時代の大コラボですよ?
もう楽しみすぎて遠足の前の小学生でしたが、そんな人間は一人だけじゃなかったようです。
初日開場時間にはすでに長蛇の列、厩戸のグッズは早々にソールドアウトと、大変な熱気でした。
今さらですが、初日に行われたトークショーでの内容を交えながら、少し振り返ってみたいと思います。
入口には、萩尾望都先生からのお花が。
先生同士の仲が垣間見えるのって興奮しますね。
普段はやらないのですが、ガチャにトライしました。「2回同じのが出たらやめる」というルールのもと行い、いきなり2連続で刀自古が出て終了。
刀自古……好きだけど今はちょっと恨めしい。
初日に行われたトークショーでは、ここでしか聞けない貴重なお話がてんこ盛りでした。
出会いは高校生のとき。山岸先生が学校でマンガを描いていたらクラスメートに「あなたのような絵を描く人を知っている」と紹介されたのが大和先生だったとか。1960年代はまだマンガが「悪書」だなんて言われていた時代です。マンガを描く人も少なかったのでしょう。山岸先生が大和先生のおうちに尋ねていくと「ととととっ」と彼女がでてきたのだそうです。
大和「当時話題になっていたマンガの話ができる初めての人だったので、貴重で嬉しかったです」
山岸「私は彼女の絵を見たときはもうびっくり仰天して、初めて『少女マンガってこう描くんだ!』ってやっと分かったくらい、完成度が高かったんです」
それから二人は、大和先生のお父様が経営する喫茶店(当時高校生は立ち入り禁止だったとか!)でよくマンガの話をしていたとか。
大和「山岸さんがストーリーを描くようになってからの習作で、すごく好きだったのはミケランジェロの話。ミケランジェロが若いときに石像コンテストのようなものに出品したら、その石像が素晴らしくて妬んだライバルがそれを壊してしまう。それをミケランジェロは一晩でまた彫り上げるんですが、その材料は石ではなくてバターなんです。すごいでしょ、この人の発想はすごすぎると思って、この才能を絶対潰しちゃわないでって思いました」
山岸「バターはすぐ溶けるから、チーズにしておけばよかった」
いやそれよりも、なぜ食べ物なのかが気になります……!
トークショーの様子から、大和先生はしっかり者、山岸先生はのんびりほがらかな方という印象でした。全然タイプの違うお二人を結びつけたのがマンガというのが、もう感動ですね。
それにしても山岸先生、ストーリーマンガはいつもテーマが重厚なのに、ご自身はめちゃくちゃホワホワしてて、自画像キャラそっくり!
この展示会は、札幌に建設予定のマンガミュージアムに先駆け、呼びかけ人のお二人によって開催されました。
大和「いろんなマンガを読んでいると、好きな漫画家が北海道出身であることが多くて、調べてみたらたくさんいらっしゃる。こんなにヒットメーカーがいることを知られていないのはもったいないとずっと思っていたんです。何年か前に山岸さんに久しぶりに会ったとき『ミュージアムを作りたい』と言ったところ『大和さん、それはやればいいよ』と力強く、『私も応援する』と珍しく言ってくれたんです」
山岸「大和さんが、私も力強く『やりましょう』と言ったようにおっしゃってますが、実は私はとても無責任に「いいんじゃない?」と言って参加してしまい、今ここにいて焦っております」
なんかいちいちオチがついていて面白いです!
トークショー後には、メディア向けの囲み取材が行われました。そこで大和先生には『日出処の天子』の、山岸先生には『あさきゆめみし』のお好きなキャラを聞いてみました。
大和「バランスの取れた毛人と刀自古です。毛人の、普通人としての物事の見方や振り回されていく姿など、一般人読者としての姿勢がいいなと思います。刀自古は気が強くてかっこいいなと思います」
山岸先生は、自身のマンガに影響を受けそうなので、他の作家の作品はほとんど読まなかったのだとか。「実は『あさきゆめみし』を読んだのは最近」とのこと。
山岸「光源氏は、日本の女性から見ると『これは……』というところがいっぱいありますね。それをすごく頑張って、読者のために正当化している手腕がすごいなと思っています。紫の上が亡くなるところは、正直泣きました」
大和先生、毛人が好きなのか……私の周囲では悪人筆頭みたいな感じなので、すごく意外でした。
そして会場には、お二人直筆のキャラから、コメントのお願いが!
本人にお願いされたら書くしかない。
トークショーに原画展示に、お土産グッズに、もう夢のような時間でした。
お二人の進めるマンガミュージアム構想、全力で応援します!