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SNSで人気沸騰、『ババンババンバンバンパイア』はこうして生まれた! BL好きは本当なのか? 制作秘話を奥嶋ひろまさ先生に突撃!

SNSで人気沸騰、『ババンババンバンバンパイア』はこうして生まれた! BL好きは本当なのか? 制作秘話を奥嶋ひろまさ先生に突撃!

BL好きの20代女子から、とあるマンガをオススメされました。
「タイトルは『ババンババンバンバンパイア』といって」
「買います」

タイトルだけで即買い決めました。
「作者は男性なんだけど、BLが好きな人みたいなんですよ」
その場でポチりました。

『きのう何食べた?』というBL作品が男性誌に掲載されていると聞いたときは、けっこう衝撃でした。
昔は「男同士の恋愛なんて」みたいに嫌悪感をあらわにする男性がちょいちょいいたものでした。時代は変わったなと思ったのです。

時代が変わったと言えば『ババンババンバンバンパイア』(以後、バババ)もそうですよ。
15歳少年の童貞を守るために奮闘するバンパイアの話です。
齢450歳の森蘭丸さんは18歳童貞の血が大好き。心清き李仁くんが18歳になったときに、極上の血をいただくために彼の童貞を守ろうとします。ところが彼に好きな女の子ができてしまう。森さんの奮闘が始まります。これがタイトル負けしないおもしろさ。

タイトル買いしてそのままドはまりし、何度も読み返してなお興奮冷めやらず、とうとう作者インタビューまで行いました。『バババ』ファンのみなさま、また『バババ』を読んでみようかなと思っているかたも、奥嶋ひろまさ先生の尊いお言葉をどうぞお読みください。

◇ ◇ ◇

——銭湯とバンパイアという絶妙な組み合わせですが、どんな発想だったんですか?

奥嶋 漠然と「バンパイアを描きたい」という思いがあったんです。『入浴ヤンキース』で「こいの湯」のモデルになった「たつの湯」さんに取材をしたときに、住居スペースを見せてもらいました。そこに「三助部屋」というちっちゃい部屋があったんですよね。「ここにバンパイアが住んだら、狭い部屋が棺桶みたいだし、ミスマッチだけどいいんじゃないか」と思ったんです。

——先生の作品は、どこかコミカルなところが絶妙に面白いです。

奥嶋 描いていて一番楽しいのは、かっこいい男なんです。バンパイアってその最たる像ですよね。色気があって妖艶で。番台にいて、自分好みの人間の血を吸うっていうパターンもありかなと思いましたが、あまり見たことのないバンパイアのほうが描いていて楽しいかなって。銭湯とバンパイアを組み合わせたら、コミカルが合うなと思ったんです。

——森さんは450歳なんですね。

奥嶋 実際の森蘭丸と同じ年です。織田信長の頃は男色の時代なので、ちょうどいいかなと思ったんですよ。連載が始まる前に、『軍服さん』という読み切りを描かせてもらいました。それが人気を取ったんで「連載で行こう!」ということになったんですが、連載にする上で、髪型を少し変えようと担当編集と話し合いました。銭湯で仕事をしているので、髪の毛をくくったり下ろしたりできるロン毛というのは決めていましたが、その中でどうするかを、BL好きの女性編集者にも意見をもらって今の髪型に決めました。『別冊少年チャンピオン8月号』(7月12日発売)に『軍服さん』を再録した小冊子ふろくがつくので是非読んでみてください。

——『家庭教師の岸騎士です。』『入浴ヤンキース』『ババンババンバンバンパイア』と、タイトルがいつもダジャレですね。

奥嶋 『入浴ヤンキース』のときは、編集が打ち合わせのときに、ネタもなんにも決まっていない状態なのに「タイトルだけあるんです」って提案してきたんです。確か、全国の温泉を制覇すると言っていた気がします。それは取材が大変だし、僕が銭湯を好きなので、ヤンキーと銭湯の話になりました。『家庭教師の岸騎士です。』は、僕が生徒だったら、カテキョの先生はイケメンで、いい匂いがしてそうな背の高い人がいいな、それは騎士やん。となりました。『バババ』はタイトルを決めるとき、『〇〇の吸血鬼』『〇〇のバンパイア』などいろいろ考えていました。冗談で『ババンババンバンバンパイア』ってのも提案したら、それが通っちゃったんです(笑)。内容がBL風味なので、連載3話目くらいまで上記のBL好きな女性編集者も一緒に担当してくれていました。森さんの髪型も彼女が助言をくれたり、タイトルも絶対に『ババンババンバンバンパイア』がいいと強く推してくれたんです。彼女がいなかったら、この作品は上手く作れていないと思います。

——BLが好きな作家と言われていますが、実際はどうなのですか?

奥嶋 『頂き! 成り上がり飯』のとき、腐女子のかたが作品を見つけてくれ、Twitterで『これってBLやん』と盛り上げてくれました。身体の関係になりたいとは思わないけれど、男同士の「お前がおらなあかん」みたいな、気持ちが通じ合う関係を描きたいんですよね。
あとは幕末が好きなので、幕末志士とバンパイアというカップリングで、色気のある絡ませ方をしています。男の色気が一番描いていて面白いんですよね。タレントで言うと、オダギリジョーさんとか、高校の頃好きだったのは浅野忠信さん。謎めいている感じがするところがスキです。

——BLは読まれますか?

奥嶋 BLは「カバー買い」します。雲田はるこさんの作品は何冊も持っていますし、『バババ』で書店回りをしていたとき、鈴丸みんたさんのイラストがでっかく書店に貼ってあって、単行本を買ってきました。絵柄も大事ですが、学生ものじゃないとピンとこないところはあります。高校時代に、友だちを僕がどんなふうに感じて見ていたかを思い出しつつ描いてるんです。当時、僕はけっこう思春期が来るのが遅くて、みんなどんどん大人になって遠くへ行っちゃったんですよ。僕に思春期が来たときには、みんなにとってはもう3年前の話、みたいな。「みんなかっこいいなあ」と、友だちだけど憧れて見てました。ライバル心はあったけど、「なんでこいつが俺の友だちでいてくれるんや」みたいな気持ちもあったんですよね。

——すっごく素直でステキな男子高生だったんですね。ところでちょいちょいマイケル・ジャクソンが出てきますね。

奥嶋 『バババ』では、マイケルは実は生きていてバンパイアで、森さんとは友だちだったという裏設定があるんです。マイケルは、すごいファンというわけではないけれど、普通に聴いていました。とんねるずがモノマネしていましたよね。あれを見ていた記憶があります。

——先生の作品は細かなノリがめちゃくちゃ面白いですが、なにか思いはありますか?

奥嶋 僕のマンガを読んでいるときは「こいつくだらないな」と思ってほしいんです。笑いのツボは人それぞれで、全部伝わるかはわからないけれど、クスッと笑えるとか、小ネタがたくさんあって何回見ても発見があって面白いというのもありますよね。『バババ』では、「マイケルは生きていた」という新聞の見出しや、ご飯を食べている部屋の壁などを見てもらえるといいと思います。あとは森さんがよく「キュウ」(Q、9など)というTシャツを着ています。どこにも説明していないけれど、吸血鬼の「キュウ」です。

——探します! それにしても、こうもあからさまに童貞礼賛って珍しいのでは……?

奥嶋 行きすぎたらあまりよくないかなと思っていて、担当さんが「やりすぎ」と言ったらやめてました。でも笑ってもらえてるので、いいかなと思ってます。

◇ ◇ ◇

取材の終わりに『日本の童貞』という本をお勧めしました。
後日購入したことをTwitterに書いていらして、とんだ誉れを感じています。この本が作品に反映されるかもしれないと思うと、また読み直さなければ……!

『ババンババンバンバンバンパイア』第2巻は7月7日発売です。

 

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