Jr.ユース編が好きだった人にこそ読んで欲しい!40周年を迎えた『キャプテン翼』あのマンガは今

Jr.ユース編が好きだった人にこそ読んで欲しい!40周年を迎えた『キャプテン翼』あのマンガは今

多くの人が読んだことはあるであろうものの、最新の状況についてはあまり知られていないのではないかという作品の「今」について語るシリーズ「あのマンガは今」。

第二回は日本国内のみならず、世界全体のサッカー文化にまで多大な貢献をし続けているレジェンド作品『キャプテン翼』を取り上げます。

ジダン、メッシ、ネイマール、イニエスタ、ベンゼマ、アンリ、ポドルスキ、ハメス・ロドリゲス、エジル……世界を代表するスーパースターの多くも夢中になった『キャプテン翼』。

大空翼と同じ背番号10番を着けて活躍したファンタジスタとして名高いデル・ピエロは、日向小次郎に憧れて少年時代は腕まくりをしてサッカーをしていたとか。皆さんもドライブシュートやスカイラブハリケーンに挑戦したのではないでしょうか。

現在シリーズ累計100巻超えを果たしており、連載開始40周年を迎え話題に事欠かない『キャプテン翼』ですが、昔は読んでいたけど最新までは追っていないという方も多いように思われます。しかし、特に最初の『キャプテン翼』におけるJr.ユース編、翼や岬や日向たちと世界の強豪国との激闘が好きだった方にはぜひ読んで欲しい熱い展開が現在繰り広げられているのです!

実は今『キャプテン翼』は通常のマンガ誌での連載はされていません。『キャプテン翼マガジン』という専門誌が刊行されており、そちらで連載が行われています。

『キャプテン翼マガジン』vol.1 表紙

『キャプテン翼』シリーズは、メディアミックス展開も豊かでファンの増加に大きく貢献しています。

2018年からは最強ジャンプにて舞台を現代に変えたリメイク作品『キャプテン翼KIDS DREAM』が始まるとともに、4作目となるアニメが同様の設定で4クールにわたって行われました。

幾度ものアニメ化、そして現在の小学生に向けた新規連載もあり、親子二世代にわたってファンとなっている家庭も多いことでしょう。

また、かつてテクモが作ったゲームは大人気を博し、『ファミ通』が2003年にファミコン生誕20周年を記念して行った「最も心に残ったファミコンソフトは?」というアンケートで『キャプテン翼』が27位、『キャプテン翼II』が51位になり、キャラクターゲームの中でも圧倒的な支持を得ました(余談ですが筆者は特にⅢ~Ⅴをやりこみ、アクセルスピンシュートやシャドウストライクなどの必殺シュートを実践していました)。

2017年にはその遺伝子を受け継いだソーシャルゲーム『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』がサービスを開始し、現在も世界的にヒットしています。更に2020年となった今年8月には『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』がPS4とSwitchで発売され、話題となりました。この秋には位置ゲームの『TSUBASA+』というアプリも世界中で配信され、また新たなムーブメントを生み出そうとしています。

そんな『キャプテン翼』シリーズの歩みをここで見ていきましょう。

 

■『キャプテン翼』

通称「無印」と呼ばれる、すべての原点である最初の作品。サッカー小僧・大空翼が南葛小に転校してきて天才GK・若林源三に出会うところから始まります。日本のライバルたちとの闘いを経て、Jr.ユース(中学生)での世界大会で世界のライバルたちと鎬を削ります。

『キャプテン翼』(高橋陽一/集英社)1巻より

翼が凄まじいキック力で遥か遠くの丘から若林邸まで挑戦状代わりにボールを蹴って届かせるところから始まった『キャプテン翼』。若林が愛用するアディダスの帽子に憧れを抱いた少年は数知れず。

■『ボクは岬太郎』

翼とゴールデンコンビを組む岬太郎を主人公にしたスピンオフ。画家である父親の都合により各地を転々とせねばならず、せっかく友達ができて仲良くなっても離れ離れにならなければならない岬。そんな彼のルーツにまつわるお話です。

『ボクは岬太郎 高橋陽一短編集』(高橋陽一/集英社)より

誰とでも仲良くなれる岬ですが、日向に対しても「小次郎」呼びで仲良くなれるのは翼とは対照的に事情のある家庭環境で育ったが故に抱える陰、そしてそこから生まれた他者への思い遣りや優しさに起因していると感じられます。筆者は性格も容姿もプレイもひっくるめて岬が大好きです。

■『キャプテン翼 ワールドユース特別編』

『キャプテン翼 ワールドユース編』の連載に先立って描かれた『特別編』では、ヨーロッパ最強のオランダユースとの戦いが描かれました。フランスやドイツも破った強豪に翼抜きの日本代表は苦戦を強いられますが、オランダもエースのブライアン・クライフォートが不在でその後の伏線となりました。

『キャプテン翼 ワールドユース特別編』(高橋陽一/集英社)より

現実でもヨハン・クライフを輩出し、トータルフットボールで世界を席巻したオランダ。あのシュナイダーを擁するドイツを破ったオランダの真のエースの力とは……と戦々恐々としました。

 

■『キャプテン翼 ワールドユース編』

新たなる日本の戦力・葵新伍を加えて、日本代表がワールドユースで世界一を目指す物語。本作のラスボスはブラジル。サッカーサイボーグの異名を持つカルロス・サンターナ、そしてアマゾンの奥地からやって来た天才・ナトゥレーザという新たなるライバルたちとの激闘が描かれます。

『キャプテン翼 ワールドユース編』18巻(高橋陽一/集英社)より

本来はブルンガ共和国で開催予定だったワールドユース大会でしたが、内戦により急遽日本での開催となり長居スタジアムでブラジルとの激闘が行われました。Jr.ユース編での優勝スピーチでは日本のワールドカップ優勝という更なる夢が語られましたが、ワールドユース編ではサッカーを通じた世界平和への願いが語られ、世界中で反響を呼びました。

 

■『キャプテン翼 ROAD TO 2002』

ワールドユースを優勝し、それぞれの進路に進んだ日本代表の面々。バルサの絶対エース・リバウールからトップ下のポジションを奪えず2部リーグ落ちした翼、身体性能がセリエAのレベルに達しておらず苦戦する日向などそれぞれ逆境に遭いそに立ち向かって奮戦します。そして、2002年に開催された日韓共同開催のワールドカップに向けて躍動します。

『キャプテン翼 ROAD TO 2002』1巻(高橋陽一/集英社)より

ブラジルを経てバルサに行った翼、ユベントスに行った日向、シュナイダーにバイエルンに誘われながらハンブルグに行った若林の他にも、日本代表選手たちのそれぞれの進路に胸が熱くなりました。松山は地元コンサドーレに所属しつつも、翼らに負けじと海外を目指しているところも好きです。

 

■『キャプテン翼短編集 DREAM FIELD』

2000年~2006年の間に描かれた読み切りを収録した短編集です。実在のサッカー選手が多数登場することや年齢設定の関係もあり、本編の流れとは別のパラレルワールド的な位置付けになっています。

1巻には、2000年に掲載されたシドニー五輪でトルシエ監督の指揮の下で中田英寿や中村俊輔ら実在のサッカー選手たちと共に翼や日向、若林らが日本代表に加わってブラジル代表と戦う「MILLENNIUMDREAM」、2002年のワールドカップ開催前の練習試合でブライアン・クライフォートのいるオランダ代表と戦う「ROAD TO 2002 Final Countdown」、2004年に掲載された翼のいるバルサと岬のいるジュビロとの戦いで日本のゴールデンコンビの夢の対決が描かれる「GOLDEN DREAM」が収録。

『キャプテン翼短編集 DREAM FIELD』1巻(高橋陽一/集英社)より

実際にサッカー日本代表を応援していた人には馴染み深い登場人物ばかりで、夢の共闘に心躍ります。なお、現在連載中の『ライジングサン』では翼の妻となった早苗が双子を孕んでいる描写がなされますが、そのふたりの子供は先駆けて「MILLENNIUMDREAM」に登場しています。

2巻には、2005年に『キャプテン翼』25周年企画として日本代表と世界選抜のドリームチームとの戦いが描かれる「25th ANNIVERSARY」、2006年のワールドカップに際して描かれた実在の日本代表VS『キャプテン翼』の日本代表という「GOLDEN-23 JAPAN DREAM2006」が収録されています。

『キャプテン翼短編集 DREAM FIELD』2巻(高橋陽一/集英社)より

読者の投票によって決定された、「25th ANNIVERSARY」で日本代表の対戦相手となったドリームチーム。Rマドリードの銀河系軍団を超える「ビッグバン大宇宙軍団」として、シリーズファンには堪らないスーパーな面々による夢の試合を読むことができます。FWに偏るのはゲームでもあるあるのご愛嬌。

 

■『キャプテン翼 GOLDEN-23』

吉良耕三を監督に据え、オリンピックでサッカーU-23日本代表は金メダルを目指します。フットサル日本代表から参戦した古川洸太郎や風見信之介ら新キャラクターも交え、遅れて合流する翼ら海外組を除いた中での代表候補枠23人に選出されるための熾烈な競争が繰り広げられます。

『キャプテン翼 GOLDEN-23』1巻(高橋陽一/集英社)より

日向、沢田、反町らを鍛えた実績を買われてU-23日本代表監督に就任することになった吉良。トレードマークの酒を手放し、各界から人材を集め選別していきます。

なお、沢田タケシはサッカーボールヘアになる迷走を見せた後、海外からメールを送ってくる日向に対し「あのアナログ人間の日向さんがパソコンを使いこなしメールまで送ってくるとは…人間って変われば変わるもんだよなぁ」と独りごちるなど、より味のあるキャラクターとして成長を遂げていて愛せます。

 

■『キャプテン翼 海外激闘編 IN CALCIO 日いづる国のジョカトーレ』

イタリアのプロリーグ、セリエCで闘う日向と葵を描いたエピソードです。同じイタリアで、世界のトッププロたちと熾烈な競争を日々繰り広げる二人は同郷の誼で時に助け合い、そして試合となれば激しくぶつかります。海外リーグでの日本人同士の対決はどちらが勝つのか予想できず、手に汗握ります。

キャプテン翼 海外激闘編 IN CALCIO 日いづる国のジョカトーレ』1巻(集英社/高橋陽一)より

『ROAD TO 2002』で登場した、大リーグ矯正ギプスもビックリな日向のバランス矯正ギプス(という名前の重い鎖)。わざわざユベントスの最新鋭のトレーニング機器も丁寧に描いておきながら、鎖を巻いてトレーニングする日向の姿には天才的な作家性を感じさせられました。通常の3倍の重さがあるブラックボールに続いて、超人スポーツマンガの嚆矢としての外連味を強く感じたところです。

 

■『キャプテン翼海外激闘編EN LA LIGA』

RマドリッドVSバルサ。エルクラシコと呼ばれるリーガエスパニョーラに留まらず世界でも最高レベルの闘いが再び描かれます。翼はポジション争いを演じたリバウールとも共闘しながら、ナトゥレーザとの再戦を迎えます。そして、そのナトゥレーザをも完封する恐るべき実力を持った謎の選手、ミカエルが登場します。

最近の『キャプテン翼』シリーズを読んでいない方でも、このセグウェイのようにボールの上に乗って移動するシーンは見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。この、後に「セグウェイドリブル」と実況されるボール捌きをしているプレイヤーこそが誰あろう、ミカエルです。現在連載中の『ライジングサン』でもラスボスになるであろうと目される存在で、その実力を示すエピソードの凄まじさはぜひ読んでご確認ください。

なお『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』でも今年の7月にミカエルが実装され、すべてのキャラクターを過去にするような圧倒的な能力値にリアルに心を折られる人も続出するほどでした(セグウェイドリブルは『たたかえドリームチーム』内では「エンジェル・スライド」と命名されています。必殺シュートは「ノープレッシャーシュート」、更に「ノーモーションクロス」という必殺パスも使えます)。『ライジングサン』で彼と対峙する時が楽しみです。

 

■『キャプテン翼 ライジングサン』

こちらが現在連載中の最新作です。U-23代表は翼ら海外組抜きで無事にアジア予選を勝ち抜き、最終選抜、そしてマドリッド五輪本戦が描かれていきます。

 

シリーズの概略を紹介したところで、最新シリーズである『ライジングサン』の魅力・見どころを紹介していきましょう。

 

1.オランダ代表、ブライアン・クライフォートとの戦い

『キャプテン翼 ワールドユース特別編 最強の敵!オランダユース』では出場しなかったオランダの絶対エースであるブライアン・クライフォートが遂に日本代表と激突し、その類稀なるサッカーセンスを見せつけます。短編集収録の「ROAD TO 2002 Final Countdown」では先駆けて少しだけブライアンとの戦いが描かれていましたが、あちらはあくまでパラレルワールド。正史での激突はこれが初めてとなります。敵ながら非常に魅力的に描かれる彼のサッカーに注目です。

 

2.天才ファン・ディアス再臨

アルゼンチン代表といえば、あの男が登場します。そう、天才ファン・ディアスです。彼の盟友であるパスカルや、ゴールポストにジャンピングラリアートをして若島津の三角飛びを防いだガルバンなども再登場し日本代表の前に立ちはだかります。ディアスvs若林などJr.ユース編では見られなかった対決にも注目です。ディアスは相変わらず華があり、サッカーファンなら思わずニヤリとしてしまうプレイも。

 

3.ドイツvsブラジルの激闘

ワールドユースでは0-5でブラジルに惨敗を喫したドイツ。負けず嫌いのシュナイダーがそのままでいられるはずもなく。あらゆるスポーツマンガで言えるのは、敵チーム同士の戦いというのは名勝負が非常に多いということです。主人公チームは大体勝つだろう、と予想できてしまうのですが敵チーム同士だとその勝敗は途端に予測不可能になります。現実世界でも2014年のワールドカップのドイツVSブラジルは伝説的でしたが、こちらの試合も負けてはいません。

 

4.新必殺技

相手の技も一度見ただけで自分のものにしてしまうという、聖闘士以上の能力を持つ翼。

『キャプテン翼 ライジングサン』5巻(高橋陽一/集英社)より

物理法則を無視したセグウェイドリブルとて、サッカー小僧にとってはお手のもの!

そんな翼が、サンターナとナトゥレーザの超強力なコンビ技「フルメタルファントム」に触発され、岬と共に新たなる最強シュートの開発に挑みます。その必殺シュートの中身は、名前は、威力は……ぜひ読んで確かめてください。やっぱり必殺シュートは『キャプテン翼』の華ですよね。

 

5.「ガラスのエース」三杉淳に起きた異変

翼にも負けないずば抜けたサッカーセンスを持ちながら、生来の体の弱さがウィークポイントとなっていた三杉。それでも懸命に治療を続け、心臓病を克服して日本のもう一人のエースとして頼れる存在となっていたのですが……

『キャプテン翼 ライジングサン』12巻(高橋陽一/集英社)より

天使に囲まれながら自分の体を見下ろす三杉。この回は読者が騒然となりました。三杉に一体何が起こってしまったのか? 刮目してください。

 

6.ドイツが誇る若き皇帝、カール・ハインツ・シュナイダーに出した条件

ファイヤーショットの異名を持つ強烈なシュートを得意とするドイツチームの絶対的エースプレイヤー、カール・ハインツ・シュナイダー。初代『キャプテン翼』においてはラスボス 的存在でした。

ドイツ戦が始まる前に若林にぞっこんなシュナイダーは、ドイツが日本に勝ったらうちのチームに来い、と何度目かわからない勧誘を若林にします。若林はそれを承諾しますが、代わりにシュナイダーにも条件を提示しました。その条件というのが以下です。

なにィ!!

シュナイダー率いるドイツチームが負けた暁には、何とあの若き美しき皇帝が全裸でPPAPを踊ることに!? この辺りも高橋陽一さんのセンスを感じさせられます。

シュナイダーに出した条件はともかく、現在行われているドイツ戦がまた凄まじく熱い戦いとなっています。無印『キャプテン翼』のドイツ戦で胸を高鳴らせたかつての少年少女には、ぜひとも『ライジングサン』のドイツ戦を読んでみてほしいです。再戦ならではの、互いの手の内を知った上で両陣営とも新顔も加わって更に成長した状態での白熱した激戦に血湧き肉躍ります。

 

上記以外にも、『キャプテン翼』シリーズファンなら楽しめる要素が『ライジングサン』にはたっぷり詰め込まれています。40周年を迎えてまだまだ留まらぬ熱さが続く『キャプテン翼』。ぜひこの機会に最新シリーズまで読んでみてはいかがでしょうか。

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