現在新装版が着々と発刊されている『のだめカンタービレ』。
二ノ宮知子さんの代表作というよりも、代名詞と言っていい作品です。
連載当時、街の古書店で働いていた私は当然凄い人気なのは知ってました。
読みたいとは思いつつも、実際に手を付けるのはパリ編に入って以降です。
お店に入荷した少し以前の雑誌に、大人気の『のだめカンタービレ』が特集されてました。
どんな雑誌だったか忘れましたが、載っていた「お姫様ルーム」のセリフのコマ(モーツァルト貴族ブノワさんのお城ですね)を見て何かが脳内に走りました。
今も理由はわかりません。でもこの「お姫様ルーム」のセリフとのだめの後ろ姿を見て、これは私好みの漫画で面白いに違いないと直感したのですよ。
この時コミックスは17巻が出たばかりだったと思います。2007年初頭、アニメも始まったばかり。
古本屋で働いていながら「読みたいのなら新刊で買え」主義の私は1巻から17巻まで全巻大人買いです。
それ以降はもう語ることが多すぎて書ききれません。
20代の終わり頃から10年くらい独学でピアノの練習に励んだこともあるくらい(バイエルから始めました)、元々クラシックのピアノ曲は大好きでしたから面白いのは当然です。
しかし当初は音大を舞台にしたギャグタッチの展開だったのが、のだめと千秋の幼少期のトラウマが明かされたあたりからもう二人の物語にどっぷり浸かりました。
千秋が福岡の大川までのだめを追い、海沿いの道路上で後ろからのだめを抱きしめる。
私が読んできた漫画史上屈指の名場面です。
あのコミック大人買いから現在までずっとのだめと千秋と共に生きてきました、はちょっと言いすぎですが大事な大事な作品です。
雑誌の『Kiss』は『のだめ』連載当時から今も毎月購入し続けており、二ノ宮知子さんの現在の連載『七つ屋志のぶの宝石匣』も面白く読んでます。
あ、別作品ですけどニコ・ニコルソンさんの『古オタクの恋わずらい』は尋常じゃなく面白いですよ。
他にも『Kiss』は外れなしと言っていいくらい面白い漫画満載です。
面白い漫画を常に求める漫画厨に『Kiss』という雑誌を与えてくれたことにも『のだめカンタービレ』には感謝してます。
それまで全く触れてませんでした。
現在二ノ宮さんの作品で所有しているのは『のだめ』と諸々の関連本と『GREEN~農家のヨメになりたい~』です。
『GREEN』も面白いのですがそちらの話はまた別の機会にします。
さてさて。
現在の漫画も読みつつ古い漫画や漫画雑誌も古書店で購入する日々ですが、つい先日の事です。
良く覗く漫画専門古書店の雑誌コーナーに新入荷の商品がそこそこあって、何か面白そうな物はないかと物色しておりましたところ目にしたのは
『漫画アクションピザッツ』創刊号。平成3年(1991年)10月2日号。
『アクションピザッツ』は西原理恵子さんが1ページだけですが、これぞサイバラな漫画を描いててよく買ってました。
いや本当に西原さんの1ページの為にです。
他の作品に失礼だろう、と言われても仕方ないのですが当時は西原さんにドはまりだったんですよ。
手にした創刊号を眺めながら「『ピザッツ』の創刊号か。創刊号は買ったんだっけ、覚えてないな。ん? んん??」
なんと表紙に「二ノ宮知子」の文字が!
二ノ宮さん、ここに描いてたんだとびっくりします。
このお店とは多少懇意にさせてもらっている為、お願いして中を見せてもらいます。
が、なんか絵柄が違います。う~ん昔はこんな感じなのかなぁと思いつつも購入。
恥ずかしながら『トレンドの女王ミホ』はちゃんと読んでないのですよ。
なので初期の絵柄にはあまりなじみがありません。
全18ページ、扉ページも入れて2色3ページです。
なかなか面白いじゃない。でもこの作品は知らなかったな、と検索をかけてみます。
あれ、出てこないぞ、おかしいな。
昭和アナログじじいの私の検索手腕では結局「おためしになって」の情報を一切手に入れられませんでした。
『トレンドの女王ミホ』は1991年、二ノ宮さんの初連載作品と検索で出てきました。
ところが「おためしになって」は同じ1991年。しかも扉ページに月イチ連載と記載されてます。
どっちが先なのか確実な情報を得ることが出来ませんでした。
『トレンドの女王ミホ』は第1巻の発売が1991年4月なのは判明したのですが『ヤングロゼ』という雑誌の連載開始時期はつかめませんでした。
でもほとんど同じだと推察できますね。
『のだめ』も『GREEN』も主人公の女性が積極的で少し(かなり?)変で、好きになった男性に果敢にアタックするという構図ですが「おためしになって」も同じです。
またコマ内に手書き文字でちょこっと説明が入る、二ノ宮さんお得意の手法もしっかりあります。
全話読みたくなりますよね。
まさか封印されているという事は無いでしょうから、忘却された作品なのでしょう。
第2話が載っているはずの創刊第3号、そして以後のバックナンバーを地道に探していく決心はついてます。
難易度はそこそこ高そうですが、いつかきっとその日が来ると信じて頑張ります。
でも出来る事なら今後何かしらの二ノ宮さんの本に収録されてくれればと願います。