良心の作家・山本おさむが描いた障害児たちの高校野球。障害を乗り越えて野球に青春をぶつける姿を、深い理解と愛情で綴った感動巨編。手話の普及に貢献した作品。
薬屋・式亭正舗で扱う化粧品は、大店の女将から町娘まで、江戸の女性たちに大人気。若旦那の式亭小三馬は、江戸で一番の腕利きの化粧師(けわいし)だ。化粧で女性を美しく飾るだけでなく、江戸文化の表も裏も艶やかに華やかに演出する!しかしその手法はなんと、現代の広告業界にも通じる斬新なものだった!?1983年から1984年に「ビッグコミック」で連載された、石ノ森章太郎らしさ満載の大江戸ビジネス時代劇!
辻本夏実(つじもとなつみ)と小早川美幸(こばやかわみゆき)は婦人警官。しかしこの2人にハンパな常識は通用しない!!次々に起こるトラブルも、2人の絶妙なコンビネーションにかかればまるで遊園地のアトラクション!町の安全を守るためスーパーミニパトに乗り込んで、夏実と美幸は今日も行く!!
蘭学医・手塚良仙(てづか・りょうせん)の息子良庵(りょうあん)と府中藩士の伊武谷万二郎(いぶや・まんじろう)は、美女・おせきを巡り犬猿の仲だった。そんな最中、良庵は適塾で蘭学を学ぶため、大坂へ旅立った。万二郎は、江戸を襲った大地震で、民衆を安全な場所へ誘導するという大手柄を立てる。一方、良仙は奥医師たちの激しい妨害の中、娘婿の大槻俊斎(おおつき・しゅんさい)らとともに種痘所の江戸設立に向け頑張っていた。幕末に実在した著者の曽祖父をモデルにする長編時代作品。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT326~327『陽だまりの樹』第1~2巻収録 <初出掲載>1981年4月25日号~1986年12月25日号 ビッグコミック連載
頭がよくて、手のかからない良い子だった翔丸。いじめを受けていた彼が、己の頬をカッターで切り付けた瞬間に生まれ変わった。「悪の天才」に――。ずば抜けた頭脳を持ちながら不良の巣窟・曙高校に入学した翔丸は、たった2日で学校を掌握する。翔丸の野望はとどまる事を知らず、暴力団・佐伯組をも取り込もうとするが……!?
蘭学医・手塚良仙の息子の良庵と、府中藩士の伊武谷万二郎は、美女・おせきをめぐって犬猿の仲。そんな最中、良庵は適塾で蘭学を学ぶため、大坂へ旅立つ。幕末に実在した著者の曽祖父をモデルにする長編歴史作品・第一弾。
Y大経済学部教授、柳沢良則。道路は右端を歩き、横断歩道以外で道を渡らない。安くてうまいさんまのためなら、足を棒にしても歩き続ける。これは、道路交通法を遵守し、自由経済の法則に忠実な学者の、克明で愉快な記録である。今日は、柳沢教授の末娘・世津子のY大入学式の日である。教え子となった世津子と共に教授は出勤しようとするが…!?
「父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。干し柿、餅も美味しゆうございました…」かつて日本中に衝撃を与えた、オリンピックメダリスト・円谷幸吉の突然の自殺。彼を自殺に追い込んだもの、それは「国家」であり、「私たち」であった…。後世に残る輝かしい功績や能力を持ちながらも、不遇の人生を強いられた「栄光なき天才たち」。彼らの壮絶な生涯を追った偉人伝シリーズ。円谷幸吉、泣けます。
ジャズピアニストと“ライブマシーン”というコードネームの殺し屋、二つの顔を持つ男・有山礼二(ありやま・れいじ)のダークな活躍を描いたハードボイルドアクション。ジャズピアニストの有山礼二は、自分が所有するダイヤモンドを狙う昔の傭兵仲間に襲撃され、その男をコンクリートに叩きつけて殺害する。そしてその時の興奮が忘れられない礼二は、靴磨きをする謎の中国人・Qに声をかけられて……!?
土門真子は女子大の英文科を卒業して、牛鍋工業高校にやってきた新米教師。「教師は残業がないし、夏休みと冬休みはたっぷりあるし、お金をためて海外旅行に行ったら、結婚退職でもしてやめちゃうわ」と軽く考えていた真子だったが、悪ガキだらけの2年D組の担任になってしまい、着任早々問題は山積み。その上、ラグビー部の顧問になってしまい…。新米教師・土門真子は生徒たちのマドンナになれるのか!?
南米カニヴァリアに進出した大手商社の江戸商事。新支社長として赴任した日本人は専務の懐刀であり、元力士志望という変わり種であった。そんな彼がカニヴァリアの地で目にしたのは…。苛烈な競争社会を描く第一弾!
大型ホテルを舞台に繰り広げられる人間模様を描いた人気作! ▼第1話/オープニングストーリー▼第2話/ネバーチェックアウト▼第3話/大安吉日▼第4話/須田の婆さん▼第5話/女優▼第6話/オーバーブッキング▼第7話/モンスターズ・クリスマス▼第8話/109(テンク)の鐘▼第9話/雪螢 ●登場人物/東堂克生(プラトン・マネージャー)、松田利春(プラトン・フロントマン)、山崎(プラトン・ベテラン・スタッフ) ●あらすじ/田舎から出てきた老夫婦、人気アイドルの斎東かおる、政界に打って出ようと意欲満々の横山たかし……、大型ホテル・プラトンには、今日も様々な人が訪れる。しかし、なかには怪しげな人もいて…(第1話)。▼プラトンには、何年も前から封印されたままの部屋・908号室がある。若いスタッフはその空き部屋をチェックしようとするのだが、先輩・水野は例外だからそのままにしておけという。実はその部屋には以前、老人が8年も暮らしていたいたのだが…(第2話)。●その他の登場キャラクター/プラトン契約医師・神保(第3、6話)
星野鉄馬(ケンタ)、30代の青春――!!ひとりの男の面白うて悲しき人生を描く、成長ストーリー!1960年前後、横浜あたり。夜中オートバイを乗り回す“カミナリ族”の青年・星野鉄兵、22歳。世界一速いと言われたバイク・トライアンフの跨(またが)ったGI(米国兵)と日本人の少女に出会う鉄兵。売春婦としてGIに抱かれる少女の涙を見た鉄兵は、彼女を救おうと決意する。少女の名はマリア。鉄兵とマリアの出逢い……それは、星野鉄馬の物語の第0章……。
関優勝(せきまさかつ)は、一流の実力を持つプロの競輪選手でありながら、ギャンブル漬けの毎日。暇さえあれば麻雀、パチンコ、競艇、競馬などに繰り出しては大金をすってしまい、妻との諍いが絶えないのだった…。競輪の裏も表も笑いも感動も、全てが詰まったギャンブルマンガの決定版!!
まるで昆虫が脱皮を繰り返すように次々と華麗な変身を続ける十村十枝子(とむら・としこ)。才能あふれる人物に寄り添い、そのすべてを奪ってたくましく一人で生きる女の姿から、不条理な1970年代の陰と陽を描く! 群がる男を次々と餌食にする彼女の行く末は!? <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT271~272『人間昆虫記』収録 <初出掲載>1970年5月9日号~1971年2月13日号 プレイコミック連載
ホテルは、ひとつの巨大都市でもある。レストラン、美容室、宝石店、薬屋等々……病院から靴磨きまで、生活に必要な物は全て揃っている。そして、ルーム・キーは、ホテル内では万能である。レストランの食事からクリーニング、高価な宝石の購入まで現金を持たずに行うことが出来る。それ故に様々なドラマが、今日も繰り広げられる。勿論、この巨大ホテル「プラトン」でも……。テレビドラマ化でも話題をさらった大人気作、開幕!!
オレはゴクウ。オレの左目には小型のコンピュータの端末機がしこまれている。そして、こいつは世界各地あらゆるコンピュータと直結している。あらゆる情報が瞬時にオレの左目の中にとび込んでくる。その気になりゃ米ソのミサイル基地に入り込んで世界を破滅させることもできるのだ。オレの名はゴクウ。左に神の目を持った男。
左眼に最強スマホを持つ男
比翼鳥が飛ぶ高山の頂で碁を打つ、神仙・南極老人と東方朔。宇宙の始まりについて疑問を抱く朔は、昔、天が崩れかけた時、女かが五色の石を練って天の裂け目を塞いだことを老人に聞くが、遠い昔のことなので、天窮山の無面目、またの名を混沌という古い神に教えを乞いに出かける。だが、天地開闢以来動いたことのない無面目は、二人の話を聞くと下界に興味を持ち、仙廊を通って地上へ向かってしまい…。
石川県片山津の温泉旅館「よしや」の仲居・はるちゃんは、1年前にこの温泉町に流れ着いた。温泉町を舞台に、さまざまな過去を背負った男と女の哀しくも清々しいドラマが生まれていく――。テレビドラマ化もされた大人気シリーズ、青柳裕介の代表作が登場!!
事件屋カメラマンは追う―――その一瞬に夢を賭けて!マスコミ最前線を行く八木に次々と襲い掛かってくる現代という怪物が産み落とした”矛盾”。彼はこの冷たく光るレンズでスクープを狙い続ける!
オレは、日本一のスケベだ!オレのスケベは、いつだってマジだぜっ!!どんな弾圧にも耐えて、スケベに生きるんだーっ!出版界を舞台に暴れ廻るジャンク・ボーイ・ストーリー!!
南米カニヴァリアに進出した大手商社の江戸商事。新支社長として赴任した日本人(ひもと・ひとし)は専務の懐刀であり、元力士志望という変わり種であった。そんな彼がカニヴァリアの地で目にしたのは……。苛烈な競争社会を描く第一弾! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT304~305『グリンゴ』第1~2巻収録 <初出掲載>1987年8月10日号~1989年1月25日号 ビッグコミック連載(未完)
ボクシングに信仰を求める男・森山(もりやま)と、彼の夢を背負って世界チャンピオンを目指す少年・三上乱(みかみ・らん)の生き様を描いたボクシングアクション。米軍の諜報機関と組んで得た大金で、ボクシングの世界チャンピオンを育てると決意した森山。そして高速道路を自転車で疾走する三上乱に目をつけた森山は、その翌日、ボクシング未経験の乱に、現役ランカーと対戦させて……!?
自分は、漫画や映画のようなフィクションに触れてウルウルすること、実際に「涙を流す」ことの多いセンチメタルな人間なのだが、その多くは、あくまで個人的な心情にフィットして、だ。つまり、自分自身の経験や環境と類似するシチュエーションにいるキャラクターに、感情移入をして泣くのである。 だが『遙かなる甲子園』は、あくまで物語内のキャラクター、自分とはまったく異なった存在に作品を読むと同一化させられ、オンオンと号泣させられる。 自分でもおかしいんじゃないかと思うくらい、涙でページが見えなくなってしまう。 感動作という表現がこれほど相応しい漫画はない。 山本おさむはキャリアの長い人で、初期の青春物から近年の『そばもん』『赤狩り』まで、篤実な作風とはこのことか、という誠に得がたい才能だが、なんと言っても本作『遙かなる甲子園』『わが指のオーケストラ』『どんぐりの家』という、聴覚障害や重複障害の人々を描いた「人権三部作」とも呼び得る圧倒的作品群が素晴らしい。 漫画読んで泣きたい人は、ぜひ。 不思議と読後に心がすっきりします。 余談だが、山本には、漫画作品ではないが『マンガの創り方』という隠れた名著があり、これを読むと、その真率に創作に向かう姿勢の一端を知ることができる。簡単に言えば、彼の作品には常に読者への強い心配りがあるのだ。だからこそ、自分と関係のない存在にも、あれほど感情移入させることができるのだろう。(この本、古書でも高額で、あまり薦めにくいのだが)