かしこ
かしこ
2021/07/17
ネタバレ
女子高生が海賊と宝探しする夏休み!
ひと夏の冒険譚だから夏休みに読むのにぴったりだし、これが本当のONE PIECEだ!って思ったくらい(こんなこと言うと怒られそうだけど…) 面白かったです!主人公の女子高生・大和鮒子は「強い子になってね」というママの遺言を勘違いして格闘技を極めてしまったようなちょっとおバカな女の子。漁師だったおじいちゃんが建てたマグロ御殿にパパと暮らして、地元の水産高校に通うだけの退屈な毎日を過ごしていたところに、海賊・カトーが下宿人として鮒子の家にやって来たことから、ひと夏の大冒険が始まります。 遠い遠い海の果てにある宝島には100兆円超えの財宝が眠っていて、実は鮒子のおじいちゃんがその島に辿り着いて生還した唯一の人物だったことから、カトーは宝島のヒントを探しに鮒子に近づいたのです。そして16歳の誕生日におじいちゃんから手紙が届き、海の中の岩穴に隠されていた漁業権利書、巨大な銛、宝の地図のプレゼントを発見します。その地図をカトーに奪われ、それを追うように鮒子も異種格闘技部の先輩・鴨林らと共に船出するのです! ネタバレになっちゃうけど、3巻で海に出て、7巻で宝島に着く、全11巻のこの2つのタイミングでギアが上がるように面白くなったと思います。おじいちゃんからの鮒子宛のメッセージが手紙として度々登場するんですが、作者の望月峯太郎が読者に伝えたいテーマそのものって感じでとても深かったです。そして因縁のカトーはラストですごくカッコいい人になって、これが本当の海賊王だ!と思いました(怒られる…)。
かしこ
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2021/07/12
ネタバレ
こっちの夫婦もたぶんヤバいぞ #1巻応援
「ただ離婚してないだけ」がすごく好きだったので、新連載も夫婦ネタと知って楽しみにしていたのですが、1巻を読み終えて謎しかありませんでした…。これは一体どういう漫画なんだろう?ただし今回も夫がヤバいのは確実だから、妻もヤバい奴なんだと思う。読んでいて訳が分からないながらも、至るところに狂気が漂っているのを感じました。 結婚してから5年間、生活費を切り詰め、極貧の中で多額の費用をかけて不妊治療をしたものの上手くいかず、夫から「これからはお互いにやりたいことをしよう」と提案されます。一見するといい夫のようですが、妻のことを平気で叩きますし、妻はそんな夫のことを「自分を叱ってくれるから」好きなのです。42歳と26歳という歳の差も気になりますが、とにかく主従関係で繋がっているような夫婦なのです。 夫の提案を受け入れて、社会経験がほとんどなかった妻は弁当屋でアルバイトを始め、そのバイト仲間に歓迎会をしようと連れて行かれた合コンでAV男優と出会い、なぜか彼から夫婦一緒に「愛あるセックス」とは何かを学ぶという展開になります。ここで夫から不妊治療中はプレッシャーを感じていてセックスが怖くなっていたと初めて告白されるのですが、本当は優しい人だったみたいなことは絶対にないと思う…。 妻が働き始めた弁当屋に怪しい男がよく来るのも気になるし、個人的にはこの男がストーリーの肝なんじゃないかと思ってるんだけど…。2巻からどうなっていくのか全く読めない。でも「ただ離婚してないだけ」の狂気を超えてくれたらいいなと期待してます。
かしこ
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2021/06/27
きみは天下のお天気お姉さん
お天気お姉さんこと仲代桂子はその美貌で世の男たちを虜にしているが、性格は凶暴である。下着姿でテレビ出演することなんて屁でもないし、ライバルの女子アナを性奴隷にするほど奔放だが、誰も彼女には逆らえない。むしろ崇拝してしまうのだった。 ほとんどが無茶苦茶な内容で完全に度が過ぎてるのだが、それでも私が桂子さんのことを不快に感じることはなかった。それがなんでかっていうと最初の方でのエピソードでこんなのがあるからだ。 ライバルの策略によって自分の人気がなくなったと思い込んでショックを受けた桂子さんは「お天気お姉さんを辞めてお茶汲みでもするワ」と言い出す、しかしそれを聞いた高校時代から桂子さんと因縁の関係にある山岸君が心の中でこう思うのだ「”女っておもしろいこと考えるな”男が女を尊敬するのはこういう時だけだ 男のマネなんかしなくていいんだ 男の予想範疇で動かないでくれ…!」そして叫ぶのだった「きみは天下のお天気お姉さんなんだぞーーーーーッ」と。 こういうのって現代の価値観でいうとアウトなんだろうか?でもなんか私も山岸君と同じ気持ちになるんだよな。でもラストで2人がああいう関係になるのはよく分からなかった…。
かしこ
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2021/05/28
初々しい安達晢
密かに憧れていたちょっと不良な女の子からテスト中にカンニングさせてと言われて応じてしまいバレた事件が元になり、第一志望に落ちて地元の底辺高校に入学することになってしまった主人公。俺は本当はこんなとこにいるはずじゃなかったんだ…と最初は絶望していましたが、地元で有名な美女や因縁の不良女子とも同じクラスになり退屈な学校生活が一変していきます。 ここ最近安達哲の作品をよく読んでいるんですが、この人はどんなに下品な話題が続いたとしても「ああ、なんていいこと言うんだろう…」ってシーンが必ずありますね。連載デビュー作の『ホワイトアルバム』は全体的に初々しくて爽やかで、過激さに慣れちゃうと退屈なくらいなんですが、最終回で高校を卒業した主人公が3年間の総括としていいこと言ってました。どうってことない言葉なんだけどそういうとこが上手いな〜と思わずにいられない。 私が読んだKCコミックスの第2巻には描き下ろしの「In His Own Words -安達 哲の高校生日記-」も収録されてたんですが、電子書籍版には収録されてるのかな?これもめちゃめちゃよかったです。ずっと片思いしてた女の子と同じクラスになることは一度もなかったんだけど、高3の時に入った美術系予備校に彼女も通っていたという淡い思い出のエッセイ漫画で、ちょっと「さくらの唄」にも通じるというか、本人も「好きなヒロインの絵をこっそり描く主人公ってプロットはワタシの漫画によく見られますが出所はこのあたりの実体験による」と語ってました。