かしこ2021/10/18天ないのよさを伝えそびれた最近「りぼんの好きな漫画ランキング」で1位のちびまる子ちゃんに次いで、2位が天使なんかじゃないだったという記事を読んで、自分も全くリアルタイム世代じゃなかったけど「高校生になったらこんな青春がしたい!」と思いながら読んでたなぁ〜、今の時代もそうなのかなぁ〜と感慨深くなりました。 そのことを職場の人に話そうと思ったらその人が未読だったので、ネタバレしないように概要を説明しようとしたところ「高校生活3年間の生徒会メンバーの話」「観覧車でキスするシーンがある」しか時間的に言えなくて、すごく凡庸な漫画みたいになっちゃったなぁ…と反省しました。「義理の兄を探しにインドに行く」まで言えたらよかったかもしれない…。天使なんかじゃない矢沢あい1わかる
かしこ2021/10/17笑いのセンスが融合してるこんな漫画があるなんて知らなかった。爆笑問題とおおひなたごうの組み合わせってすごく合ってる。20年も前のものなので太田と田中の見た目が若すぎることに違和感はあるけど、時代的なものじゃない笑いのセンスの部分では充分に楽しめた。お互いに今も漫才やってるし漫画も描いてるのすごいですね。「あしたの爆笑問題」での田中の片玉ネタが最高です!高度なギャグでありつつSFでもあるな〜と思いました。またこの組み合わせで漫画をやってほしい。バクマン!おおひなたごう 爆笑問題2わかる
かしこ2021/10/14山田芳裕の初期短編集天才が天才になる前の短編集。荒々しさはあるけどハズレなしで全部が面白い!特にギタリスト木田の壮絶ギタープレイが見れる「木田」と、表紙作の「泣く男」が好きだな。「泣く男」は表紙のイメージよりもシンプルで単純なストーリーなんだけど、ピカソの名画「泣く女」が出てきたり所々の演出がカッコいい。 でもこれを描いた人がこれから日本で1.2を争うくらい面白い漫画を描くようになるって予見できるかって聞かれたら、自分にはそこまでの審美眼はないって思う…。山田芳裕が美大に落ちたって話を知って、自分も優れた才能を見過ごしてるのかもしれないと思いました。泣く男山田芳裕1わかる
かしこ2021/10/11オシリーナもなかなかの変人だよね1巻の表紙を見た時に「あれ?これ子供の頃に読んだことある気がするなぁ…」と思いながら読んでみて、社内ハイキング中にオシリーナの尻を目撃するシーンで確信に変わりました「この尻覚えてる…!」と。せっかくだから改めて本腰を入れて読んでみるかと思ったら、主人公の丸麻照男と自分の誕生日と血液型が一緒なことが判明した。全く嬉しくないけど何となく他人事とは思えなくなるから不思議だ…。ただガンマに感情移入しちゃうとすごく読みにくくて困る(そして意外と長い!)。暇つぶし位がちょうどいい漫画なので気が向いた時にコツコツ読もうかな。鉄人ガンマ山本康人1わかる
かしこ2021/10/06メンツが豪華すぎるしエピソードはどれも珠玉!!生い立ち〜ホラー漫画家になるまでの道のりをインタビューして漫画化したものです。本人が描いた自伝ではありませんが、宮崎克の取材力とあだちつよしの漫画力によって本人が描くよりも読み応えのある伝記物になっています! 以下、ひとこと感想メモです。 【1巻】 古賀新一…手塚治虫も登場するし本家マンガ道と同じくらいウルッとしました。 日野日出志…何を思いながら「蔵六の奇病」を描いたかの話が読めてよかった。 伊藤潤二…漫画家になる前は歯科技工士だったことも、デビュー作が「富江」だったことも知らなかった! 犬木加奈子…普通の主婦がホラー漫画の女王と呼ばれるまでになったのは文字通り人生をかけてたからだったんだなぁ…。 【2巻】 御茶漬海苔…編集長に言われた一言が衝撃的すぎる。今だったら大問題になってると思う。 諸星大二郎…本人のインタビューもあるけど諸星大二郎だけ編集者の証言で構成されてる部分が多いので、インタビューでも寡黙だったんだろうなって思った(笑) 外薗昌也…霊感があることも含めてホラー漫画家のイメージそのままの人だと思った。 近藤ようこ…高橋留美子と同級生なことは有名だけど、本人から語られる話を読んだことがなかったのでとても貴重だった。今も交流があるんだなぁ。怪奇まんが道あだちつよし 宮﨑克
かしこ2021/10/05ネタバレなんだこれは1巻も強烈だったけど2巻がすごい。1巻は実在した戦国時代の武将・清水康英の元にものすごい怪力の持ち主・寿が嫁に来たところから始まり、初めての出産も1人でこなしてピンピンしてる等の仰天怪力エピソードが続きますが、この驚きを2巻は軽々超えていきます。2巻からは子供達の話が中心になるんですが、怪力遺伝子を継いだ三男、武士なのに芸術の道に走ってしまった長男、どっちもヤバいです…!三男のエピソードについては平田弘史先生からの命を繋ぐという大きな意味での性教育なんだと思いました。そう思うしかない…。この後の長男の話にはギターコードが出てきましたが、まさかの首代引受人の登場に「クロスオーバーだ〜!!」と興奮しました。見たことない漫画を読んでみたい人にオススメです。怪力の母平田弘史5わかる
かしこ2021/10/03BL初心者でも読みやすいオススメされたので読んでみました!BL初心者でも読みやすく、すごくピュアな話で心が洗われました。漫画に刺激を求めがちになって心が麻痺していたので生き返ったような気持ちです。メタモルフォーゼの縁側で市野井さんとうららちゃんが読んでいるのもこういうBLなのかな。続編もたくさん出ているようなので読みます!ひだまりが聴こえる文乃ゆき
かしこ2021/10/02ネタバレ瞬間的には傑作だった去年、ある人に「ステイホーム中にあしたのジョーを読みました」と話したら「3大ボクシング漫画はあしたのジョーとがんばれ元気と僕 BOKUだ」と言われて、1年間すっかり忘れてたんですが急に思い出したので読んでみました。 平凡を絵に描いたような高校生の鈴木ひろしは普通であることがコンプレックスでしたが、同級生の訳あり美人との出会いがきっかけでボクシングを始めます。こうして今まで普通の生活をしていたからこそ気づかなかった才能が活かされていくのですが、その1つが「躊躇なく人を殴れる」だったりします。ただボクシングの試合でこれが出来なければ負けてしまうので実は重要なことでもあるのです。 訳あり美人や最強のライバルとの関係が中途半端で終わってしまったので消化不良がハンパないですが、主人公の「いじめられっ子だったとか、不幸な生い立ちだとか、そんなバックボーンに頼ってる野郎なんかたいしたことねぇ。本当に怖いのは普通なのに闘うと強い人間だ。」とか「リングじゃ他人に気を遣う必要なんてない!!いい奴に思われたいなんてそんなのはボクサーじゃない!!憎くもない人間を殴り倒す…サイテーの奴がサイコーの世界だ!!僕が主役だ!!」というセリフにはグッときた。瞬間的に傑作になっているシーンは多々ある。 もっといいラストはあったと思うけどあれはあれでいいと思います。バッドにもグッドにも解釈できるラストなんじゃないでしょうか。ただ3大ボクシング漫画の1つにこれを選ぶのは「普通じゃない」ですね。今度会ったら理由を聞いてみます。僕 BOKU山本康人8わかる
かしこ2021/10/01「座敷女」ってストーリー性が高いですよね一回目に読んだ時は「ひええ〜怖ええ〜!」とただただ震えますが、二回目からは「なんてよく出来たストーリーなんだ…!」という感動も生まれますね。ホラー映画というよりは学校で友達から聞く怪談の怖さに近いんですが、絵で全部見てるはずなのに想像力が掻き立てられるような演出があってより怖くなります。そういえば口裂け女だって人間なのか人間じゃないのか分からない存在でしたね。「座敷女」も創作の域を越えて本当の都市伝説になっていてもおかしくないのに…!こういう怪談の「オリンピック選手並みの身体能力で追いかけられる」はあるあるですが、主人公の友達が互角に戦えてるの面白くないですか?座敷女望月峯太郎
かしこ2021/09/28武富健治ファンにもオカルト好きにも読んでほしい「緻密な現場取材に基づく実話漫画」のあおり文句に惹かれて購入しました。漫画実話ナックルズなどに掲載された短編漫画が収録されています。各話それぞれライターなり記者の方の原作があってそれを武富先生が漫画化されたものです。テーマも「稲川淳二の怪談」「都市伝説」「村の因習」「死刑囚」などオカルト好きにはたまらないものばかりです。嘘みたいな話でも掲載元が漫画実話ナックルズなのが絶妙な信憑性を感じさせてくれます。私は「稲川淳二が見たロケ地の怪現象・ふたりの子供」と「秘境と因習・謎の邪教集団クロの真相」が怖かったです。武富先生が稲川淳二のファンらしく気合が入ってるのか稲川淳二の顔がリアルすぎてお化けより怖かったです。武富健治実話作品集 狐筋の一族武富健治 ナックルズアンソロジー6わかる
かしこ2021/09/27真鍋昌平の原点真鍋昌平の経歴を見てみると、四季賞の前に渋谷パルコのフリーペーパーが主催した漫画賞でしりあがり寿賞を受賞してるんですよね。え?なんでしりあがり寿?作風が全然違うじゃん!って違和感があったんですけど「青空のはてのはて」にその受賞作が収録されてて読んで納得しました。最初はしりあがり寿が好きそうな作風だったんですね。逆にいえば今の商業的に成功してる作品の根底にはこのアーティスティックな才能があるんだなと納得しました。この「青空のはてのはて」を読めば「闇金ウシジマくん」を描くに至るまでの道筋が見えてくるので、漫画は作品よりも作家を重視して読む方にオススメです。 個人的には「最後の居場所」という作品が一番好きです。絵柄も「青い春」の頃の松本大洋っぽくて自分好みだし、拾ったネズミがトラックに轢かれる描写とか見せ方もカッコいい。原点回帰みたいな感じでまたこういう漫画を描いてくれないかな。青空のはてのはて真鍋昌平
かしこ2021/09/26哲学的な侍見た目は野武士みたいで全然賢そうに見えないのに、歴史、文学、芸術、哲学とジャンルを問わず博識で、おまけに剣も強い主人公。絵柄は今と変わらないけどまだ上手くはないので少し読みにくいところはあるかも。でも山田芳裕節は最初から完成されてたんだなと思った。特に女の口説き方がカッコいい!考える侍山田芳裕1わかる
かしこ2021/09/26ウチヤマユージの初期短編ウチヤマユージさんの初期短編が収録されています。全部テイストが違いますがどれも面白かったです。私が一番好きだったのは一人暮らしのおばあさんの一日を描いた「ちりぬるを」ですね。優しいおばあさんの穏やかな暮らしぶりにほのぼのしながらも最後にヒヤッとさせられます。表題作の「夏の十字架」は登場人物が全員悪人なんですが意外な終わり方でした。ウチヤマユージさんの可愛い絵柄にダークな内容っていうのがギャップがあって面白いのですが、めちゃくちゃリアルな絵柄の人が描いたらどうなるんだろうとも思ったりしました。夏の十字架ウチヤマユージ2わかる
かしこ2021/09/24謙一郎、革命を起こす!漫画家の長岡謙一郎が妻と子供と暮らすマンションにファンを名乗る黒人の巨女シモーナがやって来て「この世界は〈悪い奴ら〉にコントロールされてる」「お前の漫画を読んでピンときた」と言われ一緒に革命を起こすことになってしまう! 夢と現実が混ざっているようなめちゃくちゃな話なんだけどめっちゃ面白い。謙一郎が総理大臣とキスしたり戦争が起きたりヤバいシーンがたくさんあるんだけど、漫画業界をくさするネタが一番ドキドキする!これぞPUNKだ! 漫画喫茶のパタリロの棚の後ろに秘密の部屋に繋がるスイッチがあったり、檸檬が爆弾になったり、所々の小ネタがかっこよくて好き。PUNK長尾謙一郎1わかる
かしこ2021/09/20主人公は賞金稼ぎ父親の死をきっかけに普通の大学生だった主人公が賞金稼ぎになるんだけど、確実に獲れる賞を地味に泥臭く狙っていくのが面白い。主人公はクォーターで美形な顔をしてるけど眉毛が繋がっていたり、恋人の留学生ビッキーを「ミツコ」と呼んだり、キャラクター付けが独特なんだけどそれが段々かっこよく思えてくる。ビルの早登り競争、百貨店主催の美術展、村のカラオケ大会など、賞金を獲得してくごとにゆかいな仲間達も増えていくのも好きなポイントだった。ザ・プライザー末田雄一郎 山田芳裕
かしこ2021/09/18川勝徳重、3年ぶりの新作「アントロポセンの犬泥棒」初めて鈴木翁二とか安部慎一とかガロ作家の漫画を読んだ時に「すごく個人的な話を漫画にしてるんだなぁ…!」と驚きましたが、その表現の仕方が芸術的でかっこいいからいつ読んでも古臭くないんですよね。でも今の時代にそれを違和感なくやれるのってなかなか難しいと思うのですが「アントロポセンの犬泥棒」では出来てるからすごいし、逆に新しいな〜!と思います。前作の「電話・睡眠・音楽」よりも読みやすい内容になっている気がしました。正直あらゆるところで絶賛されてるので変なことを言って無知が露呈するのが怖いです(笑)どうでもいいことですが「リヤドロの置物」を読んで、のらくろのことを心から愛していたとしてもリヤドロの置物は絶対にいらないな…と思いました。アントロポセンの犬泥棒川勝徳重2わかる
かしこ2021/09/16「戦えナム」読んでみた「心とは人間のどこにありますか」 「人間が太陽ならば心とは陽射しなのです」 「わかりますかアミ」 「おぼろげながら」 ナムとアミの心が清らかになるような掛け合いの後に、諸悪を根絶する為に戦うのがお約束の流れになっている。テンションの高低差がすごいけどそれがクセになる。面白かった!戦えナムジョージ秋山1わかる
かしこ2021/09/14記憶喪失の男が帰るのはどっちの家庭?事故によって5年間の記憶をなくした男。離婚した妻と娘のことは覚えているのに、再婚した新しい妻と息子の記憶は一切ないし、顔を見ても仮面を被っているように脳が認識してしまうので何も思い出せない。 男は複数の鍵を持っていて、ふと記憶がよみがえった時にその鍵を使って、愛人の家や、大学時代の友人の家や、単身赴任中に住んでいた家を訪ねるけど、その度に記憶を無くす前の自分はろくでもない人間だったことが分かってくる。 記憶がない自分にとっては離婚した妻と娘が本当の家族だけど、すでに元妻も再婚している。今の妻はどんなに一緒にいても他人のように感じてしまうし、もしかして自分は離婚するつもりだったのかもしれない疑惑も出てきた。最後に男が帰るのは一体どこなのか…? 2回ドラマ化するのも納得の面白さだった。記憶喪失前の主人公が結構なクズ男なのも嫌〜な感じがしつつ読み応えがあった。ラストもいい。どんな家庭も実はこうなのかもしれないと思わせられた。アイ’ム ホーム石坂啓
かしこ2021/09/11映画化もされた復讐劇最初の設定がズバ抜けて面白いですよね。雑居ビルの7階と8階の間に7.5階があって、そこの監禁部屋に前触れもなく10年監禁させられ、その間は昼と夜に出前の中華を食べ続け、ある日突然釈放されたと思ったら、犯人から動機を当てるゲームに参加させられる。シンプルなのにすごく引き込まれる設定です。 あとがきを読むと先の展開を決めずに連載をしていたらしいですが、だからこそ追い込まれる人間の心理描写にリアリティがあって、犯人の動機にも納得させられました。 10年前に韓国映画版を観た時は、エリちゃんが主人公の娘だったという映画版オリジナルのオチに衝撃を受けたのですが、漫画でこのオチだと後味悪すぎるし、そういう可能性も含めて復讐は終わっていないんだと解釈しました。オールド・ボーイ嶺岸信明 土屋ガロン1わかる
かしこ2021/09/07宝塚を受験しようとする女の子高校の同じクラスに誰にも応援されないまま宝塚を受験しようとしてる女の子がいるんだけど、主人公の男の子だけは味方になってくれるという全5話のお話がメインの短編集。両親はただ受験することすら大反対だし、他のクラスメイトにはバカにされるし、逆風しかないのに諦めない女の子の気持ちにも胸が打たれますが、主人公の応援の仕方がそんなに格好いい訳じゃないのがすごくいいんですよね!不器用なんだけど優しさが伝わってきて女の子は何より嬉しかったと思う。他の短編もどれも心温まる話ばかりでよかった。今ちょうどこういうのが読みたかったんです。私は「ロッタレイン」の作風よりこっちの方が好きかも。すみれの花咲く頃松本剛
かしこ2021/09/05ネタバレある連続殺人者の生涯サブタイトルに「ある連続殺人者の生涯」とあったので、あぁそういう話かと分かった上で読んだのですが、生まれた場面から物語が始まるので、こんなに可愛い赤ん坊が殺人鬼になってしまうのか…となかなかしんどいものがありました。 昭和27年、主人公の梅川一期は土木建設業を営んでいる父親の元に生まれます。年を取ってから生まれた子供なので父親は息子を可愛がるのですが、生まれて間もない一期が麻疹をこじらせて片方の肺を取ったことで、祖父から体の弱い子は梅川家の跡取りに相応しくないと言われて里子に出されてしまいます。 里親の老夫婦はいい人たち(おばあさんがイタコをやっていたり、寝かしつけに日本神話を聞かせるのは少し普通じゃないけど…笑)でしたが、おじいさんから丈夫に育ててもらった一期は「どうして自分だけが家族と一緒に暮らせないのか」と不満に思い、山奥から一晩中歩いて家族の元に帰るのです。 こうして家族と暮らすことになった一期ですが、その頃には弟の利行が生まれていて、自分の代わりに跡取りとして育てられていました。一期はこの頃から肺を取った時に出来た大きな傷を見ながら「自分には何かが欠けている」と思うようになります。 小学生になると体の傷のことでいじめられ、クラスに馴染めずにいた一期でしたが、そこへ顔に大きな傷がある文也という転校生がやって来ます。お互いに仲間意識が芽生えた二人は親友と呼べるまで仲良くなりますが、ある日ふとしたことで文也の顔の傷が偽物だということを知り、一期の運命が大きく変わるのです…。 こうして一期の幼少期を振り返ってみて、どうしたら殺人鬼にならなかったかも考えてみたけど、何をやっても悲しい結末になるのは変えられないような気がする…。 物語の中盤で、高校生になった一期が文也の父親に会いに行くシーンもすごかったけど、夢の中で母親が川を泳いでアパートにやって来て「隠してるものを見せなさい」と言われるシーンもすごかった。 終盤は(ネットの感想で「一期が就職してから」と書いてるがいた…笑)どうなんだろう…。私は世の中に不満がない平凡な人間なのかもしれないって思ったなぁ。だからこそ弟の利行が一期に対して持っている歪んだ感情の方が共感しやすい。でも昭和天皇の崩御と同じタイミングで全てが終わっていく最終話は、タイトルもそのままズバリ「死」の一文字で、かっこいい終わり方だと思いました。ICHIGO[二都物語]六田登8わかる
かしこ2021/09/04コミカライズの最高峰でしょ!大和和紀先生の絵ってゴージャスなのに可愛らしくって令和になっても変わらず憧れさせてくれる魅力があります。そんな先生が千年前から愛されている名作「源氏物語」を漫画化してくれているなんて最高としか言いようがありませんね。私も寝ても覚めても光源氏のことしか考えられないほど夢中になって読んでしまいました。 結構ゲスいこともしてるけどこんな絶世の美男に愛されるなら大抵のことは許すと思ったり、最愛の人である紫の上の死期を早めたのはやっぱり光源氏の浮気心のせいだから許せんとも思ったり、心が揺れまくりました。こうやってみんな「源氏物語」にハマってしまうんだなぁ…。 ただ今回初めて読んでみて後半から始まる光源氏が40歳を超えてからの話もすっごく面白いんだなってことを知りました。生まれた時からイケメンの光源氏も年を取ってからは若い人に嫉妬したり恋愛で憂き目を見ていたなんて人間らしくって新鮮です。 1コマ1コマが美しすぎて読み飛ばせないので描くのも相当大変だったはずと思っていましたが、読み終わってから大和和紀先生のインタビューを検索しまくってたら「私は描くの早い方なのよ」とおっしゃってるのを発見して驚きました。やっぱりレジェンド作家と呼ばれる方々って普通じゃないですね!才能がすごい!源氏物語 あさきゆめみし 完全版 The Tale of Genji大和和紀
かしこ2021/09/03より善く生きるってこういうことかもきっと誰が読んでも心に響く話が必ず一つは見つかる短編集ですね。絵もストーリーも詩的ですがコミカルな話もあるのでぜひ気負わずに読んでみてもらいたいです。悲しい話もありますが誰一人として不幸になっていないのが坂口尚らしい。この人の作品を読むと「純粋」という単語が思い浮かびます。子供の頃は誰だってそうだったと思いますが、大人になっても純粋な心を持ち続けていようとするその気持ちが自分にあるかどうかを問われているような気がするのです。下巻に収録されている「夜の結晶」で、鉱石や隕石みたいな美しい結晶のように生きるにはどうしたらいいか主人公が問いかけていたのが印象に残りました。12色物語坂口尚
かしこ2021/09/03スランプになった漫画家が再起するまでどこまで本当の話か分からないけど面白かった!スランプに苦しんでる1巻より、漫画家としての仕事が充実してきた2巻の方が読み応えあるかも。いつか読もうと思ってた「拡散」が月産7ページ、年1連載、6年かけて完成した作品だって知らなかった…。これは心して読まねば…。「拡散」の元担当さんが度々登場して結構厳しいことも言うんだけど、小田ひで次の一番の読者はこの人なのかもと思うような愛情を感じましたね。岩手にある実家の本屋が閉店する時に小田ひで次、黒田硫黄、五十嵐大介、小原愼司の合同サイン会をしたって話は本当なのだろうか。笑っちゃうくらい豪華だな〜!平成マンガ家実存物語 おはようひで次くん小田ひで次1わかる