かしこ2021/11/092巻の展開がすごい1巻はゼロ戦乗りだった作者の祖父から聞いた話を漫画化したものです。お国の為に戦う!という気持ちではなく、田舎の11人兄弟の末っ子として産まれた自分が成り上がるにはこれしかないと思い、海軍航空隊に志願した…というフィクションじゃないリアルな話が読めます。ただ1巻はよくある戦争漫画の域を出ていません。ここで読むのをやめてしまう人もいるんじゃないかと思います。 元々は1巻で完結する予定でしたが約5年後に2巻が出ます。きっかけは祖父と同じ余科練で訓練を受けていた男性が漫画を読んで手紙をくれたことです。そこで祖父からは孫である作者に語られることがなかった更なる戦争のリアルを聞くことになります。この”2人”のゼロ戦乗りの話をぜひとも映像化してほしいです!零戦少年葛西りいち2わかる
かしこ2021/11/08初めて華倫変を読んだぞマンバで華倫変のページを見ていて、ただのファンが書いたようなあらすじ(こうした題材を取り上げながらも、ただ暗いだけでなく、かといって分かりやすいハッピーエンドにも行かずに話を進め、絶妙な感覚を引き出します。たまに救いを感じさせるのが凄いですね。)が気になって読んでみました! 華倫変って今もカルト漫画家として有名だし気になってる作家だったけど、致命的に痛いとかグロい話はないのに、夜に読んで寝たのに朝起きたらダウナーな気分が残ってて、なるほどこういうことか…と理解した。でもあらすじ以上の感想が書けなかったので、他作品を読み込んでから出直したいと思います。高速回線は光うさぎの夢を見るか華倫変4わかる
かしこ2021/11/07ゆる〜いけど一周まわってすごくいい短編集な気がしてきたデビュー作「なんきん」も収録されてる短編集。デビュー作に今現在の真造圭伍の面影がなくて人に歴史ありだなーという趣きを感じたけど、描けば描くほど磨かれていってどんどん面白くなっている。特に後半の3編「スワン」「お部屋さがし」「台風の日」はしみじみよかった。どれも終わり方それ?!って感じがいいね。「台風の日」ではセリフに違和感なくスチャダラパーのサマージャム95の歌詞を入れててカッコよかったな。これがこんな風に出来るのは真造圭伍だけかもしてないって思ったな。「お部屋さがし」に出てくる不動産屋のおっさんに既視感があったけどやっぱり笠辺哲のキャラクターのオマージュだったのか!台風の日真造圭伍2わかる
かしこ2021/11/06とにかく読んでみたGIGANTの完結巻が出たら一気読みしよ〜と思ってるので、これまでの奥浩哉先生の漫画をおさらい中です。「ゼロワン」ってあんまり評判を聞いたことないけど、電書にもなってるし、読めるやつは読もう!と思って読んでみました。 格闘技が得意な女の子アロアちゃんが登場して、主人公がネロっていう変わった名前をしている意味はそういうことだったのね…と判明し、だんだん面白くなってきたぞ〜!いよいよこれからだ〜!ってとこでブッツリ終わるので何事かと思って調べたら、Wikipediaに「製作のためコンピューターの投入、スタッフの育成で資金が枯渇、その上人気も得られなかったため自発的に連載を途中で中断した」って書いてあった。そうか…自発的なのか…!! 「HEN」も最初の方は一体どんな漫画なのか分からないような始まりだったし、徐々に面白くなっていきそうだったけどなぁ…。01<ZERO ONE>奥浩哉2わかる
かしこ2021/11/05不時着した星で嫁ができて英雄になるフリーター地球から他の惑星へ行き来できるようになった近未来、宇宙間の運送業をしている「ひまわり運輸」で働いてるフリーターの高市は、業務中の事故で地図にも載っていない見知らぬ星に不時着してしまう。そこにはカエルのような宇宙人?が暮らす村々があって、高市のことをものすごく手厚く歓迎してくれるのだが、どうしても地球に帰りたい高市は鬱屈した日々を送っていた。しかし人間の姿をした可愛い女の子を見かけたことがきっかけで、この世界の秘密を知っていくこととなる…! あらすじにしたら小難しくなっちゃいましたが、後書きにも「子供の頃にらくがき帳に描いてたような漫画ができた」とあるように、子供みたいな無邪気な発想で、大人が読んで楽しいロマンスやアクションが描かれていています。面白かったです!高市と一緒に遭難した社員の山本さんがラーメン屋を開業して成功するくだりが好きでした。みどりの星真造圭伍2わかる
かしこ2021/11/05卯月妙子さんの最新作「人間仮免中」以前の卯月妙子さんが20代の頃のお話です。2003年から連載が企画されて1話目は掲載されたものの、その後は「ネームを描く→症状悪化→入院」を繰り返して断筆されていたものが、2021年に完成、めでたく出版!!という経緯があるそうです。個人的には3つの章に分けられて、それぞれの面白さがあると思っています。まずは旦那さんの自殺がきっかけで最初の病院に入院するところ、次に警察に保護してもらって入院した別の病院で他の患者さんと交流するところ、そして退院後にそれまでの出来事を漫画にするまで、です。 最初のエピソードを読んで「自分には合わないかも…」と敬遠してしまった人も、卯月さんの目線で語られる他の患者さんの話がすっごく面白いので、絶対に最後まで読むことをオススメします。酔っ払って警察を殴っちゃった人が精神的に異常はないけど捕まるよりいいだろうって入院させられてきたりとか、そんなこともあるんだ!?って驚くことが明るく楽しく描かれています。なかなか漫画が描けなくて苦心するクライマックスでは、漫画というものの核心に触れるような深い話がありました。とにかく濃密な一冊です!!鬱くしき人々のうた 実録・閉鎖病棟卯月妙子3わかる
かしこ2021/11/04大人になっても続く友情ってこういうことだな何もない田舎町だったのにいきなり火山が噴火して温泉が湧いたことで全国から注目される観光地になってしまい、多感な時期にアイデンティティーが混乱しちゃった男子高校生の富山君とその親友の桜島君の友情物語です。 クライマックスで町おこしの祭りの夜に2人で火山に登って火口にロケット花火を打ちにいくんですが、ヘタすりゃ死ぬような状況での2人の興奮が伝わってきて、読んでてこっちまでハイになって笑いが込み上げてきました!面白かったです。ぼくらのフンカ祭真造圭伍7わかる
かしこ2021/11/03るきさんの生き方こないだ「自分はるきさんの性格に似てるってよく言われるけど全く嬉しくない」という人に出会ったんですが、私はるきさんという作品の魅力はあの生き方にあるし、読んだ人は全員憧れるものだろうと思っていたので衝撃でした!その人曰くああいう地に足がついてない生き方は好きじゃない、自分はどちらかと言えばエッちゃんタイプの人間だと思うとも言っていました。もしかしたら嫌いな人にそんなことを言われたから悪印象になってしまったのかもしれないなぁ…と思いつつ、よくよく考えたらあれってバブルの終わり頃の漫画だから今と感覚が違うところも結構ありますね。るきさんは在宅で病院の保険の計算の仕事をしていてるけど、計算が得意だから1ヶ月分を1週間で終わらせて、あとはのんびり暮らしてる。でも今それを東京で一人暮らしで出来るかって言ったら出来ないもんな(それが出来るのはエッちゃんタイプの人な気がする…)。その人はそういうことを言ってるのかもしれない。でも私は自転車に乗りながらおせんべいをかじったり、突然イタリアに飛んでっちゃうようなるきさんにやっぱり憧れる。地に足がついてない方が自分でも予想がつかないことが起きて、より人生が楽しくなるってことがあると思うから。るきさん高野文子3わかる
かしこ2021/10/29漫画家がスーパーのレジ係をやってみた!ネット広告で「おやなるもの 断崖」が再ヒットする前の曽根富美子先生が、50代で仕事もお金もなくなりスーパーでレジ係のパートを始めていた…という、ほとんど実話漫画です。とはいえ曽根先生の性格が明るいので悲壮感は全くなく、気軽に楽しく読めて面白かったです! 漫画家として自由業の経験しかない人がいきなり50代で接客業をする度胸がすごいですよね。最初は失敗ばかりで曽根先生のドジっぷりにハラハラするんですが、途中から同じ新人仲間の女性と仲良くなって…しかも女子中学生のように2人でキャッキャッしててとっても楽しそうなんです!曽根先生の印象に残ったお客さんの話も面白かったな〜。レジより愛をこめて~レジノ星子~曽根富美子1わかる
かしこ2021/10/27「幻魔大戦」読んでみたこないだNHKの「100分de石ノ森章太郎」の再放送を観ていて気になったので読んでみました。番組では「現在では漫画家というよりコンセプターとして石ノ森先生のDNAが受け継がれている」と話されていて、確かに今読むと古い作品という印象が強く残りますが、たまにハッとするシーンやアイディアがあって、これが現在の少年・青年漫画の源流なんだなぁと思いました。未完であることを知った上で読んだのですが、あまりにもいいところで終わってるので逆にインパクトがありました。 主人公・東丈のお姉さんが幻魔大王に殺されてからも残留思念になって丈を助けてくれるんですが、美人で優しくてトキワ荘のマドンナだった石ノ森先生の早逝されたお姉さんを彷彿とさせて泣けました。幻魔大戦石ノ森章太郎 平井和正1わかる
かしこ2021/10/23読めばハイになれる今まですぎむらしんいち作品をちゃんと読んだことなかったので、まずは短編集から!と思って読んでみました。めっっっっったくそ面白いですね!!!!今日はこれを読むまでイマイチな一日だったのですが、おかげさまで超元気になりました。あらすじにも「気持ちよくなるのに、ヤボなドラッグなんていらねぇ!」とありますが本当に効きますね(笑)。悪寒がしたら葛根湯の代わりにこれを読めば風邪をひかないんじゃないかな? どの短編も面白かったけど「小林君」「少女カメラ」「パパが地球人を辞めた日」が特に好きでした。「小林君」は今までクラスで一度もしゃべったことない小林君が転校するからと言って宝の地図をくれる話なんだけど、子供が上手く描けてる漫画は自分も子供になった気持ちで読めるんだなぁって思いました。「少女カメラ」も子供の話だけど、最後に女の子がその日に撮った写真がズラッと出てくる演出がかっこよくてシビれた…!「パパが地球人を辞めた日」はただただ爆笑です。もしかしたらこれが一番好きかもしれない。 「タクシードライバー」は映画をそのまま現代日本風にオマージュ?していて、なんか読んでて目からウロコって感じだった。令和になってから見なくなったけど漫画に出てくる元日本軍のじいちゃんって面白いですよね。そんなじいちゃんから上京する時に護身用にもらうことでピストルを手に入れるってのは、これぞ日本版「タクシードライバー」の正解だと思いました。 巻末に「RANGAI★バラエティbyけらえいこ先生」と書いてあるけど、これは「BUN BUN BUN」の欄外にあるイラストエッセイのことなのだろうか。言われてみるとけらえいこ先生のタッチな気がする…。意外な交友関係だ。ALL NUDEすぎむらしんいち1わかる
かしこ2021/10/18天ないのよさを伝えそびれた最近「りぼんの好きな漫画ランキング」で1位のちびまる子ちゃんに次いで、2位が天使なんかじゃないだったという記事を読んで、自分も全くリアルタイム世代じゃなかったけど「高校生になったらこんな青春がしたい!」と思いながら読んでたなぁ〜、今の時代もそうなのかなぁ〜と感慨深くなりました。 そのことを職場の人に話そうと思ったらその人が未読だったので、ネタバレしないように概要を説明しようとしたところ「高校生活3年間の生徒会メンバーの話」「観覧車でキスするシーンがある」しか時間的に言えなくて、すごく凡庸な漫画みたいになっちゃったなぁ…と反省しました。「義理の兄を探しにインドに行く」まで言えたらよかったかもしれない…。天使なんかじゃない矢沢あい1わかる
かしこ2021/10/17笑いのセンスが融合してるこんな漫画があるなんて知らなかった。爆笑問題とおおひなたごうの組み合わせってすごく合ってる。20年も前のものなので太田と田中の見た目が若すぎることに違和感はあるけど、時代的なものじゃない笑いのセンスの部分では充分に楽しめた。お互いに今も漫才やってるし漫画も描いてるのすごいですね。「あしたの爆笑問題」での田中の片玉ネタが最高です!高度なギャグでありつつSFでもあるな〜と思いました。またこの組み合わせで漫画をやってほしい。バクマン!おおひなたごう 爆笑問題2わかる
かしこ2021/10/14山田芳裕の初期短編集天才が天才になる前の短編集。荒々しさはあるけどハズレなしで全部が面白い!特にギタリスト木田の壮絶ギタープレイが見れる「木田」と、表紙作の「泣く男」が好きだな。「泣く男」は表紙のイメージよりもシンプルで単純なストーリーなんだけど、ピカソの名画「泣く女」が出てきたり所々の演出がカッコいい。 でもこれを描いた人がこれから日本で1.2を争うくらい面白い漫画を描くようになるって予見できるかって聞かれたら、自分にはそこまでの審美眼はないって思う…。山田芳裕が美大に落ちたって話を知って、自分も優れた才能を見過ごしてるのかもしれないと思いました。泣く男山田芳裕1わかる
かしこ2021/10/11オシリーナもなかなかの変人だよね1巻の表紙を見た時に「あれ?これ子供の頃に読んだことある気がするなぁ…」と思いながら読んでみて、社内ハイキング中にオシリーナの尻を目撃するシーンで確信に変わりました「この尻覚えてる…!」と。せっかくだから改めて本腰を入れて読んでみるかと思ったら、主人公の丸麻照男と自分の誕生日と血液型が一緒なことが判明した。全く嬉しくないけど何となく他人事とは思えなくなるから不思議だ…。ただガンマに感情移入しちゃうとすごく読みにくくて困る(そして意外と長い!)。暇つぶし位がちょうどいい漫画なので気が向いた時にコツコツ読もうかな。鉄人ガンマ山本康人1わかる
かしこ2021/10/06メンツが豪華すぎるしエピソードはどれも珠玉!!生い立ち〜ホラー漫画家になるまでの道のりをインタビューして漫画化したものです。本人が描いた自伝ではありませんが、宮崎克の取材力とあだちつよしの漫画力によって本人が描くよりも読み応えのある伝記物になっています! 以下、ひとこと感想メモです。 【1巻】 古賀新一…手塚治虫も登場するし本家マンガ道と同じくらいウルッとしました。 日野日出志…何を思いながら「蔵六の奇病」を描いたかの話が読めてよかった。 伊藤潤二…漫画家になる前は歯科技工士だったことも、デビュー作が「富江」だったことも知らなかった! 犬木加奈子…普通の主婦がホラー漫画の女王と呼ばれるまでになったのは文字通り人生をかけてたからだったんだなぁ…。 【2巻】 御茶漬海苔…編集長に言われた一言が衝撃的すぎる。今だったら大問題になってると思う。 諸星大二郎…本人のインタビューもあるけど諸星大二郎だけ編集者の証言で構成されてる部分が多いので、インタビューでも寡黙だったんだろうなって思った(笑) 外薗昌也…霊感があることも含めてホラー漫画家のイメージそのままの人だと思った。 近藤ようこ…高橋留美子と同級生なことは有名だけど、本人から語られる話を読んだことがなかったのでとても貴重だった。今も交流があるんだなぁ。怪奇まんが道あだちつよし 宮﨑克
かしこ2021/10/05ネタバレなんだこれは1巻も強烈だったけど2巻がすごい。1巻は実在した戦国時代の武将・清水康英の元にものすごい怪力の持ち主・寿が嫁に来たところから始まり、初めての出産も1人でこなしてピンピンしてる等の仰天怪力エピソードが続きますが、この驚きを2巻は軽々超えていきます。2巻からは子供達の話が中心になるんですが、怪力遺伝子を継いだ三男、武士なのに芸術の道に走ってしまった長男、どっちもヤバいです…!三男のエピソードについては平田弘史先生からの命を繋ぐという大きな意味での性教育なんだと思いました。そう思うしかない…。この後の長男の話にはギターコードが出てきましたが、まさかの首代引受人の登場に「クロスオーバーだ〜!!」と興奮しました。見たことない漫画を読んでみたい人にオススメです。怪力の母平田弘史5わかる
かしこ2021/10/03BL初心者でも読みやすいオススメされたので読んでみました!BL初心者でも読みやすく、すごくピュアな話で心が洗われました。漫画に刺激を求めがちになって心が麻痺していたので生き返ったような気持ちです。メタモルフォーゼの縁側で市野井さんとうららちゃんが読んでいるのもこういうBLなのかな。続編もたくさん出ているようなので読みます!ひだまりが聴こえる文乃ゆき
かしこ2021/10/02ネタバレ瞬間的には傑作だった去年、ある人に「ステイホーム中にあしたのジョーを読みました」と話したら「3大ボクシング漫画はあしたのジョーとがんばれ元気と僕 BOKUだ」と言われて、1年間すっかり忘れてたんですが急に思い出したので読んでみました。 平凡を絵に描いたような高校生の鈴木ひろしは普通であることがコンプレックスでしたが、同級生の訳あり美人との出会いがきっかけでボクシングを始めます。こうして今まで普通の生活をしていたからこそ気づかなかった才能が活かされていくのですが、その1つが「躊躇なく人を殴れる」だったりします。ただボクシングの試合でこれが出来なければ負けてしまうので実は重要なことでもあるのです。 訳あり美人や最強のライバルとの関係が中途半端で終わってしまったので消化不良がハンパないですが、主人公の「いじめられっ子だったとか、不幸な生い立ちだとか、そんなバックボーンに頼ってる野郎なんかたいしたことねぇ。本当に怖いのは普通なのに闘うと強い人間だ。」とか「リングじゃ他人に気を遣う必要なんてない!!いい奴に思われたいなんてそんなのはボクサーじゃない!!憎くもない人間を殴り倒す…サイテーの奴がサイコーの世界だ!!僕が主役だ!!」というセリフにはグッときた。瞬間的に傑作になっているシーンは多々ある。 もっといいラストはあったと思うけどあれはあれでいいと思います。バッドにもグッドにも解釈できるラストなんじゃないでしょうか。ただ3大ボクシング漫画の1つにこれを選ぶのは「普通じゃない」ですね。今度会ったら理由を聞いてみます。僕 BOKU山本康人8わかる
かしこ2021/10/01「座敷女」ってストーリー性が高いですよね一回目に読んだ時は「ひええ〜怖ええ〜!」とただただ震えますが、二回目からは「なんてよく出来たストーリーなんだ…!」という感動も生まれますね。ホラー映画というよりは学校で友達から聞く怪談の怖さに近いんですが、絵で全部見てるはずなのに想像力が掻き立てられるような演出があってより怖くなります。そういえば口裂け女だって人間なのか人間じゃないのか分からない存在でしたね。「座敷女」も創作の域を越えて本当の都市伝説になっていてもおかしくないのに…!こういう怪談の「オリンピック選手並みの身体能力で追いかけられる」はあるあるですが、主人公の友達が互角に戦えてるの面白くないですか?座敷女望月峯太郎
かしこ2021/09/28武富健治ファンにもオカルト好きにも読んでほしい「緻密な現場取材に基づく実話漫画」のあおり文句に惹かれて購入しました。漫画実話ナックルズなどに掲載された短編漫画が収録されています。各話それぞれライターなり記者の方の原作があってそれを武富先生が漫画化されたものです。テーマも「稲川淳二の怪談」「都市伝説」「村の因習」「死刑囚」などオカルト好きにはたまらないものばかりです。嘘みたいな話でも掲載元が漫画実話ナックルズなのが絶妙な信憑性を感じさせてくれます。私は「稲川淳二が見たロケ地の怪現象・ふたりの子供」と「秘境と因習・謎の邪教集団クロの真相」が怖かったです。武富先生が稲川淳二のファンらしく気合が入ってるのか稲川淳二の顔がリアルすぎてお化けより怖かったです。武富健治実話作品集 狐筋の一族武富健治 ナックルズアンソロジー6わかる
かしこ2021/09/27真鍋昌平の原点真鍋昌平の経歴を見てみると、四季賞の前に渋谷パルコのフリーペーパーが主催した漫画賞でしりあがり寿賞を受賞してるんですよね。え?なんでしりあがり寿?作風が全然違うじゃん!って違和感があったんですけど「青空のはてのはて」にその受賞作が収録されてて読んで納得しました。最初はしりあがり寿が好きそうな作風だったんですね。逆にいえば今の商業的に成功してる作品の根底にはこのアーティスティックな才能があるんだなと納得しました。この「青空のはてのはて」を読めば「闇金ウシジマくん」を描くに至るまでの道筋が見えてくるので、漫画は作品よりも作家を重視して読む方にオススメです。 個人的には「最後の居場所」という作品が一番好きです。絵柄も「青い春」の頃の松本大洋っぽくて自分好みだし、拾ったネズミがトラックに轢かれる描写とか見せ方もカッコいい。原点回帰みたいな感じでまたこういう漫画を描いてくれないかな。青空のはてのはて真鍋昌平
かしこ2021/09/26哲学的な侍見た目は野武士みたいで全然賢そうに見えないのに、歴史、文学、芸術、哲学とジャンルを問わず博識で、おまけに剣も強い主人公。絵柄は今と変わらないけどまだ上手くはないので少し読みにくいところはあるかも。でも山田芳裕節は最初から完成されてたんだなと思った。特に女の口説き方がカッコいい!考える侍山田芳裕1わかる
かしこ2021/09/26ウチヤマユージの初期短編ウチヤマユージさんの初期短編が収録されています。全部テイストが違いますがどれも面白かったです。私が一番好きだったのは一人暮らしのおばあさんの一日を描いた「ちりぬるを」ですね。優しいおばあさんの穏やかな暮らしぶりにほのぼのしながらも最後にヒヤッとさせられます。表題作の「夏の十字架」は登場人物が全員悪人なんですが意外な終わり方でした。ウチヤマユージさんの可愛い絵柄にダークな内容っていうのがギャップがあって面白いのですが、めちゃくちゃリアルな絵柄の人が描いたらどうなるんだろうとも思ったりしました。夏の十字架ウチヤマユージ2わかる