ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
以下のボタンから感想を入力することができます(別ウィンドウが開きます)
感想を投稿
完了する
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
田亀源五郎さんの新作は、男性同士の友達以上恋人未満の関係性とグルメマンガとしてのふたつの軸を楽しめる一粒で二度美味しい作品です。 読切で描かれたお話が連載化された作品ですが、それもそのはずでメインキャラクターのふたり、アキラとコージの息衝きが非常にヴィヴィッドです。あとがきで田亀さん自身が「お、こいつらよく動くぞ」と語っていますが、本作はこのふたりの掛け合いだけでも十二分に成立しています。1巻完結ではありますが、何ならこの後もずっと追っていたいほどの良き存在感があります。 アキラは営業職で、食べる方の専門。 コージは在宅のフリーランスで、世界各国のさまざまな料理に精通している料理上手。 気心の知れた友人同士であるふたりですが、コージの卓越した調理技術によってアキラは次第に胃袋を掴まれていきます。恋愛において、料理ができるというのは本当に強いアドバンテージだなと思います。側から見ている私ですら、コージの作る料理はとても美味しそうで食べてみたくなります。逆に、アキラが美味しそうに食べてくれるのがとても喜ばしいコージの気持ちも伝わってきます。 中には、コージがアキラの手料理を食べてみたいと簡単なレシピを教えて作らせるお話も。「シンガポールチキンライス」はお手軽で美味しそうなので、その内作ってみたいです。 個人的には、初めてギリシャに行った時に食べてとても美味しく思い出に残っているものの日本ではなかなか食べられない「ムサカ 」が、作中にガッツリと登場して嬉しかったです。自分ではあの味を上手く再現できないのですが、ギリシャ名産のミソスビールと併せてまた味わいたいものです。 食というのはひとつの生活の中心なので、その時間を笑顔で幸せに過ごせる相手というのは理想だと思います。美味しい料理を作ったのにアキラが目の前におらず思わず食べたときの反応を想い描くコージや、逆に持っていく食材があればコージの所へ行けるのにと考えるアキラの通じ具合が良いです。日々の逢瀬に始まり映像作品を一緒に観たり、デートをしたり、男性同士が心を通わせ合って行く作品として細かいシーンの積み重ねで想いが募り行く構成が堪りません。 単行本ではふたりの出逢いのエピソードが描き下ろされていますが、お互いがお互いのどんなところに興味を持ち、そして惹かれて行ったのかが解る内容で非常に良かったです。連載を楽しんで追っていた方は必読でしょう(加えて、裏表紙もかわいいです)。 なお、本作は意識的にコロナ禍下の日常であることが強調されて描かれています。ウクライナ情勢に言及するシーンもあり、そうした中でのふたりの関係性を描いており正に「今」を切り取った作品でもあります。それ故に、ふたりの存在感のリアルさもまた重みを増しています。根幹にあるものは変わらなくても、時代の変化にしっかりとアジャストしていく田亀源五郎さんの物語作りの真摯さを感じるところです。 一冊で一旦の完結を見ていますが、最初にも述べた通りこの続きにあるであろうふたりの平和で尊い日常をまだまだ追って見ていたくなる、そんな作品です。
兎来栄寿
兎来栄寿
『魚と水』のクチコミ投稿
クチコミで好きなマンガを広めよう!
話題の種類
「マンガのクチコミってどうやって書けばいいの?」という方へ!選んだ話題の種類に応じて書き方のヒントになる例文を表示します。
クチコミのヒントを表示する
タイトル
本文
魚と水
魚と水
田亀源五郎
田亀源五郎
あらすじ
コージが作ってアキラが食う!ご飯を食べる時も、ドラマを見る時も、公園に出かける時も、いつも二人で――。気の合う友達は、最高の「パートナー」でした。ゲイ・エロティック・アートの巨匠・田亀源五郎による『弟の夫』『僕らの色彩』に続く一般作品第3弾はコロナ禍の男同士の食卓を描いたグルメマンガ!
魚と水の情報の提供お待ちしてます!
掲載している内容の誤りや、この作品に関するおすすめの記事、公式情報のリンクなどはこちらからお送りください。みなさまのご協力をお願い申し上げます。
テヅコミ

テヅコミ

手塚治虫生誕90周年を記念したマンガ書籍が新創刊! 『どろろ』『リボンの騎士』『奇子』などの名作を人気作家がトリビュート! 過去の手塚治虫作品も収録! 月刊・全18号予定。 ■漫画 『サーチアンドデストロイ』(原作:どろろ) カネコアツシ 『新約・リボンの騎士』(原作:リボンの騎士) 武礼堂[村正みかど・宮本ろば・はまむらとしきり] 『亜夜子』(原作:奇子) 九部玖凛 『懊悩! マモルくん』(原作:マグマ大使) しりあがり寿 『チョコっとドラキュラ』(原作:ドン・ドラキュラ) えのきづ 『とらわれのエデン プライム・ローズ』(原作:プライム・ローズ) 蒼一郎 『和田ラヂヲの火の鳥』(原作:火の鳥) 和田ラヂヲ 『治虫の国のアリス』 上野顕太郎 『グルグルギューン』 史群アル仙 ■小説 『青いリボンと銀の髪』(原作・リボンの騎士) 小説:古瀬風 イラスト:高梨りんご ■海外作家・特別参戦! 『プリンセスナイト』(原作:リボンの騎士/ローマの休日) マウリシオ・デ・ソウザ 『ハートレス』(原作:ブラック・ジャック) 脚本:ジョー・ケリー 作画:ケン・ニイムラ ■対談企画 『ラララのお茶の間』 手塚るみ子 イラスト:つのがい ■コラム 『まんがの神様が教えてくれたこと。』 堀江貴文 『どろろ』などの名作を人気作家がトリビュート! 過去の手塚治虫作品も収録!
僕らの色彩

僕らの色彩

高校生の井戸田宙(いとだそら)はゲイを自覚しつつも、クラスメイトの吉岡健太に「好きだと」告白できずにいた。もやもやと過ごしていたある日、宙が海辺で佇んでいると見知らぬ年配の男性から「好きだったと」告白される。突然の出来事に驚きながらも、「あの人もげいなのかもしれない」とすがるような気持ちで後ろ姿を追いかけ… 「弟の夫」の田亀源五郎、待望の新作がついに発売。
弟の夫

弟の夫

ゲイアートの巨匠、田亀源五郎、初の一般誌連載作品。弥一と夏菜、父娘二人暮らしの家に、マイクと名乗る男がカナダからやって来た。マイクは、弥一の双子の弟の結婚相手だった。「パパに双子の弟がいたの?」「男同士で結婚って出来るの?」。幼い夏菜は突如現れたカナダ人の“おじさん”に大興奮。弥一と、“弟の夫”マイクの物語が始まる――。