名作を超えてしまった漫画
浅田次郎の短編小説「鉄道員」「ラブ・レター」の2作品を、ながやす巧先生が漫画化して1冊にまとめた作品。 究極的に美しい表現、真に迫った人物描写により、原作や映画以上の感動があります。(小説版は良くも悪くも、いつもの浅田次郎節で読んでしまって、そこまでの感動はなかったのと、映画版はもちろん良い映画なのですが、高倉健さんの存在感が強すぎるのと、広末が苦手だったのでちょっと…) 巻末あとがきにて、浅田次郎氏から作品への惜しみない賞賛が送られており、「芸術観が覆った。神ですらこれほど美しい風景は容易に造れぬであろう。」と芸術性の高さを論じています。また、「後世に残るとすれば漫画作品の方であろう」とまで言わしめてしまうから凄い。そして後年、「壬生義士伝」でもタッグを組むことになります。 電子書籍になっていない為、読むなら手に入りやすい文庫本を買うのが良いですが、できることなら単行本サイズで読みたい作品です。