名作を超えてしまった漫画
浅田次郎の短編小説「鉄道員」「ラブ・レター」の2作品を、ながやす巧先生が漫画化して1冊にまとめた作品。 究極的に美しい表現、真に迫った人物描写により、原作や映画以上の感動があります。(小説版は良くも悪くも、いつもの浅田次郎節で読んでしまって、そこまでの感動はなかったのと、映画版はもちろん良い映画なのですが、高倉健さんの存在感が強すぎるのと、広末が苦手だったのでちょっと…) 巻末あとがきにて、浅田次郎氏から作品への惜しみない賞賛が送られており、「芸術観が覆った。神ですらこれほど美しい風景は容易に造れぬであろう。」と芸術性の高さを論じています。また、「後世に残るとすれば漫画作品の方であろう」とまで言わしめてしまうから凄い。そして後年、「壬生義士伝」でもタッグを組むことになります。 電子書籍になっていない為、読むなら手に入りやすい文庫本を買うのが良いですが、できることなら単行本サイズで読みたい作品です。
うっかり電車の中で読んでしまい周りにバレないようにこっそり泣くのが大変でした。主人公の鉄道屋の乙松さんを映画では高倉健が演じていましたが、高倉健よりもながやす巧先生が描いた乙松さんの方がかっこいい。これはマジで!ただホームに立ってるシーンで泣けてくる。ちょうど寒くなってきて今年も終わりだなって今の時期に読むのにぴったりでした。(一緒に収録されてるラブ・レターは女の人が美人すぎて共感できなかった…)