かしこ2022/04/03コードネームはセクシーボイス将来はスパイか占い師になりたい中学生のニコちゃんが七色の声を操れる特技を活かしてテレクラで金を稼ぎながら人間観察をしていたところ、その才能に惚れ込んだ裏社会の権力者であるおじいさんから大小様々な依頼を受けるようになります。 第1話の「今救えるのは宇宙で私だけ」から始まり、心掴まれる名シーンが多いんですよね〜!特に私が好きなのは三日坊主の件で落ち込んだニコちゃんがとある一人暮らしのおばあさんを訪ねる第11話です。 日頃から本棚のいつでも見える場所に置いていますが久しぶりに読み返しました。やっぱり何度読んでも面白いです!完結はしていませんがそれを望む必要がないくらい今のままで完成されている作品だと思います。セクシーボイス アンド ロボ黒田硫黄1わかる
かしこ2022/03/28ネタバレベルばらより好きという人がいるのも納得です1、ベルばらと同じく本当は女だけど事情があって男として育てられた主人公という設定。 2、冒頭で語られるオルフェウスの窓の伝説が「そこで出会った男女は恋人になるが、悲恋で終わる」というものなので、最終的に別れることが分かってる状態で読むことになる。 3、とにかく長編。第4部まであり、舞台はドイツ、ウィーン、ロシアと広がるから、役割のある登場人物も多くなってくる。 読んでみると上記がマイナス面として気になるのですが、最後まで読むと「全部が必要不可欠な要素だったんだ!」と分かることでしょう…。もちろん池田理代子先生の代表作といえば「ベルサイユのばら」だと思いますが、漫画家として描きたいことを描き尽くした作品は「オルフェウスの窓」なのかもしれないと感じました。まさに大河ドラマなので一日で読もうとせずに数日かけて読むのをオススメします。オルフェウスの窓池田理代子4わかる
かしこ2022/03/22せっかくなので読んでみた「刻刻」全8巻を読み終わった流れで読んでみました。この一話に110円は高いような気がしますが、あの人本当にキャバクラで働いてんだなってことが知れただけでもよかったかなぁ…。『刻刻』番外編 ―300日後―堀尾省太
かしこ2022/03/22ものすごくタイ料理が食べたくなるガパオ、カオマンガイ、ソムタム…めちゃくちゃ美味しそうなタイ料理がたくさん出てくるので、読んでると猛烈に食べたくなっちゃいます!タイ料理を美味しそうに描く選手権があったら優勝すると思う。それくらい魅力的な描写です。 ただ物語の大枠の設定が「スパイシー・カフェガール」とほぼ一緒なのはなぜだろう…。同じ作者さんが同じような内容を他誌で描くってよっぽど「描きたい!」ってことなんだろうか。面白いからいいけどさ。スパイスビーム深谷陽1わかる
かしこ2022/03/21普通の家族を襲った「悲劇」久しぶりに「テセウスの船」を読んだので、他の人の感想を見にマンバに来たところ発見した読切です。今も公開されてて嬉しい!休日の朝、これからキャンプに出かけようとしている幸せそのものの家族のところに怪しい男が訪ねてくる…という不穏なストーリー。この作者さんは今連載している「プラタナスの実」もそうだけど、普通の家族を描くのがとても上手いなぁ。だからそういう家族が危険な目にあいそうになるとハラハラしちゃうんだよね。いつか引くほど怖いサスペンスを描いてみて欲しいな…!家族東元俊哉1わかる
かしこ2022/03/19映画好きすぎボーイの恋 #読切応援ここ最近読んだ読切の中でダントツ好きです!!映画ネタがふんだんに盛り込まれていて、作者さんの「好き!」がたくさん詰まっているのが読んでいて楽しい作品でした。もちろん自分の知らない映画もあるんだけど、知らなくても楽しめるからとってもいい作品だと思います。個人経営のマニアックなレンタルビデオ屋でツウな作品をちゃんと分かって借りてる同じ大学の女子を見かけたらそりゃ恋に落ちるよ〜!うらやましいぜそんなシチュエーション!つい面白すぎてこの2人がこれからどんな映画を作ろうとするのか続きを想像してしまいます。続編を読めたら嬉しいな〜。恋はシャローフォーカス永田光起1わかる
かしこ2022/03/17タイムスリップしてビートルズになるもしもビートルズよりも先にビートルズの曲でデビューしたら、彼らは新曲を作ってくれるんじゃないか…そんな罪深い思い付きを2010年から1961年にタイムスリップしてしまった日本のビートルズのコピーバンドが実行してしまいます。この壮大なテーマの空想実験の結末が気になってたまらなかったので秒殺で読み終えてしまいました。タイムスリップした未来人が歴史を変えてしまうなんてタブーですが、主人公達の「新曲が聴きたい」っていう気持ちには純粋なものがあるので責められないですね。「東京オリンピックも開催前の日本からデビューして世界で活躍するなんて出来るのだろうか?」みたいな細かい疑問も「ビートルズの曲だったら可能でしょ!」という説得力があるので吹っ飛びます。あと終わり方もオシャレで好きでした。僕はビートルズかわぐちかいじ 藤井哲夫1わかる
かしこ2022/03/15意外な終わり方をする一応ギャグ漫画なので幸江に不幸なことが起これば起こるほど面白いんですが、最終的にはそんな幸江が誰よりも幸福な人なんじゃないかと思えるようなどんでん返しがあり、それまでの面白いが感動に変わります。自虐の詩業田良家
かしこ2022/03/13刑務所を楽しんでるムショ仲間の中には刑務官に可愛がられようとする人もいるんだけど、そういう人の話を聞いて「…ああおとなだわな心にグラインダーかけてるわ」「ちゃらついてるムショオタクとはえらいちがいだわな毎日火花散らして生きてるわな」と思ってる花輪さんの姿が印象に残りました。心にグラインダーかけてたらこんなに面白い漫画は描けないだろうからこれでいいんじゃないだろうか。続けて「刑務所の前」も読もうと思います!刑務所の中花輪和一1わかる
かしこ2022/03/10主役がロシア美女姉妹でもいつも通り大阪人の父親、亡くなったロシア人の母親の連れ子だった姉妹、父親と母親が結婚してから生まれた弟、ちょっと不思議な家族構成だけど仲はとってもいいんです。ロシア人の血を引いてる美人姉妹のダリやんとナス子ちゃん(本名はダリアとアナスタシア)がいいキャラしてはります。そんな2人の職業は網戸なんかに刺繍するアーティスです(なんか分かんないけど現代っぽくていいね!)。途中から「セケンノハテマデ」の主人公モーちゃんとダリやんが自然な流れで恋仲になるのが面白かったな〜。あれからモーちゃんがバツイチになってたのには驚きでしたが…(銀座でホステスしてたあのお姉さんとまだ続いちゃってんのかな?とか妄想しちゃいました)。チラッと「誰も寝てはならぬ」のハルキくんのビーズ刺繍作家のお姉さんも登場されてましたし、サライネス作品は読み込むと楽しいですな。ストロベリーサライネス1わかる
かしこ2022/03/09バンドマンのごくごくフツーな日常漫画そーっと(?)メジャーデビューしたロックバンドの日常漫画。元製薬会社の営業マンだったモーちゃんを筆頭にマニアな音楽好きが喜ぶような曲をやってるカッコいいバンドなんだけど演奏シーンはあんまりない!とはいえ単行本の最後ではドレスコーズの志磨涼平とかフジファブリックの名前があったので取材はしっかりしてるのかも…?もしかしてステージに立ってない時のミュージシャンのリアルってこうなのかッ!!?という面白さが読み終わってからジワジワ湧いてきました。読み返すのが楽しみだ。ちなみに1巻にはねねちゃんと巴ちゃん、3巻にはゴロちゃんとマキオくんの「誰も寝てはならぬ」メンバーも登場します。セケンノハテマデサライネス
かしこ2022/03/08父娘ネタの短編ギャグ伊藤理佐先生のデビュー作。当時は女子高生(17歳)だったそうです。当たり前だけど絵が全然違う!!線も細くて「ザ・少女漫画」な絵柄です。でも読んでると今現在の完成された伊藤理佐作品に繋がるものを感じ取れます(こないだ読んだ「渡る世間はオヤジばかり」も父と娘のギャグ漫画で面白かったです)。雑誌に掲載されたリアル父娘インタビューや日記コラムなども収録されていました。内容云々というよりも人に歴史ありを体感する面白さがありますね。お父さんの休日伊藤理佐1わかる
かしこ2022/03/06「蛮勇引力」読んでみたあらすじにすると2050年の近未来の日本は20世紀末にウィルスが蔓延した影響で政府が社会も人間もサイボーグ化しようとするのを主人公の由比正雪が阻止しようとする話です。 正直細かいところを理解しないまま勢いで読んでしまったのですが、巻末の作者インタビューを読むとそれも不正解じゃないのかもしれない気がしました。特に誰かが言ってたという「山口は蛮勇が終わってから読者に媚びるようになった、蛮勇の頃は伝わらなくてもメッセージを発し続けていた、その方が凄いんじゃないか」の言葉がまさしく『蛮勇引力』という作品の魅力を物語っていると思います。蛮勇引力山口貴由2わかる
かしこ2022/03/05誰もいなくなってしまった世界で…ある日突然世界で一人ぼっちになってしまった少女ミヤコのお話。基本的にはシュールなギャグ4コマ漫画なのですが、たまにミヤコが夜寝る前に絶望したり、そういうリアリティのある心理状況と非現実的なギャグのバランスがちょうどよくてクセになりました。初めから独特な世界観ですがフラミンゴになってしまった元少年のオンノジが登場してから更にそれが加速していきますね。今までに読んだことないような漫画だと思ったのと、作者さんもあとがきで語られていたように飛行機のシーンがとても印象に残りました。オンノジ施川ユウキ3わかる
かしこ2022/03/05嫌いなキャラが1人もいない #推しを3行で推すめちゃめちゃ面白かった。読み始めると面白いから熱中しちゃって気づいたら3時間も経ってて窓の外が暗くなってることがザラにあって「時間泥棒…!」と思ったこともあったけれども、10巻くらいから読み終わってしまうことが悲しいけど面白くてやめられないという嬉しい葛藤を抱えながら読んでました。 東京赤坂に会社があってデザイン業をしていてたまに大きい賞をもらったりして実はカッコいい人達なハズなのに、漫画の中では真面目に働いてる時の方が珍しいのがヘンテコで面白いんですよね。しかも主要人物が大阪出身者ばかりなので会話もノリも関西風なのです。 嫌いなキャラクターが1人もいないんだけど、好きなキャラクターを強いて言うなら①オカちゃん②ヤーマダくん③シモヤナギさんかな。この3人が出てくる話は個人的に「当たり」でした。夏は恒例で日本画の大家であるハルキくんのおじいちゃんの仕事の手伝いでお寺の天井画を描きに行ってるのも毎回の楽しみだった。誰も寝てはならぬ Nessun dormaサライネス6わかる
かしこ2022/02/26記憶喪失のままプー太郎生活in板橋北海道に住んでいた信也は高校を卒業してすぐに2個下の恭子と結婚するが、恭子が東京に行くという手紙を残して家出したので探しに行く途中で記憶喪失になってしまう。たどり着いた板橋区の商店街で定食屋の娘・今日子といい感じになり、何もかも忘れたまま東京で生きていこうとしたところで恭子と再会する…。 途中で本筋から離れた展開が大盛り上がりするので「これどうなるんだ…」と内心不安になりつつだったのですが、最後は夢中で読みましたね。 麻雀が激ヨワなせんべい屋のじーちゃんとか、タレント志望のパチプロの24歳とかサブキャラも魅力的だった。「HOTEL CALFORINIA」のモトコも出てきて元気(?)にキャバ嬢やってたのでよかった。東京プーすぎむらしんいち2わかる
かしこ2022/02/26「衛府の七忍」読んでみた「シグルイの藤木源之助っぽい人が登場してる」と教えていただいたので読んでみました。本当に出てきた!もしかしてこれまでの山口貴由作品の登場人物が結構出てるのかな。ようやく7人揃った〜!いよいよこれからだ!!ってところでいきなり完結したのが斬新だった…。これは何年後かに新章が描かれたりすることもあり得るのだろうか。桃太郎が投げた犬が爆発するところで一番笑いました。衛府の七忍山口貴由5わかる
かしこ2022/02/22宇宙人兄弟の東京生活移住計画を実行するべきか調査する為に地球に送り込まれた宇宙人の兄弟のお話。地球人に変身して任務を遂行するんだけど、弟は要領がいいのに兄はすごく不器用なんです。でも実は兄自身は知らされていない重要事項があって…?! 塩分を取り過ぎると身体が溶けちゃうくらいのゆる〜いSF設定が気軽に読めてちょうどいい。大学生になりすましてる弟のゆるいチャラさも、フリーターの兄のゆるい生活っぷりも読んでて楽しかった。あと猫もたくさん出てくる。もしうちに遊びに来た人に「面白い漫画ある?」って言われたらこれかラブラブエイリアンを渡したいな。トーキョーエイリアンブラザーズ真造圭伍
かしこ2022/02/20お父さんでも平田弘史のままだった!平田弘史って家庭ではどんな感じなんだろう…?という好奇心で読んでみました。私が想像していた以上にとても家族仲が良くていいお父さんでした。家族もお父さんのキャラクターを楽しんでるって感じがします。後半からは平田弘史節が炸裂していくのですが、毎回ひとことコメントを寄せている奥様はどんな話題にもしっかり自分の意見を返していてすごいと思いました!いいご夫婦ですね。 しかしこれがヤングマガジンで連載されてたなんて驚きです。解説に『古くからのファンには賛否両論を呼び、著者を知らないヤングマガジンの大多数の読者からは困惑された』とあって笑いました!そりゃそうだ。でも連載を決めたのが由利さんだったと書いてあったので大納得(由利さんについては「20世紀のアフタヌーン ~由利編集長のはなし~」で知りました)。色んな意味で面白かったです。平田弘史のお父さん物語平田弘史
かしこ2022/02/19「駿河城御前試合」に興味を持ったので読んでみた「シグルイ」のクチコミを投稿したらオススメの漫画として表示されたので読んでみた。「駿河城御前試合」って本当はこんなに長い話なんだ…!というのと、どんどん内容がカオスになっていくので衝撃を受けました。斬られることに興奮する性癖を持ってるヤツの話が一番インパクトがあったかも。墓石を斬らせるのは一休さんのトンチかよ!みたいな別の面白さがあったけど…。作者さんの後書きも含めて読んでよかったと思った作品でした。腕KAINA~駿河城御前試合~森秀樹 南條範夫3わかる
かしこ2022/02/19「シグルイ」読んでみた面白いから一気に読めちゃうんだけど一瞬一瞬の絵から伝わってくる気迫が尋常じゃなくて一気に読むのが勿体無いと思いながらじっくり読みました。全15巻なのに一話目のあのシーンはいつになったら始まるのか後半からはドキドキしてましたが、そんな心配が吹っ飛ぶようなクライマックスでしたね…!痺れるようないい終わり方だったと思います。藤木はこれからどうなるのか気になるから続編があったらそれは嬉しいけど…。誰もが知っている名作ですし私ごときに語れるものは何もないです(マンバにも熱いクチコミが他にたくさんあるのでそちらをぜひ読んで下さい)…!!シグルイ南條範夫 山口貴由4わかる
かしこ2022/02/17吉野朔実先生の鋭さが満載だった主人公の名前「瞳子(とうこ)」がそのままタイトルになっていて、ちょっと不思議な名前なのでどういうお話なのかイメージしづらいと思いますが、大学を卒業しても働かずに実家暮らしをして気の合う友達とダラダラ遊ぶ毎日を過ごしている瞳子の日々を描いた話なのです。ただこの瞳子という人は吉野朔実先生の若かりし頃がモデルになっているので感受性がとても鋭いんですね。 働いていないので日中は専業主婦の母親と二人っきりになるのですが、全く趣味が合わないので喧嘩ばかりしてしまうんです。しかし友達の母親は中国茶を嗜むような趣味人で瞳子はそんな彼女に憧れるのですが、ある日お茶をしながら「戦争で苦労しなかった私は本当に神様に愛されていたんだと思います」と言われたことがきっかけで「それじゃあ空襲で火の中を走らなければいけなかった自分の母親は神様に愛されていなかったということだろうか?」とふと考えてしまい…というのが第1話。親子関係を描いた話の中でもなかなかの鋭さでした。瞳子吉野朔実
かしこ2022/02/13耽美なミステリー死んだKの葬式をしている同じアパートの住人達。しかし肝心のKの死体はそこにはなく行方不明なのだった。Kが住んでいた301号室に引っ越してきた主人公のミカヤは、夜な夜な夢の中にKが現れるようになったことがきっかけで死体探しを始める…。 愛蔵版の発売をきっかけに読んでみました!楠本まき先生は漫画家さんの中でも印刷や紙の材質にもこだわりのある方だと思うので、これから読む人は出来れば愛蔵版をゲットした方がいいかも。特に赤が美しかったです。 代表作の一つでもある「Kの葬列」ですがまさかミステリーだとは知りませんでした…!でもこれは楠本先生にしか描けない世界観。まさに耽美。肉屋や人形作りの女、そしてモルクワァラを回収する青年…K以外のアパートの住人も謎めいていて引き込まれました。Kの葬列楠本まき1わかる
かしこ2022/02/08現代の正統派ガロ流れるような夜の風景が印象的な漫画です。芸術を志している学生の苦悩を描いた話でどれも一話完結なのですが、登場人物には繋がりがあったりしてみんな同じ大学の学生だということが分かります。作者の身の回りのことがモチーフになっていると思うのでどうしても私小説みたいな感じで受け取ってしまうのですが、だからこそ往年のガロの名作達に近いものを感じました。でもそういうガロの作品では不安や焦燥感を持った若者が何かしらのアクション(女の人とドロドロの恋愛したりとか…大人しそうに見えて血気盛んな感じ?)を起こしてたと思うのですが、「アイコン」の場合はそういうエネルギーが自分の内側に向かっていくのでよりセリフや線が少なく洗練された印象を持ちました。ちなみにタイトルの「アイコン」とはLINEのアイコンのことです。そんなことも含めて今っぽいガロだと思いました。 青林工藝社の漫画だから紙で買うしかないのでおかしなことを言ってしまうことになるのですが絶対紙で買え!それくらい装丁もカッコよかった。特にカバー下。アイコンモリノダイチ1わかる