かしこ2022/07/24100年ぶりくらいに読んだ「MONSTER」高校生くらいの時に読んだ記憶はあるけど、ヨハンが悪い奴ということ以外を全部忘れていたので、まっさらな気持ちで読めて面白かったです。正直「こんなに登場人物多いんだっけ?!」とは思ったけど。だから記憶のキャパシティ超えちゃったんだなぁ…。 大人目線で読むと長編漫画を飽きさせない工夫がたくさんあるのが分かりました。序盤は一話完結の短編として読ませるようなクオリティ高い話(テンマの元婚約者のエヴァがお屋敷を燃やすエピソードが好き)が多いし、終盤は読者をミスリードさせる展開が巧みだった。自分は全部引っかかって「え〜!そっち〜!?」ってなったので楽しかったです。 一番好きなキャラクターはルンゲ警部かな。最後まで読むとヨハンには「あんたちょっと繊細すぎやしないかい…?」と言いたくなりました。MONSTER浦沢直樹3わかる
かしこ2022/07/20ネタバレジャンルで言うとサスペンスシンプルなタッチの絵なのでサラッと読めますが内容的にはかなりショッキングかも。逆に「レッド・シンブル」みたいなサスペンスが好きならオススメです。 大学院生の主人公には外出先でよく遭遇する気になる男性がいます。ひょんなことから友人が同じ大学に通っていること、彼には同性の恋人がいたが何者かに殺された過去があることを知りますが、それでも彼に会える気がして遺体発見現場の川辺りを歩いていたところ変質者に襲われてしまいます…。そこへ気になる彼が通りかかったことがきっかけで2人は会話をするようになるのです。 ここから更に残酷なことも起こりますが、2人ともが過去から脱却することが出来たラストの読後感は爽やかでした。愛の時間やまじえびね1わかる
かしこ2022/07/19大ヒット漫画家の正体は元○○○この感じで漫画家マンガなんだ?!というのがまず面白い。 漫画家の芥先生は刑務所にも入ってたことがある元ヤクザで、実は大ヒット作「隻眼の阿修羅」は先生の自伝だったのだ!その秘密を知ってるのは初代担当でもある編集長。そしてなぜか2代目担当に任命された新人編集の三原さん。 事情があるヤクザ仲間の子供達を引き取って育てている人情派の芥先生と、漫画に興味がないギャルの三原さん。2人の凸凹感も楽しい。なんで編集長は三原さんを2代目に指名したのかは今のところ不明…。 自分の感覚的には「漫画家:ヤクザ=5:5」って感じでちょうどいいです。しかも芥先生がすでに売れっ子なので、他の漫画家マンガとは違う視点の話もあるのが好き!チリアクタ木村航3わかる
かしこ2022/07/17対局中も雑念だらけのプロ棋士頭カラッポにして読めちゃう癒しマンガでした。私もついつい上の空になっちゃうタイプなので花四段に好感が持てます。絶対に運転とかしない方がいいタイプですよね。でも花四段は対局中に他のこと考えてても結果的に勝つからすごい!さすがプロ棋士! 対局の内容にまでは触れないので将棋のルールを知らなくても全然OKでしたが、思ったよりも外枠はちゃんとしてるかも?花四段と幼なじみの話が好きだな〜。ちょいちょい阿佐ヶ谷姉妹が登場するのもフフッってなります。花四段といっしょ増村十七2わかる
かしこ2022/07/16青野春秋のあたらしい群像劇 #1巻応援コミックDAYSで1話目を読んだ時にめちゃくちゃ暗い話なのかな〜と思ったけど、単行本でまとめて読むとそんなに暗い話でもなかった。トランクの中に爆弾を積んでる個人タクシーの運転手を始め、出てくるのは問題アリな人ばかりだけど笑えるシーンもあるから救いがある。話が進むに連れて登場人物の6人がそれぞれに繋がりを持ち始めて、1巻の終わりで「この6人が一堂に集う時に…」という予告があったのが興奮した。同じく群像劇で言うと「100万円の女たち」も面白かったので期待大!みんなのうた青野春秋
かしこ2022/07/16踊れなくなった天才バレエダンサーバレエダンサーの漫画。天才ダンサーのバクはある日突然舞台に上がれなくなってしまう。公私共にパートナーであるミチルは優しくバクのことを見守りますが…。バクと関係を持ったと噂される年上の振付師の女性や、ミチルと同じアパートに住んでいる占い師のおばさんなど、淡々としたストーリーの中に何かが起こりそうなスリルが潜んでいるのが面白いです。ダンスシーンは少なめですが、ダンサーの肉体美を堪能できる美しい作品でした。鳥のように飛べるまでやまじえびね1わかる
かしこ2022/07/13このまま連載してほしい!面白かった〜!なんとなく高橋留美子先生のギャグ感に近いものを感じました。「ちゅどーん」が似合いそうな作家さんですね。ちなみに保川君が男らんまで折金君がリョーガっぽいなって思いました。 攻めてるところは攻めてるのに、ほんわかしたその人ならではの印象が残るのは、作家性がちゃんとあるからなんだろうな。このまま8pのショート漫画で続きを連載して欲しい。へんだな恋かなはちヨシミ4わかる
かしこ2022/07/09やべー漫画好きな人にオススメ!!ゾウ、ライオン、ワニ…合計16種の動物達が地上最強の座をかけて戦う格闘技漫画。個人的に「ムジナ」もそうだったけど相原コージの漫画って最初はのめり込みにくいんだけど3巻くらいからノンストップで読んじゃうね。動物の生態についても格闘技の知識量もすごくて読み応えがあった。これでグロくなかったら子供にもオススメなんだけど、ここまでやり切ってくれたからこその面白さがあるから大人になってからぜひ読んでくれって感じだ。逆にグロ過ぎて大爆笑でした!!真・異種格闘大戦相原コージ2わかる
かしこ2022/07/02不思議と繰り返し読みたくなるいつか読んでみたいな〜と思いつつ、2017年に復刊した青版でさえも古本屋で7500円になっているのを発見して絶望していましたが、私と同じような人がたくさんいたのか、めでたく再復刊!ようやく手に入りました。 ウワサの名作とあって期待値は爆上がりでしたが、いざ読み終えると頭の中が「?」になりました。率直に言うと「思ってたのと違う!」みたいな。でも誰が読んでも1回目はそういう気持ちになるんじゃないかな。 なんて言ったら適切なのか分からないけど、ストーリーの展開の仕方がすごく独特で、シーンの間に繋がりがなくて点を見せられてるような。しかも核心には絶対に触れないの。だから2回目からは点を線にしたくなるし、あえて描かれなかったことに思いを馳せちゃう。 ストーリーの分かりにくさと、ヒロイン・麗花の内面の複雑さがリンクしているのが、読後感をさらに高めますね。明るくポップで悲しい話でした。踊るミシン 2022Final伊藤重夫4わかる
かしこ2022/07/01刺激と癒しが絶妙なバランスのエッセイ漫画1巻の作者がこれまでに遭遇してきた数々の露出魔のエピソードからパンチがあって面白かった。その後の予知夢をよく見るという話も不思議だったけど、縁もゆかりもない知らない人の墓参りをするのが趣味っていう話を読んで「いいことも悪いことも原因は全部それなんじゃない?!」と思った。パニック発作を発症した話も26歳でソープランドマガジンの編集長になった女性の話もすごく印象に残った。作者が住んでる堀切にあるお店のキムチおにぎりはぜひ食べに行ってみたい。荒呼吸松本英子1わかる
かしこ2022/06/27育児は大変だ育児系webサイトで連載されていた漫画。連載時に書き込まれた匿名コメントが単行本にもちょいちょい載ってるんだけど、自分も何気なく読んでスルーしちゃったことが叩かれてたりして育児は大変だと思いました。あとはカラスヤ先生がお子さんと買い物中に声をかけてきた怪しい若夫婦の話が印象に残りました。育児に疲れた人をああいう風に勧誘するのかな…怖ッ!オレなんかが親になって大丈夫か?カラスヤサトシ2わかる
かしこ2022/06/251巻だけで面白いを確信できる #推しを3行で推す・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 突如としてゾンビになるウィルスが蔓延してしまった東京。その中心にある歌舞伎町のラブホが舞台ってのが面白い。登場人物の客も店員もヤバそうな人しかいない。 ・特に好きなところは? 主人公には猟奇的殺人を犯した過去があって、いわゆる元少年と呼ばれるような人物っていう含みがあるところ。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! まだラブホの室内から一歩も出てないけどめちゃくちゃ面白い。不死と罰佐藤健太郎4わかる
かしこ2022/06/25長野の山奥で育った伊藤理佐先生の自伝予想以上にぶっ飛んでて面白かったです。近所の猟師さんがお裾分けしてくれたキジをお母さんが蕎麦にしてくれるんだけど食べてると散弾銃のかけらが出てくるとか、中学の学校行事の登山は命懸けで生徒全員が事前に20キロの米を担いで登校して訓練するとか、よく飲み会なんかでも地元話で盛り上がることありますけどこれは優勝だなってエピソードばっかりでした。田舎ネタだけじゃなくて個性的な両親や衝撃的な思い出など伊藤理佐先生のタッチで読むからより面白かったです。ハチの子リサちゃん伊藤理佐
かしこ2022/06/19作画がすごい「天使」と呼ばれる得体の知れない何かに襲われるパニックホラーもの。天使は増殖して人間の身体と精神を侵食していきます。天使に侵されたOLがオフィスでカッターナイフを振り回すシーンがめっちゃ怖かった…。でもストーリーうんぬんよりも画面構成とか見せ方がカッコいいのでそっちメインでオススメしたい。臥夢螺館福山庸治3わかる
かしこ2022/06/181話目からパンチがあってオススメ文春オンラインのサイトをわざわざ見にいってるくらい好きな連載です。山本さほ先生ご本人が巻き込まれたトラブルを語るエッセイ漫画なのですが、マジで心配になるやつ、笑える話、共感できる話とバラエティ豊かなのが特徴です。私が好きなのは謎のTwitterアカウントに粘着された話と、おぎぬまXさんが赤塚賞に入選するまでの経緯を語った話と、最近だと百貨店勤務をしていた時に出会ったお客さんシリーズが好きですね。人間ってヤバいですね(いい意味も込めて)!あとがきに「描きたいことのほとんどが炎上しそうで漫画に出来ない」とあったのがすごく気になりました…!きょうも厄日です山本さほ1わかる
かしこ2022/06/18最先端のお笑い芸人漫画はこれでしょ! #推しを3行で推す作者さんが学生お笑いをされていた方なので細かいところにリアリティがあります。特に作中の漫才のネタが面白いのが高ポイント!! お笑いコンビの「高峰渋谷」は養成所で出会ってから6年、お笑いファンの間では知る人ぞ知る存在になっていましたが、渋谷の家庭の事情により解散してしまいます。一般企業に就職してお笑い芸人だったことを隠しながら生活していた渋谷でしたが、映像作家兼イベンターになった元相方の高峰から「社会人向けのお笑いイベントを主催するから参加しよう」と声をかけられたことがきっかけでコンビは復活。平日は会社員、週末は芸人の二足のワラジを履くことになります。 テレビで毎日お笑い番組を観てるし好きな芸人さんもいるけどライブに行ったことないライトなお笑い好きの自分にとっては知らない世界なので勉強になります。きっかけがあればすごくバズりそうだと思っているイチオシの漫画です。週末芸人久保田之都3わかる
かしこ2022/06/13紡木たく先生だからこそ出来た作品ほぼコマ割りなしで全てがモノローグで構成されているような作品です。この作品を最初に出版した編書房さんが今はもうないらしくて、検索して見つけた編集雑記によると『本書の編集でいちばん戸惑ったのはネームでした。著者にとっては、「文字も絵である」という思いを私がなかなか理解できなかったのです』とのこと。すごい境地だ…!それを漫画として成功させるのはかなり困難だったはず。それでもこの作品はコミックスとして発売されているし、読んでいて漫画ではないと思うことはなかったです。言葉に感情を込めることが出来る紡木たく先生だから可能にしたのかも。12年の休筆期間を感じさせない瑞々しい作品でした。マイ ガーデナー紡木たく1わかる
かしこ2022/06/11隠れた名作「みんな生きてる」「るみちゃんの事象」と同時期に描かれた作品。大傑作と代表作に挟まれてみんな忘れてるかもしれないけど私は大好きです。やべー奴に常識人が振り回されるっていうお馴染みのスタイルですが、やべー奴「かばやし先輩」と対等にやっていけてる「水野くん」がすごいキャラなんですよ〜。一見すると眼鏡をかけた地味男子ですがママチャリで暴走族を束ねています。警察とぶつかる事もあるほど凶暴な集団ですが、組織名が「メンメン」で(笑)。クチコミを書いていたら色々思い出が溢れてきてまた読みたくなりました。かばやし原克玄1わかる
かしこ2022/06/11この作品にしかない「優しさ」があります読みながら泣いている。というか自然と涙が出てくる作品です。自分は今のところ悩みもないし幸せ者だなと思っていたのですが、気づかない内に心が疲れていたようで、そういうところをさりげなく自然に労ってくれる優しさがこの作品にはあります。まさに主人公の宝石セールスマン・孤野さんはそういう人で、3巻での彼のセリフ「宝石は生活必需品じゃないし、腹のたしにもならないけど、人の心の中心にポッと灯をともすことができる物。そういう場面が時々あるんだ。」がこの作品の全てを物語っていると思いました。この度は電子書籍で復刊されましたが、ぜひ紙版でも出して欲しいです。ずっと手元に置いておきたいし、色んな人に無理やりにでも読ませたい。読むべき人がたくさんいる作品だと思います。原色宝石図鑑藤田律5わかる
かしこ2022/06/09私的には☆5の短編集いつも本棚のすぐ取り出せるところに置いてるんだけど久しぶりに読んだ。喜怒哀楽の行間にあるような絶妙な感情や情景を描いてる話が多くて、こういうのって小説とか映像だと形になりやすいんだろうけど、漫画で描こうとする人は少ないですよね…。だからとても貴重に感じて、この漫画を本屋で見つけて初めて読んだ時は「出会えた!」という気持ちになりました。久しぶりに読んで一番心打たれたのは、中学生女子が国語のおじいさん先生に読書感想文の指導を受けることになる『谷後先生』という話。まだ大人になりきっていない主人公の未熟さとひたむきさに心打たれました。あんな時が私にもあったよ…。幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい黒谷知也2わかる
かしこ2022/06/05「劇光仮面」読んでみた異質な漫画ですよね…。読んでて殺気立ったものを感じます。「シグルイ」は血飛沫だったり手足が吹っ飛んだり「動」の殺気でしたが、「劇光仮面」は圧倒的に「静」ですね。それがどこから来るのか…怪人達の怨念なのか、実相寺の空っぽさから来るのか…。それともこれから動き始めていくのか?先の読めなさも含めて気になる作品です。 劇光服の想いや祈りを損なわずに正義の味方になれるのは実相寺のように空っぽの器を持っている人だけなのだろう。けれども実際に戦える仕様になった劇光服を着た特美研はある事件によって廃部になってしまっている。もし実相寺が劇光仮面に変身する事態が起きたとしても切通がいない今、彼を止められる人はいるのだろうか?あと実相寺のお母さんもすごく訳ありっぽいな…。 これまで特撮にあまり縁がない人生だったのですが読んでて困ることは特になかったです。大学時代に特撮サークルの人に「じそうじあきおの映画を観たよ」と言ったら「じっそうじだよ!!」とブチギレられたことを思い出しました。劇光仮面山口貴由6わかる
かしこ2022/06/03本の虫 ミミズクくんの感想 #推しを3行で推す・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 読書好きな少年ミミズクくんが読んでいる本の選書センスがいい。自分が読んだことがない本でも置いてけぼりにされないストーリー構成になってるので安心して楽しめます。 ・特に好きなところは? ミミズクくんに読書の楽しさを教えてくれたおじいちゃんが好き。教えてくれたっていうか家族全員に読書を強要するのでミミズクくん以外には煙たがられてるけど(笑) ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 本が好きな人、本を読むことの楽しさを知ってる人、ちょっと変な漫画が好きな人におすすめです。紙で買ったらしおりのおまけが付いてきたよ。本の虫 ミミズクくんカラシユニコ2わかる
かしこ2022/06/03これからの上達に期待☆デジタル作画に挑戦することになった川原泉先生のエッセイ本。私自身も「CLIP STUDIOのことクリスタって言うんだ!へぇ〜!」レベルのアナログ人間なので、意味を理解しないまま読んでるところも正直あるのですが、川原先生は私より意味を分かってないまま描いてると思う。まさに「デジタル原始人」のタイトルに偽りなしです!!福田素子先生のお力添えがなかったらこの一冊は完成しなかっただろうな…。結局のところ何も上達しないまま完結している気がしますが、アナログ作画に必要なスクリーントーンは他の漫画家さんにあげちゃったらしいし、とにかく完全移行して新作を描こうと思われているようです。ちょいちょい挟まってくる川原先生の変人エピソードも面白かった。デジタル原始人☆川原泉川原泉 福田素子2わかる
かしこ2022/05/31人によって好きな短編が違いそう私はシンプルな話が好みなので「カラスと少女とヤクザ」「きっとかわいい女の子だから」が好きでした。両方とも収録されてる作品の中でも超初期の方で、それぞれアフタヌーン四季賞の入賞作と大賞作となっています。展開的にはシリアスですが、デビュー作だからこそのモノローグの研ぎ澄まされ具合とかがあるのでぜひ一読して欲しい。遠藤浩輝短編集遠藤浩輝