かしこ2022/09/16夫婦合作!!元々2人のファンだったのでご夫婦と知って大興奮しました!私の勝手な妄想ですが夕飯時に晩酌しながら漫画談義とかしてそう…。後書きで嫁のかき揚げが美味いって惚気ていてニヤニヤしました。岡村星先生が作ったネームを沙村広明先生が直してくれるってエピソードが語られてましたが、ストーリーもお互いの意見を取り入れて作ってるんだろうな。収録作品全て面白かったです!! 以下、個人的な作品ごとの感想です。 「樫村一家の夜明け」引きこもり息子の苦悩が真面目に語られるところからの親父の本気が炸裂するぶっ飛んだ流れが面白すぎる。何回でも読みたくなる。 「アンチ・ドレス」自分が作ったドレスによってSNSの裏アカで虚勢を張るような女の子になってしまった…と気づいたファッションデザイナーの男が「俺が新しい呪いをかけるんだ」というところ。女達が本来持ってる魅力を活かすことも「呪い」と言うのがいいな。ファッション業界の話だから「何であんな色の口紅が流行ってるんだ…?」とかワードセンスも洗練されていてカッコよかった。 「ミッシングコード」すごい深い話だった。人間はみんな罪深いって本当その通りですよ!今年読んだ漫画の中で一番刺さったかも。樫村一家の夜明け沙村広明 岡村星8わかる
かしこ2022/09/14女同士の三角関係やっぱり表題作が一番の力作というような感じはする。レズビアンのカップルと、2人に憧れている女の子の話です。でもカップルの1人が男性と結婚すると言って関係を解消してしまいます。誰が悪いとかそういう描き方はされてなくて、3人それぞれ同じくらい感情移入しました。どんなカップルでもこういう事は起きるんだろうけど、女性だけの関係性から生まれる独特の空気感がよく出ていて印象深かったです。 他の収録作も同性愛・異性愛に関係なく絶妙な恋愛の話ばかりで面白かった。やまじえびね先生はどの作品のあとがきでも率直に語られていて好きです。sweet lovin’ babyやまじえびね4わかる
かしこ2022/09/11知らない町を歩きたくなる散歩に出かけようと思ってするんじゃなくて、たまたま出かけた先の知らない町をそのまま散歩する。ストーリーもほとんどなくてただ淡々と散歩している作品なんだけど、普段は何気なく通り過ぎてるような平凡な町並みもここまで丁寧に描き込まれるとすごく特別なもののように感じますね。夏目房之介先生のマンバ通信の記事を読んだ後だと尚更そう思いました。人の手で描いてることすら信じられないのに、ほとんど修正ナシで描かれているという事実に改めて驚きです。それをなんてことない事のようにやってしまうのが谷口ジローなんだなぁ…。 https://manba.co.jp/manba_magazines/16154散歩もの谷口ジロー 久住昌之3わかる
かしこ2022/09/08最悪な休暇を過ごした女主人公は女性で雑誌編集者をしています。やりたい仕事はできてるんだけど、激務と日々のストレスが溜まりすぎて常にイライラしている。そこで一週間の休暇をとって離島で一人旅をすることに。でも行ってみたら島全体がさびれてて全然楽しくない。宿のオーナーは食事にハンバーガーしか出さないサーファー野郎だし、もう一人の宿泊客は自分以上にイライラしてるババアだけ。マジで最悪だ!な感じで始まります。 前作の「LOW LIFE」なかなかダウナーな話でしたが今回はもっとかも?自分のいない間に後輩と彼氏はデキてるし、実は旅行前より最悪な状況になってるのでは…。なんだか旅行前に漬けダレに仕込んでおいた肉を揚げながらビールを飲んでた時が一番幸せそうだったよ。でも逆につまらなかった旅行の方が思い出に残ったりするからこれはこれでいいのかな。次回作も楽しみにしてます!LONG VACATION大嶋宏和1わかる
かしこ2022/09/04妖怪達から学ぶ人間の為の社会派漫画web掲載時にも読んでいましたが、単行本でまとめて読むとまた違う印象になるなと思いました。岡田索雲さんってギャグも面白いけど、社会派な一面もあるんですね。性加害や人種差別などの問題も茶化すことなく真面目に捉えてるんだけど、漫画としての面白みは損なわれてなくてすごい。そのさじ加減ってすごく難しいと思うんですが、あとがきを読むとその点については考え抜いて描かれているそうで、お人柄にも好感を持ちました。 web未掲載の短編「ようきなやつら」は精神病院が舞台なんですけど、背景にひっそりとサトリくんのお見舞いに先生がとらやの紙袋を持ってやって来てる描写があるのを見つけました。サトリくん早くそいつから逃げて…ようきなやつら岡田索雲6わかる
かしこ2022/08/29ネタバレ「おやすみプンプン」読んでみたおやすみプンプン重版のニュースを聞いて、恥ずかしながら初めて読んでみました。みんなが「読んだら鬱になる」と言っているのはこういうことか…! 私はプンプンに感情移入して読んだので、バドミントン部の先輩や高校時代にデートした蟹江ちゃんのような善良な人が真っ当なことを言ったり、手紙の差出人がママだと分かった時にすごくイラッとしました。 君に殺されたいって思うくらい愛子ちゃんに心酔してたのに、普通の日常に戻っている姿を見たのが何だか悲しかった。あのプンプンでもそうなのか。 もしかしてハッピーエンドになる選択肢って、あの日一緒に鹿児島に行く約束を守る一択しかないんじゃ…こんなことをずっと考えてしまいそうな読後感でした。おやすみプンプン浅野いにお5わかる
かしこ2022/08/28元受刑者11人を極秘に受け入れた町元受刑者11人の社会復帰の支援と地域復興を目的として、高齢化と人口減少が進んだ町が受け入れを決めましたが、このことを知っているのは市長と旧知の友人の計3人だけという極秘プロジェクトだったのです…! 1巻に収録されてる山上たつひこ先生といがらしみきお先生の対談で、山上先生のおっしゃった「元受刑者と市民の生理、皮膚感覚とのせめぎ合い」についての部分と、いがらし先生がより興味を持たれた「幸福のDNAと不幸のDNAの話」の両方が作品を読み解く上での大事なポイントになってると思いました。 元受刑者も中々の凶悪犯揃いなのですが、最後に教育委員長が起こした事件はびっくりしましたね。善良な人だと思ってたから尚更ドン引きしました。でも炎上したトラックが海に落ちたのを目撃したイジメられっ子が「生きてたらこんなすごいものが見られるんだ」と感動していたのには笑いました。羊の木いがらしみきお 山上たつひこ7わかる
かしこ2022/08/27やまじえびね先生の初期作品やまじえびね先生の初期作品が多く収録されてました。ちなみにデビューはLaLaだったそうですが、その後フィールヤングでも描かれるようになったとのこと。絵の拙さはあるけどテーマのようなものは当時から今も変わってないように感じました。お互いに近親相姦の経験がある男女が恋人になろうとする「いちご」という話が一番好きでした。夜を超えるやまじえびね4わかる
かしこ2022/08/21赤ちゃん天使と鼻毛神様同じ作者さんが別名義で描いた『とんがらし』が大好きなので読んでみました。『とんがらし』は新撰組のメンバーが少年だった頃の話で、掲載誌がモーニングなこともあり青年誌らしいヒューマンドラマです。しかし『ピカエル』はそれとは正反対のユーモアがあるおとぎ話になっています。赤ちゃん天使ピカエルの可愛らしさに癒されるのは言わずもがなですが、作品全体にまるでしがらみから解放されたような軽やかさがあるのは、1巻の後書きにあった「赤ちゃんだったことのあるすべての人のためのマンガを描こうと決めました」という思いが込められているからなのかなと思います。全然違う作風なのにどっちも面白いからすごいです!ピカエルさらみ4わかる
かしこ2022/08/20やっぱり評判通り怖かったバスケ部のエースで勉強もよくできる自慢の息子。しかしガールフレンドのストーカーから刺されたことがきっかけで何かがおかしくなっていく…サスペンスホラーです。いわゆる「狐憑き」って今で言うと精神的な病気だったんじゃないかってよく聞きますが『Sink』は逆で、世の中で起きる事件や事故は全て「彼ら」が原因だという話です。読み終わった直後はあんまり怖くなかったな〜と思ったんですが、なんて感想書こうかなと考えていて「彼ら」には血筋が関係するという点に気づいた途端にジワジワと怖くなってきました。血筋って逃れられないじゃんね…。ばーちゃんの東北訛りがホラー感を増し増しにさせてました。Sinkいがらしみきお3わかる
かしこ2022/08/20「インド夫婦茶碗」の新シリーズ1巻は一年半の休筆期間の話から始まります。休筆直前はとても大変だったんですね…。休筆中のイギリス一人旅はまさに魂の洗濯。青春時代の憧れのロックスターに街中で遭遇したり、ライブチケットが最前列のものだったり、帰国してからも色々あったけどりんこ先生に起きたラッキーは自分のことのように嬉しかったです。 2巻からはインドのバラナシに終の住処を買う話だったり、まだまだネタは盛り沢山なようなので「おかわり!」も長く続くシリーズになるといいな。ばーばがお元気なのも何より。インド夫婦茶碗 おかわり!流水りんこ2わかる
かしこ2022/08/16実は読んだことがなかった超人気エッセイ作者の流水りんこ先生が年に一度インドを放浪するのがハードな漫画家業の息抜きだったらしく、その時によく泊まっていた宿で働いてたのが後に旦那さんになるサッシーさん。10年程ずっと友達関係だったけど急にサッシーさんから国際電話で猛プロポーズをされて結婚し、りんこ先生の地元・練馬で暮らすことになったそう。 国際結婚ルポ漫画なんだけどサッシーさんの日本への順応力がすさまじく、後半は逆にインドに行くと体調を崩すくらい日本人らしくなっている(笑)。お子さん2人もずっと日本暮らしなので、もしかしたら出産漫画&育児漫画としての側面の方が強いかも?りんこ先生が仕事と両立させながら学校行事に奮闘する姿が輝いてました。 サッシーさんのお母さんが亡くなった時にりんこ先生とお子さん達はインドに駆けつけることが出来なかったのですが、家族全員で本当のお別れをしようと言ってガンジス川に遺灰を撒きに行くエピソードには泣けました。インド夫婦茶碗流水りんこ1わかる
かしこ2022/08/14私もこの物語の登場人物になりたい勝田文先生の作品に詳しい方にオススメして頂いた短編集です!お寿司屋さんやおでん屋さん、スイカを売り歩いたり、鴨鍋を食べたり…どれもシュチュエーションは激シブなのに、勝田先生の人物のタッチや小物のセンスが可愛らしいので、どのお話もドラマチックに感じられて「私もこの物語の登場人物になりたい!」と思わせられます。 最後に収録されているのが「クリスマスキャロル」のお話です。「Daddy Long Legs」を読んだ時にもそう思ったのですが、勝田先生は小説を漫画化するのがとても上手い!!名作文学の奥深さを損なわないことはもちろんのこと、勝田先生のキュートなセンスが加わることによって更に魅力的なお話になってるんです。これは電子化されてない「プリーズ、ジーヴス」もコミックスを集めて読まねばなるまい!と覚悟を決めました(笑)小僧の寿し勝田文7わかる
かしこ2022/08/11アンダーニンジャの感想 #推しを3行で推す・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 私も忍者になりたいです!マジでこんな馬鹿な感想になるレベルで面白いです。 あと「UN(アンダーニンジャ)」って敵側の名称かい!って思った。 ・特に好きなところは? 全部。脱力系の会話劇もバタバタ人が斬られていくアクションも全部好き! 吉田昭和先生みたいな変なキャラが出てくるのが楽しい! ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! アニメ化もめっっっちゃ楽しみです!!アンダーニンジャ花沢健吾2わかる
かしこ2022/08/10「少年の国」読んでみた「祝福王」と同時期に連載されていた主人公が教祖になる漫画ということで読んでみました。もっとオカルトっぽい話を予想してたけど宗教による洗脳の話でした。しかしこれがオウム事件の前に連載されていたのはすごい…。少年の国井浦秀夫3わかる
かしこ2022/08/10「祝福王」読んでみた主人公が教祖になる話ですが、超人的な能力がちゃんとあるので怪しい話ではありません。少年時代から正平閣の教祖になるまでは分かりやすくて面白かった。特にイベントに参加したおじいさんの戦争に翻弄された人生を舞いによって昇華するシーンが好きです。煉獄に行ってからは自分の理解を超える話になってしまいましたが、何万人の群衆シーンが毎回あってこれを週刊連載で描いていたと思うと圧倒されます。終わり方にも納得しましたが、礼子と橋本が同時に身籠った子供はどうなるのか気になりました。祝福王たかもちげん2わかる
かしこ2022/08/07ブラック横山光輝単行本のタイトルになってるだけあって「死神」が1番面白かったです。こういう主人公が死神になっちゃうオチってよくあるはずなのに上手いことダマされました。好奇心は身を滅ぼすっていうことよりも、前任の死神の消滅の仕方が後味悪いのが大人向けの漫画っぽくていいですね。2番目に好きなのは「汚れた勝負服」かな。ラスト1ページで主人公が極悪人だったことが判明するダイナミックさに驚いた。単行本未収録傑作集 死神横山光輝
かしこ2022/08/06ネタバレ新装版で読めばよかった映画にもなってたから大体ストーリーは知ってたけど読んだのは初めてだった。もう自分も年寄りになってしまったから、芽衣子が種田に「本当は音楽やりたいんでしょ?」って言うのが、種田を追い詰めてるようにしか見えなかったな…。だから信号無視して交差点を突っ込んでいったのも自殺なのかと思ってしまった。新装版にはその時の種田の気持ちについて作者コメントと、芽衣子の現在を描いた後日談エピソードが収録されているらしい。そっちで読めばよかったな。ソラニン浅野いにお1わかる
かしこ2022/08/05ゲラゲラ笑ってしまった1巻の表紙にいる3人って主人公じゃないんかーい!笑。ずっとタイトルと表紙のイメージで「やんごとなき一族」みたいな話かと思っちゃってたんですけど、全然違いますね。自分の勘違いが恥ずかしい…。これはもうむしろギャグ漫画ですね。木絵ちゃんの妄想のネタがくだらなすぎてゲラゲラ笑えるのが最高だった。なぜか弟の和正くんがおとぼけキャラになってるのがツボ過ぎる。木絵ちゃんと一緒にいたら幸せになること間違いなし!よかったですね光正様!高台家の人々森本梢子1わかる
かしこ2022/08/05「うずまき」読んでみた私の今更読んでないと人に言えない漫画ランキング1位の「寄生獣」に続き、2位がこの「うずまき」でした。 秀一君の存在がどんどんギャグになっていくのが面白い。でもラストまで読むと最初から最後まで秀一君はまともだったんだなってちょっと見直しました。 ヒトマイマイの交尾シーンが一番好き。衝撃的だった…!これを読みたいが為に何度でも読み返したいと思った。うずまき伊藤潤二8わかる
かしこ2022/08/04おざわゆき先生のお母さんの実体験名古屋大空襲を生き延びたおざわゆき先生のお母さんの実体験。空襲の前後に大地震があったことなども描かれていて、実際にそこに住んでいた自分と同じ庶民の感覚での戦争体験を感じることが出来た。主人公の家は貧乏だから仲が良かったクラスメイト達が進学した女学校に自分だけ行くことが出来なくて劣等感があったんだけど、学徒労員でも優遇されて戦闘機を作ってる三菱の工場で働いていた女学校の生徒達は真っ先に空襲で狙われて亡くなってしまったエピソードが悲しかった。おざわゆき先生のご両親はそれぞれに過酷な状況を生き抜いて来られたんだな…。5巻の巻末にはこうの史代先生との対談も収録されていました。あとかたの街おざわゆき1わかる
かしこ2022/08/04おざわゆき先生のお父さんの実体験当時19歳だったお父さんは東京で大学生をしていて、上野で落語を聞いて下宿先に帰るとお父さんが召集令状を持って迎えに来ていた…というところから話は始まります。しかし一度も実弾を撃つ事なく満州で終戦を迎え、そのままソ連の捕虜にされてしまいます。まだ収容所に向かう途中での畑のじゃがいもを掘り起こして泥がついた生の状態のものを食べるシーンからすでにその過酷さが伺えます。ようやく日本に帰国できた時に見えた緑の山々が美しかったという思い出は、ちばてつや先生もご自身の体験として漫画に描かれていたと思う。実際にあった恐ろしい出来事の話だけど直視できないような描き方はされていないので読もうか迷ってる人はぜひ。元々はコミティアで発表された作品だとは知りませんでした。新装版 凍りの掌 シベリア抑留記おざわゆき1わかる
かしこ2022/07/30「闇の土鬼」読んでみた赤ん坊の時から口減らしの為に土に埋められても生き返る強靭な生命力を持った主人公。その才能を見込んだ元暗殺者が技を仕込み育ての父となるが、組織の裏切り者として暗殺集団から殺されてしまい、土鬼と名付けられた主人公が仇を打とうとする話なんだけど…中盤で「父から教わったこの技を極めたい!」と土鬼が言い始めたところから様子が変わる。序盤はあんまり面白さが分からなかったけど中盤からは面白くてあっという間だった。結末が少年漫画とは思えないくらい渋いのもよかった。闇の土鬼横山光輝2わかる
かしこ2022/07/29姉っぽくない姉だな〜と思ってたけど…タイトルに「姉」が付いてる割には姉感のない主人公だよな〜と思いながら最初は読んでいた。年が離れていてタイプも正反対の妹はいるけどよくある「長女あるある」な話もないし…と思ったら、7巻でその謎が解けた。同時に、一見すると地味だけど仕事も出来るし美人だしかなりモテる主人公なのに愛されることを拒否しているのはそういう理由があったのかとも納得した。西炯子作品は大人になってから読むと更に面白い。「娚の一生」も読み返したくなった。姉の結婚西炯子2わかる